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15 第三王女の止められない恋心 ③ ※途中で視点変更あり
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シエッタ殿下の希望が通り、彼女はお兄様の隣の席になったらしい。
さすがに授業中に何かしてくることはなかったけど、休み時間になると猛アピールだったそうだ。
他のクラスメイトは王家の人に会えるなんてありえないことだし、ちやほやするだけでなく、素っ気ないお兄様の態度に苦言を呈する人もいたのだという。
「別に友達でも何でもない奴に、何を言われても気にしないようにするけどな。というか、逆に自分が決めたやり方でやろうって思う」
「お兄様らしいわね」
「褒めてるのか?」
「もちろん、褒めてます」
「そうか」
お兄様と距離を置くようにしたら、目に見えるくらいに落ち込んでしまったので、今まで通りに戻した。
考えてみたら、私もお兄様にそんなことをされたらショックだもの。
「でも、お兄様、これから十日間、その調子で大丈夫そうですか?」
「俺は大丈夫だ。それよりも心配なのは、シエッタ殿下がミリルに近づこうとするんじゃないかってことだ」
「シスコンだということは、皆に知られていますものね」
「わ……、悪い」
お兄様が焦った顔になったので、微笑んで首を横に振る。
「大事にしてもらえているのは嬉しいので、気にしないでください。それよりも、私がミーリルだということを知られないようにしなければなりません」
私の髪色と瞳は珍しいけど、絶対にないわけではないし、同じ色の髪と瞳を持った、元両親役の人もいる。だから、出生についてどうこうは言えないはずだわ。
私は何があっても絶対に母国には戻らない。
私は王家に幸運をもたらす存在だった可能性が高い。だけど、家族は私をいらないものと判断した。
お父様が森に私を置いていった時に、私の力が幸運をもたらす力ではなく、災厄をもたらす力に変わっていれば良いのに……。
そうすれば、シエッタ殿下がお兄様に近づいても、私が側にいればお兄様を守ってあげられるかもしれない。
私の力は王家にしか関係ないのだから、お兄様には迷惑をかけなくて済む。
「ミリル、一人で何とかしようとするなよ」
お兄様は私の頭を優しく撫でたあと、眉尻を下げる。
「というか、変な奴に目をつけられてごめん」
「お兄様が謝ることではありません」
自慢のお兄様が女性に好かれるのは、私にとっては当たり前のことだもの。
きっと、シエッタ殿下はお兄様を振り向かせるために、私を潰しにかかるでしょう。
私ものんびりしていられない。薬草学の勉強をもっと頑張らなくちゃ!
◇◆◇◆◇◆
(シエッタ視点)
会えない間も積もっていった、リディアス様への思い。
どうして、こんなにも彼のことを思ってしまうのかはわからない。彼の顔に一目惚れして、アピールしても相手にされないから、余計に夢中になってしまった。
今まで出会ってきた男性はわたしに媚びてばかりだったからかしら。とても素敵に感じてしまう。
媚びてばかりの男というと、ノンクードとかいう男性もそうね。
わたしを好きだということが丸わかりで、わたしのために奔走する姿は滑稽でもある。
でも、あの男性はちっとも役に立たない。次男とはいえ公爵令息なんだから、自分の家の権力をもっと使うべきだわ。
婚約破棄されるだなんて、信じられない。リディアス様がもっと、妹にかまうようになったらどうするのよ!
リディアス様は極度のシスコンということで有名だし、妹とは血が繋がっていない。万が一、その妹とリディアス様が上手くなんていったら……!
「お姉様、何をそんなに難しい顔をしているんですか」
宿屋の広い一室にベッドを六つ並べてもらい、みんなで横になっていた時、弟のロブが話しかけてきた。
「婚約者にしたいと思う人は妹に夢中なのよ。だから、どうしたら良いのかわからなくて」
「……そうなんですか」
ロブは少し考えたあとに尋ねてくる。
「その妹というのはどんな人なんですか?」
「わからないわ。まだ、会ったことがないの」
「もし、どうしてもリディアスとかいう人が妹を優先するのなら言ってくださいよ。僕がその妹を婚約者にでもしてやります。その間にお姉様がリディアスを落としてください」
「……それは良い案かもしれないわね」
ロブは王太子だもの。普通の貴族の女性なら、喜んで婚約者になるはずだわ。
ロブと彼女が上手くいけば、リディアス様はショックを受けるはず。そんな彼を慰めていれば、私にいつしか恋に落ちてもおかしくない。
「ありがとう、ロブ。お父様たちに話をしてみましょう」
「妹の名前はなんと言うんすか?」
「ミリルという名前よ」
「ミリル?」
聞き返してきたロブに微笑む。
「ミーリルじゃないかと言いたいの? 気持ちは分かるわ。だけど、ミーリルがミリルなんていくら何でも安直すぎない?」
「そう思わせることが目的かもしれませんよ」
「……そうかしら。でも、ミーリルみたいな女をリファルド様が好きになるとは思えないわ」
「そうか。そう言われればそうですね。お姉様が選んだ男性の好きな人なら、余程、素敵な人なのでしょう。ミーリルみたいな女は選ばれませんよね」
「そうよ。わたしがミーリルに負けるなんてありえない」
頷いたあと、わたしは早速、お父様にミリルとロブの婚約を提案してみることにした。
さすがに授業中に何かしてくることはなかったけど、休み時間になると猛アピールだったそうだ。
他のクラスメイトは王家の人に会えるなんてありえないことだし、ちやほやするだけでなく、素っ気ないお兄様の態度に苦言を呈する人もいたのだという。
「別に友達でも何でもない奴に、何を言われても気にしないようにするけどな。というか、逆に自分が決めたやり方でやろうって思う」
「お兄様らしいわね」
「褒めてるのか?」
「もちろん、褒めてます」
「そうか」
お兄様と距離を置くようにしたら、目に見えるくらいに落ち込んでしまったので、今まで通りに戻した。
考えてみたら、私もお兄様にそんなことをされたらショックだもの。
「でも、お兄様、これから十日間、その調子で大丈夫そうですか?」
「俺は大丈夫だ。それよりも心配なのは、シエッタ殿下がミリルに近づこうとするんじゃないかってことだ」
「シスコンだということは、皆に知られていますものね」
「わ……、悪い」
お兄様が焦った顔になったので、微笑んで首を横に振る。
「大事にしてもらえているのは嬉しいので、気にしないでください。それよりも、私がミーリルだということを知られないようにしなければなりません」
私の髪色と瞳は珍しいけど、絶対にないわけではないし、同じ色の髪と瞳を持った、元両親役の人もいる。だから、出生についてどうこうは言えないはずだわ。
私は何があっても絶対に母国には戻らない。
私は王家に幸運をもたらす存在だった可能性が高い。だけど、家族は私をいらないものと判断した。
お父様が森に私を置いていった時に、私の力が幸運をもたらす力ではなく、災厄をもたらす力に変わっていれば良いのに……。
そうすれば、シエッタ殿下がお兄様に近づいても、私が側にいればお兄様を守ってあげられるかもしれない。
私の力は王家にしか関係ないのだから、お兄様には迷惑をかけなくて済む。
「ミリル、一人で何とかしようとするなよ」
お兄様は私の頭を優しく撫でたあと、眉尻を下げる。
「というか、変な奴に目をつけられてごめん」
「お兄様が謝ることではありません」
自慢のお兄様が女性に好かれるのは、私にとっては当たり前のことだもの。
きっと、シエッタ殿下はお兄様を振り向かせるために、私を潰しにかかるでしょう。
私ものんびりしていられない。薬草学の勉強をもっと頑張らなくちゃ!
◇◆◇◆◇◆
(シエッタ視点)
会えない間も積もっていった、リディアス様への思い。
どうして、こんなにも彼のことを思ってしまうのかはわからない。彼の顔に一目惚れして、アピールしても相手にされないから、余計に夢中になってしまった。
今まで出会ってきた男性はわたしに媚びてばかりだったからかしら。とても素敵に感じてしまう。
媚びてばかりの男というと、ノンクードとかいう男性もそうね。
わたしを好きだということが丸わかりで、わたしのために奔走する姿は滑稽でもある。
でも、あの男性はちっとも役に立たない。次男とはいえ公爵令息なんだから、自分の家の権力をもっと使うべきだわ。
婚約破棄されるだなんて、信じられない。リディアス様がもっと、妹にかまうようになったらどうするのよ!
リディアス様は極度のシスコンということで有名だし、妹とは血が繋がっていない。万が一、その妹とリディアス様が上手くなんていったら……!
「お姉様、何をそんなに難しい顔をしているんですか」
宿屋の広い一室にベッドを六つ並べてもらい、みんなで横になっていた時、弟のロブが話しかけてきた。
「婚約者にしたいと思う人は妹に夢中なのよ。だから、どうしたら良いのかわからなくて」
「……そうなんですか」
ロブは少し考えたあとに尋ねてくる。
「その妹というのはどんな人なんですか?」
「わからないわ。まだ、会ったことがないの」
「もし、どうしてもリディアスとかいう人が妹を優先するのなら言ってくださいよ。僕がその妹を婚約者にでもしてやります。その間にお姉様がリディアスを落としてください」
「……それは良い案かもしれないわね」
ロブは王太子だもの。普通の貴族の女性なら、喜んで婚約者になるはずだわ。
ロブと彼女が上手くいけば、リディアス様はショックを受けるはず。そんな彼を慰めていれば、私にいつしか恋に落ちてもおかしくない。
「ありがとう、ロブ。お父様たちに話をしてみましょう」
「妹の名前はなんと言うんすか?」
「ミリルという名前よ」
「ミリル?」
聞き返してきたロブに微笑む。
「ミーリルじゃないかと言いたいの? 気持ちは分かるわ。だけど、ミーリルがミリルなんていくら何でも安直すぎない?」
「そう思わせることが目的かもしれませんよ」
「……そうかしら。でも、ミーリルみたいな女をリファルド様が好きになるとは思えないわ」
「そうか。そう言われればそうですね。お姉様が選んだ男性の好きな人なら、余程、素敵な人なのでしょう。ミーリルみたいな女は選ばれませんよね」
「そうよ。わたしがミーリルに負けるなんてありえない」
頷いたあと、わたしは早速、お父様にミリルとロブの婚約を提案してみることにした。
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