43 / 52
第二部
第14話 自称ヒロインと口論になる
しおりを挟む
「イグスって俺のことだよな?」
「そうよ」
ただでさえ頭が痛いのに、哲平がボケたようなことを聞いてくるからイライラしてきたので冷たく答えた。
すると、哲平はボートワールに話しかける。
「悪いけど無理。俺は女は苦手だし、イグスって呼ぶ奴も好きじゃない」
「ああ、今のあなたはテツくんだっけ。ふーん、テツくんは元の子が好きだったのかしら」
ボートワールは私のほうを見てから、納得したように頷く。
元の子って、アリスのことを言っているのかしら。
言っている意味がわからなかったのは哲平もそうらしく、眉根を寄せてボートワールに尋ねる。
「一体なんの話だ」
「だって、そうじゃないと説明がつかないじゃないの」
「は? だから、意味がわかんねぇって言ってんだろ」
「私の魅力になびかない男なんていないのよ」
ボートワールはふふん、と鼻で笑ったあと、ツインテールにした自分の髪の一部を手にとって話を続ける。
「見てよ、この艶のある髪。何もしなくてもこうなのよ?」
いやいや、メイドさんたちが綺麗に手入れしてくれてるからでしょうよ。
私の心のツッコミは聞こえるはずもないので、ボートワールはご機嫌な様子で話を続ける。
「それにキュレルは顔も大して可愛くないもの。私よりもキュレルが良いだなんて、テツくんが元々の子を好きだったとしか考えられないじゃない」
元の子というのは、どうやら前世のわたしのことらしい。
哲平が私のことを好きだったなんてことは……、まあ、あるか。
今は知らないふりをしておく。
「この顔がテツの好みの顔なだけかもしれないわよ」
「そんなことは絶対にあるわけがないわ!」
「あんたにそんなこと言われる筋合いなんてないと思うんだけど?」
アリスがバカにされている気がして腹が立って言い返すと、ボートワールは堰を切ったように話しはじめる。
「あなたが中に入ってない時のあの子はウジウジして本当にウザかった。言いたいことがあるならはっきり言えばいいのに言わないの。だから、余計にウザかった。まるで昔の私みたいでね」
「昔の自分だなんて思うなら、どうして婚約者を奪ったり嫌がらせをしたりしたのよ」
「見ていてムカついたから」
はあ?
学年も違うのに、わざわざいじめてたくせに、理由がムカついたから?
ボートワールの言葉に、ここでキレてはいけないとわかっていながらも駄目だった。
「ふざけんじゃないわよ。あんたにあの子の何がわかんのよ。あの子はあんたみたいに性格が悪くないから言いたくても言えなかったんじゃない言わなかっただけよ」
「どうしてよ!?」
「あんた、すでになめきってる相手に言い返されて、それで素直に謝るタイプ? 違うでしょ? エスカレートするだけでしょう。大体、あんただって自分と重ね合わせたならわかってるはずよ! いじめをするような奴はターゲットをころころ変えて新しいターゲットが出来ればそっちに移るだけよ。アリスは我慢して、いつか自分がターゲットじゃなくなる、その日を待ってた」
問題はいじめてくる相手が、一グループだけではなかったことだ。
一グループが飽きても違うグループがからんできた。
だから、アリスへのいじめはエンドレスに近かった。
「そんなの、わからないじゃない」
ボートワールは胸の前で腕を組み、私を睨みつけてくる。
どうやら図星だったみたいね。
こういうタイプは自分が仲間外れにされたら辛いくせに、他人を傷つけることは容易にできる。
なんにしても、私に言う権利はないかもしれないけど、哲平をコイツに渡す訳にはいかない。
自分もそうだったのなら辛い気持ちがわかるはずなのに、弱者を攻撃することを当たり前に思うなんて納得いかない。
「絶対にあんたの思うようにはさせないから」
哲平の前に立ち、高ぶった気持ちを落ち着けてから哲平のほうは見ずに問いかける。
「テツ、あんた、この女のものになりたい?」
「は? んな訳ねーだろ。大体、俺の選択肢はほとんどお前に握られてるようなもんなんだから」
迷うこともなく、すぐに答えが返ってきた。
私を暴君みたいに言わないほしい。
まあいいわ。
ボートワールを見つめて話しかける。
「ということでテツは私のものなの。だから、あんたには渡すつもりはないから。大体、よく言うでしょ。自分の人生は自分がヒーローなりヒロインなの。ヒロインはあんただけじゃない」
「じゃあ、あなたもヒロインってわけ? 大して可愛くもないしスタイルだって良くないのに?」
「あんた、今の私の話の意味を全く理解してないのね」
考え方の違いもあるのだろうけど、ボートワールは自分の考えていることが正しいと信じて疑う気もないんでしょう。
それならば、私も私なりの正義で受けて立つわ。
「いいわ。あんたの世界で私はモブのようだけど、私の世界ではあんたはただの性悪というか、性格の悪いモブだから、からんでくるなら全力でたたきつぶすことにするわね」
「はあ?! 私がモブですって?! そんなことを言うあなたは悪役令嬢がお似合いよ!」
「嬉しいわ。でも、あんたの中では私はモブだったんじゃないの?」
わざとらしく首を傾げて聞き返すと、ボートワールは地団太を踏みながら叫ぶ。
「そんなことを言うモブなんていないわよ!」
「いるでしょ。それにモブだって言い出したのはそっちじゃない。それとも、あんたの中で私を悪役令嬢に格上げしてくれるの?」
「あなたっておかしいんじゃない? 悪役令嬢と呼ばれて喜ぶなんて」
うふふ、と笑って答えたら何か恐ろしいものでも見るような目でボートワールは私を見た。
は?
いやいや、あんたの妄想に付き合ってあげているのはこっちなんだけど?
それに悪役令嬢の何が悪いのかもわからない。
だって、感じ方は人それぞれだものね。
「あんたに言われたくないわよ。ただ、気をつけたほうがいいわね。私が知っている転生ものだと、悪役令嬢に転生したほうが元々のヒロインを痛い目に遭わせるか、良くても友情ルートだと思うんだけど」
「友情ルートなんてありえないわ!」
「わあ、嬉しい!」
「喜ぶとこじゃないのよ! いい? 覚えてなさいよ! テツくんを絶対に私のものにしてやるんだから!」
ボートワールは捨て台詞を吐くと、早足で屋上から去っていった。
残された哲平と私は思わず顔を見合わせる。
「俺はものじゃねぇんだけどな」
「そうね。それもそうだし、私は何を覚えていたらいいと思う?」
「知らん」
哲平は鬱陶しそうな表情で吐き捨てるように言った。
結局、ボートワールとの初顔合わせは疲れただけで終わってしまった。
まあ、相手がチョロそうで良かったわ。
戦うにも楽に勝てそうだもの。
「そうよ」
ただでさえ頭が痛いのに、哲平がボケたようなことを聞いてくるからイライラしてきたので冷たく答えた。
すると、哲平はボートワールに話しかける。
「悪いけど無理。俺は女は苦手だし、イグスって呼ぶ奴も好きじゃない」
「ああ、今のあなたはテツくんだっけ。ふーん、テツくんは元の子が好きだったのかしら」
ボートワールは私のほうを見てから、納得したように頷く。
元の子って、アリスのことを言っているのかしら。
言っている意味がわからなかったのは哲平もそうらしく、眉根を寄せてボートワールに尋ねる。
「一体なんの話だ」
「だって、そうじゃないと説明がつかないじゃないの」
「は? だから、意味がわかんねぇって言ってんだろ」
「私の魅力になびかない男なんていないのよ」
ボートワールはふふん、と鼻で笑ったあと、ツインテールにした自分の髪の一部を手にとって話を続ける。
「見てよ、この艶のある髪。何もしなくてもこうなのよ?」
いやいや、メイドさんたちが綺麗に手入れしてくれてるからでしょうよ。
私の心のツッコミは聞こえるはずもないので、ボートワールはご機嫌な様子で話を続ける。
「それにキュレルは顔も大して可愛くないもの。私よりもキュレルが良いだなんて、テツくんが元々の子を好きだったとしか考えられないじゃない」
元の子というのは、どうやら前世のわたしのことらしい。
哲平が私のことを好きだったなんてことは……、まあ、あるか。
今は知らないふりをしておく。
「この顔がテツの好みの顔なだけかもしれないわよ」
「そんなことは絶対にあるわけがないわ!」
「あんたにそんなこと言われる筋合いなんてないと思うんだけど?」
アリスがバカにされている気がして腹が立って言い返すと、ボートワールは堰を切ったように話しはじめる。
「あなたが中に入ってない時のあの子はウジウジして本当にウザかった。言いたいことがあるならはっきり言えばいいのに言わないの。だから、余計にウザかった。まるで昔の私みたいでね」
「昔の自分だなんて思うなら、どうして婚約者を奪ったり嫌がらせをしたりしたのよ」
「見ていてムカついたから」
はあ?
学年も違うのに、わざわざいじめてたくせに、理由がムカついたから?
ボートワールの言葉に、ここでキレてはいけないとわかっていながらも駄目だった。
「ふざけんじゃないわよ。あんたにあの子の何がわかんのよ。あの子はあんたみたいに性格が悪くないから言いたくても言えなかったんじゃない言わなかっただけよ」
「どうしてよ!?」
「あんた、すでになめきってる相手に言い返されて、それで素直に謝るタイプ? 違うでしょ? エスカレートするだけでしょう。大体、あんただって自分と重ね合わせたならわかってるはずよ! いじめをするような奴はターゲットをころころ変えて新しいターゲットが出来ればそっちに移るだけよ。アリスは我慢して、いつか自分がターゲットじゃなくなる、その日を待ってた」
問題はいじめてくる相手が、一グループだけではなかったことだ。
一グループが飽きても違うグループがからんできた。
だから、アリスへのいじめはエンドレスに近かった。
「そんなの、わからないじゃない」
ボートワールは胸の前で腕を組み、私を睨みつけてくる。
どうやら図星だったみたいね。
こういうタイプは自分が仲間外れにされたら辛いくせに、他人を傷つけることは容易にできる。
なんにしても、私に言う権利はないかもしれないけど、哲平をコイツに渡す訳にはいかない。
自分もそうだったのなら辛い気持ちがわかるはずなのに、弱者を攻撃することを当たり前に思うなんて納得いかない。
「絶対にあんたの思うようにはさせないから」
哲平の前に立ち、高ぶった気持ちを落ち着けてから哲平のほうは見ずに問いかける。
「テツ、あんた、この女のものになりたい?」
「は? んな訳ねーだろ。大体、俺の選択肢はほとんどお前に握られてるようなもんなんだから」
迷うこともなく、すぐに答えが返ってきた。
私を暴君みたいに言わないほしい。
まあいいわ。
ボートワールを見つめて話しかける。
「ということでテツは私のものなの。だから、あんたには渡すつもりはないから。大体、よく言うでしょ。自分の人生は自分がヒーローなりヒロインなの。ヒロインはあんただけじゃない」
「じゃあ、あなたもヒロインってわけ? 大して可愛くもないしスタイルだって良くないのに?」
「あんた、今の私の話の意味を全く理解してないのね」
考え方の違いもあるのだろうけど、ボートワールは自分の考えていることが正しいと信じて疑う気もないんでしょう。
それならば、私も私なりの正義で受けて立つわ。
「いいわ。あんたの世界で私はモブのようだけど、私の世界ではあんたはただの性悪というか、性格の悪いモブだから、からんでくるなら全力でたたきつぶすことにするわね」
「はあ?! 私がモブですって?! そんなことを言うあなたは悪役令嬢がお似合いよ!」
「嬉しいわ。でも、あんたの中では私はモブだったんじゃないの?」
わざとらしく首を傾げて聞き返すと、ボートワールは地団太を踏みながら叫ぶ。
「そんなことを言うモブなんていないわよ!」
「いるでしょ。それにモブだって言い出したのはそっちじゃない。それとも、あんたの中で私を悪役令嬢に格上げしてくれるの?」
「あなたっておかしいんじゃない? 悪役令嬢と呼ばれて喜ぶなんて」
うふふ、と笑って答えたら何か恐ろしいものでも見るような目でボートワールは私を見た。
は?
いやいや、あんたの妄想に付き合ってあげているのはこっちなんだけど?
それに悪役令嬢の何が悪いのかもわからない。
だって、感じ方は人それぞれだものね。
「あんたに言われたくないわよ。ただ、気をつけたほうがいいわね。私が知っている転生ものだと、悪役令嬢に転生したほうが元々のヒロインを痛い目に遭わせるか、良くても友情ルートだと思うんだけど」
「友情ルートなんてありえないわ!」
「わあ、嬉しい!」
「喜ぶとこじゃないのよ! いい? 覚えてなさいよ! テツくんを絶対に私のものにしてやるんだから!」
ボートワールは捨て台詞を吐くと、早足で屋上から去っていった。
残された哲平と私は思わず顔を見合わせる。
「俺はものじゃねぇんだけどな」
「そうね。それもそうだし、私は何を覚えていたらいいと思う?」
「知らん」
哲平は鬱陶しそうな表情で吐き捨てるように言った。
結局、ボートワールとの初顔合わせは疲れただけで終わってしまった。
まあ、相手がチョロそうで良かったわ。
戦うにも楽に勝てそうだもの。
295
お気に入りに追加
2,243
あなたにおすすめの小説
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!

愛人をつくればと夫に言われたので。
まめまめ
恋愛
"氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。
初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。
仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。
傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。
「君も愛人をつくればいい。」
…ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!
あなたのことなんてちっとも愛しておりません!
横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。
※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…

愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

妖精の取り替え子として平民に転落した元王女ですが、努力チートで幸せになります。
haru.
恋愛
「今ここに、17年間偽られ続けた真実を証すッ! ここにいるアクリアーナは本物の王女ではないッ! 妖精の取り替え子によって偽られた偽物だッ!」
17年間マルヴィーア王国の第二王女として生きてきた人生を否定された。王家が主催する夜会会場で、自分の婚約者と本物の王女だと名乗る少女に……
家族とは見た目も才能も似ておらず、肩身の狭い思いをしてきたアクリアーナ。
王女から平民に身を落とす事になり、辛い人生が待ち受けていると思っていたが、王族として恥じぬように生きてきた17年間の足掻きは無駄ではなかった。
「あれ? 何だか王女でいるよりも楽しいかもしれない!」
自身の努力でチートを手に入れていたアクリアーナ。
そんな王女を秘かに想っていた騎士団の第三師団長が騎士を辞めて私を追ってきた!?
アクリアーナの知らぬ所で彼女を愛し、幸せを願う者達。
王女ではなくなった筈が染み付いた王族としての秩序で困っている民を見捨てられないアクリアーナの人生は一体どうなる!?
※ ヨーロッパの伝承にある取り替え子(チェンジリング)とは違う話となっております。
異世界の創作小説として見て頂けたら嬉しいです。
(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾ペコ
下げ渡された婚約者
相生紗季
ファンタジー
マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。
しかしある日、第一王子である兄が言った。
「ルイーザとの婚約を破棄する」
愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。
「あのルイーザが受け入れたのか?」
「代わりの婿を用意するならという条件付きで」
「代わり?」
「お前だ、アルフレッド!」
おさがりの婚約者なんて聞いてない!
しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。
アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。
「あいつは、僕たちのことなんかどうでもいいんだ」
「ふたりで見返そう――あいつから王位を奪うんだ」

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる