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第陸章 明日の音は、晴れ模様

番外編7 Xmas

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もうすぐクリスマス。
いや、もうとっくにクリスマス。

私にとってはただの平日。
うん、平日なんだ。
ただ単にキリストの誕生日ってだけで、
別に特別な日じゃないしね…うん!
雪が降ってるからって、
あの憎きホワイトなんたらじゃないよあはは。
普通の平日だ、うん。平日だよ。
……なんだかんだ、虚しいな、私。
そう考えてるとクウマがやってきた。
『俺、好きな人のためにマフラー編んだんだー!』とか言ってるし。
リア充爆破しろ!!
そうふと考えたが、口にすることはもちろん無い。
「はぁ…今年もクリぼっちかぁ。」
と呟く。
ふと横を見るとシンがソラのいる方へかけて行った。
も、もしかして!?
ちょっと覗こう。
なんか不審者みたいだけど気にしない。
『そ、ソラ………あのさ………。』
『な~に?』
『俺、ま…前から君のことが好きでした!
つつ、付き合ってくれま…すか?』
『いいですよ。』
『お願いします…!………ふぇ?』
『いいよ、付き合ってあげる。』
『……あ、ありがとう…!』
と、甘ったるい会話が続く。
アリサとレオンは元々付き合ってたのかな…………。
それともただの友達同士の付き合いなのか分からないけど、ベタベタくっついてる。
ソラとシンはラブラブ中だ。
ずるい。リア充爆破しろ。
サクラは仮拠点で本を読んでる。ひとまず安心だ。
クウマはどこだろうか。
とりあえず寒いのでパーカーを着る。
あったか~。
リア充爆発しろーと考えながら仮拠点のテーブルでぼーっとしてると、スマホから通知が来た。
クウマからだ。
『ユキさん、今日丘の一本杉の下に来れますか?』と来た。
もしや私にとっての幸せが…!?
あはは、まぁ、そんなわけないか。
てか、なんの用事だろう?
とりあえずそのまま丘まで走ることにした。
途中鋼鉄蜘蛛アイアンスパイダー闇夜大蛇ダークナイトスネークに会ったけど爆発魔法で爆発させて通った。
意外とスムーズに進めたので少しビビってるけど、走った。
そして一本杉の下で待つクウマを見つける。

雪がチラチラと降る普通の平日クリスマス
杉の木の下に立つ、クウマ少女
『ユキさん…』
クウマはどこか恥ずかしそうだ。
「なに?」
と、いつも通りに返事するユキ。
『僕…いや、俺は、前からユキさんのことが…』
ユキは、察した。
これはあの伝説の、聞くはずのなかった言葉__
『好きでした。』
その一言が放たれたと同時に、ユキの目には涙が浮かんでた。
生まれて19年の人生。初めての告白だったから。
まさか中学生に告白されるとはと、ふと思う。
でもユキは気にしなかった。
「ありがとう。でも、付き合えないよ…」
クウマは青ざめた。
覚悟はしていたが、やはり悲しかった。
振られた。…と思った。
「だって、まだクウマのこともっと知りたいもん。旅が終わったら付き合ってあげる。」
と意味がわからないことを言われたクウマは、困惑しながら、恐る恐る聞いた。
『とりあえず…OK、なのか?』
そして、ユキの口から意外な答えが来た。
「うん。付き合ってあげる。でも、今まで通りでいいよ。それだけ。ごめんね、口下手だから。」
と顔を赤らめながら言うユキ。
そして、クウマはマフラーをユキの首にかけて、幸せな顔をした。
『…よろしくっす!』と言って。



…という夢を見た。
今日のことはあまり覚えてない。
でも、夢だったことに落ち込んだ。
ん?でもやけにリアルだったな。
と思い、ポッケからスマホを取ろうとした。


…マフラーがあった。

これは夢じゃない。

そう覚ったユキは自分の言ったことが恥ずかしくなり、枕に顔を埋めてひたすら叫んだのだった。
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