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1. 乙女ゲーの世界に飛ばされたようです
しおりを挟むチュンチュンと鳥の鳴き声と爽やかな風を高級そうなベッドの上で感じる。
最後に覚えているのはゲームの画面に表示された「裏乙女ゲーム」の文字。
そしてその文字が今目の前にも見慣れたウィンドウに表示されている。
一つ違う点としては「開始しますか?」ではなく「スタート!」になっていることだ。その文字を認識するとウィンドウが閉じてしまった。
夢か。
そう思い思いっきり自分の頬をつねる。
痛すぎるよね。
もしかしてこれが現実だというのか?
一度は耳にした事あるゲームの世界に入り込むってやつか?
ふざけるのも大概にしてほしい。よりにもよって何故乙女ゲームの世界なんだ。
どうせなら剣と魔法のファンタジー世界とかが良かった…
何時までも嘆いていても何も変わらないのでとりあえず状況の把握を始める。
俺は一体誰なのかそこから確認する必要があった。
幸い俺は何度もゲームをプレイしていた分大体のゲームの流れとキャラの名前、性格までバッチリ覚えている。
鏡を探しベッドから降りる。
するとあることに気づいた。
手足が短い。なんだ?俺は一体誰になったんだ?こんな小さいキャラはいないはずだけど。
鏡を探していると机の上に手鏡を見つけた。
手に取り覚悟を決めてバッ!っと鏡に映る自分を見る。
「誰だこれ。」
見たこともない容姿だった。
ふわっとした癖毛の髪は黒に見えるが光が当たると深い青に。
瞳はエメラルドグリーン
唇は薄くほんのりピンク色
肌はこれでもかというほど白く、そして病的なほど体は細くなんといっても幼い見た目だ。
全体を通りして言えるのはザ.美少年だということだ。
「ほんとどういう事だよ…」
ポツリと呟く声はこの広い部屋に広がっていった。
コンコン
「坊ちゃん執事のセレスでございます。」
坊ちゃん?セレス?もぅわけがわからん。
とりあえず黙っているわけにもいかないのでドアを開けようと近づくと先にドアが開かれた。
そこには白髪混じりの頭をオールバックにしたイケオジの執事が立っていた。
「坊ちゃん!目が覚めていたのですね!このセレス、どれほど心配した事でしょう。」
ガシッという効果音がつきそうなほど力強く肩を掴まれる。
いやいやこわいよ。痛いよ
「あの…誰ですか?」
全く見覚えもない。肩が痛いからとりあえず離してほしい。
「…な!…!!坊ちゃん!私めがわからないのですか?!セレスです!坊ちゃんの専属執事の!」
「すみません。全くわかりません。」
覚えがないのだからそう答えるしかない。
「なんと…坊ちゃん。ご自分の名前がお分かりになりますか?」
「…すみません」
「わかりました…。ひとまずお医者様をお呼びして参ります」
そういうとセレス?と名乗った執事はそそくさと部屋を出て行った。
なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいだ…。
とりあえず状況をいち早く把握しなければ!
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