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第捌章 大戦争は、混乱と共に
3節目 一夏の手紙
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ど、どうにかしてこの牢屋からでぇへんとあかんな……。
何故か普通に立てるし、あたしもう健康やん…………。
こない嬉しいことあらへんわぁ。
んで、あたしはなにをしようと…………。
………あ
………思い出した。
ヒイロにあって、この手紙を渡さなあかん…………。
あたしはこの手紙を絶対絶対、届けるんや…。
届けなきゃ行けない…………。
何故かは………覚えてないけれど………。
…たとえ、どんな手を使ってでも、ヒイロに届けなきゃ…………。
*******
さぁてと、この強固な牢屋をどうやって破ろうかしら。
高野くんに会いたい。
でもまずは出る方法を考えなきゃ。
レンガ造りの牢屋…ね。
なるほど…古い感じの牢屋…格子は鉄製で曲げるのには力が足りなさそうね。
レンガは削れば何とかなりそうだけど…あまり時間はかけられない。
外に繋がる格子も鉄製…でも案外細め。
叩いてみたら…うん、中身はぎっしり詰まってる。
これも曲げるにはとても力が足りないわね。
…この花飾りでピッキングはできるかな。
……病院服の子はともかく、このダッフルパーカーの子は使える。
隠しているつもりだけど…体つき、立ち方、振る舞い…相当強い。
でも、私やもう一人の子がいる手前、力を見せることは無理でしょうね。
…やはり、ピッキングしかないかな…
でも技術がないや。
探偵志望だった私でも…難しい。
どうすれば…どうすればいいのだろう?
…鍵さえ、作り出せるなら…。
【《作製者》を発動しますか?】
え?
ん??
…ちょちょちょまってまってまてまてまて…
……さすがに…
さすがにご都合主義過ぎない?
いやいやいや…なんかの冗談でしょ。
まぁ…うん発動する…と。
キラ-ン
………え?
ナチュラルに鍵出てくるじゃん。
…チートかな?
………そう困惑していると
突然、全身に激痛が走る。
『がぁ…ぬ………ぐっ……あ!!!』
『だいじょぶか!?ちょ、モナカさん…!!』
『ヒールしなきゃ!…だめっ、魔法が使えなくなってる!……結界をはられた…!!!』
『うせやろ!?も、モナカさんは…ど、どうなるんや!?』
もがき苦しんでると、視界が赤く染まる。
ゲボッ…
血反吐が出て、血涙を流す。
痛い…痛い………。
これは……
………血管が…
血管がちぎれた?
痛い………痛いよ……
手に握られた鍵は…赤黒くて生暖かかった。
そっか……これはチートなんかじゃない………。
…………大量の血液と血管の破裂の痛みと引き換えに……
物を作り出せる能力………だ……!
☆☆☆☆☆☆☆
『さぁてと…こっからどうしよっか。』
『それはシンが決めてくださいっす~!』
『そうだそうだ!この我に決めさせようなんて100年早いわッ!』
あ~…こいつらめんどくせぇ…。
さてと、とりあえず城には潜り込めた。
衛兵の制服は二人分はぎ取れた。
……この力、女の子になっても使えるんだな。
『…んで、これ、誰が着るんだ?』
『…えっ我は嫌だぞっ!』
『じゃあ…俺が着るっす。』
『…んぇ~…俺も今女体化してるからあんま着たくないんだけど…』
『…嫌だと言ったら嫌だぞ!!』
『………これが終わったらお菓子いっぱい買ってあげるんだけどな~』
『ふ、ふん…しょうがないなっ!たく、我がいないと何も出来ないんだから!!フハハハハハァ!』
よし、これで計画が上手くいく。
まずクウマとナツミはこの滅拳城に潜入し、トップである劉梦蝶の偵察をする。
そして俺は裏口から潜入して、衛兵を倒す。
正面からクウマとナツミ、窓側から俺が挟み撃ちで攻撃して、リュウを倒すというわけだ。
リュウは中国拳法の使い手…正直いうと手合わせ願いたいが、今はうつつを抜かしている場合では無い。
一刻も早く不意打ち作戦を成功させよう。
何故か普通に立てるし、あたしもう健康やん…………。
こない嬉しいことあらへんわぁ。
んで、あたしはなにをしようと…………。
………あ
………思い出した。
ヒイロにあって、この手紙を渡さなあかん…………。
あたしはこの手紙を絶対絶対、届けるんや…。
届けなきゃ行けない…………。
何故かは………覚えてないけれど………。
…たとえ、どんな手を使ってでも、ヒイロに届けなきゃ…………。
*******
さぁてと、この強固な牢屋をどうやって破ろうかしら。
高野くんに会いたい。
でもまずは出る方法を考えなきゃ。
レンガ造りの牢屋…ね。
なるほど…古い感じの牢屋…格子は鉄製で曲げるのには力が足りなさそうね。
レンガは削れば何とかなりそうだけど…あまり時間はかけられない。
外に繋がる格子も鉄製…でも案外細め。
叩いてみたら…うん、中身はぎっしり詰まってる。
これも曲げるにはとても力が足りないわね。
…この花飾りでピッキングはできるかな。
……病院服の子はともかく、このダッフルパーカーの子は使える。
隠しているつもりだけど…体つき、立ち方、振る舞い…相当強い。
でも、私やもう一人の子がいる手前、力を見せることは無理でしょうね。
…やはり、ピッキングしかないかな…
でも技術がないや。
探偵志望だった私でも…難しい。
どうすれば…どうすればいいのだろう?
…鍵さえ、作り出せるなら…。
【《作製者》を発動しますか?】
え?
ん??
…ちょちょちょまってまってまてまてまて…
……さすがに…
さすがにご都合主義過ぎない?
いやいやいや…なんかの冗談でしょ。
まぁ…うん発動する…と。
キラ-ン
………え?
ナチュラルに鍵出てくるじゃん。
…チートかな?
………そう困惑していると
突然、全身に激痛が走る。
『がぁ…ぬ………ぐっ……あ!!!』
『だいじょぶか!?ちょ、モナカさん…!!』
『ヒールしなきゃ!…だめっ、魔法が使えなくなってる!……結界をはられた…!!!』
『うせやろ!?も、モナカさんは…ど、どうなるんや!?』
もがき苦しんでると、視界が赤く染まる。
ゲボッ…
血反吐が出て、血涙を流す。
痛い…痛い………。
これは……
………血管が…
血管がちぎれた?
痛い………痛いよ……
手に握られた鍵は…赤黒くて生暖かかった。
そっか……これはチートなんかじゃない………。
…………大量の血液と血管の破裂の痛みと引き換えに……
物を作り出せる能力………だ……!
☆☆☆☆☆☆☆
『さぁてと…こっからどうしよっか。』
『それはシンが決めてくださいっす~!』
『そうだそうだ!この我に決めさせようなんて100年早いわッ!』
あ~…こいつらめんどくせぇ…。
さてと、とりあえず城には潜り込めた。
衛兵の制服は二人分はぎ取れた。
……この力、女の子になっても使えるんだな。
『…んで、これ、誰が着るんだ?』
『…えっ我は嫌だぞっ!』
『じゃあ…俺が着るっす。』
『…んぇ~…俺も今女体化してるからあんま着たくないんだけど…』
『…嫌だと言ったら嫌だぞ!!』
『………これが終わったらお菓子いっぱい買ってあげるんだけどな~』
『ふ、ふん…しょうがないなっ!たく、我がいないと何も出来ないんだから!!フハハハハハァ!』
よし、これで計画が上手くいく。
まずクウマとナツミはこの滅拳城に潜入し、トップである劉梦蝶の偵察をする。
そして俺は裏口から潜入して、衛兵を倒す。
正面からクウマとナツミ、窓側から俺が挟み撃ちで攻撃して、リュウを倒すというわけだ。
リュウは中国拳法の使い手…正直いうと手合わせ願いたいが、今はうつつを抜かしている場合では無い。
一刻も早く不意打ち作戦を成功させよう。
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