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エイナざまぁ編
第43話 波乱のパーティー(リリアナside)
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エイナが持っていないものがわかったシシリーは、これ以上、被害者を増やさないために動く事にすると、食事の席でリリアナ達に告げた。
そして、相変わらずエイナは次の日にはけろっとした顔でシシリーの前に現れだが、一応、詫びは入れてきた。
だが、シシリーにはエイナが反省している様には思えなかったので、作戦を決行する事に決め、リリアナの方に話をしてきた。
「パーティーを開かれるんですか?」
「ええ。エイナに自分の立場を思い知らす事ができるようにしたいと思っています」
「では、エイナ様はシシリー様の侍女としてでなく、招待客としてパーティーに招待されるんですね?」
彼女の意図がわかったリリアナが尋ねると、シシリーは頷く。
「そうするつもりです。まあ、エイナが出席できるかはわかりませんけれど」
「どういう事ですか?」
「夜会に招待するのは既婚者、もしくは婚約者がいる方のみにします。エイナにも婚約者を連れて来る様に言うつもりです。だって、エイナは可愛いのですし、人の婚約者を奪えるんですから、婚約者を作るのだって簡単でしょう?」
微笑むシシリーを見て、リリアナはシシリーを敵に回したくないと心の中で思ってから、引きつった笑顔を返した。
そして、パーティーの準備をシシリーが急いで進めている間に、リリアナはシシリーに協力する為に、色んな貴族のお茶会に参加しては、エイナに気を付ける様に注意喚起をした。
聖女の力を必要とされて、シシリーの家にお世話になっているリリアナだが、特に誰かが怪我をしたりする様子もないため、今のところ、何の役にも立っていないので気が引けたのだ。
最近のエイナを見ていてリリアナが思ったのは、何かを企んでいるのか、エイナが必死にお金を貯めようとしている様に見えた。
(エイナ様って欲しいものを自分でお金を貯めて買うようなタイプには思えないし、欲しいものがあるなら誰かに買ってもらいそうなのよね。となると、人に買ってもらえないものの為にお金を貯めている事になるけれど、まさか、自分の国に帰ろうとしているとかいう訳じゃないわよね?)
お茶会からの帰りの馬車の中で、リリアナはそう考えて、向かいに座っているアッシュに尋ねる。
「エイナ様は何を考えているんだと思う?」
「何がだ?」
「エイナ様がお金を貯めているでしょう? 何をするつもりなのかしら?」
「さあな。彼女が何を考えているかなんて予想もつかないし、はっきり言ってどうでもいい」
「そんな事を言わないで、ちょっとは考えてよ。私は国に帰ろうとしているのかな、なんて思ったんだけど、どう思う?」
「それはありえるかもしれないけど無理だろ。たとえ金があったとしても」
「そうよね。国境を越えないといけないんだから、お金があっても国に帰れるわけないものね」
アッシュの言葉にリリアナはうんうんと頷く。
リリアナ達の住む国と、エイナが住んでいた国は陸続きではない為、両国を繋ぐ橋の手前にそれぞれ国境警備隊が配備されていて、国境検問所がある。
検問所の方にはセルディスの方からエイナの出国は認めないという命令が出ているし、アレクの方からも入国は認めないという連絡が入っていた為、さすがの国境警備隊も検問所の職員もエイナの色香に惑わされるという事は考えられなかった。
(もし、エイナ様を通してしまったら、2国の王太子を敵にまわすようなものだもの。そこまで馬鹿な人間はいないはずだわ)
「ブローカーもそこまで馬鹿じゃない。いくら金をつまれても出来ないものは出来ないだろうし、相手が相手だ。大金もらっても捕まったり殺されたりしたんじゃ意味がないからな」
「それをエイナ様はわかっていると思う?」
「わかってないだろ。というか、まさかそんな手配をされているだなんて考えた事はないんじゃないか?」
「国に帰るだなんて考えていないって事?」
「そうじゃなくて、自分が出国も出来ないし、他国に入国も出来ないって事を知らないって事だよ」
「そっか。そう言われればそうね。エイナ様って、良い意味でも悪い意味でもポジティブ思考だし」
アッシュの言葉に、リリアナはエイナの事を思い浮かべながら頷いた。
それから日にちが経ち、開催すると決まってから異例の速さで行われる事となったパーティーは、手抜き感など一切感じられない様子で、アッシュと共に会場に足を踏み入れたリリアナは驚いていた。
「すごいわ。エイナ様の為にここまでしちゃうなんて」
「彼女の為というわけじゃないだろ。彼女を大人しくさせるためだろ」
「大人しくなってくれるのかしら」
「さあな。プライドを傷付けられるのは確かだろう。まずは、この夜会に出席できるかどうかだけどな」
黒の燕尾服姿のアッシュが水色のシュミーズドレスに身を包んだリリアナの隣で答えた時だった。
会場の受付の方から金切り声が聞こえて、リリアナとアッシュはそちらに顔を向けた。
すると、受付をしている人間に向かって、ピンク色のイブニングドレスに身を包んだエイナが文句を言っていた。
辺りは騒がしかったが、彼女の声にだけ集中して聞いてみると、エイナはこんな事を言っていた。
「パートナーが見つからなかったんだからしょうがないじゃないの! どうして私が中に入れないの!? どうしてそんな意地悪するんですか!?」
「ち、違います! 今回の夜会は男女ペアの既婚者、未婚の場合は将来を誓いあった男女しか招待されていないのです!」
「私には招待状が来ています!」
「ですが、将来を誓いあった相手と出席をお願いしますと書かれていますよね?」
受付の男女が必死にエイナに向かって説明をしている。
(私とアッシュ、婚約者でも将来を誓いあった仲でもないけど、何も言われなかったわ。周りからはそんな風に思われてるのかしら。ちゃんとシシリー様には誤解をといておかないと)
リリアナはそんな事を考えた後、アッシュと共に受付に近付きながら、またエイナに意識を集中させる。
「そ、それはしょうがないじゃない! 私に見合う男性が近くにいないんだもの!」
「でしたら、本日は欠席されたらよろしいかと…」
「そんな! せっかくのパーティーなのよ!? 素敵な男性との出会いの場じゃないの!」
「ですから、このパーティーは出会いの場ではございません」
エイナに詰め寄られて泣きそうになっている女性を見て、見兼ねたリリアナが声を掛けようとしたが、その前にアッシュが口を開いた。
「もう、そこで止めとけよ。それ以上騒ぐ様だったら騎士を呼ぶけど? 周りを見てみたらわかるだろ。受付が出来なくて皆、迷惑してるんだ。元公爵家だか何だか知らないが、元公爵家らしい立ち居振る舞いをしろよ」
「う、うるさいのよ!」
エイナは顔を真っ赤にして叫んだ後、アッシュに向かって言う。
「じゃあ、あなたがパートナーになってよ! 私と結婚させてあげるわ!」
「いらねぇ…」
アッシュが心底嫌そうな顔をしたので、思わずリリアナは吹き出しそうになった。
(失礼だから笑っちゃいけないわよね。危なかったわ)
「どうしてよ!? この私と結婚できるのよ!?」
「お前と結婚して何のメリットがあんの? 好きでも何でもないのに」
「どうして、あなたは私の事を好きにならないの!? それに、おかしいじゃない! 皆、私の事は好きだけれど、パーティーには一緒に出席できないって!」
「普通の貴族はそうだろうな」
アッシュは小さく息を吐いてから、わかっていないエイナに向かって説明する。
「男性使用人の多くは貴族じゃないし、貴族だったとしても、お前に恋に落ちてるのはせいぜい子爵家までだ。伯爵家以上となると、年頃の人間には婚約者、もしくは妻がいるから、他の女性を選ぼうものなら大変な事になる」
「私だって伯爵令嬢なのよ!?」
「他国のだろ? この国ではあまり意味がない。となると、賢い人間は顔だけしか能がない女性を婚約者や妻に選ぶはずがない。お前は一生懸命、この国の貴族にアピールしていたみたいだが、そんな事をしなくても最初から諦めるべきだったんだよ」
アッシュの言葉にエイナは唇をかみしめて、彼を睨んだ。
(エイナ様が仕事がお休みの日に、顔が整っていて伯爵家以上の男性のところに約束もなしで押しかけていたという噂は本当だったのね。でも、エイナ様はそれくらいで諦める人ではないわよね。これからどうするつもりかしら)
リリアナは呆れた表情でエイナを見つめた。
ーーーーーーーーーーーーー
エイナへのざまぁですが、これもざまぁの一つになりますが、最終的なざまぁとは違いますので、それまでもう少々、お付き合いくださいませ。
そして、相変わらずエイナは次の日にはけろっとした顔でシシリーの前に現れだが、一応、詫びは入れてきた。
だが、シシリーにはエイナが反省している様には思えなかったので、作戦を決行する事に決め、リリアナの方に話をしてきた。
「パーティーを開かれるんですか?」
「ええ。エイナに自分の立場を思い知らす事ができるようにしたいと思っています」
「では、エイナ様はシシリー様の侍女としてでなく、招待客としてパーティーに招待されるんですね?」
彼女の意図がわかったリリアナが尋ねると、シシリーは頷く。
「そうするつもりです。まあ、エイナが出席できるかはわかりませんけれど」
「どういう事ですか?」
「夜会に招待するのは既婚者、もしくは婚約者がいる方のみにします。エイナにも婚約者を連れて来る様に言うつもりです。だって、エイナは可愛いのですし、人の婚約者を奪えるんですから、婚約者を作るのだって簡単でしょう?」
微笑むシシリーを見て、リリアナはシシリーを敵に回したくないと心の中で思ってから、引きつった笑顔を返した。
そして、パーティーの準備をシシリーが急いで進めている間に、リリアナはシシリーに協力する為に、色んな貴族のお茶会に参加しては、エイナに気を付ける様に注意喚起をした。
聖女の力を必要とされて、シシリーの家にお世話になっているリリアナだが、特に誰かが怪我をしたりする様子もないため、今のところ、何の役にも立っていないので気が引けたのだ。
最近のエイナを見ていてリリアナが思ったのは、何かを企んでいるのか、エイナが必死にお金を貯めようとしている様に見えた。
(エイナ様って欲しいものを自分でお金を貯めて買うようなタイプには思えないし、欲しいものがあるなら誰かに買ってもらいそうなのよね。となると、人に買ってもらえないものの為にお金を貯めている事になるけれど、まさか、自分の国に帰ろうとしているとかいう訳じゃないわよね?)
お茶会からの帰りの馬車の中で、リリアナはそう考えて、向かいに座っているアッシュに尋ねる。
「エイナ様は何を考えているんだと思う?」
「何がだ?」
「エイナ様がお金を貯めているでしょう? 何をするつもりなのかしら?」
「さあな。彼女が何を考えているかなんて予想もつかないし、はっきり言ってどうでもいい」
「そんな事を言わないで、ちょっとは考えてよ。私は国に帰ろうとしているのかな、なんて思ったんだけど、どう思う?」
「それはありえるかもしれないけど無理だろ。たとえ金があったとしても」
「そうよね。国境を越えないといけないんだから、お金があっても国に帰れるわけないものね」
アッシュの言葉にリリアナはうんうんと頷く。
リリアナ達の住む国と、エイナが住んでいた国は陸続きではない為、両国を繋ぐ橋の手前にそれぞれ国境警備隊が配備されていて、国境検問所がある。
検問所の方にはセルディスの方からエイナの出国は認めないという命令が出ているし、アレクの方からも入国は認めないという連絡が入っていた為、さすがの国境警備隊も検問所の職員もエイナの色香に惑わされるという事は考えられなかった。
(もし、エイナ様を通してしまったら、2国の王太子を敵にまわすようなものだもの。そこまで馬鹿な人間はいないはずだわ)
「ブローカーもそこまで馬鹿じゃない。いくら金をつまれても出来ないものは出来ないだろうし、相手が相手だ。大金もらっても捕まったり殺されたりしたんじゃ意味がないからな」
「それをエイナ様はわかっていると思う?」
「わかってないだろ。というか、まさかそんな手配をされているだなんて考えた事はないんじゃないか?」
「国に帰るだなんて考えていないって事?」
「そうじゃなくて、自分が出国も出来ないし、他国に入国も出来ないって事を知らないって事だよ」
「そっか。そう言われればそうね。エイナ様って、良い意味でも悪い意味でもポジティブ思考だし」
アッシュの言葉に、リリアナはエイナの事を思い浮かべながら頷いた。
それから日にちが経ち、開催すると決まってから異例の速さで行われる事となったパーティーは、手抜き感など一切感じられない様子で、アッシュと共に会場に足を踏み入れたリリアナは驚いていた。
「すごいわ。エイナ様の為にここまでしちゃうなんて」
「彼女の為というわけじゃないだろ。彼女を大人しくさせるためだろ」
「大人しくなってくれるのかしら」
「さあな。プライドを傷付けられるのは確かだろう。まずは、この夜会に出席できるかどうかだけどな」
黒の燕尾服姿のアッシュが水色のシュミーズドレスに身を包んだリリアナの隣で答えた時だった。
会場の受付の方から金切り声が聞こえて、リリアナとアッシュはそちらに顔を向けた。
すると、受付をしている人間に向かって、ピンク色のイブニングドレスに身を包んだエイナが文句を言っていた。
辺りは騒がしかったが、彼女の声にだけ集中して聞いてみると、エイナはこんな事を言っていた。
「パートナーが見つからなかったんだからしょうがないじゃないの! どうして私が中に入れないの!? どうしてそんな意地悪するんですか!?」
「ち、違います! 今回の夜会は男女ペアの既婚者、未婚の場合は将来を誓いあった男女しか招待されていないのです!」
「私には招待状が来ています!」
「ですが、将来を誓いあった相手と出席をお願いしますと書かれていますよね?」
受付の男女が必死にエイナに向かって説明をしている。
(私とアッシュ、婚約者でも将来を誓いあった仲でもないけど、何も言われなかったわ。周りからはそんな風に思われてるのかしら。ちゃんとシシリー様には誤解をといておかないと)
リリアナはそんな事を考えた後、アッシュと共に受付に近付きながら、またエイナに意識を集中させる。
「そ、それはしょうがないじゃない! 私に見合う男性が近くにいないんだもの!」
「でしたら、本日は欠席されたらよろしいかと…」
「そんな! せっかくのパーティーなのよ!? 素敵な男性との出会いの場じゃないの!」
「ですから、このパーティーは出会いの場ではございません」
エイナに詰め寄られて泣きそうになっている女性を見て、見兼ねたリリアナが声を掛けようとしたが、その前にアッシュが口を開いた。
「もう、そこで止めとけよ。それ以上騒ぐ様だったら騎士を呼ぶけど? 周りを見てみたらわかるだろ。受付が出来なくて皆、迷惑してるんだ。元公爵家だか何だか知らないが、元公爵家らしい立ち居振る舞いをしろよ」
「う、うるさいのよ!」
エイナは顔を真っ赤にして叫んだ後、アッシュに向かって言う。
「じゃあ、あなたがパートナーになってよ! 私と結婚させてあげるわ!」
「いらねぇ…」
アッシュが心底嫌そうな顔をしたので、思わずリリアナは吹き出しそうになった。
(失礼だから笑っちゃいけないわよね。危なかったわ)
「どうしてよ!? この私と結婚できるのよ!?」
「お前と結婚して何のメリットがあんの? 好きでも何でもないのに」
「どうして、あなたは私の事を好きにならないの!? それに、おかしいじゃない! 皆、私の事は好きだけれど、パーティーには一緒に出席できないって!」
「普通の貴族はそうだろうな」
アッシュは小さく息を吐いてから、わかっていないエイナに向かって説明する。
「男性使用人の多くは貴族じゃないし、貴族だったとしても、お前に恋に落ちてるのはせいぜい子爵家までだ。伯爵家以上となると、年頃の人間には婚約者、もしくは妻がいるから、他の女性を選ぼうものなら大変な事になる」
「私だって伯爵令嬢なのよ!?」
「他国のだろ? この国ではあまり意味がない。となると、賢い人間は顔だけしか能がない女性を婚約者や妻に選ぶはずがない。お前は一生懸命、この国の貴族にアピールしていたみたいだが、そんな事をしなくても最初から諦めるべきだったんだよ」
アッシュの言葉にエイナは唇をかみしめて、彼を睨んだ。
(エイナ様が仕事がお休みの日に、顔が整っていて伯爵家以上の男性のところに約束もなしで押しかけていたという噂は本当だったのね。でも、エイナ様はそれくらいで諦める人ではないわよね。これからどうするつもりかしら)
リリアナは呆れた表情でエイナを見つめた。
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