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2章

リベンジ??????

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1.ザークが、いつものようにやる気の無い声で出席を取った後、教室を出ていった。最近色々な事があったせいか、教室がとても懐かしく感じる。
「裕次郎? この後は何するニャ?」
 ヤコが裕次郎の肩に飛び乗ってくる。右肩にはベルが、左肩には猫の姿に変身したヤコが乗っている。正直、重い。肩こり一直線だ。やっぱりヤコだけでも置いて来るんだった。そう思いながら裕次郎は、今朝の出来事を思い出す。

2.「なんでヤコちゃんだけ置いて行くのニャ! 絶対嫌ニャ!」
 ヤコが床に転がりながら、手足をバタつかせる。ぶっちゃけサキよりも子供っぽい。
 こいつ、俺の警護兼稽古役だよね? そもそも本当に強いの? ニャアニャア言う、変な奴ってだけじゃないの?
 裕次郎は疑問を感じながら、恥ずかしげも無く床で暴れているヤコを見下ろしていた。
 最初は家でお留守番していてもらうつもりだったのだが、
「嫌ニャ! 絶対ついていくニャ!」
 と子供の様に、だだをこね始めた。
 置いていく言い訳に、
「生徒以外は入れないから・・・」
 と、誤魔化そうとしたが、全く聞き入れない。
「サキとベルと豆芝は良いのかニャ?  何でヤコちゃんだけダメなのニャ!  猫差別ニャ!」
 フンフンと鼻息を荒くしながら起き上がり、裕次郎に詰め寄る。
「ほんとはいったらだめなの?」
 裕次郎の手を引きながら、サキが涙目で見上げてきた。
「サキはいいんだよ!」
 裕次郎は、サキと目線を合わせるように座り込み、頭を撫でた。
「・・・うん。わかった!」
 涙をこらえるように鼻を啜り、にっこりと笑いかけてきた。
「ニャンでニャンニャ! ニャんでサキは良くて、ヤコちゃんはダメニャンニャ!」
 ヤコが反論するが、半分以上ニャンニャン言っていて、もう意味が分からない。
「サキは子供、ベルと豆芝は・・・小さいでしょ!ヤコは大きいからダメなの!」
 裕次郎は、指差しながら強引に説得しようとする。正直、自分でもメチャクチャな理由だと思っていた。
「・・・わかったニャ」
 ヤコが納得したのか、数歩後ろに下がった。
身体変身トランスフォーム・イリュージョンニャ~」
 呪文を唱え、ヤコの体が煙幕に包まれた。煙が徐々に晴れ、そこから現れたのは、一匹の猫だった――。

3.「裕次郎、早く行くぞ」
 考え事をしていた裕次郎は、イザベルが近づいて来た事に気づくのが遅れた。
「ああ、ごめん。考え事をしてた」
 裕次郎は頭を掻いて誤魔化す。
「しっかりしてくれよ。今日が最後のクエストだぞ」
 イザベルが呆れたように笑い、サキを抱き上げた。
「サキは私が面倒を見ておこう。今日も頑張ることだ」
 そう言うと、嬉しそうなサキを片手に、教室を出ていった。
 裕次郎は、
『ヤコも預かってくれないかなぁ』
 と、肩の重みを感じながら考えていた。
「早く行くニャ!」
 ヤコが体を大きく左右に揺すり始めた。
「分かったから揺すらないで!」
 裕次郎は倒れそうになりながらも、体を支えた。まるで動物園だ・・・
「ウジ、ウジウジ」(裕次郎さんも、大変ですわね)
 ベルが、優しい言葉をかけてくれた。裕次郎は、言葉が分かるようにしてくれた蠅の王ベルゼブブに、少しだけ感謝していた。

4.「ヤコちゃんニャ! よろしくニャ!」
 ヤコは裕次郎の肩から音もなく飛び下り、猫の姿のままルイーゼとシャルロットに挨拶をした。
「そう。よろしく」
 ルイーゼは、『どうでもいい』と言わんばかりの態度で、ヤコを見下ろす。
「私、犬派なので。それより豆芝ちゃん! 遊びましょう!」
「わんわん!」
 シャルロットは、いつものように豆芝と遊び始める。二人の周りだけ、なんかキラキラしているのは、気のせいだろうか。
「・・・裕次郎の仲間は変なのが多いニャ」
 ヤコが呆れたような表情を作るが、裕次郎は、
『一番変なのはお前だよ』
 と、突っ込みを入れるのを我慢していた。
「良いクエストが見つかったぞ! リベンジだ!」
 そう言いながら、イザベルが裕次郎の側へ走ってくる。
「どうだ?」
 手渡してきたクエスト用紙には、
水龍ウォーター・ドラゴン
 の文字が書かれていた。
 

続く。


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