転生するなら人間がいいな~

獣野狐夜

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第伍章 喧嘩するほど、沼に嵌る

6節目 未来へ繋ぐ

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『空がよく晴れる冬の日』
どこか遠くの城の中
『ある獅子は淡い紅色の華を探す』
小さな声が響く
『その華が竜によって散る頃』
その声はまだ幼さを残しており
『獅子はとある砂の犬を探すだろう』
その主は、涙をこらえていた
『そして美しき雪が降り始める頃』
まるで、未来を知っているかのように
『狼は空を舞うように走る』
彼女は悟っていて
『やがて広い心へ変わる時』
未来を知ってしまった
『空の音は途絶える』
彼女は泣いていた。
少女はが来るのを恐れた。
この詩は、やがて起きる未来の1だ。
そして、最後に一文。
『君には期待してるよ、。』
少女はいずれ戦うことになる。
ところどころ掠れたその手紙を、震えた手で持って
彼女は繰り返し、読み続ける。
『…』
覚悟しながら、少女は過去を振り返った。



☆☆☆☆☆☆☆

「………んは!?」
目が覚めた。
謎の夢を見ていた気がする……
それは置いといて、窓辺の光が眩しい。
スマホの表示時間通りだと午前9時だ。
道理で眩しいわけだ。目が痛い。
とりあえず私は体を起こした。
「んぐぅー…。」と、背伸びをする。
みんなはまだ寝ている。
『んがー。』
寝てるみんなを見てわかった。
まずレオンとサクラの寝相が悪すぎる。
カリスに至っては飛んで寝てた。
サクラは修学旅行で見たことある。
実際上で寝られたから。
レオンはなんか前転しながら寝てた。
意味がわからない。あれ、前転だっけ。
あ、逆立ちだ。いやそれも酷いな。
とりあえず悪すぎる。
ソラはイメージ通り真っ直ぐ寝てる。
シンとクウマも以外にきっちり寝てる。
いびきうるさいけど…。
アリサはなんか寝言をブツブツ言ってたので怖い。
とりあえず朝ごはんを摂ることにした。
ダイニングに行くと、マリアーナさんが居た。
『あら、おはようユキちゃん。
朝ごはん作ったわよ。オリジナルのサンドイッチとコーヒーだよ、気に入ってくれると嬉しいな。』なんかめちゃめちゃ完成度の高い朝ごはんを用意してくれていた。待って理想の朝ごはん第二位くらいの完成度…。さすがマリアーナさんだぁ。ところでセレンさんが見当たらない。
「あの、セレンさんってどこでしょうか?」と素直に聞いてみる。
そしたら『あー、寝てるわ!』とめちゃ軽く応えてくれた。
セレンさんらしいな、と思いつつ椅子に座る。
とりあえずまずコーヒーを飲む
わぁ、美味しい。
雑味がなく程よい苦味で、スッキリとしたコーヒーだ。ブラックは個人的に好きなので嬉しい。しかも香りがいいと来た。
そして近くにコーヒーミルクと砂糖、氷が用意されてた。
なんて気遣い…!私でなきゃ見逃しちゃうね…!と思った。(?)
ひとまずコーヒーは置いといて、サンドイッチを手に取る。
中には魚と思われる物の油漬け……かな?ツナみたいなやつとレタスとチーズ、トマトが挟んであった。
美味しそうだ。いただきます。
パクリ、もぐもぐもぐ…。
「…んんん!!」
もちろん、とても美味しかった。
油漬けなのにものすごくあっさりしてる。
油が程よく野菜と絡み、コクを生み出している。
トマトの酸味がレタスとチーズと相性抜群だ。そして極めつけに魚。魚はとてもあっさりしていてくどくない。そして、雑穀パンの香ばしい香りと合う。最高だ。もしかしてセレンさんの料理技術全部吸っちゃった系かな?
モグモグ味を堪能しつつ謎の考えをしている間に、
ソラとアリサが起きた。
『美味しそーな匂いなのだー!』
『もう、アリサちゃん相変わらずだね。…ま、私も食べるけど。』
そこにカリスも続く。
『美味いぞ!』
そこでシンが
『いやまて、まだ食ってねぇじゃん!』とすかさず鋭いツッコミをする。
まだ寝てる組、というかクウマとレオン、サクラは来てない。
まぁ、騒がしい朝だけど、これが毎日続くと思うと嬉しい。

えへへ、私たち…もうだから。

この冒険で誰も失いたくない。













みんなと日本に帰るんだ。










第伍章 喧嘩するほど、沼に嵌る 完
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