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閑話 いつか必ず 中編
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※前編は7話と8話の間にあります。わかりにくくて申し訳ないです。
「な、なぜ君がここに…?」
普通ならリノアの挨拶に応えないといけないところだったが、ラルフはそれどころではなく、尋ねるだけで精一杯だった。
「お困りの女性がいらっしゃったので、つい出しゃばってしまいましたの。でも、ご安心下さい。負けはしませんから」
リノアはラルフ達に笑顔を向けて一礼したあと、今度は対戦相手に向かって言った。
「クラーク辺境伯様がいらっしゃった事ですし、お酒の度数をあげましょう。その方が勝負が早くつきますでしょう?」
言って、リノアは横に並べられていた酒瓶を見回し、その内の一本を手に取った。
「私、これ、飲んでみたかったんです! 値段がお高めで手が出せなくて。だって、お酒は貴族の女性にはあまり必要ないものですからね」
リノアが手に取ったのは、誰がどこから持ってきたのかは不明だが、アルコール度数が高く、希少な酒だった。
「え、あれ、本当にブルーミング嬢ですよね?」
「俺が間違えるはずないだろう」
「酒を飲むと人が変わるんですかね」
「それよりもどうして彼女が」
ラルフが呟くと、声が聞こえたのか泣いていた女が近づいてきて、彼の前に跪いた。
彼女は部下の恋人で賭けの対象となった人物だった。
男爵家の令嬢で、リノアとは友人の友人という程度でしか付き合いはなかったが、友人からリノアが酒豪であるという話を聞いていたらしい。
それを思い出した彼女が、リノアに頼んだようだった。
「身内の前でしか飲まないなら、ラルフ様の耳に届かないはずです」
遠い目をしながら、ケインがラルフを慰める。
どうやら勝ち抜き戦の飲み比べらしく、リノアになってから、もう何人もが酔いつぶれているのに対し、彼女は余裕の表情で酒を堪能している。
そして、目の前の席に誰も座る者がいなくなると立ち上がった。
「私の勝ちでよろしかったかしら? 正確にはダラス様組? かもしれませんが」
リノアは満足そうな笑みを浮かべ、酔いつぶれている男達を見下ろし、ため息を吐いてから続ける。
「どちらの騎士の方々なのでしょう? これでは仕事なんかできませんね? 困ったものなのです。あ、後片付けはお願いできますか? それから賭けに関しては無効です! そのかわり、当人に謝って下さい!」
「ラルフ様、チャンスですよ!」
リノアが酔いつぶれている騎士達に笑顔で話しかけている間に、ケインがラルフに耳打ちする。
「何がだ?」
「声をかけるチャンスじゃないですか。口説き落として婚約破棄させちゃいましょう」
「それは駄目だ。彼女の評判が悪くなるかもしれない」
「という事は、相手から婚約破棄させるしかないんですね? たしか、相手はディーン・カンタスでしたっけ」
ケインはうーん、と悩んだあと、女性と話をしていたリノアに近付いていくと言った。
「ブルーミング伯爵令嬢、大変申し訳ないのですが、お願いをきいていただけないでしょうか?」
「…なんでしょう?」
「私の主と話をしていただいてもよろしいでしょうか」
「クラーク辺境伯様とですか?」
リノアは不思議そうに聞き返したあと、ラルフの方を見た。
「い、いや、あの」
「とりあえずぶつけるだけぶつけて下さいよ」
ケインが言うと、周りにいたクラーク家の騎士達が騒ぎ立てる。
「頑張って下さい!」
「ブルーミング伯爵令嬢は俺の恩人です!」
彼女を賭けてしまった人物の言葉に、リノアは厳しい顔をして言う。
「あなたのされた事は最低な行為ですからね! いくら酔っ払っていたとしてもいけません! 女性を賭けるだなんて!」
リノアはぷりぷり怒っていたが、ラルフの視線に気付き笑いかけた。
「貴族の女性はお酒に弱いほうが可愛いと言われておりますのに、見苦しい姿をお見せいたしまして申し訳ありません」
「い、いや」
「ところで何か私に御用でしょうか」
小首を傾げるリノアに、ラルフが焦って、ケインの姿を探すけれど、気が付けばケインだけではなく、他のメンバーまで姿を消してしまっていた。
酔いつぶれた他の家の騎士達はいるが、役には立たない。
「いや」
何も、と言いかけて、そうではないことに気付く。
(まずは礼を言わなければ)
「あなたのおかげで助かった。礼を言うよ。もちろん、皆、酔った勢いであって、本気ではないだろうけどな」
「そうであっても女性を巻き込もうとするなんて許せません」
「その事に関しては俺からも叱ってはおく」
ラルフが頷くと、リノアも厳しい表情のまま頷いた。
パーティー会場にゆっくりと歩を進めながら、無言の時間が続く。
(このままではいけない。思いを告げて、フラれたら、次の恋を…)
考えただけで気分が重くなり、ラルフは大きなため息を吐いた。
「どうかされましたか?」
「あ、いや。そういえば、君には婚約者がいるらしいな?」
「おりますが…」
なぜか、リノアが眉を寄せるので、ラルフは不思議に思って聞いてみる。
「どうかしたのか?」
「いえ。どうせ、あの人の事ですから、他に女性を作っているんじゃないかと思いまして」
(当たっている)
なんと答えたらいいのかわからず、ラルフが口ごもっていると、リノアは彼に笑顔を向けて言う。
「あら。本当にそうでしたか。そうではないかと思っていたんです」
「いや、それはまだ、わからないぞ?」
「傷付いたりしませんから、気になさらないで下さい」
リノアは微笑したまま、ラルフに向かって続ける。
「私が今回の件をお話しないかわりに、ラルフ様も私がこれから言う事を他言しないでいただけますか?」
今回の件というのは、先程の賭け事の話だろうと判断したラルフが頷くと、リノアは躊躇うことなく言った。
「私、婚約解消したいのです」
「な、なぜ君がここに…?」
普通ならリノアの挨拶に応えないといけないところだったが、ラルフはそれどころではなく、尋ねるだけで精一杯だった。
「お困りの女性がいらっしゃったので、つい出しゃばってしまいましたの。でも、ご安心下さい。負けはしませんから」
リノアはラルフ達に笑顔を向けて一礼したあと、今度は対戦相手に向かって言った。
「クラーク辺境伯様がいらっしゃった事ですし、お酒の度数をあげましょう。その方が勝負が早くつきますでしょう?」
言って、リノアは横に並べられていた酒瓶を見回し、その内の一本を手に取った。
「私、これ、飲んでみたかったんです! 値段がお高めで手が出せなくて。だって、お酒は貴族の女性にはあまり必要ないものですからね」
リノアが手に取ったのは、誰がどこから持ってきたのかは不明だが、アルコール度数が高く、希少な酒だった。
「え、あれ、本当にブルーミング嬢ですよね?」
「俺が間違えるはずないだろう」
「酒を飲むと人が変わるんですかね」
「それよりもどうして彼女が」
ラルフが呟くと、声が聞こえたのか泣いていた女が近づいてきて、彼の前に跪いた。
彼女は部下の恋人で賭けの対象となった人物だった。
男爵家の令嬢で、リノアとは友人の友人という程度でしか付き合いはなかったが、友人からリノアが酒豪であるという話を聞いていたらしい。
それを思い出した彼女が、リノアに頼んだようだった。
「身内の前でしか飲まないなら、ラルフ様の耳に届かないはずです」
遠い目をしながら、ケインがラルフを慰める。
どうやら勝ち抜き戦の飲み比べらしく、リノアになってから、もう何人もが酔いつぶれているのに対し、彼女は余裕の表情で酒を堪能している。
そして、目の前の席に誰も座る者がいなくなると立ち上がった。
「私の勝ちでよろしかったかしら? 正確にはダラス様組? かもしれませんが」
リノアは満足そうな笑みを浮かべ、酔いつぶれている男達を見下ろし、ため息を吐いてから続ける。
「どちらの騎士の方々なのでしょう? これでは仕事なんかできませんね? 困ったものなのです。あ、後片付けはお願いできますか? それから賭けに関しては無効です! そのかわり、当人に謝って下さい!」
「ラルフ様、チャンスですよ!」
リノアが酔いつぶれている騎士達に笑顔で話しかけている間に、ケインがラルフに耳打ちする。
「何がだ?」
「声をかけるチャンスじゃないですか。口説き落として婚約破棄させちゃいましょう」
「それは駄目だ。彼女の評判が悪くなるかもしれない」
「という事は、相手から婚約破棄させるしかないんですね? たしか、相手はディーン・カンタスでしたっけ」
ケインはうーん、と悩んだあと、女性と話をしていたリノアに近付いていくと言った。
「ブルーミング伯爵令嬢、大変申し訳ないのですが、お願いをきいていただけないでしょうか?」
「…なんでしょう?」
「私の主と話をしていただいてもよろしいでしょうか」
「クラーク辺境伯様とですか?」
リノアは不思議そうに聞き返したあと、ラルフの方を見た。
「い、いや、あの」
「とりあえずぶつけるだけぶつけて下さいよ」
ケインが言うと、周りにいたクラーク家の騎士達が騒ぎ立てる。
「頑張って下さい!」
「ブルーミング伯爵令嬢は俺の恩人です!」
彼女を賭けてしまった人物の言葉に、リノアは厳しい顔をして言う。
「あなたのされた事は最低な行為ですからね! いくら酔っ払っていたとしてもいけません! 女性を賭けるだなんて!」
リノアはぷりぷり怒っていたが、ラルフの視線に気付き笑いかけた。
「貴族の女性はお酒に弱いほうが可愛いと言われておりますのに、見苦しい姿をお見せいたしまして申し訳ありません」
「い、いや」
「ところで何か私に御用でしょうか」
小首を傾げるリノアに、ラルフが焦って、ケインの姿を探すけれど、気が付けばケインだけではなく、他のメンバーまで姿を消してしまっていた。
酔いつぶれた他の家の騎士達はいるが、役には立たない。
「いや」
何も、と言いかけて、そうではないことに気付く。
(まずは礼を言わなければ)
「あなたのおかげで助かった。礼を言うよ。もちろん、皆、酔った勢いであって、本気ではないだろうけどな」
「そうであっても女性を巻き込もうとするなんて許せません」
「その事に関しては俺からも叱ってはおく」
ラルフが頷くと、リノアも厳しい表情のまま頷いた。
パーティー会場にゆっくりと歩を進めながら、無言の時間が続く。
(このままではいけない。思いを告げて、フラれたら、次の恋を…)
考えただけで気分が重くなり、ラルフは大きなため息を吐いた。
「どうかされましたか?」
「あ、いや。そういえば、君には婚約者がいるらしいな?」
「おりますが…」
なぜか、リノアが眉を寄せるので、ラルフは不思議に思って聞いてみる。
「どうかしたのか?」
「いえ。どうせ、あの人の事ですから、他に女性を作っているんじゃないかと思いまして」
(当たっている)
なんと答えたらいいのかわからず、ラルフが口ごもっていると、リノアは彼に笑顔を向けて言う。
「あら。本当にそうでしたか。そうではないかと思っていたんです」
「いや、それはまだ、わからないぞ?」
「傷付いたりしませんから、気になさらないで下さい」
リノアは微笑したまま、ラルフに向かって続ける。
「私が今回の件をお話しないかわりに、ラルフ様も私がこれから言う事を他言しないでいただけますか?」
今回の件というのは、先程の賭け事の話だろうと判断したラルフが頷くと、リノアは躊躇うことなく言った。
「私、婚約解消したいのです」
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