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4 隣の家の聖女
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話をしている間にミーイ様が戻ってこられた。
ディオン殿下が聖女代理の話などをしたという話を聞いたミーイ様は呆れた顔になって言う。
「リーニ様はこちらに来られたばかりなのですよ。それなのに、もうそこまでお話しされてしまったのですか」
「……彼女はこの国で頑張ると言ったんだ。それに聖女が嘘をつくわけないだろう」
「何を言っているんですか! ルルミー様という悪い例を目の当たりにしたではないですか」
「……悪かった。何かあった時には俺が責任を取る」
部下の意見に耳を傾けるのは当たり前のようでいて、貴族や王族の間では難しいと言われている。
部下は遠慮して言えずにいるし、上の立場に当たる人間も何でも言えと言いながらも、自分のやり方にケチをつけるなと怒り出す人も多い。
だから、ディオン殿下が怒らずに素直に謝っておられるところは好印象だった。
比べるのは失礼だとわかっているけれど、ノーンコル王国の国王陛下は明らかに間違っているとわかっていても指摘されるのを嫌っていたから余計に、そう思ってしまう。
酷かったのはその場で切り捨てようとした時だった。
聖女でも、即死だと治癒は間に合わないし、死んでしまった人を生き返らせるようなことはできない。
たまたまわたしがその場に居合わせて治癒魔法を施したから助かったけれど、そうでなければ、その人は今頃はこの世にいない。
「リーニ様、どうかされましたか」
過去のことを思い出して眉根を寄せていたせいで不機嫌になっていると思われたらしく、ミーイ様が尋ねてきたので、慌てて首を横に振る。
「わたしに信用がなくて申し訳ございません。あの、秘密は必ず守りますので、ご心配なく!」
「失礼いたしました。リーニ様を疑っているわけではないのです。そのように取られるような態度を見せてしまい申し訳ございませんでした」
ミーイ様は焦った顔をわたしに向けて話を続ける。
「リーニ様もお聞きになったと思いますが、ルルミー様があんな調子でしたので、もう少し、日にちが経ち、リーニ様の人となりがわかった時点でお知らせしようと思っていたのです」
「ルルミー様とはわたしも色々とありますので、お気持ちは理解できます。ですが、ルルミー様は代理だからであって、わたしも含め、他の聖女はあの方のような人物ではありませんので、ご安心ください」
ルルミー様のせいで、わたしはともかく他の聖女たちが悪い印象を受けられるのは、なんだか嫌だった。
だって、みんな良い人だもの。
すると、ディオン殿下が問いかけてくる。
「聖女なのに聖女らしくないのは、神様が選んだのではなく、聖女が選んだ人物だからということだな?」
「そうかと思います。どうして、ルルミー様を選ばれたのか理由はわかりませんが」
「そのことなんだが俺もよくわからないんだ。聞いてみても彼女が話をしたくないみたいでな」
「そうなんですね」
話を長くしていたせいか喉が乾燥してしまい、お二人に顔を背けて咳をすると、先程、わたしが飲んだカップをディオン殿下が手に取る。
すると、冷めていたはずの紅茶から湯気が立ち上った。
「魔法で温めた。味は少し落ちているかもしれないが、冷めたものを飲むよりかは落ち着くはずだ」
「お気遣いいただきありがとうございます」
カップを受け取って喉を潤すと、気分的なものかもしれないけれど、安堵感が湧いてきた。
熱々というわけでもなく、ちょうど良い温度で、ディオン殿下は魔法のコントロールが上手いのだと感心してしまう。
「両陛下にもリーニ様がいらっしゃったことをお伝えしたところ、今晩、お会いしたいとのことです。挨拶もその時で良いとのことでした」
「承知いたしました」
お茶を飲んでほっこりしていると、ミーイ様がそう話しかけてきたので頷く。
話の続きは明日の朝からすることになり、今日のところはここで別れて、わたしはわたしのために用意してくださったというお部屋に連れて行ってもらうことになった。
*****
わたしがこれから住むことになった場所は、部屋ではなく家だった。
白く塗られた二階建ての木造建築で、屋根は赤色。
窓も出窓でとても可愛らしい。
一階は水回りのものと大きなリビングがあって、家具も必要なものは全て揃っていた。
螺旋階段を上ると、二階には寝室の他に部屋が二つあった。
寝室以外の部屋は作業部屋や客室として使うのはどうかと、わたしの専属侍女たちは笑顔でアドバイスしてくれた。
侍女たちはわたしが家族と仲が悪いことを知らないので、家族を呼べば良いと思ってくれているみたいだった。
近い内に、仲が悪いことは知らせようと思う。
あまり遅くなると、相手が良い人であればあるほど、真実を知った時に気を煩わせてしまう可能性もある。
家は城の敷地内にあるし、ノーンコル王国にいた時にはいなかった専属侍女や使用人までいて、今までの待遇は何だったのかと言いたくなるくらいで驚いている。
どうせ同じだと思っていたから、他の聖女がどんな暮らしをしているか聞いたことがなかったけれど、明日になったら聞いてみましょう。
あと、そうだわ。
世界樹がある小島に続く橋がどこにあるのか確認しなくちゃ。
でも、今はもう少しだけ新しい家を探検してみよう。
そう思って、寝室からの景色を見てみようとバルコニーに出てみると、わたしの視界に飛び込んできたのは大きな湖だった。
隣接している家の下にはテラスがあり、その向こうには聖女が渡るためであろう橋や、かなり遠いけれど世界樹のある小島らしきものも見える。
「至れり尽くせりね」
わたしの家と橋が繋がっていないのは、ソーンウェル王国の本当の聖女がその家に住んでいるからなのでしょう。
気を遣って言い出しにくいとなんてことがあってもいけないから、わたしのほうから先に聞いてみることにする。
「隣の家に住んでいらっしゃるのは、お怪我をされた聖女だったりするのでしょうか」
「そうでございます。あの、申し訳ございません」
「どうして謝るんですか?」
「リーニ様がこの国の聖女様になられましたので、本来ならば隣の家に住んでいただくべきかとは、皆、わかってはいるのですが」
「謝らなくて良いですよ。わたしが来たからといって、今まで住んでいた家から出ていってほしいだなんて思いません。お大事にしてほしいものです」
笑顔で言うと、長いダークブラウンの髪を二つに分けて三つ編みにした、まだ幼さの残る可愛らしい顔立ちの侍女の一人であるレイカや、近くにいた使用人たちが安堵したような表情になった。
「そう言っていただけますと、私共としましては本当に幸いです」
「もしかして、以前に何か問題でもあったのですか?」
レイカたちが大きな息を吐いて胸をなでおろすので、気になって聞いてみた。
すると、レイカが代表して応える。
「……詳しくは申し上げられませんが、そんな話があったことは聞いております」
個人情報でもあるし、その人の名誉にもかかわるから、自分たちからは多くのことは言えないといった感じで、レイカは深々と頭を下げた。
「気にしないで。でも、どうやってわたしはあの橋を使えば良いのかしら」
「テラスに出る扉があるのですが、それは聖女様しか開けられなくなっております。そして、一階は関係者は出入り自由となっておりますので、いつでもお使いください」
一階はということは、二階に聖女がいるということね。
聖女、聖女という言い方も失礼な気がするし、明日にでも他の聖女に、ソーンウェルのルルミー様の前の聖女の名前を聞いてみることにしましょう。
隣の家に住んでいる聖女が生きている限り、新たな聖女は生まれない。
代理聖女とはいえ、ルルミー様とはまだ付き合わないといけなさそうね。
その日の晩に両陛下がわたしを呼んでいると連絡があった。
そして、謁見後に夕食を共にすることになったのだった。
その頃、ルルミー様もノーンコル王国で歓迎を受けていた。
それと同時に、各国の周りで棲み分けをしていた魔物たちが、ノーンコル王国に向けて移動を開始していることなど、わたしを含む人間たちは誰一人、予想をしていなかった。
ディオン殿下が聖女代理の話などをしたという話を聞いたミーイ様は呆れた顔になって言う。
「リーニ様はこちらに来られたばかりなのですよ。それなのに、もうそこまでお話しされてしまったのですか」
「……彼女はこの国で頑張ると言ったんだ。それに聖女が嘘をつくわけないだろう」
「何を言っているんですか! ルルミー様という悪い例を目の当たりにしたではないですか」
「……悪かった。何かあった時には俺が責任を取る」
部下の意見に耳を傾けるのは当たり前のようでいて、貴族や王族の間では難しいと言われている。
部下は遠慮して言えずにいるし、上の立場に当たる人間も何でも言えと言いながらも、自分のやり方にケチをつけるなと怒り出す人も多い。
だから、ディオン殿下が怒らずに素直に謝っておられるところは好印象だった。
比べるのは失礼だとわかっているけれど、ノーンコル王国の国王陛下は明らかに間違っているとわかっていても指摘されるのを嫌っていたから余計に、そう思ってしまう。
酷かったのはその場で切り捨てようとした時だった。
聖女でも、即死だと治癒は間に合わないし、死んでしまった人を生き返らせるようなことはできない。
たまたまわたしがその場に居合わせて治癒魔法を施したから助かったけれど、そうでなければ、その人は今頃はこの世にいない。
「リーニ様、どうかされましたか」
過去のことを思い出して眉根を寄せていたせいで不機嫌になっていると思われたらしく、ミーイ様が尋ねてきたので、慌てて首を横に振る。
「わたしに信用がなくて申し訳ございません。あの、秘密は必ず守りますので、ご心配なく!」
「失礼いたしました。リーニ様を疑っているわけではないのです。そのように取られるような態度を見せてしまい申し訳ございませんでした」
ミーイ様は焦った顔をわたしに向けて話を続ける。
「リーニ様もお聞きになったと思いますが、ルルミー様があんな調子でしたので、もう少し、日にちが経ち、リーニ様の人となりがわかった時点でお知らせしようと思っていたのです」
「ルルミー様とはわたしも色々とありますので、お気持ちは理解できます。ですが、ルルミー様は代理だからであって、わたしも含め、他の聖女はあの方のような人物ではありませんので、ご安心ください」
ルルミー様のせいで、わたしはともかく他の聖女たちが悪い印象を受けられるのは、なんだか嫌だった。
だって、みんな良い人だもの。
すると、ディオン殿下が問いかけてくる。
「聖女なのに聖女らしくないのは、神様が選んだのではなく、聖女が選んだ人物だからということだな?」
「そうかと思います。どうして、ルルミー様を選ばれたのか理由はわかりませんが」
「そのことなんだが俺もよくわからないんだ。聞いてみても彼女が話をしたくないみたいでな」
「そうなんですね」
話を長くしていたせいか喉が乾燥してしまい、お二人に顔を背けて咳をすると、先程、わたしが飲んだカップをディオン殿下が手に取る。
すると、冷めていたはずの紅茶から湯気が立ち上った。
「魔法で温めた。味は少し落ちているかもしれないが、冷めたものを飲むよりかは落ち着くはずだ」
「お気遣いいただきありがとうございます」
カップを受け取って喉を潤すと、気分的なものかもしれないけれど、安堵感が湧いてきた。
熱々というわけでもなく、ちょうど良い温度で、ディオン殿下は魔法のコントロールが上手いのだと感心してしまう。
「両陛下にもリーニ様がいらっしゃったことをお伝えしたところ、今晩、お会いしたいとのことです。挨拶もその時で良いとのことでした」
「承知いたしました」
お茶を飲んでほっこりしていると、ミーイ様がそう話しかけてきたので頷く。
話の続きは明日の朝からすることになり、今日のところはここで別れて、わたしはわたしのために用意してくださったというお部屋に連れて行ってもらうことになった。
*****
わたしがこれから住むことになった場所は、部屋ではなく家だった。
白く塗られた二階建ての木造建築で、屋根は赤色。
窓も出窓でとても可愛らしい。
一階は水回りのものと大きなリビングがあって、家具も必要なものは全て揃っていた。
螺旋階段を上ると、二階には寝室の他に部屋が二つあった。
寝室以外の部屋は作業部屋や客室として使うのはどうかと、わたしの専属侍女たちは笑顔でアドバイスしてくれた。
侍女たちはわたしが家族と仲が悪いことを知らないので、家族を呼べば良いと思ってくれているみたいだった。
近い内に、仲が悪いことは知らせようと思う。
あまり遅くなると、相手が良い人であればあるほど、真実を知った時に気を煩わせてしまう可能性もある。
家は城の敷地内にあるし、ノーンコル王国にいた時にはいなかった専属侍女や使用人までいて、今までの待遇は何だったのかと言いたくなるくらいで驚いている。
どうせ同じだと思っていたから、他の聖女がどんな暮らしをしているか聞いたことがなかったけれど、明日になったら聞いてみましょう。
あと、そうだわ。
世界樹がある小島に続く橋がどこにあるのか確認しなくちゃ。
でも、今はもう少しだけ新しい家を探検してみよう。
そう思って、寝室からの景色を見てみようとバルコニーに出てみると、わたしの視界に飛び込んできたのは大きな湖だった。
隣接している家の下にはテラスがあり、その向こうには聖女が渡るためであろう橋や、かなり遠いけれど世界樹のある小島らしきものも見える。
「至れり尽くせりね」
わたしの家と橋が繋がっていないのは、ソーンウェル王国の本当の聖女がその家に住んでいるからなのでしょう。
気を遣って言い出しにくいとなんてことがあってもいけないから、わたしのほうから先に聞いてみることにする。
「隣の家に住んでいらっしゃるのは、お怪我をされた聖女だったりするのでしょうか」
「そうでございます。あの、申し訳ございません」
「どうして謝るんですか?」
「リーニ様がこの国の聖女様になられましたので、本来ならば隣の家に住んでいただくべきかとは、皆、わかってはいるのですが」
「謝らなくて良いですよ。わたしが来たからといって、今まで住んでいた家から出ていってほしいだなんて思いません。お大事にしてほしいものです」
笑顔で言うと、長いダークブラウンの髪を二つに分けて三つ編みにした、まだ幼さの残る可愛らしい顔立ちの侍女の一人であるレイカや、近くにいた使用人たちが安堵したような表情になった。
「そう言っていただけますと、私共としましては本当に幸いです」
「もしかして、以前に何か問題でもあったのですか?」
レイカたちが大きな息を吐いて胸をなでおろすので、気になって聞いてみた。
すると、レイカが代表して応える。
「……詳しくは申し上げられませんが、そんな話があったことは聞いております」
個人情報でもあるし、その人の名誉にもかかわるから、自分たちからは多くのことは言えないといった感じで、レイカは深々と頭を下げた。
「気にしないで。でも、どうやってわたしはあの橋を使えば良いのかしら」
「テラスに出る扉があるのですが、それは聖女様しか開けられなくなっております。そして、一階は関係者は出入り自由となっておりますので、いつでもお使いください」
一階はということは、二階に聖女がいるということね。
聖女、聖女という言い方も失礼な気がするし、明日にでも他の聖女に、ソーンウェルのルルミー様の前の聖女の名前を聞いてみることにしましょう。
隣の家に住んでいる聖女が生きている限り、新たな聖女は生まれない。
代理聖女とはいえ、ルルミー様とはまだ付き合わないといけなさそうね。
その日の晩に両陛下がわたしを呼んでいると連絡があった。
そして、謁見後に夕食を共にすることになったのだった。
その頃、ルルミー様もノーンコル王国で歓迎を受けていた。
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