13 / 73
第弐章 虹架かりし、天空の島
1節目 雨の降る街
しおりを挟む私たち一行はレオンの実家から出て、冒険を軽い気持ちで始めることにした。
まあ冒険といってもただ歩くだけだと思うけど。
てかただの散歩じゃん!!
まぁでも、これはこれで楽勝じゃね?
やっt
『シャァァァ!』
そう思ってた時期が私にもありました。
ハイハイそういう展開ね分かりました。
『いやあああああああああ!!蛇いやあああああああ!!!』
と叫ぶソラ。そう、突然堅鉄蛇が出てきた。
こいつ名前からして硬そう。あれ?なんで私名前わかるんだ?それは置いといて、早速アリサがなんと万能長笛ではなく、万能六弦琴を使って、ヴァイオリンにして、そして万能長笛をまさかのヴァイオリン弓にした。そしてその効果を私に影響させた。
効果は、力の増加と素早さの向上だった。
私は木刀を振った。力の増加が想像以上だったことに気づかずに。そして木刀が堅鉄蛇の頭に直撃した。
その瞬間バラバラに砕け散った堅鉄蛇の屍と地面ごと飛び、私は「どぅぇぇぁぁぁぁ!?」というダサい叫び声を残して空の彼方へとんだ。
みんなはというと『『『ユキぃぃぃぃ!?』』』と三つ子のように息ぴったりに叫んだ。
そりゃ叫ぶよね仲間が飛んでったんだもん。
てか心配してくれなかったら私泣いてたよ?
あれ?空の彼方…?
「え?ええええええええええええ!!?」
どうやら気絶してたみたい。
気がついたら空の街
にきていた。というか、正確にいうと空の街の大四雲街の一つ、雨雲の街にきていた。
*******
一方取り残されたアリサ達は、ユキのいるところに行くために話し合いをしていた。
『僕は自分の魔法、【飛行魔法】で飛べますが、僕も含めて二人までしかできないんですよ。』
レオンの魔法だけでは1人余ってしまう。
『私は【空間移動者】で目的地へ行けます。でも、ユキさんの場所がわからないので無意味に近いです…すみません。』ソラは場所がわからないと使用不可の転移魔法を持っている。。アリサは『私は自分の武器しかないのだ。空を飛ぶ方法はないが、私のスキル【見物者】で場所が観れるのだ!よかったな、お前ら!!』とたわわな胸を張り、ふんぞり返って自慢げに話した。結果は、ソラはアリサのスキルから得た情報で転移、残ったアリサとレオンはレオンの魔法でアリサから得た情報を元にソラのところへ行くという結果になった。
『それじゃ、始めるぞ!!』と元気よく言い放った後、スキルの発動準備をするアリサ。
『ムムムム…よし!スキル!!【見物者】!!!』
アリサの周りにモニターのようなものが出て、天空の島の様子が映し出された。
数分探したのち、観光気分でスキップをするユキがいた。
『ユキがいたぞ!!みんな、いけるか??』
『はい。ユキさんが見つかったなら、私のスキルで行けます。』
『アリサは僕と来てください。行きますよ!』
そうして、3人はユキのいるところを目指していくのであった。
*******
私はしばらく雨雲の街を観光することにした。
ここの名所は幻想大虹という大きな虹がかかる場所があるで、恋人達のラブスポットらしい。
私は正直「リア充爆発しろ!」としか思ってないけど、誰もがうっとりする場所らしいので行ってみたいと思った。彼氏いないけどね…。
とりあえず、ソラたちを待ってる間にレオンのお母さんがお小遣いとしてくれた5600ロンダ(日本円だと44000円)を使って食事をしようと思う。そういえば私はレオンのお母さんで食べたシチュー以外何も食べてない。
流石にお腹空いたので、近くにあった空色音声と書いてある食堂に入った。
入ったと同時に、懐かしい醤油の香りがした。
そして、『いらっしゃいませ。』という声を聞き、「1人です。」と人差し指を立てて、店員さんに行った。
カウンター席に座り、隣でタバコを吸うおじさんを横にメニューを開く。
開いた瞬間、私は目を疑った。
なんと、ラーメンがあったのだ。
「ららら、ラーメン!?え、?」
驚いて大声を出してしまい、隣のおじさんはタバコを落とした。
豚骨、醤油、塩、味噌と定番な味が揃っていた。
私はその中でも特に好きな醤油味を頼んだ。
注文して、お気楽気分でくつろいでいるとアリサ達が店内に入ってきた。どうやらアリサ達もお腹が空いて、やってきたらしい。
『いらっしゃいました!3人なの…ユキ!?』
『えっと…あちらの方と同席でもいいですか?』
アリサは私を見て驚いた。それを他所にソラは私の席に座ろうとする。え、ここカウンターだよ?
私はテーブル席に案内された。
どうやってきたのかとか、聞きたいことは山ほどあるがそれはさておき、みんなでワイワイしながら食べようと考えた。その方が楽しそうだしね。
そこから問題が起きた。なんと、レオンがビールを頼んだのだ。
「ちょちょちょちょレオン!」
『何?ユキ姉さん。』
「えっと、君は何歳なのかな?」
『僕?僕は17歳だよ?何が悪かったかな?』
「いやいやいやいやお酒は20歳からでしょ!」
『え?え?』
その後レオンから説明された。日本は20歳にならないと酒は飲めないという法律だったけど、この世界だと15歳で飲めるらしい。
待ってなんか色々やばそうだな。
小さい頃から気になったビールの味をついに知れると思うと嬉しかった。そして、はじめてビールを頼んだ。そして、来た。
黄金の酒はキラキラ輝き、そこからきめ細やかな泡が溢れ出していた。私はそれを見て思わず1口飲んでみた。
「う、うまい!!」
きめ細やかな泡が喉を通り、心地よい感触を与える。そして、黄金に輝くビールを喉に流し込むと、思わずごくごくと音を立てたくなる。炭酸とアルコールの苦味がクセになる味だった。
そしていっしょにきた醤油ラーメンを啜り、ビールで流し込む。ビール独特の苦味と旨み、そして醤油の酸味が舌を刺激し、旨味をかんじる。やっぱりお父さんの言う通りだ。ビールは美味しい食べ物と合うって。
私たちは他にも餃子、お浸しなどたくさん食べて、会計に行った。
金額は合計150ロンダ(日本円で6000円)と結構高めだった。でも美味しかったから安く感じる。
ちょっと興味が湧き、せっかく来たのでもうすこし、観光を続けることにした。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる