上 下
44 / 63
第陸章 明日の音は、晴れ模様

2節目 神々の住まう楽園

しおりを挟む
当日、弟と妹を連れて祭りへ。
とても賑やかで、夜なのに明るかった。
まるで夜が無くなったみたいだ。
焼きそばの香ばしい匂い、騒ぐ子ども達、それを追いかける親達。
初めての祭りは、本当に心が弾んだ。
初めての感覚と色んな香りに少し困惑しながらも、とてもとても幸せな気持ちだった。
弟と妹に1万円ずつあげて、
『個人で遊び行っていいよ。あ、クウマ。ユウカから離れちゃ行かんよ?あと花火が終わったら、私が居なくても帰ること。いいね?』
そう言って、家の合鍵を託した。
家は祭り会場から近かったから、意外と心配はしていない。
『了解姉ちゃん。ユウカ、いくぞぉ!』『わーい!えへへ!』
面倒くさそうな顔をしつつ、妹の手を引くクウマと楽しそうなユウカを眺めてから、久しぶりに1人で遊ぼうと思った。

*******

その後の私は、とてもとても満喫していた。
焼きそば食べて、玉せん食べて、おめん買って、スーパーボールすくって、お化け屋敷入って………そして憧れのりんご飴をパクリ。
幸せな時間だった。そんな時、ふと思う。
金魚すくいをやろうかな?と。
弟や妹に金魚をとったら、喜ぶだろうなぁ。
金魚すくい会場に行って、1000円払ってすくう。
『おお、姉ちゃん上手いねぇ。』
金魚を3匹ゲットした。
そのまま帰ろうかなー。
そう考えてると、風邪がとおりすぎた。
「わ、わぁ!………………え?」
金魚柄の水色の浴衣が揺れる。
そして、目の前が真っ白になった。

………………。

私は目を覚ました。
「……うっ…眩し………い………!?」
空から眩しい光が来たかと思ったら、
真っ白な空間に飛ばされた。

☆☆☆☆☆☆☆

看板には、こう書いてあった。

【神々の湖】
神々の湖レイクオブザゴッドズへ来たもの―告ぐ。
注意―て読―。
1、決して塔の屋上へ―くな。なぜなら、――る領―である故、―族以――入禁止である。
2、――を出すと汚れるので――を生むな。
3、魔―を入れ――いけない。
4、これを守らなかった人は― ―様が裁判により――へ―――。

ところどころかすれて読めない。
1番は行くな…とか?その後はかなり読めなくなっている。
2番と4番はよく分からない。でも、今後分かるかもしれない。
3番は魔人族関係かな……?
という推測を立てる。
クウマは『読めるけど……何とか様のとこだけ塗りつぶされてるっすね。そして上になんか書いてあるっす。』と言った。
シンは『どれどれ……と、も、ざく、ら??』と読んだ。目がいいんだなぁ。
…って!トモザクラ!?それ、私たちの目的の人物じゃない!?
よしよしよし、目標を振り返ってみよう。
彼女を探すのが冒険の目標。
でも、本当は私が人間になるというのが目標だよね。
ま、まぁべつに獣人というか獣耳?が嫌いってわけじゃないんだけどぉ……まぁまぁまぁ人間の体が1番慣れてるしぃ?
あ!そういえば、クウマとシンも人間にしないと!
まぁ予備として泉の水スカイワールドウォーター4人分くらいくんでおいてよかったぁー。
アリサとレオンの分と、失敗した用の4人分だけど、これで失敗できないなぁ。
ま、まぁ幸い来たのは2人だからぁ、足りるね。……あれ?でも、カリスはどうしよう。仮にもお母さんだしぃ……人間に戻しても、男のままだし……
まぁ、何とかなるかもね!
とりあえず、私たちは巨大な鉄?の門を潜り抜けて、神々と天翼族エンジェルの楽園、神々の湖レイクオブザゴッドズへ足を踏み入れた。
しおりを挟む

処理中です...