裏乙女ゲー?モブですよね? いいえ主人公です。

みーやん

文字の大きさ
上 下
5 / 10

5. 平穏な日々を送りたい。

しおりを挟む
あの事件から一週間に2回はセイが来るようになった。
その都度俺は体調が悪いという見え透いた嘘を並べてなんとか会うことを回避しているが3周目にもなると流石に厳しいものがある。
一応あっちも由緒正しい家系である。そんなやつを何度も何度も追い返すことはできない。
ひとまず2人きりにならなければなんの問題もないだろうと思い専属メイドのイリアに一緒に居てもらうようにお願いした。

「やぁ!リア。今日も可愛いね。」

はぁ。こいつはなんでそんな小っ恥ずかしいことをサラッと言えるのか…
この顔が可愛いことは知っているが男に言われても嬉しくはない。

「こんにちは。今日は何の用で?」
紅茶を飲みながらそう問いかける。

「ただリアに会いにきただけだよ!」

「そうですか。騎士になるための稽古はいいのですか?」

「午前中に終わらせてきたんだ!リアに会うために…」

「僕はもう少ししたらお勉強の時間になりますのであまり長くはお話できません。」

「いいんだよ!少しでも会いたいだけだからさ!」

あぁ!もう!早く帰れって言ってるのが通じねぇーのかよ!
さっさと飲むもん飲んで帰れよ!


それから一時間中身のない話をしてセイは帰って行った。
本格的に面倒になってきた。ここはあいつに嫌われるように仕向けて自分から離れてもらおう。
確かあいつの性格は…弱そうな奴を守りたいと思う傾向にあった。
逆に強気で堂々とした奴はあまり好まない性格で、更に自分に何かと突っかかってくる奴は苦手の部類に入っているはずだ。
次に会うときはそれを取り入れて積極的に嫌われにいこう‼︎

そう決心し今日から始まる家庭教師によるお勉強に向かう。


客室から出て自分の部屋に向かっていると前から見慣れない若い男が俺の部屋の前にあることに気づいた。
そいつを凝視しながら歩いているとその若い男はこちらに気づいたのか深いお辞儀をした。
それにつられ俺も警戒心を解き軽いお辞儀をする

「坊ちゃん!始めまして私今日から坊ちゃんの家庭教師となりましたランディーと申します。これからよろしくお願いします!」

「ランディー先生!初めまして、ハイデス・リアフォード言います!未熟者ですがよろしくお願いします!」

いい先生のようで良かった!これからどんな事を学ぶのか楽しみでしかたがない!
元々俺は勉強はできる方だからな!


自己紹介も終え早速授業に入る。
ん?この内容…ゲームを始めるオープニングエピソードとまるっきり同じだ。もちろん内容は全て頭に入っている。

ということは…俺この世界では天才級に頭がいい部類になるのでは?


授業終わりに小テストのようなものを渡された。俺が授業の内容を理解しているか、どこまでの知識があるのか試すものなのだろう。全て頭に入っている内容なのでなんの迷いもなく解き終えることができた。

空欄を全て埋めて提出するとランディーも驚いたのか口をあんぐり開けていた。

そりゃそうか今日習ってないことま多くあるのに満点を叩き出すとは予想もしてなかったんだろう。

「坊ちゃん!坊ちゃんは天才なのですか?!こんなに難しい内容も解くなんて…坊ちゃんには基礎内容から応用まで全て理解しているようですね…私は必要ないのかもしれないですね…。一度ご主人と話し合いをしますので今日のお勉強はここまでと致します!お疲れ様でした!」

そう言って小走りで父上の元へと向かって行った。

来てもらったのになんだかすまないなぁ…

お勉強が終わり特にやることもなかったので今日はもう部屋で休むことにした。

なんだかゲームの内容を知っているだけでなんとか乗り越えていけそうな気がしてきた。


しかしそんなに現実は甘くなかった。
もう少しして思い知らされることとなる…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【連載】異世界でのんびり食堂経営

茜カナコ
BL
異世界に飛ばされた健(たける)と大翔(ひろと)の、食堂経営スローライフ。

異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます

はるはう
BL
突然の過労死。そして転生。 休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。 転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。 そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・ 知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?

スキルも魔力もないけど異世界転移しました

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
なんとかなれ!!!!!!!!! 入社四日目の新卒である菅原悠斗は通勤途中、車に轢かれそうになる。 死を覚悟したその次の瞬間、目の前には草原が広がっていた。これが俗に言う異世界転移なのだ——そう悟った悠斗は絶望を感じながらも、これから待ち受けるチートやハーレムを期待に掲げ、近くの村へと辿り着く。 そこで知らされたのは、彼には魔力はおろかスキルも全く無い──物語の主人公には程遠い存在ということだった。 「異世界転生……いや、転移って言うんですっけ。よくあるチーレムってやつにはならなかったけど、良い友だちが沢山できたからほんっと恵まれてるんですよ、俺!」 「友人のわりに全員お前に向けてる目おかしくないか?」 チートは無いけどなんやかんや人柄とかで、知り合った異世界人からいい感じに重めの友情とか愛を向けられる主人公の話が書けたらと思っています。冒険よりは、心を繋いでいく話が書きたいです。 「何って……友だちになりたいだけだが?」な受けが好きです。 6/30 一度完結しました。続きが書け次第、番外編として更新していけたらと思います。

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~

シキ
BL
全寮制学園モノBL。 倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。 倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……? 真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。 一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。 こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。 今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。 当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

ヒロイン不在の異世界ハーレム

藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。 神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。 飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。 ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?

最弱伝説俺

京香
BL
 元柔道家の父と元モデルの母から生まれた葵は、四兄弟の一番下。三人の兄からは「最弱」だと物理的愛のムチでしごかれる日々。その上、高校は寮に住めと一人放り込まれてしまった!  有名柔道道場の実家で鍛えられ、その辺のやんちゃな連中なんぞ片手で潰せる強さなのに、最弱だと思い込んでいる葵。兄作成のマニュアルにより高校で不良認定されるは不良のトップには求婚されるはで、はたして無事高校を卒業出来るのか!?

腐男子ですが何か? 第二部

みーやん
BL
やぁやぁ!皆さん!あの王道学園。青藍学園に入学することができた俺!今日も今日とて萌えを追求するレオちゃんだよ! 夢にまで見た光景を目にすべく学園生活を送っております! 最近は色々な事があったけど…これからも僕ちん頑張ります‼︎ このお話は第一部に続き学園生活をテーマにあれこれ奮闘するお話です。

花の聖女として異世界に召喚されたオレ

135
BL
オレ、花屋敷コガネ、十八歳。 大学の友だち数人と旅行に行くために家の門を出たらいきなりキラキラした場所に召喚されてしまった。 なんだなんだとビックリしていたら突然、 「君との婚約を破棄させてもらう」 なんて声が聞こえた。 なんだって? ちょっとオバカな主人公が聖女として召喚され、なんだかんだ国を救う話。 ※更新は気紛れです。 ちょこちょこ手直ししながら更新します。

処理中です...