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40 これからの動き
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リード様はどうやら仕事人間の様で、ほとんど執務室から出る事なく、夜もクレイと一緒に執務室で遅くまで仕事をしている様でした。
リード様にはクレイと話し合って、彼には国花の話をする事にしました。
そして、その話を聞いたリード様はお世継ぎの問題もあるという事で、その日から、ほとんど無理矢理といった形で、一緒に眠る様にと言われてしまい、私は自分の部屋ではなく、寝室で眠る様になったのですが、クレイはいつも夜遅くにしか来ないので、大体、私は眠ってしまっていて、朝に、私が先に起きて、クレイの寝ている姿を確認する、という毎日が続いていました。
リード様は早く寝室に向かうようにと言って下さっているようですが、クレイはクレイで側近が仕事しているのに、自分が何もしない訳にはいかないという事で、仕事もあるし、一緒にやる、といった形で、一緒に仕事をしているようです。
リード様は帰らせても、こっそり戻ってきて、仕事をしてしまう人らしいので、彼がもう戻ってこないだろうと思われる時間まで頑張っているそうです。
二人共、体を壊さなければいいのですが…。
そっちの方が心配です。
今日の朝も、体内時計が働き、自然に目を覚ますと、クレイが横でぐっすり眠っていました。
リード様は夜ではなくても、いつでも出来る事です。
と言ってらっしゃいましたが、やはり、初めては暗い方が良いです!
これは私の希望なだけですが…。
クレイは寝ていても、すごくカッコ良いです。
惚れた弱みといいますか、私の好みのお顔なんでしょうか…。
「視線が痛い」
ぱちりとクレイの目が開いて、そう言ったかと思うと、私の腕を引っ張って引き寄せると、抱きしめてきました。
「スプーンポジションというやつですか」
「ん?」
「今、クレイがやってる事です!」
今のクレイはベッドの上で横になっていて、同じく横になっている私を後ろから抱きしめるみたいになっています。
まさか、自分がこんな事をする事になるとは…!
「どうした? 嫌か?」
「嫌ではありません。起こしてしまったみたいで、ごめんなさい」
心臓が飛び出そうです。
でも、ぎゅうっとされていると、何だかホッとします。
なので、言葉を続けます。
「また眠ってしまいそうです」
「ちょっとくらい、ゆっくりしてもいいんじゃないか?」
「でも、そろそろ、フィアナが起こしに」
と言ったところで、コンコンと扉が叩かれる音がして、私とクレイは顔を見合わせて笑うと、クレイが腕をはなしてくれたので、起き上がります。
「起きてますよ!」
声を掛けると、ゆっくりと扉が開いて、フィアナが中に入ってくると、驚いた顔をして立ち止まりました。
いつもなら、フィアナが入ってきてから、目を覚ましていたクレイが、すでに起きていたからでしょうか。
「も、もしかして、お邪魔でしたでしょうか…」
「何を言ってるんですか! いつもの時間に起こしに来てくれたのでしょう?」
「で、ですけどっ!」
「気にしなくていいって。俺ももう起きないといけないと思ってたから」
クレイもそう言って起き上がり、着替えをする為に部屋に戻っていったので、私もフィアナと一緒に着替えをする為に、自分の部屋に戻ります。
「あの、リサ様。本当に申し訳ございません!」
「フィアナ、本当に気にしなくて良いですから」
私にしてみれば、あの少しの時間だけでも、クレイと密着できて本当に幸せでした。
「これからは、もう少し時間を遅くした方がよろしいでしょうか?」
「気にしなくていいですってば!」
顔を洗ったりした後、フィアナは私の着替えを手伝ってくれながら、違う話をしてきます。
「先程、リード様とお会いしたのですが、その際に例の件が上手くいきそうだと言ってらっしゃいましたよ」
「例の件?」
「はい。オッサム様とブランカ様の結婚についてです」
「え?! そうなんですか?!」
「その事で、相談したい事があると仰られていました。朝食後に、リサ様の執務室に伺いたいと仰っておられましたが、どう致しましょう?」
「も、もちろんです! 何なら、私がクレイの執務室に行っても良いですし!」
その後、私とクレイが朝食を済ませている間に、フィアナはリード様に話をしてくれた様で、クレイとリード様の仕事のキリが良くなった所で、私の執務室に来てくれるという話になりました。
そして、昼前に、疲れた顔のクレイとリード様がやって来られました。
「あの、仕事の量が多いようでしたら、私の方にまわしていただいても良いのですが…?」
「いや、いい。オッサムの分の仕事をやっているだけで、オッサムがブランカと結婚すれば、その仕事をまわすからな」
「結婚してしまえば、色々な事を任せられますからね…。でも、その間まで、私もお手伝いしますよ?」
「いいから」
クレイが執務室の応接のソファーに座ったので、私はその向かい側のソファーに座ろうと、椅子から立ち上がってから、クレイの後ろに立っているリード様に言います。
「リード様もお掛けになって下さい」
「リサ殿下が立っておられるのに、私が座る訳にはいきません」
「座ります、座りますので!」
慌てて席に着くと、リード様も「失礼します」と一声かけて、クレイの隣に座りました。
「あの、オッサムとお姉様の結婚の件ですが…」
「はい。アール様が頑張って下さいまして、式は少し先になりますが、婚姻届を出す事に関しましては、来月に決定したそうです」
とうとう、オッサムとお姉様が結婚されるのですね!
という事は…。
「今から、リサ殿下がいつ国花の話をするかのお話を致しましょう」
リード様は笑顔で、そう言われたのでした。
リード様にはクレイと話し合って、彼には国花の話をする事にしました。
そして、その話を聞いたリード様はお世継ぎの問題もあるという事で、その日から、ほとんど無理矢理といった形で、一緒に眠る様にと言われてしまい、私は自分の部屋ではなく、寝室で眠る様になったのですが、クレイはいつも夜遅くにしか来ないので、大体、私は眠ってしまっていて、朝に、私が先に起きて、クレイの寝ている姿を確認する、という毎日が続いていました。
リード様は早く寝室に向かうようにと言って下さっているようですが、クレイはクレイで側近が仕事しているのに、自分が何もしない訳にはいかないという事で、仕事もあるし、一緒にやる、といった形で、一緒に仕事をしているようです。
リード様は帰らせても、こっそり戻ってきて、仕事をしてしまう人らしいので、彼がもう戻ってこないだろうと思われる時間まで頑張っているそうです。
二人共、体を壊さなければいいのですが…。
そっちの方が心配です。
今日の朝も、体内時計が働き、自然に目を覚ますと、クレイが横でぐっすり眠っていました。
リード様は夜ではなくても、いつでも出来る事です。
と言ってらっしゃいましたが、やはり、初めては暗い方が良いです!
これは私の希望なだけですが…。
クレイは寝ていても、すごくカッコ良いです。
惚れた弱みといいますか、私の好みのお顔なんでしょうか…。
「視線が痛い」
ぱちりとクレイの目が開いて、そう言ったかと思うと、私の腕を引っ張って引き寄せると、抱きしめてきました。
「スプーンポジションというやつですか」
「ん?」
「今、クレイがやってる事です!」
今のクレイはベッドの上で横になっていて、同じく横になっている私を後ろから抱きしめるみたいになっています。
まさか、自分がこんな事をする事になるとは…!
「どうした? 嫌か?」
「嫌ではありません。起こしてしまったみたいで、ごめんなさい」
心臓が飛び出そうです。
でも、ぎゅうっとされていると、何だかホッとします。
なので、言葉を続けます。
「また眠ってしまいそうです」
「ちょっとくらい、ゆっくりしてもいいんじゃないか?」
「でも、そろそろ、フィアナが起こしに」
と言ったところで、コンコンと扉が叩かれる音がして、私とクレイは顔を見合わせて笑うと、クレイが腕をはなしてくれたので、起き上がります。
「起きてますよ!」
声を掛けると、ゆっくりと扉が開いて、フィアナが中に入ってくると、驚いた顔をして立ち止まりました。
いつもなら、フィアナが入ってきてから、目を覚ましていたクレイが、すでに起きていたからでしょうか。
「も、もしかして、お邪魔でしたでしょうか…」
「何を言ってるんですか! いつもの時間に起こしに来てくれたのでしょう?」
「で、ですけどっ!」
「気にしなくていいって。俺ももう起きないといけないと思ってたから」
クレイもそう言って起き上がり、着替えをする為に部屋に戻っていったので、私もフィアナと一緒に着替えをする為に、自分の部屋に戻ります。
「あの、リサ様。本当に申し訳ございません!」
「フィアナ、本当に気にしなくて良いですから」
私にしてみれば、あの少しの時間だけでも、クレイと密着できて本当に幸せでした。
「これからは、もう少し時間を遅くした方がよろしいでしょうか?」
「気にしなくていいですってば!」
顔を洗ったりした後、フィアナは私の着替えを手伝ってくれながら、違う話をしてきます。
「先程、リード様とお会いしたのですが、その際に例の件が上手くいきそうだと言ってらっしゃいましたよ」
「例の件?」
「はい。オッサム様とブランカ様の結婚についてです」
「え?! そうなんですか?!」
「その事で、相談したい事があると仰られていました。朝食後に、リサ様の執務室に伺いたいと仰っておられましたが、どう致しましょう?」
「も、もちろんです! 何なら、私がクレイの執務室に行っても良いですし!」
その後、私とクレイが朝食を済ませている間に、フィアナはリード様に話をしてくれた様で、クレイとリード様の仕事のキリが良くなった所で、私の執務室に来てくれるという話になりました。
そして、昼前に、疲れた顔のクレイとリード様がやって来られました。
「あの、仕事の量が多いようでしたら、私の方にまわしていただいても良いのですが…?」
「いや、いい。オッサムの分の仕事をやっているだけで、オッサムがブランカと結婚すれば、その仕事をまわすからな」
「結婚してしまえば、色々な事を任せられますからね…。でも、その間まで、私もお手伝いしますよ?」
「いいから」
クレイが執務室の応接のソファーに座ったので、私はその向かい側のソファーに座ろうと、椅子から立ち上がってから、クレイの後ろに立っているリード様に言います。
「リード様もお掛けになって下さい」
「リサ殿下が立っておられるのに、私が座る訳にはいきません」
「座ります、座りますので!」
慌てて席に着くと、リード様も「失礼します」と一声かけて、クレイの隣に座りました。
「あの、オッサムとお姉様の結婚の件ですが…」
「はい。アール様が頑張って下さいまして、式は少し先になりますが、婚姻届を出す事に関しましては、来月に決定したそうです」
とうとう、オッサムとお姉様が結婚されるのですね!
という事は…。
「今から、リサ殿下がいつ国花の話をするかのお話を致しましょう」
リード様は笑顔で、そう言われたのでした。
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