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11 元夫からの手紙 ②
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レディシト様からの手紙はドイシン病だと診断される前に書かれたものでした。
咳き込みながら書いていたのか、文字がかなり乱れています。
最初に書かれていたのは、今までのことを詫びる文章でした。
わたしと離婚したこと、わたしを守れなかったことを悔やんでいるというのです。
謝るから助けてほしい――
その文章を見た時、力が抜けて、手紙を掴む握力さえなくなりました。
こんなことを書かれたら、助けてほしいから反省したようにしか思えません。
自分を助けてほしいから、すり寄ってくる人だったのだかと思うと悲しくなります。
嘘でも良いから、こんな僕は放っておいてかまわないとは書けなかったんでしょうか。
……今までのわたしの性格上、頼んだほうが助けると思ったのかもしれませんね。
喜んでほしくて、レディシト様の望むようにしていた気もします。
「……手紙、読んでもいいか?」
気がつくと、キリュウ様が隣に座っていて、赤いカーペットの上に落ちていた手紙を拾って尋ねてきた。
「気分を害するかもしれません。それでも良ければ」
「……手紙が来たと聞いた時点で、気分は害してるから大丈夫だ」
もっと気分が悪くなるかもしれません。
と言おうとしてやめました。
言ったとしても、キリュウ様のことですし、読むでしょうから。
キリュウ様は手紙を読み終えると、舌打ちをして、手紙をテーブルの上に置いた。
「キリュウ様、手紙にはなんて書いてあったんだ?」
クマゴリラさまが尋ねると、キリュウ様は眉間のシワを深くして答える。
「嘘つきだったとしても、そうじゃなかったとしてもアーシャを信じるべきだった。後悔しているから、自分を助けられるなら助けてほしいだってよ」
「……ありえないな」
「ありえません!」
クマゴリラさまだけでなく、残ってくれていたエルザも怒ってくれたので、重かった気分が少し楽になりました。
「どうするつもりだ?」
キリュウ様の問いかけを聞いた、クマゴリラさまとエルザが無言で私を見つめる。
「……放っておけば死んでしまうんですよね」
「助けるつもりか?」
キリュウ様は不機嫌そうな顔で聞き返してきた。
それはそうですよね。
放っておいても良い案件だと思います。
「でも、わたしなら助けられるかもしれないと思うと、もし、助けなければ、わたしはレディシト様を殺したことになるんじゃないかと思ってしまうんです」
「……気持ちはわからなくはないけど、アーシャが悪いわけじゃない」
キリュウ様は否定してくれたけれど、わたしの中では納得いきません。
「レディシト様がメイナーのようにわたしを殺そうとしていたなら別です。レディシト様はわたしを信じてくれなかっただけで、殺そうとはしていないんです」
「……アーシャ、あのな」
キリュウ様が何か言おうとした時、雷鳴が鳴り響き、大雨が降り始めた。
「……言うなってことかよ。なんで隠そうとするのかわからない!」
キリュウ様は窓に向かって叫ぶと、わたしに視線を戻す。
「俺がリブトラル伯爵を助けようとするアーシャ止める理由は、ちゃんとある。それで、何となく察してくれ」
「……それって、レディシト様がわたしを殺そうとしていたということですか?」
「……そこまでは言ってない」
「アーシャ様、申し訳ございませんが、窓を閉める作業を手伝ってもらえませんか」
「は、はい!」
突然、エルザにお願いされて、急いで立ち上がりました。
後ほど改めて話をすることにして部屋を出ると、エルザが詫びてくる。
「お話の最中に申し訳ございません」
「いいえ。お仕事が優先ですもの。気が利かなくて申し訳ないです」
わたしたちが廊下の窓を閉めようとした時には、嘘のように雨はやみ、空は綺麗な赤色に染まっていた。
エルザが窓を閉めながら苦笑する。
「アーシャ様、せっかく来ていただいたのに申し訳ございません」
「こちらこそ、仕事の途中だったのに申し訳ございません。あとはやっておきますので、エルザは今日の仕事はもう終わってください」
「そういうわけにはいきません。私も先程までは休憩していたんです」
いたずらが見つかった子供のような笑顔を見せるエルザを見て、涙が出そうになりました。
エルザはとても優しい。
エルザだけじゃなく、この家にいるみんなが優しいです。
今までのわたしの周りには酷い人ばかりがいました。
だから、レディシト様もそうかもしれないと疑わなければならなかったんですよね。
だって、わたしの両親が嫁に出すくらいですもの。
でも、レディシト様に恨まれてしまうほど、知らない内に酷いことをしてしまっていたんですね。
だから、わたしの死を願っていたということですよね?
そこまで嫌がるようなことをしたのなら、助けたほうが良いのでしょうか。
一瞬、そう思いましたが、自分を殺そうとした人を助ける必要もないかとも思います。
……かといって、人を見殺しにする自分も好きではありません。
それなら、誰か、レディシト様を助ける人を見つければ良いのでしょうか。
こんなことを考えているとわかれば、キリュウ様たちに怒られそうです。
でも、こんなわたしだから、神様はうさぎさんとわたしを出会わせてくれたんだと思うんです。
「アーシャ様はリブトラル伯爵を助けるおつもりですか?」
「今のところは助けるつもりはありません。メイナーが正直に話をすれば、レディシト様は助かりますから」
そうです。
レディシト様たちのことで悩む必要なんてありません。
神様が隠している真実を知れば、今のわたしの心は壊れてしまうのでしょう。
それなら、もっと強くならなくちゃいけません。
本当の話を聞いても「そんなことを言われても気にしません」と言えるくらいにならなくては。
……その前に、レディシト様が死んでしまうかもしれませんが。
レディシト様は無視すれば、また手紙を送ってくるでしょう。
助けるつもりはないこと、もう二度と送ってこないでくれとだけ伝えましょう。
もし、送ってきても、もう読むことはしません。
そう心に決めて、レディシト様からの手紙を処分したのでした。
◇◆◇◆◇◆
(メイナー視点)
次の日になっても、ルーナオは見つからなかった。
「どうしてよ!? どうして見つからないのよ!?」
高い金を払ったり、薬まで作ってやって、使用人を上手く買収できたのに、このままじゃ、わたしの苦労が水の泡じゃない!
「アーシャ様だったら、こんなことはさせないのに……」
侍女の呟きに苛立った私は、彼女に叫ぶ。
「私の作った薬のおかげで、あなたの弟は助かったのよ!」
彼女の弟は、薬を10日ほど続けて飲めば治る病気に、何年も悩まされていた。
だから、私が薬を作ってあげた。
命の恩人だと泣いて喜んでいたくせに!
「……申し訳ございません。まさか、先代の当主様たちがアーシャ様を追い出すだなんて思っていなかったんです!」
私と年の変わらない侍女はしくしく泣き始める。
どの使用人も、まさか、離婚して追い出されるとは思っていなかったみたいね。
実際、わたしもそうだった。
少しずつ、彼の心を自分のものにしていくつもりだった。
「泣きたいのはこっちだわ! レディシト様は大事な人なの! レディシト様は雇い主なんだからあなたにとっても大事な人でしょう!」
「申し訳ございません」
謝った侍女はまた、ルーナオを探し始めた。
でも、すぐに動きを止めた。
「見つかったの!?」
話しかけても、侍女は呆然とした表情で前方を見つめているだけだった。
「ちょっと!」
「……あの、うさぎが……」
「は? うさぎ?」
「うさぎが、レディシト様を救いたいなら、真実を話せ。そうじゃないとレディシト様は本当に死んでしまうと」
「見つからないからって嘘をつくの!? そんなのついていい嘘じゃないわ! あなた、本気で探してちょうだい! ルーナオを見つけないと、レディシト様は死んでしまうのよ?」
「ですから、嘘をつくのをやめればレディシト様は助かるんです!」
侍女は涙を流しながら、私を睨みつけた。
咳き込みながら書いていたのか、文字がかなり乱れています。
最初に書かれていたのは、今までのことを詫びる文章でした。
わたしと離婚したこと、わたしを守れなかったことを悔やんでいるというのです。
謝るから助けてほしい――
その文章を見た時、力が抜けて、手紙を掴む握力さえなくなりました。
こんなことを書かれたら、助けてほしいから反省したようにしか思えません。
自分を助けてほしいから、すり寄ってくる人だったのだかと思うと悲しくなります。
嘘でも良いから、こんな僕は放っておいてかまわないとは書けなかったんでしょうか。
……今までのわたしの性格上、頼んだほうが助けると思ったのかもしれませんね。
喜んでほしくて、レディシト様の望むようにしていた気もします。
「……手紙、読んでもいいか?」
気がつくと、キリュウ様が隣に座っていて、赤いカーペットの上に落ちていた手紙を拾って尋ねてきた。
「気分を害するかもしれません。それでも良ければ」
「……手紙が来たと聞いた時点で、気分は害してるから大丈夫だ」
もっと気分が悪くなるかもしれません。
と言おうとしてやめました。
言ったとしても、キリュウ様のことですし、読むでしょうから。
キリュウ様は手紙を読み終えると、舌打ちをして、手紙をテーブルの上に置いた。
「キリュウ様、手紙にはなんて書いてあったんだ?」
クマゴリラさまが尋ねると、キリュウ様は眉間のシワを深くして答える。
「嘘つきだったとしても、そうじゃなかったとしてもアーシャを信じるべきだった。後悔しているから、自分を助けられるなら助けてほしいだってよ」
「……ありえないな」
「ありえません!」
クマゴリラさまだけでなく、残ってくれていたエルザも怒ってくれたので、重かった気分が少し楽になりました。
「どうするつもりだ?」
キリュウ様の問いかけを聞いた、クマゴリラさまとエルザが無言で私を見つめる。
「……放っておけば死んでしまうんですよね」
「助けるつもりか?」
キリュウ様は不機嫌そうな顔で聞き返してきた。
それはそうですよね。
放っておいても良い案件だと思います。
「でも、わたしなら助けられるかもしれないと思うと、もし、助けなければ、わたしはレディシト様を殺したことになるんじゃないかと思ってしまうんです」
「……気持ちはわからなくはないけど、アーシャが悪いわけじゃない」
キリュウ様は否定してくれたけれど、わたしの中では納得いきません。
「レディシト様がメイナーのようにわたしを殺そうとしていたなら別です。レディシト様はわたしを信じてくれなかっただけで、殺そうとはしていないんです」
「……アーシャ、あのな」
キリュウ様が何か言おうとした時、雷鳴が鳴り響き、大雨が降り始めた。
「……言うなってことかよ。なんで隠そうとするのかわからない!」
キリュウ様は窓に向かって叫ぶと、わたしに視線を戻す。
「俺がリブトラル伯爵を助けようとするアーシャ止める理由は、ちゃんとある。それで、何となく察してくれ」
「……それって、レディシト様がわたしを殺そうとしていたということですか?」
「……そこまでは言ってない」
「アーシャ様、申し訳ございませんが、窓を閉める作業を手伝ってもらえませんか」
「は、はい!」
突然、エルザにお願いされて、急いで立ち上がりました。
後ほど改めて話をすることにして部屋を出ると、エルザが詫びてくる。
「お話の最中に申し訳ございません」
「いいえ。お仕事が優先ですもの。気が利かなくて申し訳ないです」
わたしたちが廊下の窓を閉めようとした時には、嘘のように雨はやみ、空は綺麗な赤色に染まっていた。
エルザが窓を閉めながら苦笑する。
「アーシャ様、せっかく来ていただいたのに申し訳ございません」
「こちらこそ、仕事の途中だったのに申し訳ございません。あとはやっておきますので、エルザは今日の仕事はもう終わってください」
「そういうわけにはいきません。私も先程までは休憩していたんです」
いたずらが見つかった子供のような笑顔を見せるエルザを見て、涙が出そうになりました。
エルザはとても優しい。
エルザだけじゃなく、この家にいるみんなが優しいです。
今までのわたしの周りには酷い人ばかりがいました。
だから、レディシト様もそうかもしれないと疑わなければならなかったんですよね。
だって、わたしの両親が嫁に出すくらいですもの。
でも、レディシト様に恨まれてしまうほど、知らない内に酷いことをしてしまっていたんですね。
だから、わたしの死を願っていたということですよね?
そこまで嫌がるようなことをしたのなら、助けたほうが良いのでしょうか。
一瞬、そう思いましたが、自分を殺そうとした人を助ける必要もないかとも思います。
……かといって、人を見殺しにする自分も好きではありません。
それなら、誰か、レディシト様を助ける人を見つければ良いのでしょうか。
こんなことを考えているとわかれば、キリュウ様たちに怒られそうです。
でも、こんなわたしだから、神様はうさぎさんとわたしを出会わせてくれたんだと思うんです。
「アーシャ様はリブトラル伯爵を助けるおつもりですか?」
「今のところは助けるつもりはありません。メイナーが正直に話をすれば、レディシト様は助かりますから」
そうです。
レディシト様たちのことで悩む必要なんてありません。
神様が隠している真実を知れば、今のわたしの心は壊れてしまうのでしょう。
それなら、もっと強くならなくちゃいけません。
本当の話を聞いても「そんなことを言われても気にしません」と言えるくらいにならなくては。
……その前に、レディシト様が死んでしまうかもしれませんが。
レディシト様は無視すれば、また手紙を送ってくるでしょう。
助けるつもりはないこと、もう二度と送ってこないでくれとだけ伝えましょう。
もし、送ってきても、もう読むことはしません。
そう心に決めて、レディシト様からの手紙を処分したのでした。
◇◆◇◆◇◆
(メイナー視点)
次の日になっても、ルーナオは見つからなかった。
「どうしてよ!? どうして見つからないのよ!?」
高い金を払ったり、薬まで作ってやって、使用人を上手く買収できたのに、このままじゃ、わたしの苦労が水の泡じゃない!
「アーシャ様だったら、こんなことはさせないのに……」
侍女の呟きに苛立った私は、彼女に叫ぶ。
「私の作った薬のおかげで、あなたの弟は助かったのよ!」
彼女の弟は、薬を10日ほど続けて飲めば治る病気に、何年も悩まされていた。
だから、私が薬を作ってあげた。
命の恩人だと泣いて喜んでいたくせに!
「……申し訳ございません。まさか、先代の当主様たちがアーシャ様を追い出すだなんて思っていなかったんです!」
私と年の変わらない侍女はしくしく泣き始める。
どの使用人も、まさか、離婚して追い出されるとは思っていなかったみたいね。
実際、わたしもそうだった。
少しずつ、彼の心を自分のものにしていくつもりだった。
「泣きたいのはこっちだわ! レディシト様は大事な人なの! レディシト様は雇い主なんだからあなたにとっても大事な人でしょう!」
「申し訳ございません」
謝った侍女はまた、ルーナオを探し始めた。
でも、すぐに動きを止めた。
「見つかったの!?」
話しかけても、侍女は呆然とした表情で前方を見つめているだけだった。
「ちょっと!」
「……あの、うさぎが……」
「は? うさぎ?」
「うさぎが、レディシト様を救いたいなら、真実を話せ。そうじゃないとレディシト様は本当に死んでしまうと」
「見つからないからって嘘をつくの!? そんなのついていい嘘じゃないわ! あなた、本気で探してちょうだい! ルーナオを見つけないと、レディシト様は死んでしまうのよ?」
「ですから、嘘をつくのをやめればレディシト様は助かるんです!」
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