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第壱章 大きな都会、友情の森
5節目 人間になれる薬
しおりを挟むレオンの家の外に来た。というか、そこまでする?寒いよ?外。
そう考えてるとソラが急に語り出した。
『あのさ、私ね、今16歳だけど、14歳の時に召喚されたの。私は高校生の時に車に轢かれて、そして腕が折れた状態で召喚されたの。でもね、私、召喚された時は人間じゃなかったの。』
「え!?まじで??」
『しぃー!静かにっ!』
しかし意外だ。ソラは人間ではないというところには流石のポーカーフェイスマスターの私もびっくり。私はてっきり最初っから人間なのかと思ってたけどド偏見だったみたい。人生って面白い(?)。
「え、じゃあどうやって…。」と聞こうとしたら、ソラが答えてくれた。すげぇなエスパーか?
『えっと、私の召喚主がね、とある薬を飲ませてくれたの。私は宇宙族っていう種族だったけど、その薬を飲んでから人間になったの。』と答えた。す、宇宙族?宇宙人的な感じか?
とりあえず、「まじか!!」って答えたけど声が大きすぎた。
ソラは慌てて『しーっ!静かにしないとバレるよ?』と注意した。さっき注意されたばかりだけどなぁ…とショックを受けつつ、ソラは淡々とまた語る。
『えっと、その薬の名前は確か…種族変換薬という名前だった気がするよ。お姉ちゃん…えっと、ユキさんが人間になりたいなら覚えててね。』
聞いたことのない単語だった。トリ…ん?
「と、とり、種族変換薬??なにそれ!え、普通に欲しい。」
とキラキラした目で聞いた。すると、
『うーんと、私はちゃんと合ってるか分からないの。できればユキさんも人間にしたいけど、私の情報だけじゃあ合ってるか分からないから…とりあえず教えるね。』
と悲しそうな声で話した。
まぁ聞いて損は無いでしょということで「聞かせて!」とシンプルに聞く。案の定ソラは答える。
『その薬はある薬草と特定の液体を混ぜたものってのは聞いたの。召喚主のおじいちゃんが「液体は4種類あるのじゃ。まず、空の街にある泉の水だと人間に、都会の街にある噴水の水だと獣人になるのじゃが、宇宙族だけはどの液体か忘れてしまったのう…。」と呟いてたの。それでね!人間になりたいなら空の街の泉の水となにかのを混ぜれば多分成功すると思うよ!』とやっと説明が終わった。と同時に私はちゃんとした目標ができた。こんなにワクワクしたのは小学生の修学旅行以来だ。
私は、人間になるための冒険をするのだと。
とりあえずまずは仲間になんとなく報告をしよう。ソラが2人で話そうとした理由は少し理解したので、ひとまず私はレオン達に曖昧に伝えることにした。
レオンの実家のリビングに飛び出し、ソラが不安そうに見守る中アリサとレオンに向かって大声で言った。
「おーい!みんな、聞いてくれ。私は今、冒険の目標を決めた。私のお母さんは重い病気を持ってるの。だから、私のお母さんを助けるために。空の街に行き、そこの泉の水を採取する。そして、幻の薬草を探す。そして薬を作るの!みんな賛成してくれるといいな…。」と言うと、アリサから意見が出た。
『あ、あの空の街に行くのか!?あそこはものすごく危険だと聞いたのだ!しかもとてもじゃないけど行ける距離じゃないのだ!!私はやめたほうがいいと思うのだ!』という反対意見。というか、空の街って危険なの!?え、行きたくない…という冗談を置いといて、レオンは『僕はいいと思うよ。ユキが行きたいっていうのなら僕は行くよ。』という賛成意見だった。
ソラはもちろん『私は行ったほうがいいと思う。』と賛成派。ここで裏切ったら許さなかったけどね。それを聞いてアリサは吹っ切れたように『わかったのだ!!そこまでいうのなら仕方ないのだ!!でも、行けなかったからって私のせいにするんじゃないのだよ?私はちゃんと注意したからな!』と仕方なく賛成派。いや賛成なのか?まぁいっか。そして私は「よし、じゃあそうゆうことだから明日出発ね!それじゃ準備してから寝るとするか!明日は早いからな!!」と早く起きれないのに宣言した。起きれるかな…。自宅警備員だったから起きるの辛いけど、がんばるとするか。なんか色々言われそうで嫌だしね。
そうして私たち四人は誰も知らない大冒険を始めるのだった。
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