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この国で生まれた貴族の女性は、十八歳の成人を迎えると、運命の相手を探す儀式を受けることになっている。
王都にある大聖堂には、運命の相手を映し出す水晶が置かれ、触れることで輝き出し、生涯結ばれる相手が浮かび上がる。
その運命は絶対で、抗うことはできない。
映し出された相手が誰であれ、一度見てしまったら、結ばれなくてはならない。
長く続く古い仕来りに従って、私も水晶に手を触れる。
運命の相手は、どんな人だろう?
優しい人だと嬉しいなぁ。
男らしさとか、格好良さよりも、私のことをちゃんと見てくれる人が良い。
ううん、それも私には贅沢な望みだろう。
だから……そうだね。
せめて変な人でなければ――
「見えました。レイネシア嬢、あなたの運命の相手は……ふっ」
「え?」
今、小さく笑われた気がした。
水晶を覗き込みながら、その女性はニヤニヤと笑みを浮かべて言う。
「あなたの相手は、アレクト殿下です」
名前を聞いた私は言葉をなくし、周囲の人たちはクスクスと笑いだす。
その名を知らない者など、この国にはいない。
ユーラシア王国第三王子、アレクト・ローレアン様。
またの名を……変態王子。
王都にある大聖堂には、運命の相手を映し出す水晶が置かれ、触れることで輝き出し、生涯結ばれる相手が浮かび上がる。
その運命は絶対で、抗うことはできない。
映し出された相手が誰であれ、一度見てしまったら、結ばれなくてはならない。
長く続く古い仕来りに従って、私も水晶に手を触れる。
運命の相手は、どんな人だろう?
優しい人だと嬉しいなぁ。
男らしさとか、格好良さよりも、私のことをちゃんと見てくれる人が良い。
ううん、それも私には贅沢な望みだろう。
だから……そうだね。
せめて変な人でなければ――
「見えました。レイネシア嬢、あなたの運命の相手は……ふっ」
「え?」
今、小さく笑われた気がした。
水晶を覗き込みながら、その女性はニヤニヤと笑みを浮かべて言う。
「あなたの相手は、アレクト殿下です」
名前を聞いた私は言葉をなくし、周囲の人たちはクスクスと笑いだす。
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またの名を……変態王子。
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