13 / 30
13 嘘をつかれた被害者 ①
しおりを挟む
どうして、元義母がここにいるのか疑問に思いましたが、先にトイズ辺境伯家に行って、出かけているとでも言われたのでしょう。
エルザたちが彼女に行き先を伝えるわけがないので、目撃情報を掴んで、ここにやって来たという感じでしょうね。
「俺が話す」
キリュウ様がクマゴリラ様たちに声をかけると、キリュウ様の前にいた護衛は、わたしの横に場所を移動した。
「トイズ辺境伯! お願いです。取引業者から聞きました。レディシトの看病をしていたのも、仕事をやってくれていたのも全てアーシャさんなのですよね!?」
メイナーは使用人に口止めはしたけれど、仕事関係の人たちには話をしていなかったようです。
ドイシン病と診断される前からレディシト様は寝込んでいました。
そのため短い間ではありましたが、わたしが彼の代わりに仕事をしていました。
その間に何人かと直接会って話をしましたので、その方たちから聞いたのでしょう。
「それがどうした。アーシャにはもう関係ないことだ」
「そんなことはありません! メイナーは今、ルーナオを探しにいっていますが、見つからないようなんです」
「だから、それはアーシャに関係ないだろ。さっさと本題を言え」
こちらに背を向けているのでキリュウ様の顔は見えません。
でも、声色を聞く限り、かなり苛立っていることは伝わってきます。
「使用人はメイナーがルーナオを採ってきたと言っていますが、もしかして、アーシャさんが採ってきてくれたのかと思ったんです!」
真実にたどり着いてくれたのは嬉しいですが、今更といった感じです。
「だから、アーシャにルーナオを採りにいってほしいってか? 都合が良すぎるだろ」
「それは存じております! ですが、このままでは息子が死んでしまうんです!」
見物人がかなり増えてきました。
ここで簡単に断ってしまったら、何も知らない人から見れば、わたしは悪者です。
元夫の母親ですから、無視をするのはどうかと思う人や、元夫とはいえ、命が危険なのだから助けてやれば良いと思う人もいるでしょう。
でも、先にわたしを捨てたのはレディシト様です。
それに、レディシト様を助けるということはメイナーを助けることになります。
そんなことは絶対に嫌です。
それに、元義母はこうやって大勢の前で叫んで、わたしが断りづらいようにしたのでしょう。
そういうところも腹が立ちます。
我慢できなくなって、護衛に少しだけ横にズレてもらい、顔だけ見せて、元義母に話しかけます。
「わたしなんかに頼らずに、あなたが自分で探しに行けば良いではないですか。それに、メイナーが探しに行っているんでしょう?」
「……見つけられないから言っているのよ!」
「……わたしはあの時、嘘つき呼ばわりされたこと、絶対に許しません」
「だから、信じなくて悪かったと言っているじゃないの! 素直に言うことを聞いてちょうだい!」
元義母は声を荒らげたあと、すぐに口を押さえる。
「……ごめんなさい。頼む人間が、言う言葉じゃないわよね」
「そうですね」
躊躇することなく頷き、元義母に話しかけます。
「母親として息子が心配だという気持ちはお察しします。ですが、追い出したわたしに探すことを強制しようとするのはどうかと思います」
「あなたはレディシトのことを愛しているのでしょう?」
元義母は体を震わせながら聞いてきた。
「わたしはもう、レディシト様のことを愛してはいません。だからといって見殺しにしても良いとも思っていません」
「なら、助けてくれるのね!?」
元義母だけでなく、野次馬の視線がわたしに集まっています。
「嫌に決まってんだろ」
言葉を選ぼうと考えていたわたしが口を開く前に、キリュウ様が会話に割って入ってきた。
「正式発表はまだだが、アーシャは俺の婚約者なんだ。元夫になんて関わってほしくない」
「こ、婚約者ですって!?」
驚く元義母は無視して、キリュウ様の意見にクマゴリラさまがうんうんと頷く。
「彼女が元カレと会うのも嫌だと思うのに、元夫なんて、俺だったら絶対に嫌だな」
「普通は嫌ですよ。しかも、自分たちがアーシャ様を追い出したんですよ。そんな相手を助ける必要あるんですか」
「そうですよ。都合が良すぎますって!」
クマゴリラさまの言葉に、他の護衛たちも同意する。
自分でいうと言い訳がましくなりますが、こんな状況でも断る経緯があるのだと、周りにアピールしてくれているのは本当に助かります。
ここまでやってもらったんですもの。
物怖じしていてはいけません。
「レディシト様を助けられるのは、わたしだけではありません。それに、こんな無駄なことはせずに、ルーナオを探しに行かれたらどうですか?」
「見たらわかるでしょう! 急激に痩せてしまって体力もないのよ! それに、主人が私の代わりに行ってくれているわ!」
そう言われてみれば、ふっくらしていた体が痩せたようにも見えます。
「では、メイナー以外の人に探してもらってはどうでしょう。レディシト様には友人も多くいらっしゃいますから、助けてくれるのはないでしょうか」
「頼んでくるわよ!」
元義母はそう叫ぶと、わたしを睨みつける。
「私も嘘をつかれた被害者なのよ! そんな人を許さないだなんて、あなたがこんなに器の小さい女性だったなんて知らなかったわ! レディシトと離婚させて本当に良かった!」
「それはこちらのセリフです! 離婚をさせていただきありがとうございました!」
元義母は恨めしそうな顔をしたあと、わたしに背を向けて歩き出す。
「お、奥さま、お待ちください!」
元義母のメイドが慌てて後を追いかけていくのを見届け、騒がしくしてしまったことを周りの人に詫びてから、わたしたちは馬車が待っている場所に移動したのでした。
◇◆◇◆◇◆
(メイナー視点)
見つからない!
泣き言ばかり言う侍女を森の外へ出し、代わりに護衛たちに探させたけれど見つからない。
アーシャはどうやって見つけたのかしら。
うさぎ、うさぎと言っていたから、うさぎを追いかけて……って、そうだわ。
うさぎよ!
侍女だってそう言っていたじゃない。
「うさぎを捕まえて!」
「しょ、承知しました!」
きっと、草の中にうさぎが隠れていて、その近くにルーナオがあるんだわ。
これで、レディシト様は助かる!
頭の中が希望に満ち溢れた時、背後から怒鳴り声が聞こえた。
「おい! よくも騙してくれたな!」
背後から、気難しそうな顔をした中肉中背の背広姿の男性が現れた。
一瞬、何か言い返してしまいそうになったけれど、相手が誰だか気がついてやめた。
「お義父さま」
アーシャが出て行って少ししてから、本人からそう呼ぶように言われていたので、自然とそう呼んだ時だった。
「そんな呼び方をするな! お前と私は赤の他人だ! この嘘つきめが!」
お義父さまは私を突き飛ばし、護衛たちに叫ぶ。
「いいか! お前たち! 本来なら主人に嘘をついたということで全員がクビだ! だが、ルーナオを見つけ出せた奴だけクビを回避させてやる! いいか! 今すぐ探すんだ!」
「は、はい!」
騎士たちは声を揃えて返事をすると、先程よりも必死になってルーナオを探し始めた。
状況が掴めなくて、お義父さまに尋ねる。
「あ、あの一体、どういうことなんですか」
「どうもこうもない。お前は使用人を買収したようだが、取引業者の買収を忘れていた。だから、何も知らない業者が看病をしていたのも、仕事をしていたのもアーシャだと教えてくれたんだよ!」
取引業者ですって!?
余計なことをするんじゃないわよ!
ーーーーーー
ざまぁ希望キャラを教えていただきありがとうございました。
エルザたちが彼女に行き先を伝えるわけがないので、目撃情報を掴んで、ここにやって来たという感じでしょうね。
「俺が話す」
キリュウ様がクマゴリラ様たちに声をかけると、キリュウ様の前にいた護衛は、わたしの横に場所を移動した。
「トイズ辺境伯! お願いです。取引業者から聞きました。レディシトの看病をしていたのも、仕事をやってくれていたのも全てアーシャさんなのですよね!?」
メイナーは使用人に口止めはしたけれど、仕事関係の人たちには話をしていなかったようです。
ドイシン病と診断される前からレディシト様は寝込んでいました。
そのため短い間ではありましたが、わたしが彼の代わりに仕事をしていました。
その間に何人かと直接会って話をしましたので、その方たちから聞いたのでしょう。
「それがどうした。アーシャにはもう関係ないことだ」
「そんなことはありません! メイナーは今、ルーナオを探しにいっていますが、見つからないようなんです」
「だから、それはアーシャに関係ないだろ。さっさと本題を言え」
こちらに背を向けているのでキリュウ様の顔は見えません。
でも、声色を聞く限り、かなり苛立っていることは伝わってきます。
「使用人はメイナーがルーナオを採ってきたと言っていますが、もしかして、アーシャさんが採ってきてくれたのかと思ったんです!」
真実にたどり着いてくれたのは嬉しいですが、今更といった感じです。
「だから、アーシャにルーナオを採りにいってほしいってか? 都合が良すぎるだろ」
「それは存じております! ですが、このままでは息子が死んでしまうんです!」
見物人がかなり増えてきました。
ここで簡単に断ってしまったら、何も知らない人から見れば、わたしは悪者です。
元夫の母親ですから、無視をするのはどうかと思う人や、元夫とはいえ、命が危険なのだから助けてやれば良いと思う人もいるでしょう。
でも、先にわたしを捨てたのはレディシト様です。
それに、レディシト様を助けるということはメイナーを助けることになります。
そんなことは絶対に嫌です。
それに、元義母はこうやって大勢の前で叫んで、わたしが断りづらいようにしたのでしょう。
そういうところも腹が立ちます。
我慢できなくなって、護衛に少しだけ横にズレてもらい、顔だけ見せて、元義母に話しかけます。
「わたしなんかに頼らずに、あなたが自分で探しに行けば良いではないですか。それに、メイナーが探しに行っているんでしょう?」
「……見つけられないから言っているのよ!」
「……わたしはあの時、嘘つき呼ばわりされたこと、絶対に許しません」
「だから、信じなくて悪かったと言っているじゃないの! 素直に言うことを聞いてちょうだい!」
元義母は声を荒らげたあと、すぐに口を押さえる。
「……ごめんなさい。頼む人間が、言う言葉じゃないわよね」
「そうですね」
躊躇することなく頷き、元義母に話しかけます。
「母親として息子が心配だという気持ちはお察しします。ですが、追い出したわたしに探すことを強制しようとするのはどうかと思います」
「あなたはレディシトのことを愛しているのでしょう?」
元義母は体を震わせながら聞いてきた。
「わたしはもう、レディシト様のことを愛してはいません。だからといって見殺しにしても良いとも思っていません」
「なら、助けてくれるのね!?」
元義母だけでなく、野次馬の視線がわたしに集まっています。
「嫌に決まってんだろ」
言葉を選ぼうと考えていたわたしが口を開く前に、キリュウ様が会話に割って入ってきた。
「正式発表はまだだが、アーシャは俺の婚約者なんだ。元夫になんて関わってほしくない」
「こ、婚約者ですって!?」
驚く元義母は無視して、キリュウ様の意見にクマゴリラさまがうんうんと頷く。
「彼女が元カレと会うのも嫌だと思うのに、元夫なんて、俺だったら絶対に嫌だな」
「普通は嫌ですよ。しかも、自分たちがアーシャ様を追い出したんですよ。そんな相手を助ける必要あるんですか」
「そうですよ。都合が良すぎますって!」
クマゴリラさまの言葉に、他の護衛たちも同意する。
自分でいうと言い訳がましくなりますが、こんな状況でも断る経緯があるのだと、周りにアピールしてくれているのは本当に助かります。
ここまでやってもらったんですもの。
物怖じしていてはいけません。
「レディシト様を助けられるのは、わたしだけではありません。それに、こんな無駄なことはせずに、ルーナオを探しに行かれたらどうですか?」
「見たらわかるでしょう! 急激に痩せてしまって体力もないのよ! それに、主人が私の代わりに行ってくれているわ!」
そう言われてみれば、ふっくらしていた体が痩せたようにも見えます。
「では、メイナー以外の人に探してもらってはどうでしょう。レディシト様には友人も多くいらっしゃいますから、助けてくれるのはないでしょうか」
「頼んでくるわよ!」
元義母はそう叫ぶと、わたしを睨みつける。
「私も嘘をつかれた被害者なのよ! そんな人を許さないだなんて、あなたがこんなに器の小さい女性だったなんて知らなかったわ! レディシトと離婚させて本当に良かった!」
「それはこちらのセリフです! 離婚をさせていただきありがとうございました!」
元義母は恨めしそうな顔をしたあと、わたしに背を向けて歩き出す。
「お、奥さま、お待ちください!」
元義母のメイドが慌てて後を追いかけていくのを見届け、騒がしくしてしまったことを周りの人に詫びてから、わたしたちは馬車が待っている場所に移動したのでした。
◇◆◇◆◇◆
(メイナー視点)
見つからない!
泣き言ばかり言う侍女を森の外へ出し、代わりに護衛たちに探させたけれど見つからない。
アーシャはどうやって見つけたのかしら。
うさぎ、うさぎと言っていたから、うさぎを追いかけて……って、そうだわ。
うさぎよ!
侍女だってそう言っていたじゃない。
「うさぎを捕まえて!」
「しょ、承知しました!」
きっと、草の中にうさぎが隠れていて、その近くにルーナオがあるんだわ。
これで、レディシト様は助かる!
頭の中が希望に満ち溢れた時、背後から怒鳴り声が聞こえた。
「おい! よくも騙してくれたな!」
背後から、気難しそうな顔をした中肉中背の背広姿の男性が現れた。
一瞬、何か言い返してしまいそうになったけれど、相手が誰だか気がついてやめた。
「お義父さま」
アーシャが出て行って少ししてから、本人からそう呼ぶように言われていたので、自然とそう呼んだ時だった。
「そんな呼び方をするな! お前と私は赤の他人だ! この嘘つきめが!」
お義父さまは私を突き飛ばし、護衛たちに叫ぶ。
「いいか! お前たち! 本来なら主人に嘘をついたということで全員がクビだ! だが、ルーナオを見つけ出せた奴だけクビを回避させてやる! いいか! 今すぐ探すんだ!」
「は、はい!」
騎士たちは声を揃えて返事をすると、先程よりも必死になってルーナオを探し始めた。
状況が掴めなくて、お義父さまに尋ねる。
「あ、あの一体、どういうことなんですか」
「どうもこうもない。お前は使用人を買収したようだが、取引業者の買収を忘れていた。だから、何も知らない業者が看病をしていたのも、仕事をしていたのもアーシャだと教えてくれたんだよ!」
取引業者ですって!?
余計なことをするんじゃないわよ!
ーーーーーー
ざまぁ希望キャラを教えていただきありがとうございました。
2,663
お気に入りに追加
3,525
あなたにおすすめの小説
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。
【完結】内緒で死ぬことにした 〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜
たろ
恋愛
手術をしなければ助からないと言われました。
でもわたしは利用価値のない人間。
手術代など出してもらえるわけもなく……死ぬまで努力し続ければ、いつかわたしのことを、わたしの存在を思い出してくれるでしょうか?
少しでいいから誰かに愛されてみたい、死ぬまでに一度でいいから必要とされてみたい。
生きることを諦めた女の子の話です
★異世界のゆるい設定です
婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。
【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜
たろ
恋愛
この話は
『内緒で死ぬことにした 〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜』
の続編です。
アイシャが亡くなった後、リサはルビラ王国の公爵の息子であるハイド・レオンバルドと結婚した。
そして、アイシャを産んだ。
父であるカイザも、リサとハイドも、アイシャが前世のそのままの姿で転生して、自分たちの娘として生まれてきたことを知っていた。
ただアイシャには昔の記憶がない。
だからそのことは触れず、新しいアイシャとして慈しみ愛情を与えて育ててきた。
アイシャが家族に似ていない、自分は一体誰の子供なのだろうと悩んでいることも知らない。
親戚にあたる王子や妹に、意地悪を言われていることも両親は気が付いていない。
アイシャの心は、少しずつ壊れていくことに……
明るく振る舞っているとは知らずに可愛いアイシャを心から愛している両親と祖父。
アイシャを助け出して心を救ってくれるのは誰?
◆ ◆ ◆
今回もまた辛く悲しい話しが出てきます。
無理!またなんで!
と思われるかもしれませんが、アイシャは必ず幸せになります。
もし読んでもいいなと思う方のみ、読んで頂けたら嬉しいです。
多分かなりイライラします。
すみません、よろしくお願いします
★内緒で死ぬことにした の最終話
キリアン君15歳から14歳
アイシャ11歳から10歳
に変更しました。
申し訳ありません。
もう、愛はいりませんから
さくたろう
恋愛
ローザリア王国公爵令嬢ルクレティア・フォルセティに、ある日突然、未来の記憶が蘇った。
王子リーヴァイの愛する人を殺害しようとした罪により投獄され、兄に差し出された毒を煽り死んだ記憶だ。それが未来の出来事だと確信したルクレティアは、そんな未来に怯えるが、その記憶のおかしさに気がつき、謎を探ることにする。そうしてやがて、ある人のひたむきな愛を知ることになる。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる