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陸章 浮カブ“サカナ”沼
いち ベルフェゴールの勤勉。
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俺は怠惰だ。
どうしようもなく怠惰だ。
妹が目の前で死んだ。
それなのに
壊れた妹のことを考えてしまう。
………
俺は………悪魔だ。
俺には糞が似合ってるんだ。
あぁ………どうせなら
一緒に地獄へ行こう。
なぁ、愛しの殺人鬼?
一緒に、お家に帰ろう。
✳✳✳✳✳✳✳
これは………怠惰。
あぁ、面倒臭い。
人を怠惰にする力。
多分これを使って…私に自殺させようとしてる。
………どこまでも卑怯。
知ろうともしないくせに…。
サクラは、知ろうとしてくれた。
サクラが……私のお姉ちゃんだったらいいのに。
………まぁ、いいや。
怠惰には、糞を投げなきゃね。
「セレン、バイバイ。」
『………一緒に…………地獄に行こう。』
その言葉を聞いた瞬間。
「……!?!?」
体が……言うことを聞かない…!
うそ……うそうそうそうそ!!!!
わたし…わたし……
『………怠惰に溺れて…死ぬがよい。』
ダメダメダメダメ……やめて…やめて……
少しずつ、ナイフが……首元に近づく。
自分で………首を掻っ切らせようと……!
『………なぁ…ユキ。お兄ちゃんは分からねぇけど…………一つだけ……いうぞ』
ぐぅ……くそっ………抗えない……!
『……お前は、間違ってる。』
………は?
『人は殺しちゃダメだ。たとえどれだけムカついたことがあったとしてもだ。』
………何言ってんの?
『お前は人を殺しすぎた。だから、お兄ちゃんと一緒に地獄へ行_
バリッ
バリンッ
グジャ
『…なっ!』
バギャッ
『俺の怠惰を………無理やり…!?』
グジャッ
「………」
『…う、嘘だ…』
「死ね。」
勝負は一瞬だった。
刹那の時が流れる。
枯葉が沼に落ちるその前に
……ボトリ、と
鈍い音が響く。
『っ…え』
両腕が切り落とされていた。
『…──────!!!!?』
耐え難い痛みに、セレンは藻掻く。
少女は……キレた。
なぜなら……否定されたからである。
今の彼女には、“殺人”というものが使命だ。
しかし、それを実の兄だったものに否定された。
何も知らない人間に、全てを否定されたのだ。
故に、キレた。
目にも止まらぬ速さで、柱を立てて
そこにセレンを縛り付けた。
セレンがそれを認識する前に、また鈍い音が響く。
『ぁっがあぁっ…!!!!』
両腕両足を切られ、達磨の状態で縛られた。
そして、バチバチと鞭のような音が響く。
『──────────!!!!!』
耐え難い痛みに、声すらあげることが出来なくなる。
そう、セレンは…苦しんで死ぬことになった。
紐かと思われたものは、有刺鉄線だった。
柱かと思われたものは、いくつもの返しが付いた柱だった。
セレンは……そのままショック死したのだった。
「………お兄ちゃんなんて、大っ嫌い。」
そう吐き捨て、抜け殻となったそれを破壊した。
そのまま少女は、大きな沼へ足を進めた。
どうしようもなく怠惰だ。
妹が目の前で死んだ。
それなのに
壊れた妹のことを考えてしまう。
………
俺は………悪魔だ。
俺には糞が似合ってるんだ。
あぁ………どうせなら
一緒に地獄へ行こう。
なぁ、愛しの殺人鬼?
一緒に、お家に帰ろう。
✳✳✳✳✳✳✳
これは………怠惰。
あぁ、面倒臭い。
人を怠惰にする力。
多分これを使って…私に自殺させようとしてる。
………どこまでも卑怯。
知ろうともしないくせに…。
サクラは、知ろうとしてくれた。
サクラが……私のお姉ちゃんだったらいいのに。
………まぁ、いいや。
怠惰には、糞を投げなきゃね。
「セレン、バイバイ。」
『………一緒に…………地獄に行こう。』
その言葉を聞いた瞬間。
「……!?!?」
体が……言うことを聞かない…!
うそ……うそうそうそうそ!!!!
わたし…わたし……
『………怠惰に溺れて…死ぬがよい。』
ダメダメダメダメ……やめて…やめて……
少しずつ、ナイフが……首元に近づく。
自分で………首を掻っ切らせようと……!
『………なぁ…ユキ。お兄ちゃんは分からねぇけど…………一つだけ……いうぞ』
ぐぅ……くそっ………抗えない……!
『……お前は、間違ってる。』
………は?
『人は殺しちゃダメだ。たとえどれだけムカついたことがあったとしてもだ。』
………何言ってんの?
『お前は人を殺しすぎた。だから、お兄ちゃんと一緒に地獄へ行_
バリッ
バリンッ
グジャ
『…なっ!』
バギャッ
『俺の怠惰を………無理やり…!?』
グジャッ
「………」
『…う、嘘だ…』
「死ね。」
勝負は一瞬だった。
刹那の時が流れる。
枯葉が沼に落ちるその前に
……ボトリ、と
鈍い音が響く。
『っ…え』
両腕が切り落とされていた。
『…──────!!!!?』
耐え難い痛みに、セレンは藻掻く。
少女は……キレた。
なぜなら……否定されたからである。
今の彼女には、“殺人”というものが使命だ。
しかし、それを実の兄だったものに否定された。
何も知らない人間に、全てを否定されたのだ。
故に、キレた。
目にも止まらぬ速さで、柱を立てて
そこにセレンを縛り付けた。
セレンがそれを認識する前に、また鈍い音が響く。
『ぁっがあぁっ…!!!!』
両腕両足を切られ、達磨の状態で縛られた。
そして、バチバチと鞭のような音が響く。
『──────────!!!!!』
耐え難い痛みに、声すらあげることが出来なくなる。
そう、セレンは…苦しんで死ぬことになった。
紐かと思われたものは、有刺鉄線だった。
柱かと思われたものは、いくつもの返しが付いた柱だった。
セレンは……そのままショック死したのだった。
「………お兄ちゃんなんて、大っ嫌い。」
そう吐き捨て、抜け殻となったそれを破壊した。
そのまま少女は、大きな沼へ足を進めた。
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