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肆章 冷エタ“ネザー”山脈
ご ナカヨシコヨシ。
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……私たちは、再会した。
…互いにドラゴンとして。
私が亡くなる十年前に、夫が亡くなった。
死因は、肺癌だった。
夫が亡くなったあとは、私が女手一つでまだ幼い息子と娘を育て上げた。
いつしか息子は私を看病し、娘は独り立ちした。
私は最期、記憶を失った私の妹に看取られて亡くなった。
息子はその時ちょうど外せない用事があったそうだった。
私の死因は原因不明の衰弱によるものだった。
食事は喉を通らず、いつも吐き戻していた。
嘔吐がなくても、体が栄養を摂取しなかった。
水分ですら私の体は拒んだ。
とても苦しかった。
でも、私の子供たちと妹が無事に生きていて、正直私は未練なく死ぬことが出来たわ。
だって、子供たちも立派になったし、妹も私のことをようやく思い出してくれたもの。
交通事故にあって、記憶喪失になった妹だけど…
無事にすくすく育って、お姉ちゃんとしてはとても安心した。
そのまま私は眠りについた。
………
………………
………………………
遠くに光が見えた。
………………………
どこか懐かしいと思ったわ。
………
でも、
光は閉ざされてしまった。
私は困惑したわ。
………だって、何故か
何故か知らないけれど、大変なことだって知ったもの。
直感がそう言ってたわ。
私はまた死ぬって。
それでも私は生まれ変わった。
…竜としての生を得て、私は理に沿って生きてきたわ。
神殿の守護者として仕事を全うした。
……ある日、私を助けてくれたソラネさんが焦った様子できたの。
『殺人鬼がやってくる』って。
…正直私はその時、なんとも思ってなかったわ。
所詮は人、竜である私なら止められると。
…でも違った。
私にはどうしてもできないわ。
一時期自我を失っていたけれど、私は不意に思い出したの。
そして、その記憶が足枷になっちゃったわ。
…私に出来るはずないもの。
…………私の
…私の娘を手にかけるなんて。
……でもどうにかしなきゃダメだった。
せめて私が、あの子を止めなくちゃ行けないから。
母親として、守護者として、あの子を止めなくちゃいけない。
…………私は仕方なく、上の方へ昇ったわ。
神族であり、竜族でもある
私の夫のネザー。
彼の元へ行ったわ。
彼が私の夫の秋山裕幸であることは知っていたわ。
でも私は彼に会いたくなかった。
なぜなら悲しんでしまうからよ。
私が死んで、ここに来たなんて知ったら
彼はきっと泣くでしょう。
でも、会って話をしなくては行けないわ。
……夫婦で話すのなんて、何十年ぶりかしらね。
…こんな緊急事態なのに、私
ワクワクしちゃってるもの。
彼に会いたくてしょうがなかったわ。
ふふっ……。
もし、あの子を説得して
みんなで元の世界に戻れたのなら
…その時は、一緒に買い物したいわね♪
………私が頑張らなくっちゃね!
ふふっ…楽しみね!
みんなで現世に帰って、
きっとあの子を待ってるトウヤの元へ向かって
家族水入らず、仲良しこよしで過ごしたいわね♪
ふふっ………さてと、
ヒロユキのところへ行かなくちゃ。
ソラもきっと頑張ってるわ。
あの子ならきっとやり直せる。
待っててね、ユキ
お母さんが、貴女を助けるから。
…互いにドラゴンとして。
私が亡くなる十年前に、夫が亡くなった。
死因は、肺癌だった。
夫が亡くなったあとは、私が女手一つでまだ幼い息子と娘を育て上げた。
いつしか息子は私を看病し、娘は独り立ちした。
私は最期、記憶を失った私の妹に看取られて亡くなった。
息子はその時ちょうど外せない用事があったそうだった。
私の死因は原因不明の衰弱によるものだった。
食事は喉を通らず、いつも吐き戻していた。
嘔吐がなくても、体が栄養を摂取しなかった。
水分ですら私の体は拒んだ。
とても苦しかった。
でも、私の子供たちと妹が無事に生きていて、正直私は未練なく死ぬことが出来たわ。
だって、子供たちも立派になったし、妹も私のことをようやく思い出してくれたもの。
交通事故にあって、記憶喪失になった妹だけど…
無事にすくすく育って、お姉ちゃんとしてはとても安心した。
そのまま私は眠りについた。
………
………………
………………………
遠くに光が見えた。
………………………
どこか懐かしいと思ったわ。
………
でも、
光は閉ざされてしまった。
私は困惑したわ。
………だって、何故か
何故か知らないけれど、大変なことだって知ったもの。
直感がそう言ってたわ。
私はまた死ぬって。
それでも私は生まれ変わった。
…竜としての生を得て、私は理に沿って生きてきたわ。
神殿の守護者として仕事を全うした。
……ある日、私を助けてくれたソラネさんが焦った様子できたの。
『殺人鬼がやってくる』って。
…正直私はその時、なんとも思ってなかったわ。
所詮は人、竜である私なら止められると。
…でも違った。
私にはどうしてもできないわ。
一時期自我を失っていたけれど、私は不意に思い出したの。
そして、その記憶が足枷になっちゃったわ。
…私に出来るはずないもの。
…………私の
…私の娘を手にかけるなんて。
……でもどうにかしなきゃダメだった。
せめて私が、あの子を止めなくちゃ行けないから。
母親として、守護者として、あの子を止めなくちゃいけない。
…………私は仕方なく、上の方へ昇ったわ。
神族であり、竜族でもある
私の夫のネザー。
彼の元へ行ったわ。
彼が私の夫の秋山裕幸であることは知っていたわ。
でも私は彼に会いたくなかった。
なぜなら悲しんでしまうからよ。
私が死んで、ここに来たなんて知ったら
彼はきっと泣くでしょう。
でも、会って話をしなくては行けないわ。
……夫婦で話すのなんて、何十年ぶりかしらね。
…こんな緊急事態なのに、私
ワクワクしちゃってるもの。
彼に会いたくてしょうがなかったわ。
ふふっ……。
もし、あの子を説得して
みんなで元の世界に戻れたのなら
…その時は、一緒に買い物したいわね♪
………私が頑張らなくっちゃね!
ふふっ…楽しみね!
みんなで現世に帰って、
きっとあの子を待ってるトウヤの元へ向かって
家族水入らず、仲良しこよしで過ごしたいわね♪
ふふっ………さてと、
ヒロユキのところへ行かなくちゃ。
ソラもきっと頑張ってるわ。
あの子ならきっとやり直せる。
待っててね、ユキ
お母さんが、貴女を助けるから。
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