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第伍章 喧嘩するほど、沼に嵌る

1節目 血と汗が香る街

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いやぁこの夜めちゃめちゃびっくりしたなぁ。
いやまぁあんなことがあれば寝れないよね。んーまぁとりあえず、海賊の海ライスオーシャンに着いた時に見かけた海賊の街とやらへ行ってみようかな。
とりあえずみんなに提案しようかな!
「ねぇみんな!あのさあのさ!今から海賊の街にいこう?」
カリスはなぜか顔を青ざめながら、
『………あ、あそこはオススメしないな……………。』
といつも通りの口調。…あれ?青ざめ…??
あとなんかレオンは震えながら、
『あ、えとえと…や、やめとこ?な?べ、別に嫌とかじゃないけど……いや、やっぱやめよう?海賊だよ??』と多分反対派。
とりあえず強気に「多数決じゃないからね!!もう決まったことだから覚悟して!」と私は言う。
するとレオン、カリス、なぜかアリサまでも
声を揃えて『『『ユキの鬼!!』』』
と言った。
うわぁめんどさいぃ。
ウルワランド現地組(?)は置いといて、
日本組は困ったような表情。
特にソラは、『レオンくんのことも考えてあげようよ…。』と意味ありげな発言を悲しそうな顔で言った。
レオンは震えながら『……いきたくない……でも行くしかない……真実を知るためだ………。』と呟やいた。
とりまほっといて、んまあ、進展あるといいわけだし行こうかな。
とりあえず意見を却下して無理やり行くことにした。

*******

荷物を持ってから数時間歩いて、
やっと着いた。
サクラは『いつつつつつ……足がァァ!』と悶えてる。
私は久しぶりに沢山歩いたせいか、私も悶えてる。
「痛たたたたたたたたたぁぁぁぁ!!痛いよぉ!!」
とりまサ〇ンパス的なのを塗って治るのを待った。
とりあえず休憩してると、舟が見える。
シンが『おれ舟漕げるぜ!』と意気揚々に言う。
『よし!漕ぐかー!よぉいっしょ!』
ばちゃああああん!!
「ごぼぼ!ぼぼぉ!!(おまえ!漕げないじゃん!)」
『ごべぇぼぼぉ!!(ごめんって!)』
転覆した舟から抜け出して、陸に上がる。
シン、許さない。
『ごめんてぇ!』
まぁ軽くはんご…“おしおき”をしたところでカリスと私で漕ぐことになった。
『……………っ!!!!』
シンはなんでダンスしてるんだろう?(サイコ)
とりあえず話の通り海賊の街マリュアスタウンは、海上というか、地中海のど真ん中にあった。
だから船で行くしか無かった。
船というかボートだ。
というかすごいよこの技術!!どうやって浮かせてるの??大魔法かな!??すごい見て見たいい!!
とりあえず入江に着くわ、いきなり
海賊のボスみたいな女性に出会う。
え、怖い怖いなになになんなの??
『あらお嬢ちゃん方。もしかして旅人さんかしら?』
と尋ねられる。というか、絡まれたの?これ。まずいよ殺されちゃうよォ!
とりあえず、「はい、たたた旅人…といえば…………そ、そうですね。」
とどもりながら答えた。
ビクビクしてると、予想外な答えが来た。
『あら、危ないわよ?私みたいな優しい海賊ばかりじゃないもの。現にあなた達は奇襲をかけられてないでしょう?』
確かに奇襲されてない。
どうやら彼女は信用できそうだね。
でも油断は禁物だぁ。不意打ちを狙ってるかもしれない。海賊だし。(偏見)
でもわざわざ『 奇襲をかけられてないでしょう?』というかなぁ。情報を明かしてくる人ってあまり酷い人のイメージないけどなぁ。
まぁいっか!そう考えてると、『まぁいいわ、とりあえず歓迎するわ!…あら、まず自己紹介だよね。わたくしはマリアーナ、マリアーナ・リリィ・ブレイクというわ。この街の創設者と呼ばれるものよ。そしてこの街の唯一の女性よ。』
この街のそ、創設者…。
しかも1人だけなの?女の子!?
ぇぇえ大丈夫?セクハラとかないのかな?
いやまじですごい人と会ったー!すごいなー!
とりあえず私は「どうも、私はユキです。」と簡素な挨拶をした。
でも心配してたんだよね。街で聞いたマリアーナさんの噂は悪い噂ばかりで、海賊で1番の悪とか人殺しの王女とか…。
でも見た感じは心優しい海賊だ。
今まであってきた海賊と全然違うことが分かるもん。
それに続いてみんなも自己紹介。
『わたしはアリサなのだ!よろしくなのだ!』
『僕は…レオンです。あまり痛くしないでくださいね…。』
『私はソラと申します。よろしくお願いします。』
『あたしのことサクラってよんでね!一応ユキの大親友だよぉ!』
『お、俺はシンだぜ。んまぁ……よろしく。』
『クウマっす。…………一応狼っす。』
『どうも、ワタシのことはカリスと呼んでください。この中で一応、1番年上です。』
などなど、個性が現れてた。
クウマはずっと顔が赤い。熱かな?薬とか飲まなくていいのかな?
まぁいっか。
そうして私たち一行は海賊の街マリュアスタウンへいった。



街はとても栄えてた、ありえないぐらい。
船を魔法で造ってた。
いや技術すっごいな!(二回目)
えええ??え、え??
驚きすぎて言葉が出ないよ!
他にも麦酒ビールとか、居酒屋がたくさんあった。そこはさすが海賊だね!
所々喧嘩があったり、その…言い難いこともあった。うん。
とりあえずわかったことは、
男ばかりだった。
ちなみに私たち女子は、
男たちに狙われてた…ある意味生き地獄だ。
ある男はナンパしてきて、ある男は全裸で見せつけてきて、ある男は胸を触ろうとしてきた。
それをマリアーナさんは全部けちょんけちょんにしてたけどね。
たくさん歩いて、アリアーナさんの家に着いた。
とても綺麗な感じ…とは言い難い。
なんというか…お世辞でも綺麗と言えない。
アリアーナさんは、『ごめんねぇ、良く変な男たちが来るから。』
となぜか怪しげな笑顔で言う。
なんというか、家自体は大きくて、豪邸でまさに大海賊って感じ。
でも……外観は血だらけだった。あまりにも残酷。そこら辺になんか赤い塊があるし……うぇえ。
しかも腐敗臭が…もうホント勘弁して欲しい。
本当に帰りたい、そう思った私だった。

*******

『お茶でもいかが?』
そう言って出してくれた。
腐敗臭は家に入った瞬間消えた。
なんというか、すごい。
魔法で洗浄してるの?え?
と、とりあえずお茶を頂いた私たちはこれまでの旅路を話した。
久々の休憩タイムだ。
洞窟のように硬い岩に座ることも無く、
ふかふかのソファーまである。
さすが創設者、すごくいい暮らししてる!!
そして私たちは体を休めた。

*******

私はとりあえずアリアーナさんに
別れを告げた。
『ありがとねぇ、ユキさんたち。
久しぶりの客人はいいものねぇ。』
すっかり馴染んだ私は、
「いいえ、大丈夫です!
こちらこそありがとうございます。美味しいお紅茶も頂いちゃって。」
と言った。
(硬いように見えるが、精一杯の馴染みだ。)
マリアーナさんは『またいつでも遊びに来てね。わたしはいつでも待ってるわ。』と優しく告げた。
そして私たち一行は、
音楽の沼地フィッシュスワンプを万全な状態で目指したのであった。
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