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第一章

9.ダンジョン

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 ダンジョン。
 遥か昔、偉大な魔術師たちが作った宝物庫であり、終生を共にした安楽の地。
 彼らは自らが残した功績や成果物を他人から隠すため、侵入者を迷わせ阻む巨大建造物を作り上げた。
 というのが、現代に伝わるダンジョンのお話。
 実際のところは未だ解明されていない。
 一説には人ではない者が作ったものだとか、神から逃げるために悪魔が作り上げた隠れ家だとか。
 様々な説が提唱されている。

「まさかこんな近くにダンジョンがあったなんて」

 おそらく未発見のダンジョンだ。
 この森は街から非常に近く、多くの冒険者にとって絶好の狩場となっている。
 しかし近年、ここでダンジョンが発見されたという報告はない。
 
「おそらく周囲の木々のせいだと思います」
「木々?」
「この木々からわずかに魔力を感じます。近づく者を遠ざける天然の結界になっていますね」
「異様な雰囲気はそのせいか……」

 だから誰にも見つからなかったのか。
 近づきたくても無意識に身体が避けてしまうから。
 俺たちが見つけられたのは、ここに彼女の妹……デルタがいるから。
 その気配を辿ったおかげか。

「だけではありません。こういう結界は、魔力が多い者には効果が薄いんです。私はもとより、ラスト様だから平然と入って来られたんですよ?」
「そう……なのか」

 俺だから、そう言われるのは悪い気分じゃなかった。
 自分が特別な存在だと言って貰えている気がして。
 優越感というのだろう。
 今まで感じられなかったからか、どこか面映ゆい。

 俺は大きく深呼吸をする。

「ふぅ……行こうか」
「はい」

 こうして俺たちはダンジョンの階段を下りていく。
 前のパーティーにいる時に、数回だがダンジョン攻略に参加した。
 その時はすでに発見済みのダンジョンで、先人たちが作った地図のおかげで迷わなかったけど……。

「ひ、広いな」

 階段を降りてすぐ、まっすぐ続く廊下あった。
 どこまで続いているのか肉眼ではわからない。
 軽く手を叩いてみたら、綺麗に音が通り抜けていくのがわかった。
 おそらくかなり先まで続いている。

「迷わないようにしないと」
「その心配は必要ありません。私は一度来た道を記憶できます。行くべき方向も、デルタの気配を追えばいいですから」
「そうなのか。じゃあ、道案内は任せていいか?」
「はい! 私にお任せください」

 頼りになる相棒のおかげで、幾分気持ちが楽になった。
 未発見のダンジョンほど恐ろしい場所はない。
 本来なら、大規模な調査隊を編成して慎重に探索するのだが……。
 今回はその必要もなさそうだ。

「こっちです」

 迷路になっている道も、彼女の案内があれば迷わない。
 ダンジョンの中はとても静かだった。
 普通は侵入者を阻むため、様々なトラップや障害物が用意されているものだけど……。

「ここにデルタがいるってことは、このダンジョンは博士が作ったものなのか?」
「それは……わかりません」

 歯切れの悪い返事だった。
 彼女は申し訳なさそうに語る。

「実は、どうして自分が眠っていたのか……前後の記憶がないのです」
「そうだったのか?」
「はい。ですからなぜ彼女がここにいるのか、私がラスト様のおじい様から送られてきた理由もわかりません。申し訳ありません」
「謝らなくていいよ。むしろ平気? そういうのがわからないって不安になるんじゃないか?」

 自分のことがわからないなんて、俺だったら不安で夜も眠れない。
 だけど彼女はニコリと微笑み、首を振る。

「こうして目覚めることができた。妹とも会える。何の不安もありません」
「……そうか。強いな、アルファは」
「そんなことありません。ただ、私が不安に思うことがあるとすれば……ラスト様に捨てられてしまわないか、だけです」
「それは絶対にないから安心してくれ」
「はい。だから不安はありません」

 彼女は花が咲いたように笑う。
 この笑顔を守りたいと、俺はひそかに思う。

「止まってください! 何か来ます」
「なんだ?」

 ギギギギと何かが蠢く音が聞こえてくる。
 俺たちは身構える。
 そして――

 正面から一体のゴーレムが出現する。

「先手をとります」

 アルファがかける。
 ゴーレムの動きは緩慢だ。
 彼女の速さなら容易に不意をつける。
 瞬く間に接近し、腹部に向けて打撃を加える。
 トロールの腹を抉った一撃を喰らったんだ。
 これで――

「なっ……」

 破壊できない?
 彼女の打撃が通じないのか?

「アルファ!」

 ゴーレムが反撃する。
 見た目のわりに素早い動きで彼女を腕で叩きつける。
 一瞬だけ回避が遅れた彼女は、衝撃で俺の元まで転がる。

「っ……」
「大丈夫か?」
「はい」

 そう言いつつも怪我をしている。
 額からは血が流れていた。

「頭を打ったのか」
「大丈夫です。私たちドールには自動再生が備わっています。魔力が枯渇しない限り傷は治ります」

 話している間にも血は止まっていた。
 どうやら軽い傷なら一瞬で治癒してしまうらしい。
 一先ず安心だが、問題は目の前にある。

「君の攻撃が通じなかったのか」
「おそらく打撃の衝撃を吸収するようです」
「打撃……だったら!」

 俺は刀を抜く。
 意図を察してくれたのか、先にアルファが飛び出し、ゴーレムの注意を引いてくれた。

「今です!」
「おお!」

 その隙に背後に周り、刀で両断する。
 予想通り、打撃は吸収できても刀の鋭い一撃は対応できなかったようだ。
 ゴーレムの核ごと両断したからもう動くことはない。

「お見事でした。ラスト様」
「アルファもありがとう。注意を引いてくれて」
「いえ」

 俺は刀を鞘に納める。
 その様子をアルファはじっと見ていた。

「ラスト様のその剣、刀というものですよね?」
「うん。爺ちゃんが昔使ってたものを貰ったんだ。昔から見様見真似で練習してたんだけど、中々上手くなれなくてね」
「そうですか? 今は凄く様になっていますよ?」
「ありがとう。それもたぶん、アルファと出会えたおかげだ」

 俺がそういうと、アルファは嬉しそうに微笑んだ。
 その直後、再び異音がする。

「またゴーレムか。しかも今度は複数」
「この魔力……もしかして」
「アルファ?」
「いえ、今は突破しましょう!」

 迫るゴーレムを前に、俺たちは武器を構える。
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