気弱な令嬢ではありませんので、やられた分はやり返します

風見ゆうみ

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第二部

第22話  買い物に出かける ①

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 学園が休みの日の朝から、私とノア、哲平とキース同じ馬車に乗って繁華街に向かっていた。

 女子二人が横に並び、男子二人がその向かいに並んで座る形で、ノアの向かいはキースだ。
 
「テツくんだけならわかるけど、どうしてキースも来るの?」
「別にいいだろ。テツが良くて、なんで俺が駄目なんだよ」

 ノアの言葉に、キースが不満そうな顔になった。
 
「ごめんね、ノア。今、わりと物騒な世の中だから、何かあった時に盾にしてもいいかなって思う相手を選んで連れてきたの」
「「おい」」

 ノアにそう言って謝ると、向かいの男性陣からそろってツッコまれた。

 が、嘘ではないので気にしない。

「私が軽率な気持ちで買い物に行きたいって言うからよね」
「ノアが気にすることはないわよ」

 肩を落とすノアの頭を撫でて苦笑する。

 シエルが何を企んでいるのか、今はわからないから、あまり遠出はしたくないというのが本音だった。でも、ノアが買い物に出かけたいと言っていたことと、シエルなんぞにビクビクしているのも、それはそれで腹が立つから嫌だった。

 狙われているのは私だし、ノアは大丈夫だと思うけど、念には念をというやつで、キースたちに付いてきてもらった。
 キースは次期辺境伯だから、小さい頃から魔法や剣などを覚えさせられていたらしく、騎士並の実力はあるらしい。哲平もラス様に鍛えられて、だいぶ強くなったと聞いている。
 二人にはノアの護衛をしてもらおう。

「パーティ用のアクセサリーとか買わない?」
「アリスが見たいんなら付き合うよ」
「ノアも見ましょうよ。ノアだってパーティに行くんだから」

 ノアが買い物に行きたいと言っていたから来たんだけど、そういえば、ノアの買いたいものを聞いてなかったわ。

「私はキースの家にお世話になってるけど、平民だから、高いものは買えないの」

 ノアが苦笑しながら答えた言葉に、心の中で納得する。
 
 そうよね。
 自分で働かない限り、ノアのお小遣いは、平民並みだ。パーティー用のアクセサリーを買うお金はないわよね。

「ノア、それなら俺が」
「待って」

 ノアに声をかけようとするキースを制して、彼女の肩に手を置いて話しかける。

「ノア、大丈夫よ。ほら、見てここにATMが。引き出し放題よ?」
「誰がATMだ」

 哲平を手で示しながら微笑むと、ノアの答えより先に哲平に手を叩かれた。


―――――――――

更新が停まっており申し訳ございません!
投稿し直してからかなり時間も経っているため、書き方がまた変わってきております。
近い内に修正版を他サイトさんで投稿を始め、こちらはこちらで第二部完結に向けて続きを更新しようと思います。
待ってくださっている皆様、本当にありがとうございます!
本年もよろしくお願いいたします。
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