転生するなら人間がいいな～

第壱章 大きな都会、友情の森

4節目 人と魔が交わる都会

私たちは魔物の森マッシュルームフォレストを抜け、人魔共国トウキョウタウンに入った。
「なんだここ、東京！？」
私はめっちゃ驚いた。さすがに目玉はとび出なかったけど、日本元の世界の都会トウキョウと同じ名前だったからね、そりゃびっくりするよ。
でも見た目というか、景色は
うーん...田舎？ところどころ都会は感じるけど、どっちかと言うと樽原村よりはまだ都会感はあるなーくらい。渋谷のスクランブル交差点ほど人が溢れかえってないし、かと言って過疎ってもない普通の街って感じね。
そう真剣な顔で考えてるととレオンが不思議そうな顔で
『うん？ここの何が珍しいんだ？ここは僕の故郷がある場所なんだよ！』と言った。
そうだ、一旦落ち着け私。ちょこーっと色々おかしいけどここが日本元の世界ではないことは知ってる。確証も取れてるし異世界じゃないと世界崩壊を疑うレベルで元の世界ちきゅうとは違う。でもこんな奇跡はないよね。奇跡だとしてもこっちの世界にほんの都会トウキョウとか付けるのは珍しいから誰かが意図的にやったのかもしれない。いやもしかしたら異世界人にほんじんがいるかもね。まてまていや確定だわトウキョウなんて異世界人にほんじんぐらいしか付けないだろ多分。そう思うからからワクワクするし、と同時に怖い人だったらどうしようという不安が私にはあった。

とりあえずその夜、私たちはレオンの実家にお邪魔させてもらうことになった。
レオンの母はとても美人だ。一応レオンとおなじ黒猫っぽいけど、オレンジの髪をポニーテールにした美魔女って感じの女性。名前はマリア・グラヴェラさんらしい。本当に優しい人だった。
まさに私のお母さんみたいな…重くなりそうだから今のなし。
とにかく！マリアさんは、
めちゃめちゃ美味いシチューを作ってくれたし、子供じゃないのに読み聞かせまでしてくれた。まって子供扱いしないで欲しいんだけどと思ったけど言うのは野暮と言うやつだ。
「私のお母さん、大変だったかな…。」
いつの間にかぽつんと呟いた一言。私はお母さんに反抗的で、いつもいつも刃向かってたな。今更だけど、お母さんに申し訳ない。ごめんなさい、お母さん。もう手遅れだけど…。涙が出そうなのをぐっと堪える。
色々と考えていると、ソラが『ユキねぇちゃん、話があるから二人だけになろ！』と話しかけてきた。え、なになに恋バナか？
まぁ私はやることもなかったし「わかった！」と言って付いて行くことにした。