13 / 52
第12話 姉弟喧嘩をする
しおりを挟む
日本にいた時は、哲平は学生だったし、私も会社はそう遠くなかったから実家で暮らしていて、大人になってもお互いの部屋を行き来していたから、身体が違えど中身は同じだから、部屋に入るからといって特に緊張はしない。
アズール男爵令嬢の話をすると、哲平は眉を寄せて少し考えてから口を開く。
「それだけじゃ何とも言えないな」
「まあ、そうなのよね…」
情報が少なすぎるのは確かだ。
本当のアリスから解けているはずの謎が私達では難しく感じてしまう。
「それについては改めて考える事にして、ありす…。なんだよ、この呪いのノート」
「呪いのノートって何よ、失礼ね」
「なんか走り書きの文字も恐ろしいし、なんだよ、この悪口の羅列」
「外見とか、人として言っちゃいけない事とか、どうしようもできない悪口は書いてないはずだけど」
「そりゃ当たり前だろ」
哲平は特に着替えをしたりしたわけではなく正装のまま、書物机の椅子に座って、私が書いたノートを読んでいたらしく、机に片肘を置いて続ける。
「それにしても、このアリスって子は、変な奴らにばかり目をつけられたんだな」
「そうなのよね。まあ、いじめだから誰かターゲットが一人いれば、それで良いという考えなのかもしれないけど」
「新たなターゲットが出来るまで攻撃するやつかよ。そのわりには色んな奴にターゲットにされすぎだろ。あと、気になるのは、なぜ、ノアって子が殺されそうになってたかって事だ」
「もう休みはあけるし、学園に行けばノアって子に会えるだろうから、どんな子かを調べてみるわ。ついでに、といっちゃなんだけど、小瓶を用意した黒幕も探してみる」
そう言って勝手にベッドの上に座ると、なぜか哲平は眉間にシワを寄せた。
「男の部屋なんだから、ちょっとは警戒しろよ」
「何をいまさら。それにあんたは無害じゃないの」
「そうだな。無害だと思ってりゃいいよ」
なんか、言い方に棘がある気がするんだけど?
哲平は椅子から立ち上がると、ノートをたたきながら、こちらに近づいてくる。
「これ、借りといていいか? お前の字が汚すぎて解読するのに時間がかかるし、綺麗に書き直したい」
「それはすみませんね」
軽く睨みながら言うと、哲平は私の頭にノートを当てると言った。
「とりあえず出てけ」
「そんな言い方しなくてもいいでしょ」
哲平はこれみよがしにため息をついてから、私の顔に自分の顔を近付けてきた。
「もう俺達は家族じゃないんだぞ」
「どうしてそんな事を言うのよ…」
「お前が今まで通りだと思ってるからだよ」
「家族だと思ってたのに、もう違うって言うの?」
睨むと、哲平はなぜか悲しそうな顔をした。
腹が立つ事に顔は全然違うのに、私の知ってる哲平の悲しそうな顔が頭に浮かんで余計に罪悪感を覚えた。
「部屋に戻るわ」
吐き捨てるように言って、ベッドから立ち上がると、哲平の部屋を出た。
止められる事もなかった。
姉弟での喧嘩はいつもの事だった。
なのに、今日の喧嘩はいつもと違う気がした。
だけど、夕食の時にはいつもの哲平に戻っていて、私達は何事もなかったかの様に会話をしたのだった。
この国には四季はないけど、季節の移り変わりはあるようで、春が長く続き残りは冬になるけれど期間としては短い、といった感じなんだそうだ。
ただ、天気予報がないから、なんの前触れもなく、日本でいう台風のようなものがきたり、冬に吹雪いたりする事をのぞいては、年中過ごしやすい土地らしい。
だから、制服のバリエーションも一つしかないらしく、冬服だ、夏服だ、と途中で変える事もないそうなので、制服のスカート丈は替えも含めて、短めに裾直しをしてもらった。
私だけスカート丈が短かったらどうしようか。
スカート丈は自由らしいから、中身が見える様な短さじゃなければいいわよね。
休みがあけて、私にとっては初めての登園日になった。
食事を終えた後、制服に着替えて鏡で自分の様子をチェックしていると、廊下から哲平の声が聞こえた。
「おい、ありす行くぞ」
身だしなみのチェックをサッと済ましてしまうと、鞄を持って部屋の扉を開ける。
「おはよう」
「はよ」
廊下に出て、哲平の制服姿をまじまじと見つめる。
あの微妙な喧嘩からは、外見は全然違うはずなのに、哲平本来の姿に似てきているような感じがしてしまう。
髪型とかのせいかしら?
「何見てんだ」
「いや、なんかイグスさんの身体なのに、一瞬、哲平に見える時があるのよね」
「こえぇ事言うなよ。と言いたいとこだけど、俺もお前の本来の姿で見えたりする事がある」
「そういえば、この身体で初めて会った時も、あんたはそんな感じだったわね」
二人で並んで話しながら階段を降りて、エントランスホールへ向かう。
執事さんが扉を開けてくれると、綺麗な宝飾がされた馬車が一台止まっているのが見えた。
「何、あの無駄なキラキラ。馬車に必要ある?」
「知らねぇよ。貴族社会ではああいう見栄も必要なんじゃねぇの? 公爵家の令息の俺が乗るんだからしょうがないだろ」
アリスの家から学園までは徒歩で行くには30分以上かかるのと、哲平は公爵家の次男だから、通学途中に何かあってもいけない、という事で、公爵家から馬車と御者さんも派遣されている。
一方、キュレル家は子爵家だから、馬車はあるけれど、派手な装飾はされていない。
だけど、私はシンプルなキュレル家の馬車が好きだ。
「じゃあ、また後でね」
「乗ってかねぇのか?」
「そっちに乗っていったら、うちの御者さんの仕事がなくなっちゃうでしょ」
「ふーん」
キュレル家の馬車に向かおうと思ったけど、哲平が何か面白くなさそうな顔をしているので立ち止まって聞く。
「何よ」
「お前、スカート短くないか?」
「え?! うそ?! 高校の時ってこんなんじゃなかった?!」
「いや、そうだけど。まぁいいわ。また後でな」
哲平はそう言うと背を向け、こちらを見ずに手を振ると、馬車に乗り込んでいってしまった。
気になるけど、遅刻するわけにはいかないので、私も慌てて、キュレル家の馬車に乗り込んだ。
学園へは馬車で15分程度で着いた。
貴族も多くいるからか、学園の中に馬車の乗降場所があり、そこで馬車から降りると、迎えの時間の話をしてから、御者さんと別れた。
「遅かったな」
先に着いていた哲平が、私に向かって歩いてきた時だった。
「アリス!」
名を呼ばれて振り返ると、大人しそうだけれど可愛らしい顔立ちの女の子が背中くらいまである艶のある黒くて長い髪を揺らせて、私の所へ駆け寄ってきたのだった。
もしかして、この子がノア?
アズール男爵令嬢の話をすると、哲平は眉を寄せて少し考えてから口を開く。
「それだけじゃ何とも言えないな」
「まあ、そうなのよね…」
情報が少なすぎるのは確かだ。
本当のアリスから解けているはずの謎が私達では難しく感じてしまう。
「それについては改めて考える事にして、ありす…。なんだよ、この呪いのノート」
「呪いのノートって何よ、失礼ね」
「なんか走り書きの文字も恐ろしいし、なんだよ、この悪口の羅列」
「外見とか、人として言っちゃいけない事とか、どうしようもできない悪口は書いてないはずだけど」
「そりゃ当たり前だろ」
哲平は特に着替えをしたりしたわけではなく正装のまま、書物机の椅子に座って、私が書いたノートを読んでいたらしく、机に片肘を置いて続ける。
「それにしても、このアリスって子は、変な奴らにばかり目をつけられたんだな」
「そうなのよね。まあ、いじめだから誰かターゲットが一人いれば、それで良いという考えなのかもしれないけど」
「新たなターゲットが出来るまで攻撃するやつかよ。そのわりには色んな奴にターゲットにされすぎだろ。あと、気になるのは、なぜ、ノアって子が殺されそうになってたかって事だ」
「もう休みはあけるし、学園に行けばノアって子に会えるだろうから、どんな子かを調べてみるわ。ついでに、といっちゃなんだけど、小瓶を用意した黒幕も探してみる」
そう言って勝手にベッドの上に座ると、なぜか哲平は眉間にシワを寄せた。
「男の部屋なんだから、ちょっとは警戒しろよ」
「何をいまさら。それにあんたは無害じゃないの」
「そうだな。無害だと思ってりゃいいよ」
なんか、言い方に棘がある気がするんだけど?
哲平は椅子から立ち上がると、ノートをたたきながら、こちらに近づいてくる。
「これ、借りといていいか? お前の字が汚すぎて解読するのに時間がかかるし、綺麗に書き直したい」
「それはすみませんね」
軽く睨みながら言うと、哲平は私の頭にノートを当てると言った。
「とりあえず出てけ」
「そんな言い方しなくてもいいでしょ」
哲平はこれみよがしにため息をついてから、私の顔に自分の顔を近付けてきた。
「もう俺達は家族じゃないんだぞ」
「どうしてそんな事を言うのよ…」
「お前が今まで通りだと思ってるからだよ」
「家族だと思ってたのに、もう違うって言うの?」
睨むと、哲平はなぜか悲しそうな顔をした。
腹が立つ事に顔は全然違うのに、私の知ってる哲平の悲しそうな顔が頭に浮かんで余計に罪悪感を覚えた。
「部屋に戻るわ」
吐き捨てるように言って、ベッドから立ち上がると、哲平の部屋を出た。
止められる事もなかった。
姉弟での喧嘩はいつもの事だった。
なのに、今日の喧嘩はいつもと違う気がした。
だけど、夕食の時にはいつもの哲平に戻っていて、私達は何事もなかったかの様に会話をしたのだった。
この国には四季はないけど、季節の移り変わりはあるようで、春が長く続き残りは冬になるけれど期間としては短い、といった感じなんだそうだ。
ただ、天気予報がないから、なんの前触れもなく、日本でいう台風のようなものがきたり、冬に吹雪いたりする事をのぞいては、年中過ごしやすい土地らしい。
だから、制服のバリエーションも一つしかないらしく、冬服だ、夏服だ、と途中で変える事もないそうなので、制服のスカート丈は替えも含めて、短めに裾直しをしてもらった。
私だけスカート丈が短かったらどうしようか。
スカート丈は自由らしいから、中身が見える様な短さじゃなければいいわよね。
休みがあけて、私にとっては初めての登園日になった。
食事を終えた後、制服に着替えて鏡で自分の様子をチェックしていると、廊下から哲平の声が聞こえた。
「おい、ありす行くぞ」
身だしなみのチェックをサッと済ましてしまうと、鞄を持って部屋の扉を開ける。
「おはよう」
「はよ」
廊下に出て、哲平の制服姿をまじまじと見つめる。
あの微妙な喧嘩からは、外見は全然違うはずなのに、哲平本来の姿に似てきているような感じがしてしまう。
髪型とかのせいかしら?
「何見てんだ」
「いや、なんかイグスさんの身体なのに、一瞬、哲平に見える時があるのよね」
「こえぇ事言うなよ。と言いたいとこだけど、俺もお前の本来の姿で見えたりする事がある」
「そういえば、この身体で初めて会った時も、あんたはそんな感じだったわね」
二人で並んで話しながら階段を降りて、エントランスホールへ向かう。
執事さんが扉を開けてくれると、綺麗な宝飾がされた馬車が一台止まっているのが見えた。
「何、あの無駄なキラキラ。馬車に必要ある?」
「知らねぇよ。貴族社会ではああいう見栄も必要なんじゃねぇの? 公爵家の令息の俺が乗るんだからしょうがないだろ」
アリスの家から学園までは徒歩で行くには30分以上かかるのと、哲平は公爵家の次男だから、通学途中に何かあってもいけない、という事で、公爵家から馬車と御者さんも派遣されている。
一方、キュレル家は子爵家だから、馬車はあるけれど、派手な装飾はされていない。
だけど、私はシンプルなキュレル家の馬車が好きだ。
「じゃあ、また後でね」
「乗ってかねぇのか?」
「そっちに乗っていったら、うちの御者さんの仕事がなくなっちゃうでしょ」
「ふーん」
キュレル家の馬車に向かおうと思ったけど、哲平が何か面白くなさそうな顔をしているので立ち止まって聞く。
「何よ」
「お前、スカート短くないか?」
「え?! うそ?! 高校の時ってこんなんじゃなかった?!」
「いや、そうだけど。まぁいいわ。また後でな」
哲平はそう言うと背を向け、こちらを見ずに手を振ると、馬車に乗り込んでいってしまった。
気になるけど、遅刻するわけにはいかないので、私も慌てて、キュレル家の馬車に乗り込んだ。
学園へは馬車で15分程度で着いた。
貴族も多くいるからか、学園の中に馬車の乗降場所があり、そこで馬車から降りると、迎えの時間の話をしてから、御者さんと別れた。
「遅かったな」
先に着いていた哲平が、私に向かって歩いてきた時だった。
「アリス!」
名を呼ばれて振り返ると、大人しそうだけれど可愛らしい顔立ちの女の子が背中くらいまである艶のある黒くて長い髪を揺らせて、私の所へ駆け寄ってきたのだった。
もしかして、この子がノア?
275
お気に入りに追加
2,243
あなたにおすすめの小説
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!

愛人をつくればと夫に言われたので。
まめまめ
恋愛
"氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。
初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。
仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。
傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。
「君も愛人をつくればいい。」
…ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!
あなたのことなんてちっとも愛しておりません!
横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。
※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…

愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。

妖精の取り替え子として平民に転落した元王女ですが、努力チートで幸せになります。
haru.
恋愛
「今ここに、17年間偽られ続けた真実を証すッ! ここにいるアクリアーナは本物の王女ではないッ! 妖精の取り替え子によって偽られた偽物だッ!」
17年間マルヴィーア王国の第二王女として生きてきた人生を否定された。王家が主催する夜会会場で、自分の婚約者と本物の王女だと名乗る少女に……
家族とは見た目も才能も似ておらず、肩身の狭い思いをしてきたアクリアーナ。
王女から平民に身を落とす事になり、辛い人生が待ち受けていると思っていたが、王族として恥じぬように生きてきた17年間の足掻きは無駄ではなかった。
「あれ? 何だか王女でいるよりも楽しいかもしれない!」
自身の努力でチートを手に入れていたアクリアーナ。
そんな王女を秘かに想っていた騎士団の第三師団長が騎士を辞めて私を追ってきた!?
アクリアーナの知らぬ所で彼女を愛し、幸せを願う者達。
王女ではなくなった筈が染み付いた王族としての秩序で困っている民を見捨てられないアクリアーナの人生は一体どうなる!?
※ ヨーロッパの伝承にある取り替え子(チェンジリング)とは違う話となっております。
異世界の創作小説として見て頂けたら嬉しいです。
(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾ペコ
下げ渡された婚約者
相生紗季
ファンタジー
マグナリード王家第三王子のアルフレッドは、優秀な兄と姉のおかげで、政務に干渉することなく気ままに過ごしていた。
しかしある日、第一王子である兄が言った。
「ルイーザとの婚約を破棄する」
愛する人を見つけた兄は、政治のために決められた許嫁との婚約を破棄したいらしい。
「あのルイーザが受け入れたのか?」
「代わりの婿を用意するならという条件付きで」
「代わり?」
「お前だ、アルフレッド!」
おさがりの婚約者なんて聞いてない!
しかもルイーザは誰もが畏れる冷酷な侯爵令嬢。
アルフレッドが怯えながらもルイーザのもとへと訪ねると、彼女は氷のような瞳から――涙をこぼした。
「あいつは、僕たちのことなんかどうでもいいんだ」
「ふたりで見返そう――あいつから王位を奪うんだ」

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
妹ばかり見ている婚約者はもういりません
水谷繭
恋愛
子爵令嬢のジュスティーナは、裕福な伯爵家の令息ルドヴィクの婚約者。しかし、ルドヴィクはいつもジュスティーナではなく、彼女の妹のフェリーチェに会いに来る。
自分に対する態度とは全く違う優しい態度でフェリーチェに接するルドヴィクを見て傷つくジュスティーナだが、自分は妹のように愛らしくないし、魔法の能力も中途半端だからと諦めていた。
そんなある日、ルドヴィクが妹に婚約者の証の契約石に見立てた石を渡し、「君の方が婚約者だったらよかったのに」と言っているのを聞いてしまう。
さらに婚約解消が出来ないのは自分が嫌がっているせいだという嘘まで吐かれ、我慢の限界が来たジュスティーナは、ルドヴィクとの婚約を破棄することを決意するが……。
◆エールありがとうございます!
◇表紙画像はGirly Drop様からお借りしました💐
◆なろうにも載せ始めました
◇いいね押してくれた方ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる