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19 波乱のパーティー ③
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メイナーは必死にわたしの足を踏んでいますが、全く痛くありません。
シルーク侯爵夫人からいただいた靴の先には鉄板が入っているため、踏まれたくらいでは痛みを感じないというよりか、踏まれている感覚も、あまりありません。
主に重たいものを扱う作業をする人たちが履く靴の改良版かと思ったのですが、わたしの靴の場合はヒール部分が特別だったりします。
特注でしか作らないものらしく、仕込み靴というらしいです。
このヒール部分が有りのものについては、特注でしか作らないこと。
シルーク侯爵夫人の靴は、もう少し危険なものになっていて、ふつうの貴婦人は絶対に履かないものだと言っていました。
わたしがまったく表情を変えないことを、メイナーは不思議そうにしていましたが、わたしに性格が悪いと言われた途端、怒りをむき出しにした。
でも、すぐに周りの視線に気がついたのか、足を踏むことをやめて、小声で話しかけてくる。
「昔は私の後ろに隠れてばかりいたくせに、言うようになったじゃないの」
「わたしも成長したんです」
「成長? バックに辺境伯がいるから強くなった気でいるだけでしょう?」
「それは間違っていません。ただ、辺境伯がいるからではなく、キリュウ様がいるから、が正しいです」
「……ふぅん」
メイナーは笑みを浮かべると、キリュウ様に視線を送る。
でも、キリュウ様はセイブル伯爵の相手をしているので無視だった。
そのせいか、メイナーは少し不満げな表情になっている。
こんな風に男性に相手にされなかったことは、今まではなかったんでしょうね。
「メイナー」
「……何かしら」
「もう、お互いにかかわりあうのはやめませんか」
「……は?」
「お互いにいないものと思って、人生を歩んでいくほうが良いと思うんです。いがみ合っていても無駄な時間を費やすだけです」
話し合っても無駄かもしれません。
でも、何も言わないで決めつけるのも違います。
メイナーはわたしのことをずっと嫌っていたかもしれませんが、一緒にいた年数は長いです。
少しは情が生まれていたんじゃないかと思う、私は甘い考えの持ち主なんでしょうか。
メイナーは一瞬、驚いた顔をしましたが、すぐに悲しそうな表情になって大きな声で叫ぶ。
「酷い! 私は足を踏んでしまったけれど、悪気はなかったの! それなのにそこまで責めるなんて酷いわ!」
交渉決裂といったところですかね。
メイナーはどうしてもわたしを悪者にしたいようです。
どうしたら、そんなに簡単に出せるのか不思議ですが、大粒の涙をポロポロと流しながら続ける。
「あなたが嘘つきという噂が流れているのは知っているわ。だから、あなたを慰めたくて声をかけようとしただけなのに!」
「メイナー、多くの貴族の間ではわたしではなく、あなたが嘘つきだということになっているのですが、それを知らないみたいですね」
「……え?」
メイナーは本当に知らなかったようで、目をきょとんとさせている。
「社交界の間では、わたしが嘘をついているという嘘を何者かが流していて、その何者かというのが、あなたやあなたのご両親ではないかと言われているのですよ」
「し、失礼なことを言うな!」
わたしたちの会話が聞こえていたようで、セイブル伯爵が声を荒らげると、キリュウ様が口を開く。
「アーシャが言っているんじゃありません。彼女は社交界の噂を口にしただけです」
「社交界の噂ですって? 私は聞いておりませんよ。この場にいる他の皆さんだってそうでしょう」
セイブル伯爵は勝ち誇った笑みを浮かべ、同意を求めるかのように周りを見る。
すると、どこからか声が聞こえてくる。
「知ってます!」
「私も知っています!」
「私も」
一人が言い始めると、皆で言えば怖くないなのか、次々に名乗りを上げていく。
数が増えていくほど、メイナーやセイブル伯爵の表情が苦々しいものに変わっていった。
「くそっ! 誰なんだ、そんな噂を流したのは!」
セイブル伯爵は八つ当たりなのか、通りがかったウエイターを捕まえて叫ぶ。
「お前! 私を馬鹿にしただろう!」
「いいえ! そんなことは決してございません!」
「いいや。笑いものにするために、ここに近づいたんだろう!」
「ち、違います! 私は何も!」
「うるさい! お前、覚えていろよ! 訴えてやるからな!」
「おい、いいかげんにしろ!」
ウエイターとセイブル伯爵の間に、キリュウ様が割って入った時、おとなしかったメイナーが行動に出る。
「酷い! 酷いわ! 私は何も嘘なんてついていないのにぃ!」
メイナーは泣き叫ぶと、体当りするように人にぶつかりながら、会場の外に出て行った。
今の状況では自分が不利だと思ったみたいです。
メイナーを追うかどうするか迷った様子を見せたあと、セイブル伯爵はキリュウ様を睨みつける。
「トイズ辺境伯! あなたが噂を流したんですか!」
「それを言われたら、こっちも、アーシャが嘘つきだなんて嘘を、あなたが流したのか知りたいですね」
キリュウ様が睨み返した時、わたしは誰かから声をかけられました。
「失礼。何かありましたか」
慌てて、後ろを振り返ると、そこに立っていたのはシルーク侯爵でした。
「あ、あの!」
答える前に挨拶をしたほうが良いんでしょうか!
パニックになっていると、シルーク侯爵はわたしに微笑んだあと、視線を移し、キリュウ様たちに話しかける。
「できれば、妻が気づかない内に穏便に解決したいんですよ。話を聞かせてもらえますか」
もし、夫人が気づいてしまったらどうなるのか、少しだけ気になってしまうわたしは、緊張感がなさすぎるのでしょうか。
◆◇◆◇◆◇
(メイナー視点)
受付の前まで来て、走るのが辛くなってきたので足を止めた。
悔しい、悔しい!
私がアーシャに負けるなんてありえない!
関わらないようにしようですって?
どうして、私が努力しないといけないの?
アーシャがこの世からいなくなれば良いだけじゃないの!
どす黒い感情が胸の中を渦巻いた時、背中に何かずしりと重いものがのしかかった気がして、その場にしゃがみこんだ。
「メイナー様! 大丈夫ですか!?」
私に声をかけてきたのは、最近はまったく連絡をとっていない女性で、学生時代、アーシャをいじめていた一人だった。
想いを寄せている男性との仲を取り持つ代わりに、アーシャを陰でいじめさせたのだ。
そうだわ。
また、彼女を使えばいい。
「あなたに相談したいことがあるの」
「え?」
「ここでは目立つわ。場所を変えましょう」
受付前に座り込んでいたため、そう話しかけた時、「どうかしましたか?」と声をかけられた。
目を向けると、受付担当の女性かと思ったら違った。
そこにいたのは、受付名簿らしき紙を持ったシルーク侯爵夫人だった。
なんて良いタイミングなの。
彼女を味方につけることができたら、わたしはアーシャに勝つことができるわ!
シルーク侯爵夫人からいただいた靴の先には鉄板が入っているため、踏まれたくらいでは痛みを感じないというよりか、踏まれている感覚も、あまりありません。
主に重たいものを扱う作業をする人たちが履く靴の改良版かと思ったのですが、わたしの靴の場合はヒール部分が特別だったりします。
特注でしか作らないものらしく、仕込み靴というらしいです。
このヒール部分が有りのものについては、特注でしか作らないこと。
シルーク侯爵夫人の靴は、もう少し危険なものになっていて、ふつうの貴婦人は絶対に履かないものだと言っていました。
わたしがまったく表情を変えないことを、メイナーは不思議そうにしていましたが、わたしに性格が悪いと言われた途端、怒りをむき出しにした。
でも、すぐに周りの視線に気がついたのか、足を踏むことをやめて、小声で話しかけてくる。
「昔は私の後ろに隠れてばかりいたくせに、言うようになったじゃないの」
「わたしも成長したんです」
「成長? バックに辺境伯がいるから強くなった気でいるだけでしょう?」
「それは間違っていません。ただ、辺境伯がいるからではなく、キリュウ様がいるから、が正しいです」
「……ふぅん」
メイナーは笑みを浮かべると、キリュウ様に視線を送る。
でも、キリュウ様はセイブル伯爵の相手をしているので無視だった。
そのせいか、メイナーは少し不満げな表情になっている。
こんな風に男性に相手にされなかったことは、今まではなかったんでしょうね。
「メイナー」
「……何かしら」
「もう、お互いにかかわりあうのはやめませんか」
「……は?」
「お互いにいないものと思って、人生を歩んでいくほうが良いと思うんです。いがみ合っていても無駄な時間を費やすだけです」
話し合っても無駄かもしれません。
でも、何も言わないで決めつけるのも違います。
メイナーはわたしのことをずっと嫌っていたかもしれませんが、一緒にいた年数は長いです。
少しは情が生まれていたんじゃないかと思う、私は甘い考えの持ち主なんでしょうか。
メイナーは一瞬、驚いた顔をしましたが、すぐに悲しそうな表情になって大きな声で叫ぶ。
「酷い! 私は足を踏んでしまったけれど、悪気はなかったの! それなのにそこまで責めるなんて酷いわ!」
交渉決裂といったところですかね。
メイナーはどうしてもわたしを悪者にしたいようです。
どうしたら、そんなに簡単に出せるのか不思議ですが、大粒の涙をポロポロと流しながら続ける。
「あなたが嘘つきという噂が流れているのは知っているわ。だから、あなたを慰めたくて声をかけようとしただけなのに!」
「メイナー、多くの貴族の間ではわたしではなく、あなたが嘘つきだということになっているのですが、それを知らないみたいですね」
「……え?」
メイナーは本当に知らなかったようで、目をきょとんとさせている。
「社交界の間では、わたしが嘘をついているという嘘を何者かが流していて、その何者かというのが、あなたやあなたのご両親ではないかと言われているのですよ」
「し、失礼なことを言うな!」
わたしたちの会話が聞こえていたようで、セイブル伯爵が声を荒らげると、キリュウ様が口を開く。
「アーシャが言っているんじゃありません。彼女は社交界の噂を口にしただけです」
「社交界の噂ですって? 私は聞いておりませんよ。この場にいる他の皆さんだってそうでしょう」
セイブル伯爵は勝ち誇った笑みを浮かべ、同意を求めるかのように周りを見る。
すると、どこからか声が聞こえてくる。
「知ってます!」
「私も知っています!」
「私も」
一人が言い始めると、皆で言えば怖くないなのか、次々に名乗りを上げていく。
数が増えていくほど、メイナーやセイブル伯爵の表情が苦々しいものに変わっていった。
「くそっ! 誰なんだ、そんな噂を流したのは!」
セイブル伯爵は八つ当たりなのか、通りがかったウエイターを捕まえて叫ぶ。
「お前! 私を馬鹿にしただろう!」
「いいえ! そんなことは決してございません!」
「いいや。笑いものにするために、ここに近づいたんだろう!」
「ち、違います! 私は何も!」
「うるさい! お前、覚えていろよ! 訴えてやるからな!」
「おい、いいかげんにしろ!」
ウエイターとセイブル伯爵の間に、キリュウ様が割って入った時、おとなしかったメイナーが行動に出る。
「酷い! 酷いわ! 私は何も嘘なんてついていないのにぃ!」
メイナーは泣き叫ぶと、体当りするように人にぶつかりながら、会場の外に出て行った。
今の状況では自分が不利だと思ったみたいです。
メイナーを追うかどうするか迷った様子を見せたあと、セイブル伯爵はキリュウ様を睨みつける。
「トイズ辺境伯! あなたが噂を流したんですか!」
「それを言われたら、こっちも、アーシャが嘘つきだなんて嘘を、あなたが流したのか知りたいですね」
キリュウ様が睨み返した時、わたしは誰かから声をかけられました。
「失礼。何かありましたか」
慌てて、後ろを振り返ると、そこに立っていたのはシルーク侯爵でした。
「あ、あの!」
答える前に挨拶をしたほうが良いんでしょうか!
パニックになっていると、シルーク侯爵はわたしに微笑んだあと、視線を移し、キリュウ様たちに話しかける。
「できれば、妻が気づかない内に穏便に解決したいんですよ。話を聞かせてもらえますか」
もし、夫人が気づいてしまったらどうなるのか、少しだけ気になってしまうわたしは、緊張感がなさすぎるのでしょうか。
◆◇◆◇◆◇
(メイナー視点)
受付の前まで来て、走るのが辛くなってきたので足を止めた。
悔しい、悔しい!
私がアーシャに負けるなんてありえない!
関わらないようにしようですって?
どうして、私が努力しないといけないの?
アーシャがこの世からいなくなれば良いだけじゃないの!
どす黒い感情が胸の中を渦巻いた時、背中に何かずしりと重いものがのしかかった気がして、その場にしゃがみこんだ。
「メイナー様! 大丈夫ですか!?」
私に声をかけてきたのは、最近はまったく連絡をとっていない女性で、学生時代、アーシャをいじめていた一人だった。
想いを寄せている男性との仲を取り持つ代わりに、アーシャを陰でいじめさせたのだ。
そうだわ。
また、彼女を使えばいい。
「あなたに相談したいことがあるの」
「え?」
「ここでは目立つわ。場所を変えましょう」
受付前に座り込んでいたため、そう話しかけた時、「どうかしましたか?」と声をかけられた。
目を向けると、受付担当の女性かと思ったら違った。
そこにいたのは、受付名簿らしき紙を持ったシルーク侯爵夫人だった。
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