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隆一くんは困惑する
脱出
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「どうだ?」
隆一は深雪にそう訊いた。
「だめ。窓も無いし、出口も見つからなかった」
深雪は首を振りながらそう言った。
「クソッ!」
隆一は苛立ちのあまり、近くにあった椅子を蹴飛ばした。
このままではいけない。隆一は深呼吸し冷静になろうとした。何かここを出る方法は無いのだろうか......すると突然ドアがガチャガチャと音を立て始めた。
隆一と深雪は、恐怖と驚きで身動きが取れなくなってしまっていた。
ガチャンと音を立てた後、ノブがゆっくりと動きドアが開いた。
私は鍵を開けドアを開いた。中には目を覚ました人間達がこちらをじっと見つめてきていた。
「すいません。娘が勝手に鍵を閉めてしまって」
私はにこやかに笑いながらそう言った。やはり大きな音をたてすぎたようだ。二人とも目覚めてしまっていた。
「......葵はどこですか」
「......隆一君...だったかな。葵には他の部屋の掃除をしてもらっています」
「......『葵』? まあいいです。それよりなんで俺たちを起こさなかったんですか?」
「あまりにも気持ち良さそうに眠っていたので、起こさなかったんですよ」
「そうですか。まず葵に会わせてください」
隆一君は真っ直ぐに私を見つめていた。
「分かりました。こっちです」
私はそう言いながら感心していた。この人間は馬鹿では無いようで、不自然さを薄々感づいている。そう確信していた。
私は手招きし、廊下へ出た。
人間達は部屋から出ようとした。が、隆一君がもう一人に話しかける。
「深雪! お前はここにいろ! もし俺が十分以内に帰ってこなかったら警察に電話するんだ!」
「え!? 分かった......」
私はその話を訊きながら内心微笑んでいた。二度と同じ失敗をするつもりは無い。そう思っていた。
「葵はどこにいるんですか」
隆一君は廊下を歩きながら私に尋ねてきた。
「廊下を曲がったらすぐですよ」
私はそう言い、廊下を曲がる。突き当たりの扉を開けると、そこに葵はいた。隆一君は目を見開き固まった。
「どーん!」
待ち構えていた來唯が隆一君の頭めがけて金槌を振るった。隆一君はドサリと床に倒れる。
「ぱぱのいったとおりだね!」
來唯は椅子から飛び降りると、つんつんと隆一君をつつく。
「それじゃあ観客が目を覚ますまで休憩しようか。熱中症にならないようにしっかり水分補給をしておくんだよ」
私はそう言いながら隆一君を縄で縛る。
「こーらのんでもいい?」
來唯がにこにこ笑いながら訊いてくる。
「コーラは体に悪いから少しだけだぞ」
「わかった! おねえちゃんものもう!」
「分かったから手を引っ張らないでよ!」
二人の娘たちはじゃれあいながら拷問部屋を出ていった。私は、虚ろな目で天井を見上げている葵の治療を始めた。
これからが本番なのに死んでもらっては困る。私は葵の股間にめり込んでいたハンマーを持ち上げ、横に置いた。
隆一は深雪にそう訊いた。
「だめ。窓も無いし、出口も見つからなかった」
深雪は首を振りながらそう言った。
「クソッ!」
隆一は苛立ちのあまり、近くにあった椅子を蹴飛ばした。
このままではいけない。隆一は深呼吸し冷静になろうとした。何かここを出る方法は無いのだろうか......すると突然ドアがガチャガチャと音を立て始めた。
隆一と深雪は、恐怖と驚きで身動きが取れなくなってしまっていた。
ガチャンと音を立てた後、ノブがゆっくりと動きドアが開いた。
私は鍵を開けドアを開いた。中には目を覚ました人間達がこちらをじっと見つめてきていた。
「すいません。娘が勝手に鍵を閉めてしまって」
私はにこやかに笑いながらそう言った。やはり大きな音をたてすぎたようだ。二人とも目覚めてしまっていた。
「......葵はどこですか」
「......隆一君...だったかな。葵には他の部屋の掃除をしてもらっています」
「......『葵』? まあいいです。それよりなんで俺たちを起こさなかったんですか?」
「あまりにも気持ち良さそうに眠っていたので、起こさなかったんですよ」
「そうですか。まず葵に会わせてください」
隆一君は真っ直ぐに私を見つめていた。
「分かりました。こっちです」
私はそう言いながら感心していた。この人間は馬鹿では無いようで、不自然さを薄々感づいている。そう確信していた。
私は手招きし、廊下へ出た。
人間達は部屋から出ようとした。が、隆一君がもう一人に話しかける。
「深雪! お前はここにいろ! もし俺が十分以内に帰ってこなかったら警察に電話するんだ!」
「え!? 分かった......」
私はその話を訊きながら内心微笑んでいた。二度と同じ失敗をするつもりは無い。そう思っていた。
「葵はどこにいるんですか」
隆一君は廊下を歩きながら私に尋ねてきた。
「廊下を曲がったらすぐですよ」
私はそう言い、廊下を曲がる。突き当たりの扉を開けると、そこに葵はいた。隆一君は目を見開き固まった。
「どーん!」
待ち構えていた來唯が隆一君の頭めがけて金槌を振るった。隆一君はドサリと床に倒れる。
「ぱぱのいったとおりだね!」
來唯は椅子から飛び降りると、つんつんと隆一君をつつく。
「それじゃあ観客が目を覚ますまで休憩しようか。熱中症にならないようにしっかり水分補給をしておくんだよ」
私はそう言いながら隆一君を縄で縛る。
「こーらのんでもいい?」
來唯がにこにこ笑いながら訊いてくる。
「コーラは体に悪いから少しだけだぞ」
「わかった! おねえちゃんものもう!」
「分かったから手を引っ張らないでよ!」
二人の娘たちはじゃれあいながら拷問部屋を出ていった。私は、虚ろな目で天井を見上げている葵の治療を始めた。
これからが本番なのに死んでもらっては困る。私は葵の股間にめり込んでいたハンマーを持ち上げ、横に置いた。
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