成長する殺人鬼1(完結)

一二の三太郎

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四章 唯ちゃんの好きな人

『唯』爆笑

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「唯。お肉美味しいね」
 俺は、唯の炙った肉を噛み締めながら話しかけた。しかし、唯は泣きながら小刻みに震えるだけで、話を聞いてくれない。
「ねえ、聞いてる?」
 俺は唯の手を握り、優しく炙っていく。
「いやぁぁぁぁ! いたいぃぃぃ!」
 唯は大声で泣き叫んだ。よほど痛いのだろう。なかなか良い表情をしている。
 まったく。そんなリアクションができるのなら、最初から無視しないで欲しい。
「はい。ちゃんと反応してくれたお礼にお肉をあげるね」
 俺は唯の中に唯を入れようとした。初めは必死に口を閉じていたが、手を炙ってやると大人しく口を開いた。もっとも悲鳴付きだったが。
 大きく開いた口にお肉を放りこみ、優しく命令する。
「噛んで味わった後、飲み込んで」
 唯は涙を流しながら自分自身を味わい、取り込んだ。しかし、そのまま無言で目を閉じてしまった。
「感想は無いの?」
 俺は唯に質問した。
 折角美味しい部分を食べさせてあげたのに、感想を言わないなんて失礼な奴だ。
「......おねがい...もうやめてよ......」
 唯は俺を見つめ、涙で潤んだ瞳で訴えてきた。
「違うでしょ」
 俺は優しく教えてあげることにした。まったく。唯は何も分かってない。
「俺はさっきのお肉の味についての感想を聞いたの。唯が何をして欲しいかなんてどうでもいいんだよ」
 唯は俺の瞳をじっと見つめてきていた。俺はさらに言葉を続けた。
「良く分かって無いみたいだね。じゃあ今から言う事を復唱してね。分かった?」
 唯は話を聞いているのかいないのか、返事をしなかった。
「じゃあ、『とってもお肉美味しかった! もっとちょうだい!』て言って」
「............」
 唯は何も言わない。俺は少しイライラしていた。『五人目』はしっかり話を聞いてくれたのに、唯はいまいち話を聞いていないようだ。
「ねえ! 聞いてる?」
「............」
「おい。聞いてんの? 答えろよ」
「............」
「......もういいや。お前死ねよ」
 俺は、全く言うことを聞かない唯に苛立っていた。彼女にしてやった時にはあんなに喜んでいたくせに、今は彼氏の言うことを全く聞いてない。こいつは俺が思っていた以上に最低な女だ。
 俺は深くため息をつき、持っていたスピリタスの蓋を開け、飲み口を唯の膣に挿入した。
 唯は震えながらも、声は出さず、ごくごくとスピリタスを飲み干した。
 そして空になった瓶を放り投げ、素早くバスバーナーを膣に挿入した。そしてトリガーを握る。
「ギャアアアアアアア!」
 俺が今まで聞いてきた悲鳴の中で、一番うるさい声だった。体を必死によじり、腹を突き上げ、何とかして逃れようと暴れていた。俺は必死でトリガーを握る。絶対に手は離すものか。
 挿入したガスバーナーが唯を壊していく。唯の膣口は焼けただれ、煙を出していた。
 しかし、これは面白い。見た目にはほとんど損傷はないが、内蔵は焼けただれているのだろう。
 俺は、絶叫の合間に「オッオッオッ」と変な声を出している唯を笑いながら観賞し、最終イベントを待った。そして、ついにその時はやって来た。
『ボゥン!』
 何ともいえない音が唯の中から聞こえた。やっとスピリタスが引火したようだ。それと同時に一気に腹が膨れた。
「今だ!」
 俺は勢い良くガスバーナーを抜き取った。
 その瞬間、唯の膣から炎が噴き上がった。まるで、車のマフラーから出てくるアフターファイヤーのようだ。
 火を吹いたせいたろう。唯の腹はすぐに萎み、膣はくすぶった煙を立ち上らせた。中からスピリタスが漏れてくる度に、炎がポッポッポッと不規則に燃え上がる。
「......ブフッ...アハハハハハハ!」
 俺はその滑稽な様子に大爆笑してしまった。思わず膝を叩く。
「『ボゥン!』てなんだよ! しかも『ポッポッポッ』って火まで噴いちゃうし、もう面白すぎ! ブハハハハハ! もうダメ! お腹痛い! ギャハハハハハ!」
 俺は唯をバシバシ叩きながら笑い転げていた。俺の彼女は面白すぎる。最高だ。
 しばらく笑い転げた後、俺は涙を拭きながら立ち上がった。さて。次は唯の妹で遊ぼうかな。
「じゃあね。恋人になっていた期間は短かったけど、本当に楽しかったよ。特に最後なんか......ブフッ...」
 俺は最後に吹き出すと、唯にお別れのキスをし、部屋を出た。よし。これで『九人目』は殺した。次は『十人目』だ。






※(『スピリタス』は、アルコール度数が96パーセントのお酒です。未成年の飲酒は法律で禁止されています。お酒は二十歳になってから飲みましょうね)


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