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第一章
5.本当の実力
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冒険者ギルドでクエストを受注した俺たちは、昨日の夜も入った森へと足を踏み入れる。
受注したクエストはグラスホッパー五体の討伐。
巨大なバッタの形をした魔物で、強靭な脚力による高速移動が厄介な相手だ。
俺はパーティーを追放されてソロになったし、大したクエストは受けられないと思っていたけど……。
「アルファのおかげだな」
「はい? 私が何かしましたか?」
「いや、なんでも」
彼女が大男を一瞬でころがした様子は、ギルドの受付嬢も見ていた。
これまで多くの冒険者を見ていた受付嬢には、彼女の秘められた力を感じたのだろう。
普通ならソロで受けられないクエストを進められて、そのまま受注することにした。
おそらくこのクエストを無事にクリアできれば、ギルドからの評判も上がる。
そうなれば、他のクエストも自由に受けられるぞ。
「失敗できないな」
「ご安心ください。私がいる限りどんな相手でも負けません」
「……そうだね。期待してるよ、アルファ」
「はい!」
嬉しそうな顔で返事をするアルファ。
俺は少し複雑な気分だが、彼女の実力は本物だ。
今さら疑う余地はない。
トロールを物理のごり押しで倒してしまう彼女なら、グラスホッパーも余裕で討伐できる。
「見つけました。十時の方角、数は三」
アルファの声で緊張が高まる。
彼女は俺を守るように三歩前へ出た。
木々の間から姿を現す。
赤い瞳と四角い頭、凶悪な顎をカチカチさせて。
「グラスホッパーだ」
「戦闘を開始します!」
アルファは瞬時に一匹の懐へもぐりこんだ。
トロールの時と同じだ。
すかさず腹に一撃を喰らわせる。
再生能力のないグラスホッパーはダウンした。
しかし残り二体がすかさず脚力を活かして距離を取ろうとする。
「逃がしません」
――より早く、彼女はグラスホッパーの足を掴んだ。
そのままべきっとへし折り、倒れたところに留めの拳を入れる。
残り一匹は力量の差を悟り逃走を図る。
が、それすら彼女は見逃さない。
高々と空へ跳躍したグラスホッパーに、彼女も追いつき、地面に向けて殴り飛ばす。
「凄すぎだろ……」
凄まじい戦闘に気を取られていた。
そのせいで周囲への警戒を怠っていた俺は、背後から近づいていたもう一体のグラスホッパーに遅れて気が付く。
「――しまった」
咄嗟に腰の刀に触れたが、俺の身体能力では間に合わない。
反応はできても、身体が追いつかない。
「伏せてください!」
空から声が響く。
俺は咄嗟に身を屈める。
そこへ流星のごとき一撃が、グラスホッパーの頭を砕いた。
「お怪我はありませんか? ラスト様」
「あ、ああ……」
空中から間に合ったんか?
どうやって?
まさか空気を蹴って……出鱈目だな。
「はは……」
「ラスト様?」
「いやごめん。なんだか情けなくてさ」
今も、ギルドでも、俺は蚊帳の外だった。
いいや……今までずっとか。
ドイルのいう通りかもしれないな。
みんなが必死に戦っている間、俺は何もできない。
「俺は守られてばかりだ。追放されるのも当然か……」
「それは違います。ラスト様はご自身のことを誤解しております」
「誤解?」
「はい。ラスト様は優れたお方です」
アルファはまっすぐな視線を俺に向ける。
本気でそう思ってくれているのが伝わる。
純粋に嬉しいが、俺はそう思えない。
「そんなことないよ。俺にできるのは……魔力を配ることだけだから」
「その一点だけでも、ラスト様は特別なのですよ?」
「え?」
「ラスト様は私を目覚めさせました。私の起動には莫大な魔力が必要です。最低でも普通の人間が一日に絞り出せる魔力の十倍です」
じゅ、十倍?
そんな量の魔力を消費していたのか?
「でも、俺はなんともなかったぞ? ちょっと怠いなって感じたくらいで」
「それはラスト様の魔力量が普通ではないからです。ラスト様の魔力量はほぼ無尽蔵に近い。これまで魔力切れを起こしたこともないのではありませんか?」
「確かにないけど……てっきり魔法とかの消費が大したことないせいかと思ってた」
「いいえ、ラスト様の魔力量が常人を遥かに凌駕しているからです。普通の人間なら私を起動させることもできません。さらに戦闘中はより多くの魔力を消費します。自分で言うのは恥ずかしいですが、魔力効率の悪い身体なので」
そうだったのか。
俺の魔力量は無尽蔵……そんなに多かったなんて。
つまりは、ドイルたちが少ないんじゃなくて、俺が多かった?
ずっと勘違いしていたのか。
「だけではありません。失礼ながらお聞きしますが、ラスト様はご自身のスキルについてどこまで把握されておりますか?」
「コネクトのことか? えっと、他人と接続できて魔力の受け渡しができるってくらいは」
「それでは不十分です。コネクトというスキルは他人と接続することで、お互いの力を共有できるのです」
「お互いの……?」
彼女はこくりと頷き、右手の拳を見せる。
その拳には、戦闘中に見せた炎のようなオーラが宿る。
「見えますか? これは魔力です」
「魔力?」
「はい。私に備わった能力は、魔力の放出です。通常、魔力は体内に宿る力で、そのままの状態で外に放出することはできません。ですが私はそれを可能にします」
普通の人間が魔力を扱う場合、術式や魔導具を介する必要がある。
そのままの状態で放出することはできない。
彼女の能力はそれを可能にし、体外へ魔力を放出、それを纏って戦うことができる。
「そうか。あの威力は肉体的な力じゃなくて魔力による強化か」
「はい。魔力は強力なエネルギーですから。そして……この力は、私と接続しているラスト様も使うことができます」
「俺にも?」
彼女は俺の手を握る。
魔力を纏った手で優しく。
その手から、彼女の魔力が伝わってくる。
「イメージしてください。自身の魔力を外へと放出し、纏うイメージを」
「イメージ……」
体内に宿る魔力。
それを操り、外へと吐き出す。
拳に、全身に乗せる。
「――できた」
気づけば俺の右手に……いや、全身が魔力で覆われていた。
不思議なくらいに力が湧いてくる。
身体が軽くなったみたいだ。
「試しにそこの岩を叩いてみてください。そうですね。軽くでいいですよ?」
「ああ」
身の丈の倍はある大きな岩。
それに俺は右手の拳を軽くぶつけた。
その瞬間、はじけ飛んだ。
「え? 嘘だろ? 軽く触れただけなのに」
「それがラスト様の本当の力です。無尽蔵な魔力はあなたの武器となり盾となる」
音と衝撃を聞きつけて、俺たちの前にグラスホッパーが現れる。
数は一匹、正面。
「ちょうどいいタイミングですね? 試してみてください。ラスト様の力を」
「俺の……」
魔物と向かい合う。
初めてだ。
いつもは影に隠れていた俺が、こうして前に出ている。
不思議と怖くはない。
心のうちから湧き出る力が、全身を突き動かす。
そして――
俺の拳は軽々と、グラスホッパーの頭部を叩き砕いた。
「お見事です。ラスト様」
「これが……俺の力なのか?」
「はい。ラスト様の力です。あなたの魔力と、私と繋がる力があったからこそ、その強さがあるのですから」
アルファの言葉を噛みしめ、拳を握る。
ずっと後ろめたさはあった。
戦えない自分が情けなかった。
だけどこれなら、今なら――
戦えるんだ。
受注したクエストはグラスホッパー五体の討伐。
巨大なバッタの形をした魔物で、強靭な脚力による高速移動が厄介な相手だ。
俺はパーティーを追放されてソロになったし、大したクエストは受けられないと思っていたけど……。
「アルファのおかげだな」
「はい? 私が何かしましたか?」
「いや、なんでも」
彼女が大男を一瞬でころがした様子は、ギルドの受付嬢も見ていた。
これまで多くの冒険者を見ていた受付嬢には、彼女の秘められた力を感じたのだろう。
普通ならソロで受けられないクエストを進められて、そのまま受注することにした。
おそらくこのクエストを無事にクリアできれば、ギルドからの評判も上がる。
そうなれば、他のクエストも自由に受けられるぞ。
「失敗できないな」
「ご安心ください。私がいる限りどんな相手でも負けません」
「……そうだね。期待してるよ、アルファ」
「はい!」
嬉しそうな顔で返事をするアルファ。
俺は少し複雑な気分だが、彼女の実力は本物だ。
今さら疑う余地はない。
トロールを物理のごり押しで倒してしまう彼女なら、グラスホッパーも余裕で討伐できる。
「見つけました。十時の方角、数は三」
アルファの声で緊張が高まる。
彼女は俺を守るように三歩前へ出た。
木々の間から姿を現す。
赤い瞳と四角い頭、凶悪な顎をカチカチさせて。
「グラスホッパーだ」
「戦闘を開始します!」
アルファは瞬時に一匹の懐へもぐりこんだ。
トロールの時と同じだ。
すかさず腹に一撃を喰らわせる。
再生能力のないグラスホッパーはダウンした。
しかし残り二体がすかさず脚力を活かして距離を取ろうとする。
「逃がしません」
――より早く、彼女はグラスホッパーの足を掴んだ。
そのままべきっとへし折り、倒れたところに留めの拳を入れる。
残り一匹は力量の差を悟り逃走を図る。
が、それすら彼女は見逃さない。
高々と空へ跳躍したグラスホッパーに、彼女も追いつき、地面に向けて殴り飛ばす。
「凄すぎだろ……」
凄まじい戦闘に気を取られていた。
そのせいで周囲への警戒を怠っていた俺は、背後から近づいていたもう一体のグラスホッパーに遅れて気が付く。
「――しまった」
咄嗟に腰の刀に触れたが、俺の身体能力では間に合わない。
反応はできても、身体が追いつかない。
「伏せてください!」
空から声が響く。
俺は咄嗟に身を屈める。
そこへ流星のごとき一撃が、グラスホッパーの頭を砕いた。
「お怪我はありませんか? ラスト様」
「あ、ああ……」
空中から間に合ったんか?
どうやって?
まさか空気を蹴って……出鱈目だな。
「はは……」
「ラスト様?」
「いやごめん。なんだか情けなくてさ」
今も、ギルドでも、俺は蚊帳の外だった。
いいや……今までずっとか。
ドイルのいう通りかもしれないな。
みんなが必死に戦っている間、俺は何もできない。
「俺は守られてばかりだ。追放されるのも当然か……」
「それは違います。ラスト様はご自身のことを誤解しております」
「誤解?」
「はい。ラスト様は優れたお方です」
アルファはまっすぐな視線を俺に向ける。
本気でそう思ってくれているのが伝わる。
純粋に嬉しいが、俺はそう思えない。
「そんなことないよ。俺にできるのは……魔力を配ることだけだから」
「その一点だけでも、ラスト様は特別なのですよ?」
「え?」
「ラスト様は私を目覚めさせました。私の起動には莫大な魔力が必要です。最低でも普通の人間が一日に絞り出せる魔力の十倍です」
じゅ、十倍?
そんな量の魔力を消費していたのか?
「でも、俺はなんともなかったぞ? ちょっと怠いなって感じたくらいで」
「それはラスト様の魔力量が普通ではないからです。ラスト様の魔力量はほぼ無尽蔵に近い。これまで魔力切れを起こしたこともないのではありませんか?」
「確かにないけど……てっきり魔法とかの消費が大したことないせいかと思ってた」
「いいえ、ラスト様の魔力量が常人を遥かに凌駕しているからです。普通の人間なら私を起動させることもできません。さらに戦闘中はより多くの魔力を消費します。自分で言うのは恥ずかしいですが、魔力効率の悪い身体なので」
そうだったのか。
俺の魔力量は無尽蔵……そんなに多かったなんて。
つまりは、ドイルたちが少ないんじゃなくて、俺が多かった?
ずっと勘違いしていたのか。
「だけではありません。失礼ながらお聞きしますが、ラスト様はご自身のスキルについてどこまで把握されておりますか?」
「コネクトのことか? えっと、他人と接続できて魔力の受け渡しができるってくらいは」
「それでは不十分です。コネクトというスキルは他人と接続することで、お互いの力を共有できるのです」
「お互いの……?」
彼女はこくりと頷き、右手の拳を見せる。
その拳には、戦闘中に見せた炎のようなオーラが宿る。
「見えますか? これは魔力です」
「魔力?」
「はい。私に備わった能力は、魔力の放出です。通常、魔力は体内に宿る力で、そのままの状態で外に放出することはできません。ですが私はそれを可能にします」
普通の人間が魔力を扱う場合、術式や魔導具を介する必要がある。
そのままの状態で放出することはできない。
彼女の能力はそれを可能にし、体外へ魔力を放出、それを纏って戦うことができる。
「そうか。あの威力は肉体的な力じゃなくて魔力による強化か」
「はい。魔力は強力なエネルギーですから。そして……この力は、私と接続しているラスト様も使うことができます」
「俺にも?」
彼女は俺の手を握る。
魔力を纏った手で優しく。
その手から、彼女の魔力が伝わってくる。
「イメージしてください。自身の魔力を外へと放出し、纏うイメージを」
「イメージ……」
体内に宿る魔力。
それを操り、外へと吐き出す。
拳に、全身に乗せる。
「――できた」
気づけば俺の右手に……いや、全身が魔力で覆われていた。
不思議なくらいに力が湧いてくる。
身体が軽くなったみたいだ。
「試しにそこの岩を叩いてみてください。そうですね。軽くでいいですよ?」
「ああ」
身の丈の倍はある大きな岩。
それに俺は右手の拳を軽くぶつけた。
その瞬間、はじけ飛んだ。
「え? 嘘だろ? 軽く触れただけなのに」
「それがラスト様の本当の力です。無尽蔵な魔力はあなたの武器となり盾となる」
音と衝撃を聞きつけて、俺たちの前にグラスホッパーが現れる。
数は一匹、正面。
「ちょうどいいタイミングですね? 試してみてください。ラスト様の力を」
「俺の……」
魔物と向かい合う。
初めてだ。
いつもは影に隠れていた俺が、こうして前に出ている。
不思議と怖くはない。
心のうちから湧き出る力が、全身を突き動かす。
そして――
俺の拳は軽々と、グラスホッパーの頭部を叩き砕いた。
「お見事です。ラスト様」
「これが……俺の力なのか?」
「はい。ラスト様の力です。あなたの魔力と、私と繋がる力があったからこそ、その強さがあるのですから」
アルファの言葉を噛みしめ、拳を握る。
ずっと後ろめたさはあった。
戦えない自分が情けなかった。
だけどこれなら、今なら――
戦えるんだ。
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