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9.不吉の予感
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僕たちが通うフィオリア学園は、世界中からギフトを持つ選ばれし者たちが集っている。
多くが貴族だけど、中には遠い辺境の地から遥々やってきた人もいる。
入学に必要な最低限の条件は、ギフトを有していること。
その条件を満たし、試験に合格すれば誰でも身分に関係なく入学できる。
僕たちに求められているのは地位や権力ではない。
ギフトを使いこなし、国に貢献できる人材になることだ。
この国の原型となった古の大国、その名を冠する学園ではギフトこそが全て。
教育内容もギフトごとに科目が分かれており、各自それぞれのギフトに関する授業を自主的に受ける。
さらに実践的にギフトを使用するため、二年生から依頼を受けることになる。
「問題の解決っていうのは依頼のことですか? 僕はまだ一年生ですが……」
「依頼とは別だよ。この課題はあくまで私たち個人から君に課すものだ。この学園の授業とは無関係だよ」
「そうなんですね」
「あの!どうしてブランだけ課題を出すんですか?」
僕と先生の話に割って入るように、ニナがピンと手をあげて質問した。
先生はニナに顔を向ける。
「さっきも話した通りだよ。彼のギフトは使い方次第で万能になれる。あらゆる状況に対応したギフトだ。そういうギフトを使い熟すなら、そうしないといけない状況にするのが一番なんだよ」
「要するに、この学園で起こっている問題をブランが解決するってことですか?」
「まぁ大体そうだね。君には学園の相談役になってなってもらいたいのさ」
「相談役……ですか」
学園に関わる人の悩みや問題を聞き、僕の力で解決する。
先生の話をまとめるとそういうことだ。
「ただ、学園で起こっている問題かどうかはわからないよ。例えばさっき話題に出た依頼、あれは外部から来るからね」
依頼は王国中から寄せられる。
そのほとんどは王国の騎士団が処理していて、依頼の中でも学生に任せられるものだけが学園に降りてくる。
依頼の種類は様々で、中には魔獣退治も含まれていた。
「依頼を直接受けるわけじゃない。だけど、誰かが受けた依頼を手伝ったりする可能性はゼロじゃないってことさ」
「それって大丈夫なんですか? 依頼の達成は成績に左右するはずですよね? 僕たちが介入してもいいんですか?」
「どっちでもいいよ。どこまで介入するからは双方で話し合えばいい。相手が全部手伝ってほしいならそうすればいいんだ。結局さ。依頼も解決できなきゃ無意味だ。君の力を借りてでも達成できるなら、それはプラスの評価になる。そもそも相手が考えることさ」
「それもそうですね」
先生に言われて納得する。
成績のことを考えるのは僕じゃなくて、相談してきた人だろう。
僕はただ相談内容に向き合えばいい。
「はいはい! もう一つ聞いてもいいですか?」
「なんだい? ニナちゃん」
「それって相談されたら絶対に受けないといけないんですか?」
なんとなくニナらしくない質問だと思った。
相談相手は困っている人だろう。
そういう人から相談をニナだったら無視しないと思う。
彼女はそういう女の子だ。
だから意外に思った。
「基本は引き受けてほしいかな。そうじゃないと訓練にならない」
「そう……ですか」
「不服かい?」
「別にそういうわけじゃないですけど……依頼の中には魔獣退治もありますよね? 相談内容によっては一緒に戦うことになるのかなって……」
そういうことかと気づく。
彼女は僕のことを心配してくれているんだ。
魔獣と戦うことになれば命の危険があるから。
わかった途端にニナらしいと思える。
彼女は優しい。
「むしろそういう相談のほうが力を試すチャンスだよ。積極的に受けるべきだと私は思う」
「……うぅ、そうですけど魔獣ってあんなに強いんでしょ? 初めて見たけど正直怖かった」
「ニナ……」
勇敢に立ち向かう姿を見た。
その背中は格好良くて、恐怖なんて感じていないと思っていた。
実際はそうじゃなかったのか。
彼女も怖かったんだ。
それでも助けに駆け出せたのは、彼女が誰より優しい人だからだろう。
嬉しさと誇らしさで顔がにやける。
ふと彼女が僕の顔を見て不満そうにむくれる。
「なんでニヤニヤしてるのさ。ブランは怖くなかったの?」
「あ、いや僕も怖かったよ。実際、最初は全然動けなかったし……魔獣って恐ろしいんだね」
「あれを基準に考えちゃ駄目だよ」
「え? どういうことですか?」
僕が尋ねると、先生は難しい顔をする。
説明が難しいと前置きを一言残し、先生は答える。
「あれは普通の魔獣じゃない。明らかに異常だった」
「異常?」
「君たちも見ただろう? 再生能力と相手の攻撃を吸収する力。あれは本来、あの魔獣には備わっていない能力だ。私もこれまで様々な魔獣を見てきた。同じ種類の魔獣もよく知っている。だからこそハッキリ言える。あれは普通じゃなかった」
表情の真剣さが、冗談ではないことを物語っている。
そもそも魔獣とは何か。
僕たちはあまり知らない。
魔獣の誕生は七人の英雄たちの時代。
悪魔たち自らの戦力として生み出した存在が原点だと言われている。
それが現代に至るまでに自然繁殖し、世界各地で生息域を拡大している。
現代最大の障害であり問題にもなっていた。
「突然変異……という可能性はある。ただあれを連れてきたラスト君の反応もおかしかった。彼は何も知らないようだった。彼は父親に付き添ってあれの捕獲現場を見てる。その彼が知らないということは最初からもっていた能力じゃないってことさ」
「つまり……どういうことなんですか?」
「わからないんだよ。だからこそ恐ろしい。とても不吉な予感がするよ。私たちが知らないうちに、よくないことが起ころうとしている」
重い空気が流れる。
僕とニナはごくりと息を飲んだ。
多くが貴族だけど、中には遠い辺境の地から遥々やってきた人もいる。
入学に必要な最低限の条件は、ギフトを有していること。
その条件を満たし、試験に合格すれば誰でも身分に関係なく入学できる。
僕たちに求められているのは地位や権力ではない。
ギフトを使いこなし、国に貢献できる人材になることだ。
この国の原型となった古の大国、その名を冠する学園ではギフトこそが全て。
教育内容もギフトごとに科目が分かれており、各自それぞれのギフトに関する授業を自主的に受ける。
さらに実践的にギフトを使用するため、二年生から依頼を受けることになる。
「問題の解決っていうのは依頼のことですか? 僕はまだ一年生ですが……」
「依頼とは別だよ。この課題はあくまで私たち個人から君に課すものだ。この学園の授業とは無関係だよ」
「そうなんですね」
「あの!どうしてブランだけ課題を出すんですか?」
僕と先生の話に割って入るように、ニナがピンと手をあげて質問した。
先生はニナに顔を向ける。
「さっきも話した通りだよ。彼のギフトは使い方次第で万能になれる。あらゆる状況に対応したギフトだ。そういうギフトを使い熟すなら、そうしないといけない状況にするのが一番なんだよ」
「要するに、この学園で起こっている問題をブランが解決するってことですか?」
「まぁ大体そうだね。君には学園の相談役になってなってもらいたいのさ」
「相談役……ですか」
学園に関わる人の悩みや問題を聞き、僕の力で解決する。
先生の話をまとめるとそういうことだ。
「ただ、学園で起こっている問題かどうかはわからないよ。例えばさっき話題に出た依頼、あれは外部から来るからね」
依頼は王国中から寄せられる。
そのほとんどは王国の騎士団が処理していて、依頼の中でも学生に任せられるものだけが学園に降りてくる。
依頼の種類は様々で、中には魔獣退治も含まれていた。
「依頼を直接受けるわけじゃない。だけど、誰かが受けた依頼を手伝ったりする可能性はゼロじゃないってことさ」
「それって大丈夫なんですか? 依頼の達成は成績に左右するはずですよね? 僕たちが介入してもいいんですか?」
「どっちでもいいよ。どこまで介入するからは双方で話し合えばいい。相手が全部手伝ってほしいならそうすればいいんだ。結局さ。依頼も解決できなきゃ無意味だ。君の力を借りてでも達成できるなら、それはプラスの評価になる。そもそも相手が考えることさ」
「それもそうですね」
先生に言われて納得する。
成績のことを考えるのは僕じゃなくて、相談してきた人だろう。
僕はただ相談内容に向き合えばいい。
「はいはい! もう一つ聞いてもいいですか?」
「なんだい? ニナちゃん」
「それって相談されたら絶対に受けないといけないんですか?」
なんとなくニナらしくない質問だと思った。
相談相手は困っている人だろう。
そういう人から相談をニナだったら無視しないと思う。
彼女はそういう女の子だ。
だから意外に思った。
「基本は引き受けてほしいかな。そうじゃないと訓練にならない」
「そう……ですか」
「不服かい?」
「別にそういうわけじゃないですけど……依頼の中には魔獣退治もありますよね? 相談内容によっては一緒に戦うことになるのかなって……」
そういうことかと気づく。
彼女は僕のことを心配してくれているんだ。
魔獣と戦うことになれば命の危険があるから。
わかった途端にニナらしいと思える。
彼女は優しい。
「むしろそういう相談のほうが力を試すチャンスだよ。積極的に受けるべきだと私は思う」
「……うぅ、そうですけど魔獣ってあんなに強いんでしょ? 初めて見たけど正直怖かった」
「ニナ……」
勇敢に立ち向かう姿を見た。
その背中は格好良くて、恐怖なんて感じていないと思っていた。
実際はそうじゃなかったのか。
彼女も怖かったんだ。
それでも助けに駆け出せたのは、彼女が誰より優しい人だからだろう。
嬉しさと誇らしさで顔がにやける。
ふと彼女が僕の顔を見て不満そうにむくれる。
「なんでニヤニヤしてるのさ。ブランは怖くなかったの?」
「あ、いや僕も怖かったよ。実際、最初は全然動けなかったし……魔獣って恐ろしいんだね」
「あれを基準に考えちゃ駄目だよ」
「え? どういうことですか?」
僕が尋ねると、先生は難しい顔をする。
説明が難しいと前置きを一言残し、先生は答える。
「あれは普通の魔獣じゃない。明らかに異常だった」
「異常?」
「君たちも見ただろう? 再生能力と相手の攻撃を吸収する力。あれは本来、あの魔獣には備わっていない能力だ。私もこれまで様々な魔獣を見てきた。同じ種類の魔獣もよく知っている。だからこそハッキリ言える。あれは普通じゃなかった」
表情の真剣さが、冗談ではないことを物語っている。
そもそも魔獣とは何か。
僕たちはあまり知らない。
魔獣の誕生は七人の英雄たちの時代。
悪魔たち自らの戦力として生み出した存在が原点だと言われている。
それが現代に至るまでに自然繁殖し、世界各地で生息域を拡大している。
現代最大の障害であり問題にもなっていた。
「突然変異……という可能性はある。ただあれを連れてきたラスト君の反応もおかしかった。彼は何も知らないようだった。彼は父親に付き添ってあれの捕獲現場を見てる。その彼が知らないということは最初からもっていた能力じゃないってことさ」
「つまり……どういうことなんですか?」
「わからないんだよ。だからこそ恐ろしい。とても不吉な予感がするよ。私たちが知らないうちに、よくないことが起ころうとしている」
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