転生するなら人間がいいな~

獣野狐夜

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第漆章 希の言葉が産む、好戦国家

5節目 戦争前の静けさ

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『ぬぅ…俺の計画が邪魔されてくな。』
俺ァリチャードっつうもんだ。
現在はオメガっつう町の地主だが、年に一度の『第四大国優位決戦』という名のがあるんだ。しかもそれが一週間後に起きるんだよ。
そして俺ぁアイツらに勝つために計画を練っていたが…あの小娘に全て壊されちまった。
計画はあの小娘の一行を異世界人に倒させ、その一行を仲間に取り入れるとかいう単純な作戦だ。
だが、小娘があれほど強いとは予想外だった。
『…くそっ!!計画が狂っちまった…。はぁぁ、どうすればいいんだか…あの櫻井には真正面じゃ勝てねぇ……その上拳姫にも勝ち目があっかどうかだ。ベータの姫には勝てるかもしんねぇ……いや俺にゃぁ分かる、…性格は臆病だが、強すぎるぜ…。』
どうすれば勝てるんだ。
そもそもあの一行に櫻井の野郎がいることで狂っちまったんだ。
櫻井はという噂がある。単なる噂だがな。
あいつの狙いは…あの小娘、か?
…いや…もしかして、狙いはだな。
あの異世界人達の中で“創造神”友桜空音を抜いて最強とされてる奴がいる…。
をも超える力を持つ異世界人があいつだ。
櫻井に取られちまう前に、



狙いはだ。

*******

「とりあえず、計画は伝えたよ~!」
『おう、了解だ。…しかしなぁ…。』
「ん、シン?どうかしたの?風邪?」
『いやなわけないだろ………いやぁ、まさか《変更者カエルヒト》を使う時が来たとはって思ってな。』
『んまぁ、それで偵察できるなら、あたしは止めないけどねん♪』
『でも、シンが女の子になるってのはどうも想像つかないっすよ!?』
『そうだぞ!?ってか、おっぱいとか大きくなるのか!?』
「アリサ、後でお仕置ね♡」
『ふぎんっ!?』
とあるレストランで話し合いをするメンバー達。
レオンとカリスが爆食い対決している横目で、作戦会議をしている。
『くっくっくっ……心配するな諸君っ!!我もシン殿について行くことになったからなっ!!』
ふぁさぁ…と羽織っているコートをなびかせ、胸を張るナツミ。
『え?な、ナツミが!?はぇえっと…お、俺…ちっちゃんとできっかなぁ……。』
頭をポリポリかきながら、照れくさそうにしている。
チキショー!!リア充バクハツシロ~!!
「そんな心配しなくていいよ!?あでも、万が一失敗したら…わかってるよな?」
『…ひぅっ!』『はひっ!?』
怯えた目でこちらを見てくるシンとナツミをほっといて、とりあえずご飯をむしゃむしゃと食べ始める。
一方その頃。
『ソラねぇちゃん!うち、シャボンだまつかえるようになった~!』
『お~!いいですね~!えらいえらいっ!』
『やった~!ほめられた~!』
『それじゃあおねえちゃん、ユウカちゃんのためにご褒美買ってあげちゃおうかなっ♪』
人差し指を立てて、ニコッとそういうソラ
『わーいやったあっ!!』
と、バンザイをしながらぴょんぴょん飛び跳ねるユウカを見ながら、クウマは上の空になっていた。
(……大丈夫っすかね……………。)
心配しながら、さてどうしようかと悩むクウマであった。

*******

街の入口へ着くと、驚く程に賑わっていた。
しかし妙だ。まるでって感じだ。
なんて考えていると、
『わーっ!?あの焼きそばみたいなの!!我食べ…食ってみたいぞっ!!』
ナツミは偵察とか関係なくはしゃぎまくってた。
偉そうに屋台を指さしながら、こちらを見てくる。
『買えってか?……はぁ、…あれは焼魔麺バソキャだよ。まぁたしかに焼きそばみたいだけどな…。でもマズイかも知んねぇぞ?』
『そんなの関係なしに食べてみたいぞっ!我のために奢るがいいっ!フハハハハッ!!』
うう…俺の3ロンダがぁ…消えていく……。
とりあえず気を取り直して…アルファの1区、滅拳町アルファストリムヌに到着した。
ナツミの移動魔法は便利だなぁ…って思いながら頼ると、急に止まる。
『うう…我のMP体力が切れたぞぉ…。』
なんかナツミがふにゃふにゃになった…とりあえずマナ切れたいりょくぎれはヤバいから回復させておくか。
と、雑にポーションを投げたシンだった。



*******

「というわけで、シン組紅魔強強隊アリサ組バンドマジックカリス組ユキ応援隊も出発したことで、私達も行こっか!」
紅魔強強隊にはシン、ナツミにクウマ、バンドマジックにはアリサ、レオンにソラ、ユキ応援隊…?にはカリス、櫻井さん達、そしてユウカがいた。
そして私たちユキザクラの四つに別れて行動に移す。
『うん♪でも気をつけてよね…この辺危ないらしいし。』
「分かってるよ~♪私強いし、サクラ1人守ってみせる!」
『なんか不安だなぁ??』
「だーいじょーぶっ!」
『ユキが言うなら大丈夫かっ♪』
とりあえず、計画通り進むとしますか~。
私とサクラのペアはベータの中心地、絵心街ベータリオンダスとかいう場所に来た。
『ちょ、ねぇユキ?あれ…なんなんだろ?』
「んー、女の子かなぁ?…入口で立ち尽くしてるっぽいけど……?」
『ちょ……あれは一体っ…え!?』
サクラは焦ってユキに抱きついた。
「え、ちょサクラ!?とりあえず隠れて!大丈夫…私がサクラを守るからね!」
『…わかった。ねぇユキ、無事に帰ってきてねよね…。』
(あれ……良くよく考えるとこれめっちゃ死亡フラグだよね!?え、やばい待ってどうしよう!!)
《新スキルを獲得しました。スキル《死旗者カイヒスルヒト》が、スキル《死守者マモルヒト》に進化しました。スキル《死守者マモルヒト》を使用しますか?》
「うん!!使用する!!普通に死にたくない!!」
新しいスキルを手に入れた。
その効果は……


仲間を守るためならスキル。
しかしその強すぎる力の代償は……
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