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3. 街の探索に行く
しおりを挟む散々泣き散らした後今日はもう休んだほうがいいということになり今俺は自分の部屋のベッドに寝っ転がっていた。
見慣れない天井を見ながらこれからのことについて考える。
この世界は間違いなくあの乙女ゲームの世界であることには変わりはない。
この世界の地図を見る限りそう確信できる。
しかも俺はきっと貴族であり、貴族が通うとされている学園。「星蒼山学園」も存在していることを確認した。
わからないことといえばここに来る前に見た「裏乙女ゲーム」の文字だ。
裏とは何を指すのか。そして何をすればクリア、すなわちニホンへ帰れるのか。
わからないことだらけだ。
だがここで一つほぼ確信していることがある。俺の知らないこのキャラと、名前。
これはゲームならではのモブは話にすら出てこないという法則により、俺はモブキャラだということだ。
とりあえず厄介なことに巻き込まれなさそうならなんでもいいが早くクリアして妹のところへ帰りたい。
そんなことを考えていると泣きすぎたせいかいつのまにか眠ってしまっていた。
次の日。
コンコン
「坊ちゃん。失礼します。」
その声で目が覚める。
ドアの方に目を向けるとメイドの服を着た女の子が立っていた。
「坊ちゃん。私のこともお忘れですよね。
私は坊ちゃんの専属メイド イリア と申します。坊ちゃんのお世話はお任せください。」
礼儀正しくお辞儀をするイリア
なんでいい子なんだろうか…!
いけない。中身が30なだけあっておじさん目線になってしまった。
「イリア。改めてよろしくね」
そう言ってイリアに握手を求めると少し驚いた様子だったが握手をしてくれた。
「まずはお着替えをいたしましょうか。」
そう言って素早い動きで俺の服を着替えさせてくれた。
一応俺にも恥ずかしい気持ちは持ち合わせているが抵抗する暇がないほどの素早さであったため諦めました。
「それでは坊ちゃん。旦那様と奥様が食堂でお待ちです。ご案内致しますのでどうぞこちらへ」
「イリアありがとう!」
そういうとイリアは微笑んで手を差し出してきた。
これは俺に手を繋げということか?
恥ずかしいにも程がある…‼︎
だが今の俺は見た目的に7歳ぐらいだろう…
ここは耐えるしかない!
差し出された手を握りイリアと共に食堂へ向かう。
少し歩き食堂に到着するとイリアが扉を開けてくれた。
中には昨日初めてあった父親と母親いた。
「「おはようリア!」」
「おはようございます!父上母上」
そう言って執事に導かれて自分の席へ座る。
椅子に座ると目の前には豪華な朝ごはんが並んでいた。
そのご飯に見とれていると父上が
「リア。昨日はよく眠れたか?」
そう心配そうに顔を覗き込みながら聞いてきた。
「もちろんです!とてもぐっすり眠れて疲れなんて一切ありません!」
「そうか!それはよかった!どうだ?もし良ければ朝ご飯を食べた後街に散歩にでも出掛けてくるか?」
街かぁ!そういえば窓の外から見る程度でよく見てないし、ゲームでは決められた場所にしか行けなかったから是非いってみたいところだ!
「いいのですか?是非行きたいです!」
そういうとセレスに何か伝え食事が終わった後行くといい言ってくれた。
やった!楽しみにだなぁ!
ゲーム内の街はどんなところなんだろうか…
すごく夢が広がる!
そうと決まれば早くご飯を食べて行こう!
ガツガツとご飯を食べたせいか喉を詰まらせたのは言うまでもない。
楽しい食事も終わり馬車で街へくりだした。
もちろん護衛兼世話役としてイリアがついてきてくれた。
街の中心地へ到着し、馬車を降りるとそこには今まで見なことがない食べ物を売っている店や美しい街並みが目に飛び込んできた。
思わず声が出る
「うわぁ!すっごい!」
イリアと並んで街を観光する。
手始めに目に留まった串焼き(なんの肉を焼いてるのかわからないもの)をイリアに言って買ってもらった。
一口食べてみると、なんというか見た目はコッテリとしたタレをかけた油っぽい肉のように見えていたがそんなことはなく逆にタレはあっさりとしており、程よく油がのったもも肉のようなものだった。
「美味しい!」
先ほど朝ご飯を食べたのに2、3本いけるほど美味しかった!
次に行ったのはアクセサリー屋さんのようなところだ。
お世話をしてくれるイリアにプレゼントを買いたかったからだ。
どれにしようか悩んでいたところイリアがじっと見つめているものに気づいた。
それはイリアの銀色の長い髪によく似合いそうな髪留めだった。
すぐに購入しそのままイリアにつけてあげるととても喜んでくれた。
満足‼︎
その後はこの世界俺が知らないことを知るために図書館へ向かい一日の半分をそこで過ごした。
暗くなってきたころ俺たちは家へと帰宅した。
帰宅して少ししてから母上と父上と食事をとり自分の部屋へ帰りそのまま風呂も済ませる。流石に風呂は一人で入りたいと無理を言ってイリアには遠慮してもらった。
図書館での成果はほぼほぼなかったが街の探索はとても有意義な時間だった。
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