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15 焦るヤバス(ヤバスside)
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「大変よ、ヤバス!」
「ヤバス様、大変です!」
ヤバスが真面目に仕事をしていると、ヤバスの母であるバニャと愛人であるパオラがノックもせずに執務室の中に入ってきた。
「どうしたんだよ、二人共。僕はシアに認められるために仕事を頑張っているところなんだ。放っておいてくれないか」
執務机に座ったまま、持っていたペンの持ち手の先を額に当てて、ヤバスは大きくため息を吐いた。
「ここ最近のヤバス様はシア様のことばかりですね!」
「しょうがないだろう」
パオラに責められ、ヤバスは目を閉じてシアのことを考える。
(まさか、シアの髪がストレートになるだけで、あんなに僕の好みのタイプになるとは思わなかった。本当に、今まで僕は何を見ていたんだろうか)
母とパオラの髪は綺麗だが、母は恋愛対象ではないし、パオラは顔も性格も好みではなかった。
ただ、くりくりの髪の毛のシアよりもマシだっただけだった。
(神様は本当に意地悪だな。頑張っている僕にこんな試練を与えるだなんて)
物思いにふけっていると、パオラが叫ぶ。
「それどころじゃないんです、ヤバス様! シア様が浮気してます!」
「ヤバス、浮気かどうかはわからないけれど、シアさんは魔道士の男と一緒に出かけてしまったわよ! 呑気に仕事をしている場合じゃないわよ!」
「な、なんだって!? どうして行かせてしまったんですか!」
「魔法をかけられて動けなかったのよ。しかも、魔道具まで取られてしまったし、私は今後どうなるのかしら」
頭を抱えている母の姿を見て、ヤバスは焦る。
(母上がこんなに焦っている姿を見るなんて初めてだ。しかも、シアが男と出かけたなんて信じられない! いや、待てよ!)
「シアの件は心配ありません。帰ってきたら問い詰めましょう。そして、浮気を認めたら、浮気を許す優しい男として、シアに情をかけてあげます。シアは僕のことを懐の深い人間として敬うようになるでしょう」
「でも、私のことはどうなるのよ!?」
「母上は何か悪いことをしていたのですか?」
何も知らないヤバスは無邪気にバニャに尋ねた。
すると、バニャは必死の形相で叫ぶ。
「私は逃げるわ! 落ち着いたら連絡するから、シアさんには居場所は伝えないでちょうだい!」
「え!? 母上!?」
慌ててヤバスはバニャを止めようとしたが、バニャは振り返りもせずに自分の部屋へと戻っていった。
「ヤバス様、大変です!」
ヤバスが真面目に仕事をしていると、ヤバスの母であるバニャと愛人であるパオラがノックもせずに執務室の中に入ってきた。
「どうしたんだよ、二人共。僕はシアに認められるために仕事を頑張っているところなんだ。放っておいてくれないか」
執務机に座ったまま、持っていたペンの持ち手の先を額に当てて、ヤバスは大きくため息を吐いた。
「ここ最近のヤバス様はシア様のことばかりですね!」
「しょうがないだろう」
パオラに責められ、ヤバスは目を閉じてシアのことを考える。
(まさか、シアの髪がストレートになるだけで、あんなに僕の好みのタイプになるとは思わなかった。本当に、今まで僕は何を見ていたんだろうか)
母とパオラの髪は綺麗だが、母は恋愛対象ではないし、パオラは顔も性格も好みではなかった。
ただ、くりくりの髪の毛のシアよりもマシだっただけだった。
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物思いにふけっていると、パオラが叫ぶ。
「それどころじゃないんです、ヤバス様! シア様が浮気してます!」
「ヤバス、浮気かどうかはわからないけれど、シアさんは魔道士の男と一緒に出かけてしまったわよ! 呑気に仕事をしている場合じゃないわよ!」
「な、なんだって!? どうして行かせてしまったんですか!」
「魔法をかけられて動けなかったのよ。しかも、魔道具まで取られてしまったし、私は今後どうなるのかしら」
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「でも、私のことはどうなるのよ!?」
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すると、バニャは必死の形相で叫ぶ。
「私は逃げるわ! 落ち着いたら連絡するから、シアさんには居場所は伝えないでちょうだい!」
「え!? 母上!?」
慌ててヤバスはバニャを止めようとしたが、バニャは振り返りもせずに自分の部屋へと戻っていった。
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