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シリーズ混合
ルルアの中にクレアの意識、クレアの中にルルアの意識という不思議なお話
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※ このお話は「辺境伯令息の婚約者に任命されました」のクレアとイーサン。拙作の「王太子殿下が~」シリーズのルルアとアークしか出てきません。
しかもクレアの中にルルアが、ルルアの中にクレアの意識が入っているという、中身が入れ替わったら面白いだろうな、と思う2人で書いてみました。
中身はからっぽです。
暇つぶしに読んで下さい!
もし、風見ゆうみ作品で、複数回吹き出した事がある方は、周りに人がいない時にお読みになられる事を推奨いたします。
それでは、楽しんでいただけますように!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ルルアの中にクレア
「おい、ルア」
「……」
目の前にすごいイケメンがいる。
よくわからないけど、ルアさん? の体に私、クレアの意識が入ってしまったらしい。
「そんなに見つめるな」
「いや、イケメンだなあ、と思いまして」
「イケメン!?」
なぜか、驚かれたので首を傾げる。
「言われたことはありませんか?」
「お前にはない」
「ああ、えっと、すみません。私、その、ルアさんじゃないんですよ」
「どういう事だ?」
美形に睨まれてドキドキしながら、事情を説明する。
彼はすんなりと納得してくれて、自分が何者かを教えてくれた。
私が住んでいる国とは違うけれど、まさかの王太子殿下だった。
「というわけで、中身はあなたのルルアさんじゃないわけです、アーク殿下」
「ちょっと待て。もう一度頼む」
「はい?」
「あなたの……の部分だ」
「あなたのルルア」
「……」
アーク殿下がなぜか頭を抱えた。
どうしたの、いきなり。
「お医者さん、呼びます?」
「いや、いらん。それよりも何個かお前の口から言ってほしいフレーズが」
「あなた、王太子ですよね。この国大丈夫?」
無礼だと言われそうだけれど、ルルアさんの体だから大丈夫だろうと思って言ってみる。
「うちの国は中立国だからな。しかもお前の住んでいる国からは離れている」
「どうして国交を結ばないんです?」
「うちの国は国土も国民の数も他の国より半端なく多い。戦争が起きた時にどっちかにつくとなったら、それだけで勝利が決まる」
「じゃあ、どっちとも国交を結んだらいいじゃないですか」
「なぜ俺の国民が他国の国民のために危険な目に合わなければならない?」
「それはごもっともなご意見で」
「お前の婚約者はイーサン・ジュードと言ったな? こっちの国でも有名だぞ。戦に関しては神がかっていると」
イーサンが褒められた気がして、ちょっと嬉しいわね。
「もっと褒めてあげて下さい」
「ルルアの顔で他の男の話をするな」
「面倒くさいな、この王太子」
本音が出てしまった。
「面倒くさいとか言うな。で、言ってほしいフレーズを書き出そうと思うんだが」
「いや、その前にルルアさんの身を案じたらどうです!?」
「俺のルアだから絶対に大丈夫だ」
「私の身体でイーサンとイチャイチャしてたらどうするんです」
「……今から、そいつを殺しにいけばいいのか?」
「ちょっと! 冗談ですってば! イーサンはそんな子じゃありませんし、ルルアさんだって殿下が好きなんでしょう?」
「……もう一度」
「は?」
「ルルアさんだってはいらないから、もう一度言え」
「アークが好きです」
「……っ!!」
思いの外、好評だった。
詳しく聞いてみると、ルルアさんがアーク呼びをした事が大人になってからはなかったらしい。
一見、冷酷そうな殿下が悶えている。
そんな殿下を見ながら思った。
この国、本当に大丈夫かな。
クレアの中にルルア
「本当にクレアじゃないのか?」
イーサン様は何度目になるかわからない質問をしてこられた。
「イーサン様、申し訳ございませんが、今、クレア様の身体に入っているのは別人です。私、ルルアと申します」
「ルルアさん……。そう言われてみれば、顔はクレアだし、眉間のシワ具合もクレアだけど、なんか違う気もする」
「眉間のシワ具合がクレア様って……。イーサン様とクレア様は恋人同士ではないのですか?」
詳しくはわからないけれど、イーサン様がクレア様をとっても好きなことだけは伝わってくる。
それに部屋は違えど、一緒の屋敷に住んでいるようだし、恋人同士なのかと思ったんだけど。
「お、俺と……、クレアが……、恋人同士!!」
なぜか、イーサン様が興奮し始めた。
一体、イーサン様とルルア様の関係はなんなのよ……。
「婚約者ではあるけれど、恋人同士だなんて、初めてクレアの口から言われてしまった!」
「言ったのはクレア様じゃないですからね」
「クレアが言ってる!」
「だから、中身はクレア様じゃないと何回言ったらわかるんですか!」
「……そうだよな。中身はルルアさん。そうか! クレアの顔を見てしまうから駄目なんだ。よし、目隠ししてくれ!」
「嫌ですよ! 目隠ししてる人と呑気にお話なんかしてられません! それに、あなた、今度はクレアの声だ、って言いだしかねないじゃないですか!」
「その時は耳をふさいで……」
「会話してくれる気はありますか?」
この人、良い人そうではあるけれど、かなり暴走しそうな感じ。
黙っていれば男前なんだけどなあ。
性格も悪くはなさそうだし。
なぜ、私の意識が、彼の婚約者であるクレア様の体の中に入ったのかはわからないけど、元に戻るまでは、イーサン様に助けてもらわないといけないから、ここは愛想よくしておかなくては。
「イーサン様、とりあえず、クレア様はどんな方だったか、教えていただけますか?」
「クレアはクレアだが?」
「……えーと、性格とかを教えて下さい」
「怖い!」
満面の笑みを浮かべて、イーサン様は言った。
クレア様って、どういう人なの……?
「怖い以外にはどんな……?」
「可愛い!」
「全く参考にならない……」
近くにある鏡を見て、クレア様の外見を確認すると、気は強そうだけど、可愛らしいお顔をされている。
だから、可愛いは間違ってないけど、それって性格?
「クレアは怖いけど優しいんだ! 動物にすごく好かれてるから間違いない! 怖いけど……」
「どれだけ怖いをおしてくるんですか」
「じゃあ、可愛くて怖い」
「一緒ですよ!」
困ったわね。
話が進まない。
そういえば、私の体はどうなってるのかしら?
クレア様が入っているとしたら、アーク殿下と上手くやれてるかしら?
アーク殿下が変なお願いをしていなければいいけれど……。
「ルルアさん」
「はい?」
「あの、抱きしめても良いかな」
「え? 何でですか?」
「クレアは抱きしめさせてくれないんだ」
「本当に!?」
しゅんとするイーサン様が可哀想に思えたので、しょうがなく頷く。
2人は恋人同士みたいだし、いいわよね?
そして、私は数十秒後には後悔することになる。
彼の力は人の力じゃなかった。
「いだだだ! ちょっと! あなた、クレア様を殺すつもりですか! そんなんだから抱きしめさせてくれないんですよ!」
すぐに身を離してくれたイーサン様の頭を、思い切り叩いた。
お読みいただき、ありがとうございました!
しかもクレアの中にルルアが、ルルアの中にクレアの意識が入っているという、中身が入れ替わったら面白いだろうな、と思う2人で書いてみました。
中身はからっぽです。
暇つぶしに読んで下さい!
もし、風見ゆうみ作品で、複数回吹き出した事がある方は、周りに人がいない時にお読みになられる事を推奨いたします。
それでは、楽しんでいただけますように!
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ルルアの中にクレア
「おい、ルア」
「……」
目の前にすごいイケメンがいる。
よくわからないけど、ルアさん? の体に私、クレアの意識が入ってしまったらしい。
「そんなに見つめるな」
「いや、イケメンだなあ、と思いまして」
「イケメン!?」
なぜか、驚かれたので首を傾げる。
「言われたことはありませんか?」
「お前にはない」
「ああ、えっと、すみません。私、その、ルアさんじゃないんですよ」
「どういう事だ?」
美形に睨まれてドキドキしながら、事情を説明する。
彼はすんなりと納得してくれて、自分が何者かを教えてくれた。
私が住んでいる国とは違うけれど、まさかの王太子殿下だった。
「というわけで、中身はあなたのルルアさんじゃないわけです、アーク殿下」
「ちょっと待て。もう一度頼む」
「はい?」
「あなたの……の部分だ」
「あなたのルルア」
「……」
アーク殿下がなぜか頭を抱えた。
どうしたの、いきなり。
「お医者さん、呼びます?」
「いや、いらん。それよりも何個かお前の口から言ってほしいフレーズが」
「あなた、王太子ですよね。この国大丈夫?」
無礼だと言われそうだけれど、ルルアさんの体だから大丈夫だろうと思って言ってみる。
「うちの国は中立国だからな。しかもお前の住んでいる国からは離れている」
「どうして国交を結ばないんです?」
「うちの国は国土も国民の数も他の国より半端なく多い。戦争が起きた時にどっちかにつくとなったら、それだけで勝利が決まる」
「じゃあ、どっちとも国交を結んだらいいじゃないですか」
「なぜ俺の国民が他国の国民のために危険な目に合わなければならない?」
「それはごもっともなご意見で」
「お前の婚約者はイーサン・ジュードと言ったな? こっちの国でも有名だぞ。戦に関しては神がかっていると」
イーサンが褒められた気がして、ちょっと嬉しいわね。
「もっと褒めてあげて下さい」
「ルルアの顔で他の男の話をするな」
「面倒くさいな、この王太子」
本音が出てしまった。
「面倒くさいとか言うな。で、言ってほしいフレーズを書き出そうと思うんだが」
「いや、その前にルルアさんの身を案じたらどうです!?」
「俺のルアだから絶対に大丈夫だ」
「私の身体でイーサンとイチャイチャしてたらどうするんです」
「……今から、そいつを殺しにいけばいいのか?」
「ちょっと! 冗談ですってば! イーサンはそんな子じゃありませんし、ルルアさんだって殿下が好きなんでしょう?」
「……もう一度」
「は?」
「ルルアさんだってはいらないから、もう一度言え」
「アークが好きです」
「……っ!!」
思いの外、好評だった。
詳しく聞いてみると、ルルアさんがアーク呼びをした事が大人になってからはなかったらしい。
一見、冷酷そうな殿下が悶えている。
そんな殿下を見ながら思った。
この国、本当に大丈夫かな。
クレアの中にルルア
「本当にクレアじゃないのか?」
イーサン様は何度目になるかわからない質問をしてこられた。
「イーサン様、申し訳ございませんが、今、クレア様の身体に入っているのは別人です。私、ルルアと申します」
「ルルアさん……。そう言われてみれば、顔はクレアだし、眉間のシワ具合もクレアだけど、なんか違う気もする」
「眉間のシワ具合がクレア様って……。イーサン様とクレア様は恋人同士ではないのですか?」
詳しくはわからないけれど、イーサン様がクレア様をとっても好きなことだけは伝わってくる。
それに部屋は違えど、一緒の屋敷に住んでいるようだし、恋人同士なのかと思ったんだけど。
「お、俺と……、クレアが……、恋人同士!!」
なぜか、イーサン様が興奮し始めた。
一体、イーサン様とルルア様の関係はなんなのよ……。
「婚約者ではあるけれど、恋人同士だなんて、初めてクレアの口から言われてしまった!」
「言ったのはクレア様じゃないですからね」
「クレアが言ってる!」
「だから、中身はクレア様じゃないと何回言ったらわかるんですか!」
「……そうだよな。中身はルルアさん。そうか! クレアの顔を見てしまうから駄目なんだ。よし、目隠ししてくれ!」
「嫌ですよ! 目隠ししてる人と呑気にお話なんかしてられません! それに、あなた、今度はクレアの声だ、って言いだしかねないじゃないですか!」
「その時は耳をふさいで……」
「会話してくれる気はありますか?」
この人、良い人そうではあるけれど、かなり暴走しそうな感じ。
黙っていれば男前なんだけどなあ。
性格も悪くはなさそうだし。
なぜ、私の意識が、彼の婚約者であるクレア様の体の中に入ったのかはわからないけど、元に戻るまでは、イーサン様に助けてもらわないといけないから、ここは愛想よくしておかなくては。
「イーサン様、とりあえず、クレア様はどんな方だったか、教えていただけますか?」
「クレアはクレアだが?」
「……えーと、性格とかを教えて下さい」
「怖い!」
満面の笑みを浮かべて、イーサン様は言った。
クレア様って、どういう人なの……?
「怖い以外にはどんな……?」
「可愛い!」
「全く参考にならない……」
近くにある鏡を見て、クレア様の外見を確認すると、気は強そうだけど、可愛らしいお顔をされている。
だから、可愛いは間違ってないけど、それって性格?
「クレアは怖いけど優しいんだ! 動物にすごく好かれてるから間違いない! 怖いけど……」
「どれだけ怖いをおしてくるんですか」
「じゃあ、可愛くて怖い」
「一緒ですよ!」
困ったわね。
話が進まない。
そういえば、私の体はどうなってるのかしら?
クレア様が入っているとしたら、アーク殿下と上手くやれてるかしら?
アーク殿下が変なお願いをしていなければいいけれど……。
「ルルアさん」
「はい?」
「あの、抱きしめても良いかな」
「え? 何でですか?」
「クレアは抱きしめさせてくれないんだ」
「本当に!?」
しゅんとするイーサン様が可哀想に思えたので、しょうがなく頷く。
2人は恋人同士みたいだし、いいわよね?
そして、私は数十秒後には後悔することになる。
彼の力は人の力じゃなかった。
「いだだだ! ちょっと! あなた、クレア様を殺すつもりですか! そんなんだから抱きしめさせてくれないんですよ!」
すぐに身を離してくれたイーサン様の頭を、思い切り叩いた。
お読みいただき、ありがとうございました!
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