転生するなら人間がいいな〜 〈零〉

参章 飛ベナイ“スカイ”噴水

に 空高く。

そういえば、あの浮島…。

あそこなら、安全そうっす。

幸い、今なら跳躍力が極限までに高いっす。

………シンは無事っすかね…？

……ただそれが心配っす。

…とりあえず、飛ばなきゃっすね。

足に力を入れて、グイッと……！？

『うわああああ飛びすぎたあああっすううう！！』

高く飛びすぎた。

島はいま、真下約200メートル。

どうしようどうしよう！！

これが猫とかだったら怪我しなかったっすけど！！

『うわあああああああああああ！！！』

…ぶへらっ！！

…………そこで、俺は意識を失ったっす。

☆☆☆☆☆☆☆

……どこだ

見当たらない。

あいつは…………あいつクウマはどこだ…………！！

逃がしてしまった………！

……でも、心当たりがある。

多分あの性格なら、

……一番遠いと錯覚する浮島…に居る。

………私くらいなら、900メートル上なんて余裕で行ける。

…追いかけよう。

『飛びすぎたっすぅぅ…』

何かが聞こえる。

きっと、あいつだ。

絶対に逃がさない。

1人残らず消し去ってやる。

☆☆☆☆☆☆☆

ここは、レインタウンと言われる町。

そこの宿にいます。

……先程、クウマくんが落ちていたので、助けてあげました。

そして今、彼が目を覚ましたところです。

『…大丈夫ですか？』

『………大丈夫っす。』

………せめて、クウマだけでも、

彼だけでも強くしなくては。

シンは、既に死んでいる。



それを伝えてしまえば、強くなるだろう。

『ねぇ、クウマさん。』

『…………どうしたっす？』

『……シンのことなんだけど、』

『！？』

『シンは…………もう死んでいます。』





絶望している。

……辛いでしょうね。

だって、唯一の親友だからでしょう？

…絶望しないで欲しい。

これは、あなたが強くなるためなのです。

友桜空音の弟にして、オオカミの力を持った神の子孫。

………期待してますよ。