14 / 14
第12話
しおりを挟む
ライアン様がその場でシェールの件を警察に連絡しなかったのは、ラングの事を考えてくれていたからだった。
シェールの件が明るみになれば、ブギンズ伯爵家の信用が地に落ち、酷い場合はラングまでもが巻き添えになって、平民落ちしてしまう可能性があった。
それはもちろん私もそうで、そうなってしまうと公爵家との縁談は難しくなる。
ライアン様やリグロトル公爵はそれを防ごうとしてくださっていた。
次の日、ライアン様は屋敷に両親を呼び寄せた。
私も、ライアン様と一緒に両親と話をする事に決めたからだ。
シェールがパーティー会場で起こした事件を話すと、さすがの両親も真っ青になった。
「条件をのんでもらえるなら、俺からは警察に連絡したりしない。だが、のんでもらえないようなら、ブギンズ家は終わりだ」
「で、ですが、そんな事をすればミュアの評判も…!」
「ミュアはシェール嬢とは家族だが被害者だ。俺が守るから気にしなくて良い」
「私達の事も守って下さい!」
両親は勝手な事を言ったけれど、ライアン様は相手にしなかった。
「俺が守っても良いと考えられるのは、ブギンズ家でいえば、ミュアとラングだけだ」
「そんな! ……ミュア! お前から、ライアン様に私達を助ける様に頼みなさい! 私達はお前の両親だぞ! 世話をしてやったじゃないか! お前とラングだけ幸せになるだなんておかしいだろう!」
お父様の言葉に、私は太腿の上で手を握り合わせてから言う。
「酷い娘だと言われてもしょうがないと思います。でも、シェールやあなた達を切り捨てなければ、私は幸せになれません! 私にだって幸せになる権利はあるはずです!」
「なぜ、シェールがここまでなる前にもっと早くに訴えなかったんだ! わざと教えなかったのか!?」
「私は何度も訴えていましたよ! シェールの事しか考えていなかったのは、お父様とお母様じゃないですか! 両親が考えてくれないのであれば、自分で自分の事を考えて何が悪いんです!?」
「この親不孝者が!」
お父様は叫んだけれど、ライアン様に睨まれたせいで、手を出したりしてくる事はなかった。
最終的には、ライアン様の望む様にすると承諾したので、ライアン様がシェールを許す条件を伝える。
「今すぐにラングに家督を譲り、あなた達はブギンズ家の別邸に移るんだ」
「そ…、そんな! ラングはまだ学生ですよ!」
「ラングから聞いているが、学生のラングに家の仕事をさせていたのは、あなた達だろう? ラングがすでに使用人の中で使えそうな人間に目星をつけているから、それ以外の人物であれば好きな使用人を連れていけばいい。その分の費用くらいはこちらが出そう。もちろん、本人が望んだ時だけに限るが…。」
「…そんな…」
お父様達はかなり難色を示したけれど、シェールが警察に訴えられるよりかはマシだと判断したのか、ラングに家督を譲る事を認めた。
そして、シェールの方はというと、ラングに家督を譲ると聞いたフェイロン家は、シェールには価値はないと思ったらしく、シェールを迷う事なく家から追い出した。
シェールは泣く泣く実家に戻ったけれど、ラングがシェールを実家に置く事を嫌がった為、彼女はお父様達と一緒に別邸に行く事になった。
シェールは旅立つ前に、何とかして私に会おうとしていたけれど、別邸といえども公爵家の屋敷のセキュリティはしっかりしていて、屋敷の敷地内に入る事さえも出来なかった。
そして、案の定、私に会う事ができないとわかったシェールは屋敷の前でライアン様を殺してやると叫んだ為、門番に捕まり、危険人物として警察に引き渡された。
その後、すぐに保釈はされたけれど、ミグスター公爵閣下の指示により、シェールと両親は、ミグスター公爵が国外に用意した家に住む事になった。
ミグスター公爵は「自分の息子の命を狙う様な危険人物を国内には置いておけない」と仰ったらしく、シェールには見張りがつけられる事にもなった。
国外に出されてしまったら、私に会いに来ようにも国境で止められてしまい、入国する事もできなくなる。
私が会いに行かない限り、シェールは私に会う事は出来なくなった。
それを知ったシェールは泣きわめいて発狂したらしく、それから数日経ってから聞いた話では、精神を病んでしまったらしく、目は虚ろで会話が出来ない状態になっているらしい。
両親はシェールをそんな風にした私を恨んでいるらしいけれど、今はシェールを正気に戻す事で頭が一杯のようだった。
「父上達がミュア姉様に対して恨み言を言う手紙を送ってきたら、その度に両親に送るお金を減らしていこうと思います。暮らしていくのが辛くなるでしょうね」
ラングは悪い笑みを浮かべて、そう教えてくれた。
家はミグスター公爵が用意してくれたけれど、日々の生活費に関してはブギンズ家が面倒を見る事になり、ラングとしては本当は見捨てたいところらしいけれど、世間体や今まで養ってもらったという事もあるから援助はするつもりらしい。
そして、フェイロン侯爵家は予想していた通りに没落した。
リグロトル公爵からグラス代として請求された、お金を支払った時点で、彼の家の財力が尽きた様だった。
ちなみに、リグロトル公爵がフェイロン家からグラス代として受け取ったお金は、お金を払ってもらえていなかった商人や元婚約者達に分配されたらしい。
現在、ロブス様を含め、フェイロン家の面々の行方はわからない。
なぜかというと、夜逃げしたからだ。
噂ではシェールを追いかけて、隣国に渡るのではないかと言われていて、本当にそうなら、ミグスター公爵家がシェールにつけている監視の人から連絡が入るだろうと思われる。
今のシェールを見たら、ロブス様はどうされるのかしら…?
そして、私はというと、自由に外出出来るようにもなった為、ライアン様が学園の休みの日は、近場に出かけたりする様になった。
付き合い始めのカップルの様に初々しい関係ながらも、少しずつ距離が近付いていっていると思うし、日に日に増していくライアン様に感じる気持ちを、結婚式を挙げる頃には、はっきりと言葉に出来ると思う。
今日もライアン様とお出かけだ。
ライアン様はまだ学生の為、お金のかからないデートをしていて、今日は昼食を持ってピクニックだった。
今日は勉学や仕事に忙しいラングも息抜きの為に来るという。
「ミュア、準備は出来たか?」
「はい!」
動きやすい服装に着替えて、部屋から出ようとしたところで、ライアン様が迎えに来てくれたので笑顔で頷く。
今まではシェールにどう言われるか、何を言われるか考えながら生きてきた。
けれど、そのシェールはもういない。
シェールがいなくなったからといって、悲しい事や辛い事が起こらないわけではない。
だけど、最終的に幸せだと思える人生を過ごしていきたい。
出来れば、ずっと、ライアン様の隣で。
ライアン様が私に右手を差し出してくれたので、その手に自分の左手を重ねる。
ライアン様の右手は、初めて会った時の様に白い手袋はしていない。
女性達が嫌がるという、マメが出来た手を優しく握りしめると、優しく握り返されて、涙が出そうになるくらいの幸せを感じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
エールやお気に入り登録、しおりなどもありがとうございました!
本当に励みになりました。
本作完結と同時に、新作「我慢するだけの日々はもう終わりにします」を投稿いたしました。
新作、もしくは他の作品でお会いできましたら幸せです。
シェールの件が明るみになれば、ブギンズ伯爵家の信用が地に落ち、酷い場合はラングまでもが巻き添えになって、平民落ちしてしまう可能性があった。
それはもちろん私もそうで、そうなってしまうと公爵家との縁談は難しくなる。
ライアン様やリグロトル公爵はそれを防ごうとしてくださっていた。
次の日、ライアン様は屋敷に両親を呼び寄せた。
私も、ライアン様と一緒に両親と話をする事に決めたからだ。
シェールがパーティー会場で起こした事件を話すと、さすがの両親も真っ青になった。
「条件をのんでもらえるなら、俺からは警察に連絡したりしない。だが、のんでもらえないようなら、ブギンズ家は終わりだ」
「で、ですが、そんな事をすればミュアの評判も…!」
「ミュアはシェール嬢とは家族だが被害者だ。俺が守るから気にしなくて良い」
「私達の事も守って下さい!」
両親は勝手な事を言ったけれど、ライアン様は相手にしなかった。
「俺が守っても良いと考えられるのは、ブギンズ家でいえば、ミュアとラングだけだ」
「そんな! ……ミュア! お前から、ライアン様に私達を助ける様に頼みなさい! 私達はお前の両親だぞ! 世話をしてやったじゃないか! お前とラングだけ幸せになるだなんておかしいだろう!」
お父様の言葉に、私は太腿の上で手を握り合わせてから言う。
「酷い娘だと言われてもしょうがないと思います。でも、シェールやあなた達を切り捨てなければ、私は幸せになれません! 私にだって幸せになる権利はあるはずです!」
「なぜ、シェールがここまでなる前にもっと早くに訴えなかったんだ! わざと教えなかったのか!?」
「私は何度も訴えていましたよ! シェールの事しか考えていなかったのは、お父様とお母様じゃないですか! 両親が考えてくれないのであれば、自分で自分の事を考えて何が悪いんです!?」
「この親不孝者が!」
お父様は叫んだけれど、ライアン様に睨まれたせいで、手を出したりしてくる事はなかった。
最終的には、ライアン様の望む様にすると承諾したので、ライアン様がシェールを許す条件を伝える。
「今すぐにラングに家督を譲り、あなた達はブギンズ家の別邸に移るんだ」
「そ…、そんな! ラングはまだ学生ですよ!」
「ラングから聞いているが、学生のラングに家の仕事をさせていたのは、あなた達だろう? ラングがすでに使用人の中で使えそうな人間に目星をつけているから、それ以外の人物であれば好きな使用人を連れていけばいい。その分の費用くらいはこちらが出そう。もちろん、本人が望んだ時だけに限るが…。」
「…そんな…」
お父様達はかなり難色を示したけれど、シェールが警察に訴えられるよりかはマシだと判断したのか、ラングに家督を譲る事を認めた。
そして、シェールの方はというと、ラングに家督を譲ると聞いたフェイロン家は、シェールには価値はないと思ったらしく、シェールを迷う事なく家から追い出した。
シェールは泣く泣く実家に戻ったけれど、ラングがシェールを実家に置く事を嫌がった為、彼女はお父様達と一緒に別邸に行く事になった。
シェールは旅立つ前に、何とかして私に会おうとしていたけれど、別邸といえども公爵家の屋敷のセキュリティはしっかりしていて、屋敷の敷地内に入る事さえも出来なかった。
そして、案の定、私に会う事ができないとわかったシェールは屋敷の前でライアン様を殺してやると叫んだ為、門番に捕まり、危険人物として警察に引き渡された。
その後、すぐに保釈はされたけれど、ミグスター公爵閣下の指示により、シェールと両親は、ミグスター公爵が国外に用意した家に住む事になった。
ミグスター公爵は「自分の息子の命を狙う様な危険人物を国内には置いておけない」と仰ったらしく、シェールには見張りがつけられる事にもなった。
国外に出されてしまったら、私に会いに来ようにも国境で止められてしまい、入国する事もできなくなる。
私が会いに行かない限り、シェールは私に会う事は出来なくなった。
それを知ったシェールは泣きわめいて発狂したらしく、それから数日経ってから聞いた話では、精神を病んでしまったらしく、目は虚ろで会話が出来ない状態になっているらしい。
両親はシェールをそんな風にした私を恨んでいるらしいけれど、今はシェールを正気に戻す事で頭が一杯のようだった。
「父上達がミュア姉様に対して恨み言を言う手紙を送ってきたら、その度に両親に送るお金を減らしていこうと思います。暮らしていくのが辛くなるでしょうね」
ラングは悪い笑みを浮かべて、そう教えてくれた。
家はミグスター公爵が用意してくれたけれど、日々の生活費に関してはブギンズ家が面倒を見る事になり、ラングとしては本当は見捨てたいところらしいけれど、世間体や今まで養ってもらったという事もあるから援助はするつもりらしい。
そして、フェイロン侯爵家は予想していた通りに没落した。
リグロトル公爵からグラス代として請求された、お金を支払った時点で、彼の家の財力が尽きた様だった。
ちなみに、リグロトル公爵がフェイロン家からグラス代として受け取ったお金は、お金を払ってもらえていなかった商人や元婚約者達に分配されたらしい。
現在、ロブス様を含め、フェイロン家の面々の行方はわからない。
なぜかというと、夜逃げしたからだ。
噂ではシェールを追いかけて、隣国に渡るのではないかと言われていて、本当にそうなら、ミグスター公爵家がシェールにつけている監視の人から連絡が入るだろうと思われる。
今のシェールを見たら、ロブス様はどうされるのかしら…?
そして、私はというと、自由に外出出来るようにもなった為、ライアン様が学園の休みの日は、近場に出かけたりする様になった。
付き合い始めのカップルの様に初々しい関係ながらも、少しずつ距離が近付いていっていると思うし、日に日に増していくライアン様に感じる気持ちを、結婚式を挙げる頃には、はっきりと言葉に出来ると思う。
今日もライアン様とお出かけだ。
ライアン様はまだ学生の為、お金のかからないデートをしていて、今日は昼食を持ってピクニックだった。
今日は勉学や仕事に忙しいラングも息抜きの為に来るという。
「ミュア、準備は出来たか?」
「はい!」
動きやすい服装に着替えて、部屋から出ようとしたところで、ライアン様が迎えに来てくれたので笑顔で頷く。
今まではシェールにどう言われるか、何を言われるか考えながら生きてきた。
けれど、そのシェールはもういない。
シェールがいなくなったからといって、悲しい事や辛い事が起こらないわけではない。
だけど、最終的に幸せだと思える人生を過ごしていきたい。
出来れば、ずっと、ライアン様の隣で。
ライアン様が私に右手を差し出してくれたので、その手に自分の左手を重ねる。
ライアン様の右手は、初めて会った時の様に白い手袋はしていない。
女性達が嫌がるという、マメが出来た手を優しく握りしめると、優しく握り返されて、涙が出そうになるくらいの幸せを感じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
エールやお気に入り登録、しおりなどもありがとうございました!
本当に励みになりました。
本作完結と同時に、新作「我慢するだけの日々はもう終わりにします」を投稿いたしました。
新作、もしくは他の作品でお会いできましたら幸せです。
68
お気に入りに追加
1,374
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(30件)
あなたにおすすめの小説
離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね
江崎美彩
恋愛
王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。
幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。
「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」
ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう……
〜登場人物〜
ミンディ・ハーミング
元気が取り柄の伯爵令嬢。
幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。
ブライアン・ケイリー
ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。
天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。
ベリンダ・ケイリー
ブライアンの年子の妹。
ミンディとブライアンの良き理解者。
王太子殿下
婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。
『小説家になろう』にも投稿しています
お飾り王妃の愛と献身
石河 翠
恋愛
エスターは、お飾りの王妃だ。初夜どころか結婚式もない、王国存続の生贄のような結婚は、父親である宰相によって調えられた。国王は身分の低い平民に溺れ、公務を放棄している。
けれどエスターは白い結婚を隠しもせずに、王の代わりに執務を続けている。彼女にとって大切なものは国であり、夫の愛情など必要としていなかったのだ。
ところがある日、暗愚だが無害だった国王の独断により、隣国への侵攻が始まる。それをきっかけに国内では革命が起き……。
国のために恋を捨て、人生を捧げてきたヒロインと、王妃を密かに愛し、彼女を手に入れるために国を変えることを決意した一途なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:24963620)をお借りしております。
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
妹の身代わり人生です。愛してくれた辺境伯の腕の中さえ妹のものになるようです。
桗梛葉 (たなは)
恋愛
タイトルを変更しました。
※※※※※※※※※※※※※
双子として生まれたエレナとエレン。
かつては忌み子とされていた双子も何代か前の王によって、そういった扱いは禁止されたはずだった。
だけどいつの時代でも古い因習に囚われてしまう人達がいる。
エレナにとって不幸だったのはそれが実の両親だったということだった。
両親は妹のエレンだけを我が子(長女)として溺愛し、エレナは家族とさえ認められない日々を過ごしていた。
そんな中でエレンのミスによって辺境伯カナトス卿の令息リオネルがケガを負ってしまう。
療養期間の1年間、娘を差し出すよう求めてくるカナトス卿へ両親が差し出したのは、エレンではなくエレナだった。
エレンのフリをして初恋の相手のリオネルの元に向かうエレナは、そんな中でリオネルから優しさをむけてもらえる。
だが、その優しささえも本当はエレンへ向けられたものなのだ。
自分がニセモノだと知っている。
だから、この1年限りの恋をしよう。
そう心に決めてエレナは1年を過ごし始める。
※※※※※※※※※※※※※
異世界として、その世界特有の法や産物、鉱物、身分制度がある前提で書いています。
現実と違うな、という場面も多いと思います(すみません💦)
ファンタジーという事でゆるくとらえて頂けると助かります💦

どうやら貴方の隣は私の場所でなくなってしまったようなので、夜逃げします
皇 翼
恋愛
侯爵令嬢という何でも買ってもらえてどんな教育でも施してもらえる恵まれた立場、王太子という立場に恥じない、童話の王子様のように顔の整った婚約者。そして自分自身は最高の教育を施され、侯爵令嬢としてどこに出されても恥ずかしくない教養を身につけていて、顔が綺麗な両親に似たのだろう容姿は綺麗な方だと思う。
完璧……そう、完璧だと思っていた。自身の婚約者が、中庭で公爵令嬢とキスをしているのを見てしまうまでは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
こちらも読んでいただきありがとうございます!
ラングを推していただきありがとうございます(´∀`*)ウフフ
スッキリした気分になっていただけるのは嬉しいです。
ただ、よく、この人へのざまぁは?
と言われてしまうので、気をつけなければいけないなと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
他の作品でもお会いできますように!
ラングはわりと冷めた子なので、切り捨てる時は切り捨てそうですが、両親達が墓穴をほっていき、切り捨てても自分が悪者じゃない様にもっていきそうです😂
減額されてショックを受ける話とか書いてみたくなっちゃいました✨
といっても、これは、いちくん様のネタですから、私が使ってはいけませんねΣ(・∀・;)
また読みに来てくださるなんて嬉しいです😭
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました✨
完結お疲れ様でした!
とても面白かったです。
楽しんでいただけたのであれば幸せです😭
お読みいただき、ありがとうございました✨