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第伍章 喧嘩するほど、沼に嵌る

4節目 サイエンスジョーモン

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真夜中、いきなり私とサクラ、シン、クウマ、ソラはセレンさんに呼ばれた。
カリスを除いて異世界メンバーだった。
なぜだろう。
そしてセレンさんは、深刻そうな顔をして言った。
『実は僕、とある研究をしててね。』とセレンさんは切り出した。
セレンさんは妹のアリアーナさんが異世界にほんについて聞いてきて、それについて調べるようになったそうだ。
歌姫になったのはその過程で巻き込まれたためだ。
セレンさんは異世界人のここへ来る理由と共通点を探った。
それはほとんどの転移者は例外を除いて現実世界から来たものらしいのだ。
その現実世界はいわゆる異世界ちきゅうである。………
…と、言っていたが。
「えっと、考えすぎじゃ…?」
と言った。セレンさんは苦笑いしながら
『だよね、何となく思ったけど。僕が本当に生きてないとなるとなんで君たちも生きてるんだろう?ってなって…えへへ。』
きっとセレンさんは哲学者になれる、多分。
………なんだか懐かしい口調。まぁいいや。
後にこの話は『都市伝説いいつたえ』としてウルワランドに広がった。
でも、ユキたちは知る由もなかった。

*******

そして翌日、セレンさんは大地のある所におりた。
セレンさんは『ここが僕の家なんだ。』
と言った。
家と言っても…と考えてたらクウマが
『え、竪穴式住居…?』と呟いた。
私も思った。歴史で見たなぁこれ、と。
でも材料が限りなく少ないここフィッシュスワンプでは、しっかりとした住宅おうちだった。
てか生で見たの初めてなんだけど。
セレンさん縄文人?
中に入って、お茶…というか、雑草を焙煎して煮出しただけの緑色の汁おちゃ…?を出された。
シンは思わず『縄文時代かよ!』とツッコミを入れてた。いやどう見てもそうだけどね??
クウマは、『いや…出されたからには…うん。』
と嫌そうに飲もうとしていた。
アリサは…泡を吹いてた。毒入ってんの!?
レオンはそんなアリサを見て、
『これは毒だ…』と鑑定していた。まぁ案の定だよねーあはは。
ソラとサクラはお茶?に気にせず世間話していた。てか気づいてない。本当に仲良しだな…。
私はと言うとカリスに
『このお茶美味いから飲もうぜ?』と
勧められてる。これ、本当に母親…?
お母さん味覚どうした?え?
…とりあえずセレンさんは
『ゆっくりしていって欲しいね。とりあえずお話があるから。』
と言った。
とりあえずしばらくゆっくりしてから、
セレンさんは話を始めた。
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