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10 恋に狂う公爵令息 ①
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パーティーに出かけていったお兄様が帰って来たのは、屋敷を出ていってから七日後のことだった。予定よりも早くに帰って来たので何かあったのかと尋ねると、お兄様は眉根を寄せて答える。
「シエッタ様から婚約者になれって言われた」
「ええっ!? で、ど、どうしたの? なんて答えたの?」
「断るに決まってんだろ。ミリルをいじめてた相手だぞ」
「それなら良かった! お兄様にはもっと良い人がいるもの。あんな人と結婚なんてしてほしくないわ」
私が胸をなでおろしていると、お兄様が尋ねてくる。
「ノンクード様から連絡はあったか?」
「ノンクード様から? 特にないわ。今はフラル王国に行っているはずだけど、もしかして、ノンクード様もパーティーに出席していたの?」
フラル王国へ行くとは聞いていたけれど、どこへ何をしに行くのか聞いても、言葉を濁されるだけで教えてもらえなかった。
パーティーに出席すると言いたくなかったのかしら。でも、それって怪しいわよね。
「ああ。公爵夫人と出席してた」
「どうして、そんなに不機嫌そうなの? まさか、女性に声をかけたりしていたとか?」
「……あぁ、まあ、その辺の話は本人から聞いてくれ。別にミリルは彼のことは好きじゃないんだろ?」
「好きではないわ。……って、もしかして、婚約の解消をしてくれそうな何かがあったの?」
「だから、それは本人に聞いてくれ」
お兄様は面倒くさそうに答えたあと、遅れて迎えに出てきた、お母様に尋ねる。
「父さんはいますか?」
「執務室にいるけれど、どうかしたの?」
「あとでまた話します」
まずはお父様に話をするという意味みたい。お母様が心配そうな顔でお兄様を見ているので、苦笑して話しかける。
「シエッタ様から婚約者になれと言われたそうです」
「シエッタ様から!? ど、どういうことなの!?」
お母様が焦って叫んだ時には、お兄様の姿は見えなくなっていた。慌てて追いかけていくお母様を見送っていると、何の先触れもなしに、ノンクード様が尋ねてきたのだった。
******
本当は家族の誰かに付いていてほしかったけれど、三人とも執務室で話し合いを始めていたから、遠慮して声をかけられなかった。かといって、一人では危ない気がして、侍女か兵士に一緒に入ってもらおうとすると、ノンクード様から大事な話があるからと拒否されて二人で話すことになってしまった。
メイドがお茶を淹れて出ていくと、ノンクード様は笑顔で話しかけてくる。
「急に悪かったね」
「いえ。お戻りはもう少し先だと聞いていたのですが早まったのですね」
「……実は君に伝えなきゃいけないことがあるんだ」
「どのようなことでしょうか」
お兄様からまだ詳しい話は聞けていないけれど、婚約の解消のお話よね。どんな反応をすればいいの?
悲しむフリをしてみる? それとも怒ってみたほうが良いのかしら?
「君は僕のことが好きだろう?」
「……はい?」
予想外のことを言われたので、間抜けな声で聞き返してしまった。聞き返しているのに、ノンクード様は『はい』と答えたと思ったらしい。
「そうだよね。好きだよね。だから、僕に婚約破棄されたくなければ、言うことを聞いてほしい」
この人一体、何を言っているのかしら。好きかどうかは別として、あとの発言は脅しになってない?
「婚約破棄の理由は何なのでしょうか」
「僕に好きな人ができたからだよ」
「……ということは、私は別に悪くないですよね」
「君よりも素敵な人を見つけたんだから僕のせいじゃない」
この人、一体何を言っているの? あなたが決めた婚約じゃないの!
「君も可愛いことは認める。だけどね、シエッタ殿下は本当に美しいんだ。なんていうのかな。輝くオーラがあるんだ。逆に君には華がない」
「申し訳ございません」
華がないことは間違っていないので謝ってから、ノンクード様にお願いする。
「脅迫じみたことをされるのは嫌ですので、婚約を破棄していただいて結構です」
「……なんだって?」
ノンクード様はさっきまでの穏やかな表情を消すと、私を睨みつけながら立ち上がって叫ぶ。
「君は自分がなんと言ったかわかっているのか! 話を聞く前から失礼だろう!」
「気分を害してしまったのならお詫び申し上げます。では、お聞きいたしますが、私に何を頼むおつもりなのですか」
「最初から素直にそう言えばいいのに」
ノンクード様は満足そうに微笑むと、ソファに座って話し始める。
「シエッタ殿下が君の兄のリファルドさんを好きになったらしい。仲を取り持ってあげてほしいんだ」
「兄はシエッタ殿下からの婚約の申し込みを断ったと聞きました」
「だから、断らないようにしてほしいんだ」
「申し訳ございませんが、それはできかねます」
「やれって言ってるんだよ!」
ノンクード様は、私達の間にあったローテーブルを両手で強く叩いて叫んだ。テーブルの上に乗っていた茶器が揺れ、カップの中に入っていたお茶はソーサーの上に飛び散った。
「兄が嫌がっているというのであれば無理です。お断りします。婚約破棄していただいて」
「僕に恥をかかせるな!」
私が話している途中で、ノンクード様は立ち上がって叫んだかと思うと、ローテーブルを乗り越えて、私に飛び掛かって来た。
「いやああっ!」
悲鳴を上げながら、私は必死に抵抗した。ローテーブルの上のカップが倒れ、床に零れ落ちた時、部屋の外から見張りの兵士の声が聞こえてきた。
「何かございましたか!?」
「たすけ……っ、うぐっ」
「何もない!」
助けを呼ぼうとした私の口を手でふさぐと、ノンクード様は叫んだ。
「で、ですが、すごい音が」
「ミリルがローテーブルに足をぶつけただけだ!」
言い返された兵士は、その後は大人しくなり、部屋に入ってこようとする様子はなかった。
「ううっ!」
こんなことをする人だなんて、思ってもみなかった。こんな人と結婚だなんて絶対に嫌よ!
彼の頬に平手打ちをしようと手を上げたけれど、すぐに掴まれ、両手首を片手で押さえつけられた。
「静かにしてくれ。手荒な真似はしたくないんだよ。君に言うことを聞いてもらえないと僕は……!」
ノンクード様が私の口にハンカチを突っ込み、私の首に両手をかけた時だった。廊下のほうからバタバタと足音が聞こえて来たかと思うと、お兄様の声が聞こえた。
「ノンクード様、シエッタ殿下のことでお話したいことがあります。中に入れていただけませんか」
シエッタ殿下のことでと言ったのが良かったのか、ノンクード様は「今の話は誰にも言わないように」と言って私から離れると、乱れたシャツを直しながら応える。
「かまいませんよ。僕もあなたとお話がしたかったんです」
ノンクード様は一体、何を考えているの? シエッタ殿下が好きなのに、どうして私と婚約破棄しないの? それに、どうしてお兄様とシエッタ殿下をくっつけようとするのよ!?
それに、言うななんて言われても言うに決まっているじゃないの! 言わないほうが馬鹿だわ! 大体、こんなに部屋が散らかっているというのに、どんな言い訳をするつもりなのかしら!
「シエッタ様から婚約者になれって言われた」
「ええっ!? で、ど、どうしたの? なんて答えたの?」
「断るに決まってんだろ。ミリルをいじめてた相手だぞ」
「それなら良かった! お兄様にはもっと良い人がいるもの。あんな人と結婚なんてしてほしくないわ」
私が胸をなでおろしていると、お兄様が尋ねてくる。
「ノンクード様から連絡はあったか?」
「ノンクード様から? 特にないわ。今はフラル王国に行っているはずだけど、もしかして、ノンクード様もパーティーに出席していたの?」
フラル王国へ行くとは聞いていたけれど、どこへ何をしに行くのか聞いても、言葉を濁されるだけで教えてもらえなかった。
パーティーに出席すると言いたくなかったのかしら。でも、それって怪しいわよね。
「ああ。公爵夫人と出席してた」
「どうして、そんなに不機嫌そうなの? まさか、女性に声をかけたりしていたとか?」
「……あぁ、まあ、その辺の話は本人から聞いてくれ。別にミリルは彼のことは好きじゃないんだろ?」
「好きではないわ。……って、もしかして、婚約の解消をしてくれそうな何かがあったの?」
「だから、それは本人に聞いてくれ」
お兄様は面倒くさそうに答えたあと、遅れて迎えに出てきた、お母様に尋ねる。
「父さんはいますか?」
「執務室にいるけれど、どうかしたの?」
「あとでまた話します」
まずはお父様に話をするという意味みたい。お母様が心配そうな顔でお兄様を見ているので、苦笑して話しかける。
「シエッタ様から婚約者になれと言われたそうです」
「シエッタ様から!? ど、どういうことなの!?」
お母様が焦って叫んだ時には、お兄様の姿は見えなくなっていた。慌てて追いかけていくお母様を見送っていると、何の先触れもなしに、ノンクード様が尋ねてきたのだった。
******
本当は家族の誰かに付いていてほしかったけれど、三人とも執務室で話し合いを始めていたから、遠慮して声をかけられなかった。かといって、一人では危ない気がして、侍女か兵士に一緒に入ってもらおうとすると、ノンクード様から大事な話があるからと拒否されて二人で話すことになってしまった。
メイドがお茶を淹れて出ていくと、ノンクード様は笑顔で話しかけてくる。
「急に悪かったね」
「いえ。お戻りはもう少し先だと聞いていたのですが早まったのですね」
「……実は君に伝えなきゃいけないことがあるんだ」
「どのようなことでしょうか」
お兄様からまだ詳しい話は聞けていないけれど、婚約の解消のお話よね。どんな反応をすればいいの?
悲しむフリをしてみる? それとも怒ってみたほうが良いのかしら?
「君は僕のことが好きだろう?」
「……はい?」
予想外のことを言われたので、間抜けな声で聞き返してしまった。聞き返しているのに、ノンクード様は『はい』と答えたと思ったらしい。
「そうだよね。好きだよね。だから、僕に婚約破棄されたくなければ、言うことを聞いてほしい」
この人一体、何を言っているのかしら。好きかどうかは別として、あとの発言は脅しになってない?
「婚約破棄の理由は何なのでしょうか」
「僕に好きな人ができたからだよ」
「……ということは、私は別に悪くないですよね」
「君よりも素敵な人を見つけたんだから僕のせいじゃない」
この人、一体何を言っているの? あなたが決めた婚約じゃないの!
「君も可愛いことは認める。だけどね、シエッタ殿下は本当に美しいんだ。なんていうのかな。輝くオーラがあるんだ。逆に君には華がない」
「申し訳ございません」
華がないことは間違っていないので謝ってから、ノンクード様にお願いする。
「脅迫じみたことをされるのは嫌ですので、婚約を破棄していただいて結構です」
「……なんだって?」
ノンクード様はさっきまでの穏やかな表情を消すと、私を睨みつけながら立ち上がって叫ぶ。
「君は自分がなんと言ったかわかっているのか! 話を聞く前から失礼だろう!」
「気分を害してしまったのならお詫び申し上げます。では、お聞きいたしますが、私に何を頼むおつもりなのですか」
「最初から素直にそう言えばいいのに」
ノンクード様は満足そうに微笑むと、ソファに座って話し始める。
「シエッタ殿下が君の兄のリファルドさんを好きになったらしい。仲を取り持ってあげてほしいんだ」
「兄はシエッタ殿下からの婚約の申し込みを断ったと聞きました」
「だから、断らないようにしてほしいんだ」
「申し訳ございませんが、それはできかねます」
「やれって言ってるんだよ!」
ノンクード様は、私達の間にあったローテーブルを両手で強く叩いて叫んだ。テーブルの上に乗っていた茶器が揺れ、カップの中に入っていたお茶はソーサーの上に飛び散った。
「兄が嫌がっているというのであれば無理です。お断りします。婚約破棄していただいて」
「僕に恥をかかせるな!」
私が話している途中で、ノンクード様は立ち上がって叫んだかと思うと、ローテーブルを乗り越えて、私に飛び掛かって来た。
「いやああっ!」
悲鳴を上げながら、私は必死に抵抗した。ローテーブルの上のカップが倒れ、床に零れ落ちた時、部屋の外から見張りの兵士の声が聞こえてきた。
「何かございましたか!?」
「たすけ……っ、うぐっ」
「何もない!」
助けを呼ぼうとした私の口を手でふさぐと、ノンクード様は叫んだ。
「で、ですが、すごい音が」
「ミリルがローテーブルに足をぶつけただけだ!」
言い返された兵士は、その後は大人しくなり、部屋に入ってこようとする様子はなかった。
「ううっ!」
こんなことをする人だなんて、思ってもみなかった。こんな人と結婚だなんて絶対に嫌よ!
彼の頬に平手打ちをしようと手を上げたけれど、すぐに掴まれ、両手首を片手で押さえつけられた。
「静かにしてくれ。手荒な真似はしたくないんだよ。君に言うことを聞いてもらえないと僕は……!」
ノンクード様が私の口にハンカチを突っ込み、私の首に両手をかけた時だった。廊下のほうからバタバタと足音が聞こえて来たかと思うと、お兄様の声が聞こえた。
「ノンクード様、シエッタ殿下のことでお話したいことがあります。中に入れていただけませんか」
シエッタ殿下のことでと言ったのが良かったのか、ノンクード様は「今の話は誰にも言わないように」と言って私から離れると、乱れたシャツを直しながら応える。
「かまいませんよ。僕もあなたとお話がしたかったんです」
ノンクード様は一体、何を考えているの? シエッタ殿下が好きなのに、どうして私と婚約破棄しないの? それに、どうしてお兄様とシエッタ殿下をくっつけようとするのよ!?
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