7 / 8
7.エトラスタ第三王子
しおりを挟む
天に祈りを捧げることで奇跡は起こる。
千年前、王国を救った大聖女の力。
その聖女の……命を奪った力。
「これは……」
彼のはれ上がった腕は、白く淡い光に包まれる。
優しく、太陽のように温かな熱を帯びて、傷口へ染みわたる。
痛みは一瞬だけ強くなるけど、光が消える頃には、跡も残さず綺麗な肌が顔を出す。
「これでもう大丈夫です」
「今の……光は?」
「……」
聖女の力は、生まれ変わっても残っていた。
それに気づいたのは、物心ついた頃で、今日までずっと使わないようにしていたんだ。
使えば、きっと注目されてしまう。
また同じ結末にたどり着いてしまう。
そう思ったから、この力は隠してきた。
だけど、あの国を追い出され居場所をなくした今、隠しす意味はない。
というより、今までだって隠す必要はなかったのだろう。
本当のことを話したところで、誰も信じてはくれないのだから。
「それじゃ私は――」
「待ってくれ!」
立ち去ろうとした私の手を、彼が力強く掴んできた。
さっきとは立場が逆になる。
私が振り返ると、彼は疑問と期待が入り混じった複雑な表情で、私のことを見ていた。
「今の光……魔法じゃないよな? 何をしたんだ?」
「心配しなくても、ただ治療しただけです」
「そうじゃない! 俺が聞きたいのは……っ」
彼は下唇を噛みしめる。
何か深刻な悩みでも抱えているのだろうか。
少し辛そうな顔をして、彼は私に言う。
「いやすまない。この際、どんな力か何てどうでもいいんだ」
「どうでも?」
「今見せてくれた力は、病にも効果があるのか?」
「え、はい……」
「どんな病でもか? 医者が判断できないような深刻な状態でも、救うことは出来るか?」
私の腕を掴む力が、少しずつ強くなっていく。
言葉の節々から感じ取れる切迫した焦りの感情が、彼の手に力を入れさせている。
私を見つめる瞳は真剣で、まっすぐに逸らさない。
そんな瞳で見つめられたからか、私は嘘をつけず、適当に誤魔化すことも出来なかった。
だから、こう答える。
「出来るよ」
すると、彼の瞳がわずかに、涙で潤んだように見えた。
一瞬のことでハッキリは見えなかったし、すぐに彼は手を離して、心を落ち着かせるように目を閉じてしまう。
次に目を開けた時には、力強い瞳だけがそこにあった。
「自己紹介が遅れてしまった。俺はエトラスタ第三王子、シン・アークライトだ」
「第三……王子?」
「ああ。君の名前は?」
「……ユリアです」
「ユリア、突然引き留めてしまってすまない。だがどうか、俺の話を聞いてほしい」
そう話している彼は、さっきまでとは別人のように凛々しくて、王子らしいと感じた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
人生は、何が起こるかわからない。
多くの人がそう言う。
私も同じように思う。
何もできずに終えた一度目と、聖女として生きた二度目。
そして三度目。
こんなにも違って、劇的な人生も早々ないと思う。
例えば今も、途方にくれていた所で出会った青年が、まさか一国の王子様だなんて思わなかった。
それから――
「お帰りなさいませ、シン殿下」
「ああ、父上の容体は?」
「今朝からは変わらず、起き上がることもままならない状態です」
「そうか……」
彼が話していた兵隊が、私に視線を向ける。
「殿下、そちらの方は?」
「大切な客人だ。今から父上の所に案内する」
「なっ、よろしいのですか?」
「ああ。もしかすると、この国を救ってくれるかもしれない人だ」
私は今、王城の廊下を歩いている。
第三王子である彼に連れられ、国王陛下がいる部屋へ向かっていた。
「この部屋だ」
案内された部屋の前で、私は一度深呼吸をする。
一国を治める王様に会うのは初めてじゃないけど、まったく知らない国で、知らない場所だから緊張はする。
元々私は、あまり人付き合いも得意じゃなくて、初対面の人には必要以上に気を使ってしまう。
そんなこと、今は考えている暇じゃないのだけど。
「失礼します、父上」
「その声……シン」
「はい。ただいま戻りました」
「シンお兄様!」
ベッドに横たわる男性と、その横に座っていた女の子。
女の子のほうは、彼の妹であり、この国の第一王女。
「ありがとうセラ。父上を見ていてくれて」
シンに頭を撫でられて、彼女は嬉しそうにほほ笑む。
王女とは言え、まだ十歳の女の子。
子供らしさが感じられる笑顔だった。
「お兄さま、この人は?」
「彼女はユリア、街で偶然出会って、不思議な力を持っているんだ」
「不思議な……力?」
「ああ、もしかすると、父上の病も治せるかもしれないって」
「ほ、本当ですか!?」
パーッと明るい表情で、セラは私を見る。
シンの聞いてほしい話、それは国王陛下が患っている病のことだった。
「一度、直接見せて頂いてもいいですか?」
「ああ、頼む」
「わかりました」
私は陛下の枕元に近づいた。
陛下はゆっくりと私に顔を向ける。
「君は……」
「初めまして、陛下。私はユリアと言います」
「ユリア……」
「はい。シン殿下から事情は伺っております。失礼ですが、身体に触れさせて頂いてもよろしいですか?」
「……ああ」
弱々しい声で、陛下のお許しを貰った。
私は一礼して、脈と呼吸、それから皮膚の状態を確認する。
服の袖に隠れて、紫色の痣を見つける。
やっぱり同じだ。
この病は……千年前に王国で流行ったものと――
千年前、王国を救った大聖女の力。
その聖女の……命を奪った力。
「これは……」
彼のはれ上がった腕は、白く淡い光に包まれる。
優しく、太陽のように温かな熱を帯びて、傷口へ染みわたる。
痛みは一瞬だけ強くなるけど、光が消える頃には、跡も残さず綺麗な肌が顔を出す。
「これでもう大丈夫です」
「今の……光は?」
「……」
聖女の力は、生まれ変わっても残っていた。
それに気づいたのは、物心ついた頃で、今日までずっと使わないようにしていたんだ。
使えば、きっと注目されてしまう。
また同じ結末にたどり着いてしまう。
そう思ったから、この力は隠してきた。
だけど、あの国を追い出され居場所をなくした今、隠しす意味はない。
というより、今までだって隠す必要はなかったのだろう。
本当のことを話したところで、誰も信じてはくれないのだから。
「それじゃ私は――」
「待ってくれ!」
立ち去ろうとした私の手を、彼が力強く掴んできた。
さっきとは立場が逆になる。
私が振り返ると、彼は疑問と期待が入り混じった複雑な表情で、私のことを見ていた。
「今の光……魔法じゃないよな? 何をしたんだ?」
「心配しなくても、ただ治療しただけです」
「そうじゃない! 俺が聞きたいのは……っ」
彼は下唇を噛みしめる。
何か深刻な悩みでも抱えているのだろうか。
少し辛そうな顔をして、彼は私に言う。
「いやすまない。この際、どんな力か何てどうでもいいんだ」
「どうでも?」
「今見せてくれた力は、病にも効果があるのか?」
「え、はい……」
「どんな病でもか? 医者が判断できないような深刻な状態でも、救うことは出来るか?」
私の腕を掴む力が、少しずつ強くなっていく。
言葉の節々から感じ取れる切迫した焦りの感情が、彼の手に力を入れさせている。
私を見つめる瞳は真剣で、まっすぐに逸らさない。
そんな瞳で見つめられたからか、私は嘘をつけず、適当に誤魔化すことも出来なかった。
だから、こう答える。
「出来るよ」
すると、彼の瞳がわずかに、涙で潤んだように見えた。
一瞬のことでハッキリは見えなかったし、すぐに彼は手を離して、心を落ち着かせるように目を閉じてしまう。
次に目を開けた時には、力強い瞳だけがそこにあった。
「自己紹介が遅れてしまった。俺はエトラスタ第三王子、シン・アークライトだ」
「第三……王子?」
「ああ。君の名前は?」
「……ユリアです」
「ユリア、突然引き留めてしまってすまない。だがどうか、俺の話を聞いてほしい」
そう話している彼は、さっきまでとは別人のように凛々しくて、王子らしいと感じた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
人生は、何が起こるかわからない。
多くの人がそう言う。
私も同じように思う。
何もできずに終えた一度目と、聖女として生きた二度目。
そして三度目。
こんなにも違って、劇的な人生も早々ないと思う。
例えば今も、途方にくれていた所で出会った青年が、まさか一国の王子様だなんて思わなかった。
それから――
「お帰りなさいませ、シン殿下」
「ああ、父上の容体は?」
「今朝からは変わらず、起き上がることもままならない状態です」
「そうか……」
彼が話していた兵隊が、私に視線を向ける。
「殿下、そちらの方は?」
「大切な客人だ。今から父上の所に案内する」
「なっ、よろしいのですか?」
「ああ。もしかすると、この国を救ってくれるかもしれない人だ」
私は今、王城の廊下を歩いている。
第三王子である彼に連れられ、国王陛下がいる部屋へ向かっていた。
「この部屋だ」
案内された部屋の前で、私は一度深呼吸をする。
一国を治める王様に会うのは初めてじゃないけど、まったく知らない国で、知らない場所だから緊張はする。
元々私は、あまり人付き合いも得意じゃなくて、初対面の人には必要以上に気を使ってしまう。
そんなこと、今は考えている暇じゃないのだけど。
「失礼します、父上」
「その声……シン」
「はい。ただいま戻りました」
「シンお兄様!」
ベッドに横たわる男性と、その横に座っていた女の子。
女の子のほうは、彼の妹であり、この国の第一王女。
「ありがとうセラ。父上を見ていてくれて」
シンに頭を撫でられて、彼女は嬉しそうにほほ笑む。
王女とは言え、まだ十歳の女の子。
子供らしさが感じられる笑顔だった。
「お兄さま、この人は?」
「彼女はユリア、街で偶然出会って、不思議な力を持っているんだ」
「不思議な……力?」
「ああ、もしかすると、父上の病も治せるかもしれないって」
「ほ、本当ですか!?」
パーッと明るい表情で、セラは私を見る。
シンの聞いてほしい話、それは国王陛下が患っている病のことだった。
「一度、直接見せて頂いてもいいですか?」
「ああ、頼む」
「わかりました」
私は陛下の枕元に近づいた。
陛下はゆっくりと私に顔を向ける。
「君は……」
「初めまして、陛下。私はユリアと言います」
「ユリア……」
「はい。シン殿下から事情は伺っております。失礼ですが、身体に触れさせて頂いてもよろしいですか?」
「……ああ」
弱々しい声で、陛下のお許しを貰った。
私は一礼して、脈と呼吸、それから皮膚の状態を確認する。
服の袖に隠れて、紫色の痣を見つける。
やっぱり同じだ。
この病は……千年前に王国で流行ったものと――
0
お気に入りに追加
173
あなたにおすすめの小説
醜い私を救ってくれたのはモフモフでした ~聖女の結界が消えたと、婚約破棄した公爵が後悔してももう遅い。私は他国で王子から溺愛されます~
上下左右
恋愛
聖女クレアは泣きボクロのせいで、婚約者の公爵から醜女扱いされていた。だが彼女には唯一の心の支えがいた。愛犬のハクである。
だがある日、ハクが公爵に殺されてしまう。そんな彼女に追い打ちをかけるように、「醜い貴様との婚約を破棄する」と宣言され、新しい婚約者としてサーシャを紹介される。
サーシャはクレアと同じく異世界からの転生者で、この世界が乙女ゲームだと知っていた。ゲームの知識を利用して、悪役令嬢となるはずだったクレアから聖女の立場を奪いに来たのである。
絶望するクレアだったが、彼女の前にハクの生まれ変わりを名乗る他国の王子が現れる。そこからハクに溺愛される日々を過ごすのだった。
一方、クレアを失った王国は結界の力を失い、魔物の被害にあう。その責任を追求され、公爵はクレアを失ったことを後悔するのだった。
本物語は、不幸な聖女が、前世の知識で逆転劇を果たし、モフモフ王子から溺愛されながらハッピーエンドを迎えるまでの物語である。
婚約破棄された真の聖女は隠しキャラのオッドアイ竜大王の運命の番でした!~ヒロイン様、あなたは王子様とお幸せに!~
白樫アオニ(卯月ミント)
恋愛
「私、竜の運命の番だったみたいなのでこのまま去ります! あなたは私に構わず聖女の物語を始めてください!」
……聖女候補として長年修行してきたティターニアは王子に婚約破棄された。
しかしティターニアにとっては願ったり叶ったり。
何故なら王子が新しく婚約したのは、『乙女ゲームの世界に異世界転移したヒロインの私』を自称する異世界から来た少女ユリカだったから……。
少女ユリカが語るキラキラした物語――異世界から来た少女が聖女に選ばれてイケメン貴公子たちと絆を育みつつ魔王を倒す――(乙女ゲーム)そんな物語のファンになっていたティターニア。
つまりは異世界から来たユリカが聖女になることこそ至高! そのためには喜んで婚約破棄されるし追放もされます! わーい!!
しかし選定の儀式で選ばれたのはユリカではなくティターニアだった。
これじゃあ素敵な物語が始まらない! 焦る彼女の前に、青赤瞳のオッドアイ白竜が現れる。
運命の番としてティターニアを迎えに来たという竜。
これは……使える!
だが実はこの竜、ユリカが真に狙っていた隠しキャラの竜大王で……
・完結しました。これから先は、エピソードを足したり、続きのエピソードをいくつか更新していこうと思っています。
・お気に入り登録、ありがとうございます!
・もし面白いと思っていただけましたら、やる気が超絶跳ね上がりますので、是非お気に入り登録お願いします!
・hotランキング10位!!!本当にありがとうございます!!!
・hotランキング、2位!?!?!?これは…とんでもないことです、ありがとうございます!!!
・お気に入り数が1700超え!物凄いことが起こってます。読者様のおかげです。ありがとうございます!
・お気に入り数が3000超えました!凄いとしかいえない。ほんとに、読者様のおかげです。ありがとうございます!!!
・感想も何かございましたらお気軽にどうぞ。感想いただけますと、やる気が宇宙クラスになります。
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
【完結】聖女の私を処刑できると思いました?ふふ、残念でした♪
鈴菜
恋愛
あらゆる傷と病を癒やし、呪いを祓う能力を持つリュミエラは聖女として崇められ、来年の春には第一王子と結婚する筈だった。
「偽聖女リュミエラ、お前を処刑する!」
だが、そんな未来は突然崩壊する。王子が真実の愛に目覚め、リュミエラは聖女の力を失い、代わりに妹が真の聖女として現れたのだ。
濡れ衣を着せられ、あれよあれよと処刑台に立たされたリュミエラは絶対絶命かに思われたが…
「残念でした♪処刑なんてされてあげません。」
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
偽聖女と虐げられていましたが適性が大聖女でした―大聖樹の精霊から溺愛されながら、お世話になった人に今までのお返しをします!―
ふぃえま
恋愛
10歳の適性判定で適正聖女と診断されたルーナ。
しかし、神殿で何をしても上手くいかないことばかり。
いつしか街では偽聖女と呼ばれるようになってしまった。
お祈りは人より多く時間を取っても、祈りの聖杯はなかなか満タンにならない。
魔晶石への注入だって注入しようと色々試行錯誤してみても、半日で一番小さなサイズの注入が精一杯。
私、なんでこんなに皆みたいにうまく出来ないんだろう……。
そんな日々は王都からの視察団がやってきたことで大きく動き出す。
「君、いつもこんなに時間が掛かっているの?さすがに大変でしょう。ちょっともう一度調べてみるのはどうだい?」
この一言で私の生活も、周りの人の態度もガラッと変わるなんて。
いまさら取り繕って手もみしても、今までの心の傷を忘れたとは言わせない。
今まで私がこらえた分、しっかり反省してもらうんだから‼
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる