私にだって幸せになる権利はあるはずです!

風見ゆうみ

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第12話

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 ライアン様がその場でシェールの件を警察に連絡しなかったのは、ラングの事を考えてくれていたからだった。

 シェールの件が明るみになれば、ブギンズ伯爵家の信用が地に落ち、酷い場合はラングまでもが巻き添えになって、平民落ちしてしまう可能性があった。
 それはもちろん私もそうで、そうなってしまうと公爵家との縁談は難しくなる。

 ライアン様やリグロトル公爵はそれを防ごうとしてくださっていた。

 次の日、ライアン様は屋敷に両親を呼び寄せた。
 私も、ライアン様と一緒に両親と話をする事に決めたからだ。

 シェールがパーティー会場で起こした事件を話すと、さすがの両親も真っ青になった。

「条件をのんでもらえるなら、は警察に連絡したりしない。だが、のんでもらえないようなら、ブギンズ家は終わりだ」
「で、ですが、そんな事をすればミュアの評判も…!」
「ミュアはシェール嬢とは家族だが被害者だ。俺が守るから気にしなくて良い」
「私達の事も守って下さい!」

 両親は勝手な事を言ったけれど、ライアン様は相手にしなかった。

「俺が守っても良いと考えられるのは、ブギンズ家でいえば、ミュアとラングだけだ」
「そんな! ……ミュア! お前から、ライアン様に私達を助ける様に頼みなさい! 私達はお前の両親だぞ! 世話をしてやったじゃないか! お前とラングだけ幸せになるだなんておかしいだろう!」

 お父様の言葉に、私は太腿の上で手を握り合わせてから言う。

「酷い娘だと言われてもしょうがないと思います。でも、シェールやあなた達を切り捨てなければ、私は幸せになれません! 私にだって幸せになる権利はあるはずです!」
「なぜ、シェールがここまでなる前にもっと早くに訴えなかったんだ! わざと教えなかったのか!?」
「私は何度も訴えていましたよ! シェールの事しか考えていなかったのは、お父様とお母様じゃないですか! 両親が考えてくれないのであれば、自分で自分の事を考えて何が悪いんです!?」
「この親不孝者が!」

 お父様は叫んだけれど、ライアン様に睨まれたせいで、手を出したりしてくる事はなかった。
 最終的には、ライアン様の望む様にすると承諾したので、ライアン様がシェールを許す条件を伝える。

「今すぐにラングに家督を譲り、あなた達はブギンズ家の別邸に移るんだ」
「そ…、そんな! ラングはまだ学生ですよ!」
「ラングから聞いているが、学生のラングに家の仕事をさせていたのは、あなた達だろう? ラングがすでに使用人の中で使えそうな人間に目星をつけているから、それ以外の人物であれば好きな使用人を連れていけばいい。その分の費用くらいはこちらが出そう。もちろん、本人が望んだ時だけに限るが…。」
「…そんな…」

 お父様達はかなり難色を示したけれど、シェールが警察に訴えられるよりかはマシだと判断したのか、ラングに家督を譲る事を認めた。

 そして、シェールの方はというと、ラングに家督を譲ると聞いたフェイロン家は、シェールには価値はないと思ったらしく、シェールを迷う事なく家から追い出した。
 シェールは泣く泣く実家に戻ったけれど、ラングがシェールを実家に置く事を嫌がった為、彼女はお父様達と一緒に別邸に行く事になった。
 シェールは旅立つ前に、何とかして私に会おうとしていたけれど、別邸といえども公爵家の屋敷のセキュリティはしっかりしていて、屋敷の敷地内に入る事さえも出来なかった。

 そして、案の定、私に会う事ができないとわかったシェールは屋敷の前でライアン様を殺してやると叫んだ為、門番に捕まり、危険人物として警察に引き渡された。

 その後、すぐに保釈はされたけれど、ミグスター公爵閣下の指示により、シェールと両親は、ミグスター公爵が国外に用意した家に住む事になった。

 ミグスター公爵は「自分の息子の命を狙う様な危険人物を国内には置いておけない」と仰ったらしく、シェールには見張りがつけられる事にもなった。
 国外に出されてしまったら、私に会いに来ようにも国境で止められてしまい、入国する事もできなくなる。

 私が会いに行かない限り、シェールは私に会う事は出来なくなった。

 それを知ったシェールは泣きわめいて発狂したらしく、それから数日経ってから聞いた話では、精神を病んでしまったらしく、目は虚ろで会話が出来ない状態になっているらしい。

 両親はシェールをそんな風にした私を恨んでいるらしいけれど、今はシェールを正気に戻す事で頭が一杯のようだった。

「父上達がミュア姉様に対して恨み言を言う手紙を送ってきたら、その度に両親に送るお金を減らしていこうと思います。暮らしていくのが辛くなるでしょうね」

 ラングは悪い笑みを浮かべて、そう教えてくれた。

 家はミグスター公爵が用意してくれたけれど、日々の生活費に関してはブギンズ家が面倒を見る事になり、ラングとしては本当は見捨てたいところらしいけれど、世間体や今まで養ってもらったという事もあるから援助はするつもりらしい。
 
 そして、フェイロン侯爵家は予想していた通りに没落した。
 リグロトル公爵からグラス代として請求された、お金を支払った時点で、彼の家の財力が尽きた様だった。

 ちなみに、リグロトル公爵がフェイロン家からグラス代として受け取ったお金は、お金を払ってもらえていなかった商人や元婚約者達に分配されたらしい。

 現在、ロブス様を含め、フェイロン家の面々の行方はわからない。
 なぜかというと、夜逃げしたからだ。

 噂ではシェールを追いかけて、隣国に渡るのではないかと言われていて、本当にそうなら、ミグスター公爵家がシェールにつけている監視の人から連絡が入るだろうと思われる。

 今のシェールを見たら、ロブス様はどうされるのかしら…?

 そして、私はというと、自由に外出出来るようにもなった為、ライアン様が学園の休みの日は、近場に出かけたりする様になった。
 付き合い始めのカップルの様に初々しい関係ながらも、少しずつ距離が近付いていっていると思うし、日に日に増していくライアン様に感じる気持ちを、結婚式を挙げる頃には、はっきりと言葉に出来ると思う。

 今日もライアン様とお出かけだ。
 ライアン様はまだ学生の為、お金のかからないデートをしていて、今日は昼食を持ってピクニックだった。
 今日は勉学や仕事に忙しいラングも息抜きの為に来るという。

「ミュア、準備は出来たか?」
「はい!」

 動きやすい服装に着替えて、部屋から出ようとしたところで、ライアン様が迎えに来てくれたので笑顔で頷く。

 今まではシェールにどう言われるか、何を言われるか考えながら生きてきた。
 けれど、そのシェールはもういない。

 シェールがいなくなったからといって、悲しい事や辛い事が起こらないわけではない。
 だけど、最終的に幸せだと思える人生を過ごしていきたい。

 出来れば、ずっと、ライアン様の隣で。

 ライアン様が私に右手を差し出してくれたので、その手に自分の左手を重ねる。
 ライアン様の右手は、初めて会った時の様に白い手袋はしていない。

 女性達が嫌がるという、マメが出来た手を優しく握りしめると、優しく握り返されて、涙が出そうになるくらいの幸せを感じた。






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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
エールやお気に入り登録、しおりなどもありがとうございました!
本当に励みになりました。

本作完結と同時に、新作「我慢するだけの日々はもう終わりにします」を投稿いたしました。

新作、もしくは他の作品でお会いできましたら幸せです。
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感想 30

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みんなの感想(30件)

sanzo
2024.08.20 sanzo
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風見ゆうみ
2024.08.20 風見ゆうみ

こちらも読んでいただきありがとうございます!

ラングを推していただきありがとうございます(´∀`*)ウフフ
スッキリした気分になっていただけるのは嬉しいです。
ただ、よく、この人へのざまぁは?
と言われてしまうので、気をつけなければいけないなと思っております。

最後までお読みいただきありがとうございました。
他の作品でもお会いできますように!

解除
いちくん
2023.05.15 いちくん
ネタバレ含む
風見ゆうみ
2023.05.15 風見ゆうみ

ラングはわりと冷めた子なので、切り捨てる時は切り捨てそうですが、両親達が墓穴をほっていき、切り捨てても自分が悪者じゃない様にもっていきそうです😂

減額されてショックを受ける話とか書いてみたくなっちゃいました✨
といっても、これは、いちくん様のネタですから、私が使ってはいけませんねΣ(・∀・;)

また読みに来てくださるなんて嬉しいです😭

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました✨

解除
たま。
2023.05.15 たま。

完結お疲れ様でした!

とても面白かったです。

風見ゆうみ
2023.05.15 風見ゆうみ

楽しんでいただけたのであれば幸せです😭

お読みいただき、ありがとうございました✨

解除

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