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閑話 いつか必ず 前編
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ラルフ・クラーク辺境伯ときけば、若いながらに爵位を継ぎ、敵には冷酷非情で有名な人物だった。
けれど、そんな彼も人の子で、興味を持った女性がいた。
リノア・ブルーミング伯爵令嬢。
艶のある軽くウェーブのかかった長い黒髪に、小柄で小顔。
目はぱっちりとした二重で笑うとえくぼができる。
彼女が友人を守ろうとした行為を目にしてから、どうして話した事もない彼女がこんなに気になるのか、ラルフ自身も最初はわからなかったが、目をかけている部下の一人から言われた。
「一目惚れなんじゃないですか? よく見ると、小動物みたいで可愛いですよ。ただ、今、手を出しちゃ駄目ですよ。犯罪に近いです」
平民ではあるが機転が利き、剣の腕もたち、人の事をよく見ている彼、ケイン・アトラスの事を信用しているラルフは、そんな部下の言葉を素直に信じた。
その時のラルフは21歳。
普通の人間より遅い初恋を自覚した時だった。
それからである。
彼女を見るたびに愛しさは募り、何度も話しかけようとしては諦めるを繰り返していた。
なぜなら、彼女に近付こうとすると、彼女の父親や弟が彼女をさり気なく別の場所に移動させるからだ。
婚約者がいる女性に話しかけるなど許されない事なのかもしれないと、ラルフはその度に彼女を自分の心から追いやる事に決めて、婚約者候補を選び、見合いの度に家族に促されるまま、その女性を家に招いては、なぜか断られるを繰り返していた。
いつも泣きながら「申し訳ございません」と謝ってくる女性達にラルフは大した事も出来ず、もどかしい思いをしながらも、自分が違う誰かを思っている事に気付かれたからかもしれない、と自分を責めていた。
なんだかんだと気持ちを自覚してから1年以上たってしまった。
「今日も壁の花なんだな」
壁の花、というワードがひっかかり、ラルフ・クラークは友人との会話を止めて、声が聞こえた方向に目を向けた。
今日は友人の公爵が主催するパーティーに来ていた。
ここ最近は、どんなに忙しくても、招待客に彼女の名があるとわかれば出席するようにしていたラルフは、彼女が周りから、壁の花と揶揄されている事も知っていた。
(今日こそは気持ちを伝え、はっきり断られて諦めよう)
そう思い、リノアの方へ足を進めようとした時だった。
「たしか、彼女の婚約者は子爵家のディーン・カンタスだろ?」
「あいつって、他に女がいるらしいな」
名も知らないパーティー客の男性二人の話し声が聞こえ、ラルフはそちらに振り返り、近づいていくと聞いた。
「おい。今、なんの話をしていた?」
「へ!? クラーク辺境伯!?」
「挨拶はいい! 今の話を詳しく聞かせろ!」
ラルフの見た目は眉目秀麗ではあるが、戦場での荒ぶる姿の方が有名のため、彼の威圧に怯えきった二人は、ラルフにリノアの婚約者には他に女性がいて、婚約者はその女性と結婚したがっているという話を伝えた。
それを聞いたラルフは二人に礼を言ってから、パーティー会場の外に控えていたケインの所へ向かい、先程、聞いた話を彼に伝えた。
「それは腹が立ちますね。そんな事なら、俺がリノア様をもら」
「その先を言ったら、相手がお前でも手をかけてしまいそうなんだが?」
「冗談じゃないですか。リノア様は可愛いかもしれませんが、俺のタイプではないです」
「どういうタイプが好みなんだ」
ラルフが聞くと、ケインは少し考えてから笑顔で答える。
「俺はリノア様以外の性格の良い子がタイプです」
「は? リノアが嫌いなのか?」
「そういう意味じゃありませんよ。それより、チャンスなんじゃないですか?」
「何がだ」
「そんな不誠実な男が婚約者なら、婚約破棄させたらいいじゃないですか。ここは辺境伯の権力を使って奪い取ってやればいいんです!」
ケインが拳を握りしめて言うと、ラルフは小さく息を吐いてから首を横に振る。
「自分の婚約者が浮気をしているなんて知ったら、彼女は傷つくかもしれない」
「そんなタイプには見えませんけどねぇ」
ケインが口をとがらせて言った時だった。
「隊長!」
ケインの元に数人の騎士が走ってきた。
ケインは平民で騎士の称号はないが、クラーク家直轄の騎士隊の隊長なので、同じ騎士隊の人間から、ケインは名前ではなく隊長と呼ばれている。
「どうした?」
「何かあったのか?」
ケインとラルフが聞くと、騎士の一人がラルフに頭を下げたあと答える。
「招待客として来ていたダラスの奴が他の騎士ともめて、暴力はお互いの仕事に支障をきたすかもしれないから、飲み比べで賭け事をはじめてしまって」
「何を賭けた?」
「お互いの婚約者や彼女です」
「あいつ、馬鹿じゃねぇの!?」
ケインはラルフの前だという事を忘れ、大声を上げて聞き返し、ラルフもため息を吐いてから、騎士に聞いた。
「で、戦況は?」
「ダラスが負けそうで、それで、どうにかしてほしくて」
「はあ!?」
「文句を言っていてもしょうがない。とりあえず行くぞ」
騎士達に連れられ、パーティー会場の建物の裏側にまわると、簡易のテーブルをはさんで向かい合って椅子に座っている二人の姿と、それを取り囲んでいるギャラリー。
その部分だけが多くのランタンの灯りに照らされて明るくなっていた。
そのギャラリーの中に泣きそうになっている若い女が、男に支えられながら、こちらに背を向けて椅子に座っている長い黒髪を持つ女性を見つめていた。
(あの後ろ姿、まさか…)
「え、あのドレス、え?」
ラルフが思ったと同時、ケインが立ち止まり、困惑の表情を浮かべてラルフを見た。
そんなラルフ達に気が付いたのか、背を向けて座っていた女性が振り返った。
「あら、心配なさらなくても大丈夫でしたのに」
女性は立ち上がると、ドレスの裾をもち、軽いウェーブのかかった長い黒髪を揺らしながら、優雅に頭を下げた。
「クラーク辺境伯、お初にお目にかかります。リノア・ブルーミングと申します」
けれど、そんな彼も人の子で、興味を持った女性がいた。
リノア・ブルーミング伯爵令嬢。
艶のある軽くウェーブのかかった長い黒髪に、小柄で小顔。
目はぱっちりとした二重で笑うとえくぼができる。
彼女が友人を守ろうとした行為を目にしてから、どうして話した事もない彼女がこんなに気になるのか、ラルフ自身も最初はわからなかったが、目をかけている部下の一人から言われた。
「一目惚れなんじゃないですか? よく見ると、小動物みたいで可愛いですよ。ただ、今、手を出しちゃ駄目ですよ。犯罪に近いです」
平民ではあるが機転が利き、剣の腕もたち、人の事をよく見ている彼、ケイン・アトラスの事を信用しているラルフは、そんな部下の言葉を素直に信じた。
その時のラルフは21歳。
普通の人間より遅い初恋を自覚した時だった。
それからである。
彼女を見るたびに愛しさは募り、何度も話しかけようとしては諦めるを繰り返していた。
なぜなら、彼女に近付こうとすると、彼女の父親や弟が彼女をさり気なく別の場所に移動させるからだ。
婚約者がいる女性に話しかけるなど許されない事なのかもしれないと、ラルフはその度に彼女を自分の心から追いやる事に決めて、婚約者候補を選び、見合いの度に家族に促されるまま、その女性を家に招いては、なぜか断られるを繰り返していた。
いつも泣きながら「申し訳ございません」と謝ってくる女性達にラルフは大した事も出来ず、もどかしい思いをしながらも、自分が違う誰かを思っている事に気付かれたからかもしれない、と自分を責めていた。
なんだかんだと気持ちを自覚してから1年以上たってしまった。
「今日も壁の花なんだな」
壁の花、というワードがひっかかり、ラルフ・クラークは友人との会話を止めて、声が聞こえた方向に目を向けた。
今日は友人の公爵が主催するパーティーに来ていた。
ここ最近は、どんなに忙しくても、招待客に彼女の名があるとわかれば出席するようにしていたラルフは、彼女が周りから、壁の花と揶揄されている事も知っていた。
(今日こそは気持ちを伝え、はっきり断られて諦めよう)
そう思い、リノアの方へ足を進めようとした時だった。
「たしか、彼女の婚約者は子爵家のディーン・カンタスだろ?」
「あいつって、他に女がいるらしいな」
名も知らないパーティー客の男性二人の話し声が聞こえ、ラルフはそちらに振り返り、近づいていくと聞いた。
「おい。今、なんの話をしていた?」
「へ!? クラーク辺境伯!?」
「挨拶はいい! 今の話を詳しく聞かせろ!」
ラルフの見た目は眉目秀麗ではあるが、戦場での荒ぶる姿の方が有名のため、彼の威圧に怯えきった二人は、ラルフにリノアの婚約者には他に女性がいて、婚約者はその女性と結婚したがっているという話を伝えた。
それを聞いたラルフは二人に礼を言ってから、パーティー会場の外に控えていたケインの所へ向かい、先程、聞いた話を彼に伝えた。
「それは腹が立ちますね。そんな事なら、俺がリノア様をもら」
「その先を言ったら、相手がお前でも手をかけてしまいそうなんだが?」
「冗談じゃないですか。リノア様は可愛いかもしれませんが、俺のタイプではないです」
「どういうタイプが好みなんだ」
ラルフが聞くと、ケインは少し考えてから笑顔で答える。
「俺はリノア様以外の性格の良い子がタイプです」
「は? リノアが嫌いなのか?」
「そういう意味じゃありませんよ。それより、チャンスなんじゃないですか?」
「何がだ」
「そんな不誠実な男が婚約者なら、婚約破棄させたらいいじゃないですか。ここは辺境伯の権力を使って奪い取ってやればいいんです!」
ケインが拳を握りしめて言うと、ラルフは小さく息を吐いてから首を横に振る。
「自分の婚約者が浮気をしているなんて知ったら、彼女は傷つくかもしれない」
「そんなタイプには見えませんけどねぇ」
ケインが口をとがらせて言った時だった。
「隊長!」
ケインの元に数人の騎士が走ってきた。
ケインは平民で騎士の称号はないが、クラーク家直轄の騎士隊の隊長なので、同じ騎士隊の人間から、ケインは名前ではなく隊長と呼ばれている。
「どうした?」
「何かあったのか?」
ケインとラルフが聞くと、騎士の一人がラルフに頭を下げたあと答える。
「招待客として来ていたダラスの奴が他の騎士ともめて、暴力はお互いの仕事に支障をきたすかもしれないから、飲み比べで賭け事をはじめてしまって」
「何を賭けた?」
「お互いの婚約者や彼女です」
「あいつ、馬鹿じゃねぇの!?」
ケインはラルフの前だという事を忘れ、大声を上げて聞き返し、ラルフもため息を吐いてから、騎士に聞いた。
「で、戦況は?」
「ダラスが負けそうで、それで、どうにかしてほしくて」
「はあ!?」
「文句を言っていてもしょうがない。とりあえず行くぞ」
騎士達に連れられ、パーティー会場の建物の裏側にまわると、簡易のテーブルをはさんで向かい合って椅子に座っている二人の姿と、それを取り囲んでいるギャラリー。
その部分だけが多くのランタンの灯りに照らされて明るくなっていた。
そのギャラリーの中に泣きそうになっている若い女が、男に支えられながら、こちらに背を向けて椅子に座っている長い黒髪を持つ女性を見つめていた。
(あの後ろ姿、まさか…)
「え、あのドレス、え?」
ラルフが思ったと同時、ケインが立ち止まり、困惑の表情を浮かべてラルフを見た。
そんなラルフ達に気が付いたのか、背を向けて座っていた女性が振り返った。
「あら、心配なさらなくても大丈夫でしたのに」
女性は立ち上がると、ドレスの裾をもち、軽いウェーブのかかった長い黒髪を揺らしながら、優雅に頭を下げた。
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