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暗澹の予兆
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マリサとヨウム先輩が目を覚ましてから、数分が経つ。
外から光が差し込み、徐々に明るくなり朝を告げるかのように雀がちゅんちゅんと鳴いている。
『ちょっと周り見渡してくるわ~。』
『お、おい!あぶねぇぞ!』
ヨウム先輩はそういって、博麗神社を飛び出してしまった。
本当に能天気だなぁと思う。
…いやいやいやちょっと待って危険だよ!?
慌てて先輩を止めようとしたがもうその既に背中は見えなかった。
目の前に広がるのは荘厳な鳥居と、爽やかな風で靡く広い森だけだった。
ヨウム先輩を探しに森へ行こうとすると、ぶおっと強い風が顔を殴るように吹いた。
煽られて転びそうになると、支えられるような感覚がした。
『危ないわよ、気をつけなさい。』
そこにはこの神社の主、霊夢さんがいた。
『しっかし、ほんっとに似てんなぁ~こりゃあ。』
私と霊夢さん、顔が瓜二つの人間が並んでいる所をマリサがマジマジと見ていた。
こうしてじっくりと見られると、恥ずかしいものがある。
レミリアさん、サナエさんはまだ眠っている。
サクヤさんはと言うと…
『なっなななっ…なんで?マジックですか!?』
非常に驚いていた。
まぁそりゃあそうだ。こんなに似ていたら驚くだろう。
だからといって腰を抜かすほどかとは思うが。
『どう説明してくれるの、この状況。』
霊夢さんは眉間に皺を寄せながら、サクヤさんとマリサさんを見つめる。
どうやら騒がしいのは苦手…と言うより、なんだか深刻そうな感じで見つめていた。
「どっ…どど、どうし…ました…?」
その顔が一瞬般若のように見えて、思わず萎縮してしまう。
『これは…恐らく異変ね。』
その言葉で、霊夢さんのやらなきゃ行けないことを察知してしまった。
当たり前だ。
あちら側からすると…私たちは異変の元凶なのだ。
自分が悪いわけじゃない。それは自分が1番知っている。
しかし何故か胸が苦しくなる。
畳の香りと冷たい風がこんなにも肺を苦しめるなんて思わなかった。
…とにかく、家に帰る方法を探そう。
『紫のやつ…また厄介事を押し付けたわね。』
そういう霊夢さんの顔は、どこか面倒くさそうだった。
☆☆☆☆☆☆☆
頭が痛い。
…なんだか、感じたことの無い浮遊感を感じていた。
視界がぼやけて見えない。
気の所為だろうか、景色が動いているような気がする。
冷たい風と草木の香りで目が覚める。
驚くべきことに、私はいま空中にいた。
………は?
『い、いやぁああああああああ!しぬっしぬぅ!!!!』
『ちょちょ、おい!落ち着けって!私はお前を取って食ったりしないぞ!』
『そらっ!ういてぇええ!!!』
『はぁ?あぁ、すまんすまん。そういえば普通の人間は飛べないんだったな。私もすっかり空を飛ぶのに慣れちまったなぁ。』
『いやぁああしみじみしてるばあいじゃあぁ!!』
バタバタ暴れようにも落ちそうで動けない。
ぷるぷる震えて、まともに声の主を見れなかった。
ただ、ふわりと金色の長い頭髪が見えた。
しばらくして、森の中の木造の建物に着いた。
お陰様で刺激的な目覚めとなり、少し漏らしそうになった。
幸いダムが決壊する前に到着したのを喜ぶべきなのだろうかわからない。
プルプルと膝が笑ったまま相手の顔を見る。
整った顔立ち、黒い三角の帽子。
金色の髪を靡かせる彼女は、人目で魔女だと分かる服装をしていた。
片手には先程までに自分がしがみついていた竹製の箒を持っている。
『驚かせてしまってごめん。私は霧雨魔理沙。この森に住んでる普通の魔法使いだ!』
そう言って、■■によく似た彼女は胸を張っていた。
外から光が差し込み、徐々に明るくなり朝を告げるかのように雀がちゅんちゅんと鳴いている。
『ちょっと周り見渡してくるわ~。』
『お、おい!あぶねぇぞ!』
ヨウム先輩はそういって、博麗神社を飛び出してしまった。
本当に能天気だなぁと思う。
…いやいやいやちょっと待って危険だよ!?
慌てて先輩を止めようとしたがもうその既に背中は見えなかった。
目の前に広がるのは荘厳な鳥居と、爽やかな風で靡く広い森だけだった。
ヨウム先輩を探しに森へ行こうとすると、ぶおっと強い風が顔を殴るように吹いた。
煽られて転びそうになると、支えられるような感覚がした。
『危ないわよ、気をつけなさい。』
そこにはこの神社の主、霊夢さんがいた。
『しっかし、ほんっとに似てんなぁ~こりゃあ。』
私と霊夢さん、顔が瓜二つの人間が並んでいる所をマリサがマジマジと見ていた。
こうしてじっくりと見られると、恥ずかしいものがある。
レミリアさん、サナエさんはまだ眠っている。
サクヤさんはと言うと…
『なっなななっ…なんで?マジックですか!?』
非常に驚いていた。
まぁそりゃあそうだ。こんなに似ていたら驚くだろう。
だからといって腰を抜かすほどかとは思うが。
『どう説明してくれるの、この状況。』
霊夢さんは眉間に皺を寄せながら、サクヤさんとマリサさんを見つめる。
どうやら騒がしいのは苦手…と言うより、なんだか深刻そうな感じで見つめていた。
「どっ…どど、どうし…ました…?」
その顔が一瞬般若のように見えて、思わず萎縮してしまう。
『これは…恐らく異変ね。』
その言葉で、霊夢さんのやらなきゃ行けないことを察知してしまった。
当たり前だ。
あちら側からすると…私たちは異変の元凶なのだ。
自分が悪いわけじゃない。それは自分が1番知っている。
しかし何故か胸が苦しくなる。
畳の香りと冷たい風がこんなにも肺を苦しめるなんて思わなかった。
…とにかく、家に帰る方法を探そう。
『紫のやつ…また厄介事を押し付けたわね。』
そういう霊夢さんの顔は、どこか面倒くさそうだった。
☆☆☆☆☆☆☆
頭が痛い。
…なんだか、感じたことの無い浮遊感を感じていた。
視界がぼやけて見えない。
気の所為だろうか、景色が動いているような気がする。
冷たい風と草木の香りで目が覚める。
驚くべきことに、私はいま空中にいた。
………は?
『い、いやぁああああああああ!しぬっしぬぅ!!!!』
『ちょちょ、おい!落ち着けって!私はお前を取って食ったりしないぞ!』
『そらっ!ういてぇええ!!!』
『はぁ?あぁ、すまんすまん。そういえば普通の人間は飛べないんだったな。私もすっかり空を飛ぶのに慣れちまったなぁ。』
『いやぁああしみじみしてるばあいじゃあぁ!!』
バタバタ暴れようにも落ちそうで動けない。
ぷるぷる震えて、まともに声の主を見れなかった。
ただ、ふわりと金色の長い頭髪が見えた。
しばらくして、森の中の木造の建物に着いた。
お陰様で刺激的な目覚めとなり、少し漏らしそうになった。
幸いダムが決壊する前に到着したのを喜ぶべきなのだろうかわからない。
プルプルと膝が笑ったまま相手の顔を見る。
整った顔立ち、黒い三角の帽子。
金色の髪を靡かせる彼女は、人目で魔女だと分かる服装をしていた。
片手には先程までに自分がしがみついていた竹製の箒を持っている。
『驚かせてしまってごめん。私は霧雨魔理沙。この森に住んでる普通の魔法使いだ!』
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