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27 元夫との対決 ③
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レディシト様からはすぐに返事が来た。
こちらの都合に合わせて、トイズ辺境伯家に伺うので、日時を指定してほしいと書かれていた。
こちらの仕事の段取りもあったので、キリュウ様と相談して約二十日後を指定すると、前回と同じようにすぐに承諾の返事が届いた。
書いてある文章を見る限り、わたしが前向きな回答をすると思っているみたいです。
執務室で仕事をしていた時、ふと、気になって、キリュウ様に聞いてみます。
「自分の都合の良いように考えることができれば、ストレスは少なくなるのでしょうか」
「……どうして、そんなことを聞くんだ?」
「良い方向にしか考えられないということは、悩み事はないということなのかなと思いまして」
「そういうわけでもないだろ。例えば、モテすぎて困るとか思う奴もいるだろうし」
「……モテすぎることがストレスになるのですか」
「ストレスというか、別の意味で悩んでるじゃないか。たとえば、こんなに好かれても相手は一人しか選べない。俺は罪な人間だ、的な」
そう言われてみれば、キリュウ様はメイド志望の女性が一気に来て、苦労されていました。
嫌そうにされていましたが、実際は違ったのでしょうか。
「俺のことじゃないからな」
「どうして、わたしがキリュウ様のことを考えているとわかったのですか!?」
「俺のほうを見てただろ」
やってしまいました。
無意識に見てしまっていたようです。
「失礼いたしました。でも、キリュウ様は嬉しくはなかったのですか?」
「個人的には嬉しくはない。辺境伯としては、ありがたいことだけどな」
「メイド志望ですものね」
この屋敷には若い女性がエルザ以外いない時期が長く続いていました。
そこに、たくさんの人が働きたいと言って来てくれたことは、喜ぶべきところなのでしょう。
問題は女性は誰一人、採用されなかったことですが――
あとから調べてみた結果、真面目にメイド志望で来た人は、人の多さに圧倒されて帰ってしまったみたいです。
メイドで思い出しましたが、リブトラル伯爵家の元メイドたちは放置したままなんでしょうか。
気になったので、聞いてみることにします。
「そういえば、リブトラル伯爵家の元使用人たちはどうしているのでしょうか」
「ほとんどの人間が自分の故郷に戻った。執事はリブトラル伯爵が斡旋した仕事をし始めたんだが、気に入らなかったみたいで夜逃げしたらしい」
「夜逃げですか。リブトラル伯爵はどんな仕事を紹介したのでしょうか」
「墓地の警備だよ。墓荒らしが現れないように、夜に見回りするんだ」
「……執事がやる仕事ではないかもしれませんね」
しかも、夜の墓地なんて怖いです。
外灯はあるかもしれませんが、小道を照らすくらいでしょうし、どれくらいの広さかはわかりませんが、墓地を夜に一人で歩くのは普通の人なら恐ろしく感じるでしょう。
「夜逃げというか、仕事を放棄して逃げたというのが正しいのかな」
「……執事はリブトラル伯爵に裏切られたと思ったでしょうか」
「……わからない。でも、嘘をつかなければ、こんなことにならなかったと後悔はしているだろうな」
リブトラル伯爵家にいた使用人たちは、メイナーから何らかの報酬を受け取っていました。
執事は何をもらったのでしょう。
ただ、リブトラル伯爵のために嘘をついただけだというなら、彼は職務を全うしたということになるのでしょうか。
******
リブトラル伯爵がやって来る当日の朝は、かなり緊張していました。
わたしに拒絶された時に、彼がどんな反応をするのかわかりません。
メイナーを拒絶したことを、彼はけじめだと手紙に書いていました。
それならわたしも、けじめをつけることに文句を言われる筋合いはないですよね。
「緊張してるのか?」
「少しだけしています。でも、負けるつもりはありません」
「そうか」
キリュウ様は口元に笑みを浮かべる。
今日はできればキリュウ様の手を借りずに、全てを終わらせたいです。
約束の時間よりも少しだけ早い時間に、リブトラル伯爵はやって来た。
さすがに彼も緊張した面持ちで、出迎えたわたしたちに挨拶をした。
手荷物検査や身体検査のあとに応接室に案内し、リブトラル伯爵が座った向かい側にわたしが座り、キリュウ様は窓際に安楽椅子を置いて、そこに座った。
ソファに座らなかったのは、話の邪魔はしないという意思表示なのでしょう。
ただ、キリュウ様は手に短刀を持っているので、リブトラル伯爵は少し怯えているように見えます。
メイドがお茶を淹れて部屋から出ていくと、リブトラル伯爵は早速、口を開く。
「アーシャ、今回は時間を作ってくれてありがとう」
「リブトラル伯爵。申し訳ございませんが、わたしとあなたはもう他人なのです。しかも、わたしはキリュウ様の婚約者です。昔のように気軽に名前を呼ぶのはご遠慮願います」
「……今は、元妻と元夫という立場で話をしたいんだ」
キリュウ様に視線を送ると、不機嫌そうな顔で「好きなようにしろ」と言った。
リブトラル伯爵の言うことを聞いてあげる必要はありませんが、そのほうが言いたいことを言えるかもしれないと思って了承します。
「良いでしょう。ですが、わたしに婚約者がいるということは忘れないでください」
「……わかったよ」
リブトラル伯爵は渋々といった様子で頷くと話し始める。
「離婚する前のこと、本当に済まなかった」
「あの当時はショックでしたが、もう気にしていません。それよりも、本当に悪いと思っているのなら、もう、わたしに会おうとするのはやめてください。迷惑なんです」
「め、迷惑?」
リブトラル伯爵はショックを受けた顔をして聞き返してきた。
「手紙でも書いたはずですが、読んでいらっしゃらないのですか?」
「い、いや、だって、それはトイズ辺境伯に書けと言われて書いたんだろう?」
「いいえ。わたしの表情を見てもらえれば、嘘か本当かわかるはずです」
嫌悪感を隠すことなく言うと、リブトラル伯爵は焦った顔をして、キリュウ様を見た。
「おい。俺を見るなよ。別にそう書けなんてアーシャに命令していない」
「で、でも、そんな、おかしいじゃないですか」
「おかしくなんかありません。それよりも、どうして、そこまでわたしの心があなたから離れないと思い込めるんですか」
納得できる答えは返ってこないかもしれません。
でも、聞くだけ聞いてみると、リブトラル伯爵が問いかけてくる。
「あの時、あなたが幸せであればいいと言ってくれたよね?」
「……はい。言いました」
まさか、そんな。
わたしが原因だっていうんですか。
「僕の幸せがアーシャの幸せだ。そうだろう?」
どうして、この人はわたしの気持ちが変化するものだとわからないのでしょうか。
「リブトラル伯爵、あの時と今は状況が違うんです。あなたは、わたしに隠していることがあるでしょう?」
「隠していること?」
「ええ。わたしがいなくなれば良いと思ったことがあると聞きました」
「な、え、そんな、どうして、トイズ辺境伯! あなたが話したんですか!?」
興奮して立ち上がったリブトラル伯爵に、わたしが答えます。
「いいえ。夜逃げをした元リブトラル伯爵家の執事が、わたし宛に手紙を送ってくれたんです。そして、あなたがわたしがいなくなれば良いと言った理由もそこに書かれてありました」
「そんな……」
リブトラル伯爵の顔色が一瞬にして悪くなり、ソファに崩れ落ちた。
「誠に申し訳ございませんが、自分のことを死んでほしいと思うような人の幸せを願えるようなできた人間ではありません。ですから、今のわたしはあなたに対しての情はありません」
わたしの行動で嫌な思いをさせていたのなら、反省すべきだと思えたでしょう。
ですが、わたしと夜を共にしたくないという自分勝手な理由で死を願われるだなんて理不尽すぎます!
そんな風に思うなら、最初から結婚しないでほしかったです!
こちらの都合に合わせて、トイズ辺境伯家に伺うので、日時を指定してほしいと書かれていた。
こちらの仕事の段取りもあったので、キリュウ様と相談して約二十日後を指定すると、前回と同じようにすぐに承諾の返事が届いた。
書いてある文章を見る限り、わたしが前向きな回答をすると思っているみたいです。
執務室で仕事をしていた時、ふと、気になって、キリュウ様に聞いてみます。
「自分の都合の良いように考えることができれば、ストレスは少なくなるのでしょうか」
「……どうして、そんなことを聞くんだ?」
「良い方向にしか考えられないということは、悩み事はないということなのかなと思いまして」
「そういうわけでもないだろ。例えば、モテすぎて困るとか思う奴もいるだろうし」
「……モテすぎることがストレスになるのですか」
「ストレスというか、別の意味で悩んでるじゃないか。たとえば、こんなに好かれても相手は一人しか選べない。俺は罪な人間だ、的な」
そう言われてみれば、キリュウ様はメイド志望の女性が一気に来て、苦労されていました。
嫌そうにされていましたが、実際は違ったのでしょうか。
「俺のことじゃないからな」
「どうして、わたしがキリュウ様のことを考えているとわかったのですか!?」
「俺のほうを見てただろ」
やってしまいました。
無意識に見てしまっていたようです。
「失礼いたしました。でも、キリュウ様は嬉しくはなかったのですか?」
「個人的には嬉しくはない。辺境伯としては、ありがたいことだけどな」
「メイド志望ですものね」
この屋敷には若い女性がエルザ以外いない時期が長く続いていました。
そこに、たくさんの人が働きたいと言って来てくれたことは、喜ぶべきところなのでしょう。
問題は女性は誰一人、採用されなかったことですが――
あとから調べてみた結果、真面目にメイド志望で来た人は、人の多さに圧倒されて帰ってしまったみたいです。
メイドで思い出しましたが、リブトラル伯爵家の元メイドたちは放置したままなんでしょうか。
気になったので、聞いてみることにします。
「そういえば、リブトラル伯爵家の元使用人たちはどうしているのでしょうか」
「ほとんどの人間が自分の故郷に戻った。執事はリブトラル伯爵が斡旋した仕事をし始めたんだが、気に入らなかったみたいで夜逃げしたらしい」
「夜逃げですか。リブトラル伯爵はどんな仕事を紹介したのでしょうか」
「墓地の警備だよ。墓荒らしが現れないように、夜に見回りするんだ」
「……執事がやる仕事ではないかもしれませんね」
しかも、夜の墓地なんて怖いです。
外灯はあるかもしれませんが、小道を照らすくらいでしょうし、どれくらいの広さかはわかりませんが、墓地を夜に一人で歩くのは普通の人なら恐ろしく感じるでしょう。
「夜逃げというか、仕事を放棄して逃げたというのが正しいのかな」
「……執事はリブトラル伯爵に裏切られたと思ったでしょうか」
「……わからない。でも、嘘をつかなければ、こんなことにならなかったと後悔はしているだろうな」
リブトラル伯爵家にいた使用人たちは、メイナーから何らかの報酬を受け取っていました。
執事は何をもらったのでしょう。
ただ、リブトラル伯爵のために嘘をついただけだというなら、彼は職務を全うしたということになるのでしょうか。
******
リブトラル伯爵がやって来る当日の朝は、かなり緊張していました。
わたしに拒絶された時に、彼がどんな反応をするのかわかりません。
メイナーを拒絶したことを、彼はけじめだと手紙に書いていました。
それならわたしも、けじめをつけることに文句を言われる筋合いはないですよね。
「緊張してるのか?」
「少しだけしています。でも、負けるつもりはありません」
「そうか」
キリュウ様は口元に笑みを浮かべる。
今日はできればキリュウ様の手を借りずに、全てを終わらせたいです。
約束の時間よりも少しだけ早い時間に、リブトラル伯爵はやって来た。
さすがに彼も緊張した面持ちで、出迎えたわたしたちに挨拶をした。
手荷物検査や身体検査のあとに応接室に案内し、リブトラル伯爵が座った向かい側にわたしが座り、キリュウ様は窓際に安楽椅子を置いて、そこに座った。
ソファに座らなかったのは、話の邪魔はしないという意思表示なのでしょう。
ただ、キリュウ様は手に短刀を持っているので、リブトラル伯爵は少し怯えているように見えます。
メイドがお茶を淹れて部屋から出ていくと、リブトラル伯爵は早速、口を開く。
「アーシャ、今回は時間を作ってくれてありがとう」
「リブトラル伯爵。申し訳ございませんが、わたしとあなたはもう他人なのです。しかも、わたしはキリュウ様の婚約者です。昔のように気軽に名前を呼ぶのはご遠慮願います」
「……今は、元妻と元夫という立場で話をしたいんだ」
キリュウ様に視線を送ると、不機嫌そうな顔で「好きなようにしろ」と言った。
リブトラル伯爵の言うことを聞いてあげる必要はありませんが、そのほうが言いたいことを言えるかもしれないと思って了承します。
「良いでしょう。ですが、わたしに婚約者がいるということは忘れないでください」
「……わかったよ」
リブトラル伯爵は渋々といった様子で頷くと話し始める。
「離婚する前のこと、本当に済まなかった」
「あの当時はショックでしたが、もう気にしていません。それよりも、本当に悪いと思っているのなら、もう、わたしに会おうとするのはやめてください。迷惑なんです」
「め、迷惑?」
リブトラル伯爵はショックを受けた顔をして聞き返してきた。
「手紙でも書いたはずですが、読んでいらっしゃらないのですか?」
「い、いや、だって、それはトイズ辺境伯に書けと言われて書いたんだろう?」
「いいえ。わたしの表情を見てもらえれば、嘘か本当かわかるはずです」
嫌悪感を隠すことなく言うと、リブトラル伯爵は焦った顔をして、キリュウ様を見た。
「おい。俺を見るなよ。別にそう書けなんてアーシャに命令していない」
「で、でも、そんな、おかしいじゃないですか」
「おかしくなんかありません。それよりも、どうして、そこまでわたしの心があなたから離れないと思い込めるんですか」
納得できる答えは返ってこないかもしれません。
でも、聞くだけ聞いてみると、リブトラル伯爵が問いかけてくる。
「あの時、あなたが幸せであればいいと言ってくれたよね?」
「……はい。言いました」
まさか、そんな。
わたしが原因だっていうんですか。
「僕の幸せがアーシャの幸せだ。そうだろう?」
どうして、この人はわたしの気持ちが変化するものだとわからないのでしょうか。
「リブトラル伯爵、あの時と今は状況が違うんです。あなたは、わたしに隠していることがあるでしょう?」
「隠していること?」
「ええ。わたしがいなくなれば良いと思ったことがあると聞きました」
「な、え、そんな、どうして、トイズ辺境伯! あなたが話したんですか!?」
興奮して立ち上がったリブトラル伯爵に、わたしが答えます。
「いいえ。夜逃げをした元リブトラル伯爵家の執事が、わたし宛に手紙を送ってくれたんです。そして、あなたがわたしがいなくなれば良いと言った理由もそこに書かれてありました」
「そんな……」
リブトラル伯爵の顔色が一瞬にして悪くなり、ソファに崩れ落ちた。
「誠に申し訳ございませんが、自分のことを死んでほしいと思うような人の幸せを願えるようなできた人間ではありません。ですから、今のわたしはあなたに対しての情はありません」
わたしの行動で嫌な思いをさせていたのなら、反省すべきだと思えたでしょう。
ですが、わたしと夜を共にしたくないという自分勝手な理由で死を願われるだなんて理不尽すぎます!
そんな風に思うなら、最初から結婚しないでほしかったです!
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