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エイナざまぁ編
第49話 監禁部屋 2 (エイナside)
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「あなた達、一体、誰なんです? 私と関わりのあった人なの?」
老夫婦に何かした覚えなんてないわ。
だって、今まで興味がなかったから、老人に声をかけたりした事なんてないんだもの。
羨ましいだなんて思った事もないしね!
もし関わる事があったとしたら社交場くらいだけど、こんなみすぼらしい格好をしている人なんていなかったわ。
もしかして、この人達、私と誰かを間違えているんじゃないかしら?
「あなたと私達はお会いした事はありません…」
「ですが、娘の名前くらいは覚えてくれているでしょう?」
お爺さんの言葉の後にお婆さんが恨めしそうな顔で私を見て聞いてきた。
「……悪いけど、何の話かしら…?」
老人の娘ということは、私の両親くらいの年よね?
そんな人に嫌がらせなんてしたかしら?
あるとしたら、メイド長くらい?
だけど、大した事はしていないから恨まれる様な覚えはないわ!
だから聞いてみたら、2人は怒り始めた。
「私達の娘の名前はクララです! あんな事をしておいてもうお忘れですか!」
「あの子はまだ、あなたを信じているというのに! 酷いわ…!」
老爺が叫んだあと、老婆が両手で顔を覆って泣き始めた。
クララ!
そうだったわ。
謎の男はクララの兄だと名乗っていた。
もしかして、この2人が私を逆恨みして、こんな事をしたっていうの!?
そして、あの男はクララのお兄様なの!?
とにかく、刺激をしない方が良さそうね。
何をされるかわからないわ。
「ご、ごめんなさい! クララの事はよく覚えているわ。私に尽くしてくれていたもの! 本当に世話になったわ」
この言葉は嘘じゃない。
だって、私の為にエリナを階段から落としたんだから。
そこまでしてくれる人がたくさんいるわけじゃないって事を、最近になって気付かされたし、本当に感謝はしているわ。
そういえば、クララは今はどうしているのかしら?
「で、クララは元気なんですか?」
「……」
普通に健康状態を尋ねただけなのに、クララのお父様は私を憎々しげに見つめ、お母様の方は顔を覆っていた手をおろし泣きながら話す。
「あの子はあなたが助けに来てくれるのを待っていました。けれど、あなたは助けに来てくれるどころか面会にも来てくれませんでしたね?」
「そ、それは色々とあったのよ。今だって、私は他国にいるわけだし」
「それまでに会いに行く期間は十分に会ったはずです! もしくは国を発たれる前に時間を作っていただく事だって出来たんじゃないですか!?」
「ご、ごめんなさい。その事についても謝るわ。私はこんな状態だから、今すぐには会いにはいけないけれど、会いに行けるようになったら一番にクララに会いに行く様にしますから許して下さい」
「もう遅いですよ」
クララのお父様が吐き捨てる様に言うので首を傾げる。
「どうしてですか? クララは病気だったりするんですか!?」
まさか、死んだとかいうわけじゃないわよね!?
「あなたは、警察に対して、クララの罰の軽減を求めるわけではなく、逆に処刑を求めたんだそうですね?」
「そ、それは…」
そういえば、そう言っていたかもしれない。
だけど、エリナ達が止めて、刑務所送りに鳴ったはずだわ。
もしかして、そこで病気にでもかかってしまった?
「あの時は気が動転していたんです。今なら絶対にクララを守ろうとしていたはずです」
「今更、そんな事を言われても意味がないんですよ」
クララのお父様は腕をだらりと落とし、無機質な目を私に向けて続ける。
「クララは精神を病みました。もう、私や家内の事もわかりません。腹が立つ事に、あなたの名前だけは覚えているんですから、嫌になりますよ…」
クララが精神を病んだ?
それって私のせいなの?
「どうしてクララは精神を病んでしまったんです? もしかして、私が裏切ったのだと思ったなら誤解だと伝えてもらえませんか?」
「私達が何を伝えても娘の耳にも、心にも届きません。あんなに愛して可愛がっていた娘が…!」
そう言って、クララのお父様は私の首を両手でつかんだ。
「私と家内の気持ちがあなたには理解できますか?」
首を絞められているのに、理解したくても理解できないわよ!!
このまま私は殺されるの!?
そんなの嫌よ!
私は私の首を絞めているクララのお父様に懇願する。
「…ごめんなさい! …理解できるように…考えますから殺さないで」
老夫婦に何かした覚えなんてないわ。
だって、今まで興味がなかったから、老人に声をかけたりした事なんてないんだもの。
羨ましいだなんて思った事もないしね!
もし関わる事があったとしたら社交場くらいだけど、こんなみすぼらしい格好をしている人なんていなかったわ。
もしかして、この人達、私と誰かを間違えているんじゃないかしら?
「あなたと私達はお会いした事はありません…」
「ですが、娘の名前くらいは覚えてくれているでしょう?」
お爺さんの言葉の後にお婆さんが恨めしそうな顔で私を見て聞いてきた。
「……悪いけど、何の話かしら…?」
老人の娘ということは、私の両親くらいの年よね?
そんな人に嫌がらせなんてしたかしら?
あるとしたら、メイド長くらい?
だけど、大した事はしていないから恨まれる様な覚えはないわ!
だから聞いてみたら、2人は怒り始めた。
「私達の娘の名前はクララです! あんな事をしておいてもうお忘れですか!」
「あの子はまだ、あなたを信じているというのに! 酷いわ…!」
老爺が叫んだあと、老婆が両手で顔を覆って泣き始めた。
クララ!
そうだったわ。
謎の男はクララの兄だと名乗っていた。
もしかして、この2人が私を逆恨みして、こんな事をしたっていうの!?
そして、あの男はクララのお兄様なの!?
とにかく、刺激をしない方が良さそうね。
何をされるかわからないわ。
「ご、ごめんなさい! クララの事はよく覚えているわ。私に尽くしてくれていたもの! 本当に世話になったわ」
この言葉は嘘じゃない。
だって、私の為にエリナを階段から落としたんだから。
そこまでしてくれる人がたくさんいるわけじゃないって事を、最近になって気付かされたし、本当に感謝はしているわ。
そういえば、クララは今はどうしているのかしら?
「で、クララは元気なんですか?」
「……」
普通に健康状態を尋ねただけなのに、クララのお父様は私を憎々しげに見つめ、お母様の方は顔を覆っていた手をおろし泣きながら話す。
「あの子はあなたが助けに来てくれるのを待っていました。けれど、あなたは助けに来てくれるどころか面会にも来てくれませんでしたね?」
「そ、それは色々とあったのよ。今だって、私は他国にいるわけだし」
「それまでに会いに行く期間は十分に会ったはずです! もしくは国を発たれる前に時間を作っていただく事だって出来たんじゃないですか!?」
「ご、ごめんなさい。その事についても謝るわ。私はこんな状態だから、今すぐには会いにはいけないけれど、会いに行けるようになったら一番にクララに会いに行く様にしますから許して下さい」
「もう遅いですよ」
クララのお父様が吐き捨てる様に言うので首を傾げる。
「どうしてですか? クララは病気だったりするんですか!?」
まさか、死んだとかいうわけじゃないわよね!?
「あなたは、警察に対して、クララの罰の軽減を求めるわけではなく、逆に処刑を求めたんだそうですね?」
「そ、それは…」
そういえば、そう言っていたかもしれない。
だけど、エリナ達が止めて、刑務所送りに鳴ったはずだわ。
もしかして、そこで病気にでもかかってしまった?
「あの時は気が動転していたんです。今なら絶対にクララを守ろうとしていたはずです」
「今更、そんな事を言われても意味がないんですよ」
クララのお父様は腕をだらりと落とし、無機質な目を私に向けて続ける。
「クララは精神を病みました。もう、私や家内の事もわかりません。腹が立つ事に、あなたの名前だけは覚えているんですから、嫌になりますよ…」
クララが精神を病んだ?
それって私のせいなの?
「どうしてクララは精神を病んでしまったんです? もしかして、私が裏切ったのだと思ったなら誤解だと伝えてもらえませんか?」
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そう言って、クララのお父様は私の首を両手でつかんだ。
「私と家内の気持ちがあなたには理解できますか?」
首を絞められているのに、理解したくても理解できないわよ!!
このまま私は殺されるの!?
そんなの嫌よ!
私は私の首を絞めているクララのお父様に懇願する。
「…ごめんなさい! …理解できるように…考えますから殺さないで」
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