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19 新聞記者
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ディード様はその日の内にやって来て、詳しい話をしてくれることになった。
応接室にお通しして、ミラさんと一緒にディード様の話を聞く。
「バニャさんの行方は掴めていますが、少しだけ待ってあげるつもりです」
「待つとはどういうことでしょう?」
「一応、巻き込まれた人だという可能性が捨てきれないからです。ありえないでしょうけどね」
私の問いかけに、ディード様は苦笑して答えたあと話を続ける。
「何も知らなかったというのであれば、指名手配をされれば自首するでしょう。それを待とうかという話です」
「でも、逃げた時点でおかしいのではないのですか?」
「それはそうなんですが、反省するという気持ちが芽生えるかもしれないでしょう」
「甘すぎますわ」
ミラさんが眉根を寄せて吐き捨てるように言った。
「魔道士協会の上層部が決めたことなんですから、僕に文句を言わないでくださいよ」
「相手が魔道士じゃないからって優しすぎませんか」
「そうかもしれないですね。実際、あの人形に魔法をかけたと思われる魔道士はすでに捕まっていて、魔法の実験に使われるらしいですよ」
さらりと恐ろしいことを言ったディード様に尋ねる。
「人体実験をするのですか?」
「そういう決まりなんです」
「……どういうことでしょう」
「マジルカ王国の国籍を持つ人間以外に魔法は使えません。ということは、魔法で悪いことをすると、マジルカ王国の国民全てが他国から悪い印象を受けてしまう可能性があります。そのため、魔法は悪いものばかりではないと罪を犯した者に証明してもらうのですよ」
それからディード様に説明してもらった話を要約すると、解毒魔法と言ってもすべての毒が解毒できるわけじゃないらしく、魔法の詠唱の仕方によっても変わってくることがわかった。
だから、どうすれば現在の時点で魔法では解毒できない毒を魔法で解毒できるか調べるということだった。
致死量まではいかない毒を飲ませて、解毒魔法が効くか確かめるというのだから、かなり苦しむ恐れがある。
でも、これで罪のない人が助かる可能性があるならば、魔法が役に立つ証明にはなる。
そういう考えらしい。
反対する人も出てきそうだけれど、これがマジルカ王国での決められた罰ならば、他国の人間がどうこう言っても無駄ね。
「マジルカ王国に住んでいる多くの人たちは生活魔法だけ学びます。それ以外の多くの魔法を学んだ人のことを魔道士と呼び、魔道士協会に登録した際に、そのことについては同意書を書かされるんです」
ディード様は笑顔でそう言うと、今度はこちらのことを聞いてくる。
「シアさんのほうはどうでしょう。ヤバスさんとの離婚は上手くいきそうですか?」
「……それが難しそうでして」
私が小さく息を吐いて答えた時、扉が叩かれたので返事をする。
すると、執事が部屋の扉を開けるなり、焦った表情で報告してくる。
「来客中に申し訳ございません! 屋敷の門のほうに多くの新聞記者が来ております」
「バニャ様の件なら、ヤバス様に任せなさい」
「いえ、それだけではなく、奥様が浮気しているというのは本当かと!」
執事の話を聞いた私とディード様とミラさんは顔を見合わせる。
「パオラさんでしたかしら。彼女が話をしたんでしょうね」
ミラさんが呆れた顔をして言った。
応接室にお通しして、ミラさんと一緒にディード様の話を聞く。
「バニャさんの行方は掴めていますが、少しだけ待ってあげるつもりです」
「待つとはどういうことでしょう?」
「一応、巻き込まれた人だという可能性が捨てきれないからです。ありえないでしょうけどね」
私の問いかけに、ディード様は苦笑して答えたあと話を続ける。
「何も知らなかったというのであれば、指名手配をされれば自首するでしょう。それを待とうかという話です」
「でも、逃げた時点でおかしいのではないのですか?」
「それはそうなんですが、反省するという気持ちが芽生えるかもしれないでしょう」
「甘すぎますわ」
ミラさんが眉根を寄せて吐き捨てるように言った。
「魔道士協会の上層部が決めたことなんですから、僕に文句を言わないでくださいよ」
「相手が魔道士じゃないからって優しすぎませんか」
「そうかもしれないですね。実際、あの人形に魔法をかけたと思われる魔道士はすでに捕まっていて、魔法の実験に使われるらしいですよ」
さらりと恐ろしいことを言ったディード様に尋ねる。
「人体実験をするのですか?」
「そういう決まりなんです」
「……どういうことでしょう」
「マジルカ王国の国籍を持つ人間以外に魔法は使えません。ということは、魔法で悪いことをすると、マジルカ王国の国民全てが他国から悪い印象を受けてしまう可能性があります。そのため、魔法は悪いものばかりではないと罪を犯した者に証明してもらうのですよ」
それからディード様に説明してもらった話を要約すると、解毒魔法と言ってもすべての毒が解毒できるわけじゃないらしく、魔法の詠唱の仕方によっても変わってくることがわかった。
だから、どうすれば現在の時点で魔法では解毒できない毒を魔法で解毒できるか調べるということだった。
致死量まではいかない毒を飲ませて、解毒魔法が効くか確かめるというのだから、かなり苦しむ恐れがある。
でも、これで罪のない人が助かる可能性があるならば、魔法が役に立つ証明にはなる。
そういう考えらしい。
反対する人も出てきそうだけれど、これがマジルカ王国での決められた罰ならば、他国の人間がどうこう言っても無駄ね。
「マジルカ王国に住んでいる多くの人たちは生活魔法だけ学びます。それ以外の多くの魔法を学んだ人のことを魔道士と呼び、魔道士協会に登録した際に、そのことについては同意書を書かされるんです」
ディード様は笑顔でそう言うと、今度はこちらのことを聞いてくる。
「シアさんのほうはどうでしょう。ヤバスさんとの離婚は上手くいきそうですか?」
「……それが難しそうでして」
私が小さく息を吐いて答えた時、扉が叩かれたので返事をする。
すると、執事が部屋の扉を開けるなり、焦った表情で報告してくる。
「来客中に申し訳ございません! 屋敷の門のほうに多くの新聞記者が来ております」
「バニャ様の件なら、ヤバス様に任せなさい」
「いえ、それだけではなく、奥様が浮気しているというのは本当かと!」
執事の話を聞いた私とディード様とミラさんは顔を見合わせる。
「パオラさんでしたかしら。彼女が話をしたんでしょうね」
ミラさんが呆れた顔をして言った。
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