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2章
地獄にご招待????
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1.「もう願い事は決まってるんだ」
裕次郎は、ヤコの肩に優しく手を置いた。気のせいか、肩が震えているようにも見える。
「・・・決まったかのかニャ?」
ヤコは警戒するように、おそるおそる聞いてくる。
「うん。それは・・・」
裕次郎が、お願いを言いかけたその時、
『バキィ!』
と、大きな音がしてドアが破壊され、ベルが転がってきた。
「ウジ! ウジウジ!」
体を真っ赤にし、突起を振り回している。
「なに事ニャ!?」
ヤコが、ビックリしたように首を左右に振る。
「ベル? どうしたの?」
裕次郎はしゃがみ込むと、ベルに聞いてみた。
「ウジ!!」
突然、ベルがロケットのように突っ込んできた。裕次郎は避けきれず、顎に頭突きをくらった。
脳震盪を起こしたのか、裕次郎の意識は、闇の中へ落ちていった。
2.裕次郎が目を覚ますと、天井が目に入った。赤く、どす黒い、まるで血のような色合いだ。
『貴様。いつまで寝ている。起きろ』
突然呼ばれ、裕次郎は慌てて体を起こす。
『娘が世話になっているな』
目の前には、蠅の王が鎮座していた。よく見ると、後ろの方から、ベルが隠れるようにこちらの様子を窺っている。
『娘から話は聞いたぞ。他の雌に浮気しようとしたらしいな』
蠅の王は、虹色に輝く羽を大きく広げる。どうやらご機嫌ななめのご様子。
裕次郎は、ビビりながらもお怒りの理由を考えるが、思い当たる節が無い。
そもそも、ここがどこかも分からないし、浮気? の意味も分からないし、分からないことだらけ・・・
『ここは地獄だ。貴様が我が娘と婚約し、他の雌と浮気しかけたと聞き、逆召喚したのだ』
蠅の王は、どうやら裕次郎の考えていることがわかるようだ。
「え? ベルと婚約? 浮気?」
裕次郎は、婚約した記憶が全く無い。そんなことを考えていると、勝手に足が動き始めた。
すたすたと蠅の王の目の前まで歩かさせる。裕次郎の視界いっぱいに、逆三角形の顔が見えた。
次の瞬間、蠅の王の大顎が、裕次郎の右腕に噛みついた。
「いたぁい!」
裕次郎は、痛みと恐怖で叫ぶ。蠅の王はすぐに離したが、噛まれた所はズキズキと脈打ち、とても熱い。
『よし。これで良いはずだ』
蠅の王はそう言うと、裕次郎に向き直る。その複眼を見た瞬間、意識を失った。
3.裕次郎は、不思議な空間をさまよっていた。蠅の王の力なのか、いきなり変な世界へ飛ばされてしまった。
ここはどうやら、俺の記憶が関係している世界のようだ。キラキラ光輝く記憶の破片が、あちこちに浮かんでいる。
この破片に触れると、過去の記憶を追体験できるようだ。さっきも適当に触った破片が水龍を倒した時の物で、ひどい目に合った。
裕次郎は、上も下も分からない世界で漂う。すると、一つの欠片が猛スピードでこっちに向かってきた。
避ける間もなく、欠片は記憶を見せ始めた。
4.裕次郎は、過去の記憶を見せられていた。たしかこれは、休みの日にみんなで川岸へ行った後の記憶だ。
―― 裕次郎は泥のついた服を脱ぎ捨て、お風呂場に入る。
「ウジウジ!」(強引過ぎますよ!)
体を赤くしながら必死に抵抗するベルを、無理矢理風呂場へつれていく。
まず自分の体を綺麗に洗った後、裕次郎はベルの体も綺麗に洗う。
「・・・・・・」(・・・・・・)
隅々まで綺麗に洗われたベルは、床に力なく横たわる。
裕次郎は自分の体を拭いた後、無言で倒れているベルを綺麗に拭き上げた――
・・・あれ? ベルの言葉が分かる? いや、そんな事は今はどうでもいい。一番ヤバイのは、予想していた何倍もベルの知能が高そうな所だ。ぶちゃっけ、ただのツチノコだと思ってた。これもう俺、強制わいせつで逮捕されるレベルじゃね?
裕次郎は、おそるおそる続きを見始める。
――「裕次郎! 風呂があいたぞ!」
イザベルが、サキの頭をタオルで拭いている。
食器を洗い終わりくつろいでいた裕次郎は、暴れるベルを抱きかかえ風呂場へ向かった。
「ふぅ~」
「ウジ~」(気持ちいいですわ~)
裕次郎はベルと一緒に浴槽へ入っていた。
「ベルは洗われるの嫌いなの?」
裕次郎はなんとなく聞いてみる。いつも一緒に入っているのだが、洗う時にはいつも暴れる。
「ウ・・・ウジ・・・」(ま・・・まだ恥ずかしいんです・・・)
ベルは視線を逸らした。
「もうそろそろ馴れてもいいんじゃない?」
裕次郎は優しくベルを見つめる。
「・・・ウジ!」(・・・私決めましたわ!)
ベルはしばらく考えるように目を閉じた後、何かを決心したように近づいてきた。必死に左右の突起で裕次郎の腕にしがみついてくる。
「ウジウジ!!」(結婚を前提にお付き合いしてください!!)
ベルが訴えるような目で裕次郎を見つめてくる。
「うん?」
裕次郎がそう言うと、ベルは嬉そうに答える。
「ウジ! ウジウジ!」(本当ですか! よろしくお願いしますね!)
のぼせそうになった裕次郎は、嬉しそうなベルを抱き上げ、風呂場を出ていった――
・・・マジか。俺ガッツリ婚約してんじゃん。これどうしようか。
裕次郎が頭を悩ませていると、突然怒鳴り声が聞こえてきた。
『早く戻れ!』
次の瞬間、裕次郎の意識は暗闇に落ちた。
5.『どうだ?』
声を掛けられ、はっと前を見ると、目の前で蠅の王が羽を擦り、音を鳴らしていた。
「婚約・・・してました・・・」
裕次郎は、目を逸らしながら答える。
『なら、決まりだな』
「待ってください! まだそういうのは早いかと・・・」
『時間はある。問題は無いはずだ』
「でも・・・」
『これ以上我が娘を拒否すれば、殺すぞ』
蠅の王が裕次郎の頬に爪を立てる。
「ごめんなさいなんでもないです」
裕次郎はビビり、それ以上口答えをしなかった。
『用件は以上だ』
蠅の王はそう言うと、背を向けた。
「ウジ・・・」(裕次郎さん・・・)
ベルが、潤んだ瞳で柱の陰から見つめてくる。
・・・あれ? まだベルの言葉が分かる。なんで?
裕次郎の疑問に答えるように、蠅の王の声が頭に響いてくる。
『貴様の腕に噛みついた時に、言葉が分かるようにした。これで、より娘と仲良くなれるだろう』
「ウジウジ~」(頭突きしてごめんなさい~)
ベルは柱の陰から飛び出し抱きついてくる。そのまま、いつもの肩の上に乗ってきた。
「大丈夫だよ! もう帰ろうか」
裕次郎が撫でると、ベルは気持ち良さそうに目を細めた。
『今から現世に送り帰す。時限移動で、多少時間が戻るかも知れんが、特に問題は無い』
また頭の中に声が響いてくる。
「わかりました」
『......貴様に一つ言っておく事がある』
「なんですか?」
『自覚が無いかも知れんが、貴様は精神が崩れている部分がある。今後、気を付けることだ』
「はあ・・・」
精神が崩れている? 五千回近く殺されてもびくともしない、鋼メンタルのこの俺が? ないないない。
「大丈夫ですよ!」
裕次郎は元気良く答えた。そして、ベルと共に現世に帰って来た。
6.地獄から戻り、ふと気気が付くと俺はヤコの肩に手を乗せていた。やっぱり肩が少し震えている。
「・・・わかったニャ。なにすればいいかニャ?」
ヤコは何かを考えているのか、裕次郎とは視線を合わせようとせず、肩に置かれた手をじっと見つめている。
「・・・・・・」
裕次郎は何も答えず、両手でヤコの肩を掴み、そのままベッドへ優しく寝かせた。
「やっぱり疲れたし今日はいいや。俺も、もう休むよ」
裕次郎が、ヤコに布団をかけてあげると安心したように息を吐き出した。
「ニャア・・・ビックリしたニャ・・・なんか変な勘違いしてたニャ! ニャハハハ!」
ヤコはそう言うと、毛布を頭から被った。
7.裕次郎は、リビングで横になりながら考えていた。やっぱり、ヤコに変なお願いするのは止めよう。
ちゃんとモテモテのハーレムを作るには、やっぱり好きになってもらわないとね! そしたらエロい事しまくろう・・・グヒヒ
裕次郎が、妄想を膨らませてニヤニヤしていると、ベルがギュッと抱きついてきた。
続く。
裕次郎は、ヤコの肩に優しく手を置いた。気のせいか、肩が震えているようにも見える。
「・・・決まったかのかニャ?」
ヤコは警戒するように、おそるおそる聞いてくる。
「うん。それは・・・」
裕次郎が、お願いを言いかけたその時、
『バキィ!』
と、大きな音がしてドアが破壊され、ベルが転がってきた。
「ウジ! ウジウジ!」
体を真っ赤にし、突起を振り回している。
「なに事ニャ!?」
ヤコが、ビックリしたように首を左右に振る。
「ベル? どうしたの?」
裕次郎はしゃがみ込むと、ベルに聞いてみた。
「ウジ!!」
突然、ベルがロケットのように突っ込んできた。裕次郎は避けきれず、顎に頭突きをくらった。
脳震盪を起こしたのか、裕次郎の意識は、闇の中へ落ちていった。
2.裕次郎が目を覚ますと、天井が目に入った。赤く、どす黒い、まるで血のような色合いだ。
『貴様。いつまで寝ている。起きろ』
突然呼ばれ、裕次郎は慌てて体を起こす。
『娘が世話になっているな』
目の前には、蠅の王が鎮座していた。よく見ると、後ろの方から、ベルが隠れるようにこちらの様子を窺っている。
『娘から話は聞いたぞ。他の雌に浮気しようとしたらしいな』
蠅の王は、虹色に輝く羽を大きく広げる。どうやらご機嫌ななめのご様子。
裕次郎は、ビビりながらもお怒りの理由を考えるが、思い当たる節が無い。
そもそも、ここがどこかも分からないし、浮気? の意味も分からないし、分からないことだらけ・・・
『ここは地獄だ。貴様が我が娘と婚約し、他の雌と浮気しかけたと聞き、逆召喚したのだ』
蠅の王は、どうやら裕次郎の考えていることがわかるようだ。
「え? ベルと婚約? 浮気?」
裕次郎は、婚約した記憶が全く無い。そんなことを考えていると、勝手に足が動き始めた。
すたすたと蠅の王の目の前まで歩かさせる。裕次郎の視界いっぱいに、逆三角形の顔が見えた。
次の瞬間、蠅の王の大顎が、裕次郎の右腕に噛みついた。
「いたぁい!」
裕次郎は、痛みと恐怖で叫ぶ。蠅の王はすぐに離したが、噛まれた所はズキズキと脈打ち、とても熱い。
『よし。これで良いはずだ』
蠅の王はそう言うと、裕次郎に向き直る。その複眼を見た瞬間、意識を失った。
3.裕次郎は、不思議な空間をさまよっていた。蠅の王の力なのか、いきなり変な世界へ飛ばされてしまった。
ここはどうやら、俺の記憶が関係している世界のようだ。キラキラ光輝く記憶の破片が、あちこちに浮かんでいる。
この破片に触れると、過去の記憶を追体験できるようだ。さっきも適当に触った破片が水龍を倒した時の物で、ひどい目に合った。
裕次郎は、上も下も分からない世界で漂う。すると、一つの欠片が猛スピードでこっちに向かってきた。
避ける間もなく、欠片は記憶を見せ始めた。
4.裕次郎は、過去の記憶を見せられていた。たしかこれは、休みの日にみんなで川岸へ行った後の記憶だ。
―― 裕次郎は泥のついた服を脱ぎ捨て、お風呂場に入る。
「ウジウジ!」(強引過ぎますよ!)
体を赤くしながら必死に抵抗するベルを、無理矢理風呂場へつれていく。
まず自分の体を綺麗に洗った後、裕次郎はベルの体も綺麗に洗う。
「・・・・・・」(・・・・・・)
隅々まで綺麗に洗われたベルは、床に力なく横たわる。
裕次郎は自分の体を拭いた後、無言で倒れているベルを綺麗に拭き上げた――
・・・あれ? ベルの言葉が分かる? いや、そんな事は今はどうでもいい。一番ヤバイのは、予想していた何倍もベルの知能が高そうな所だ。ぶちゃっけ、ただのツチノコだと思ってた。これもう俺、強制わいせつで逮捕されるレベルじゃね?
裕次郎は、おそるおそる続きを見始める。
――「裕次郎! 風呂があいたぞ!」
イザベルが、サキの頭をタオルで拭いている。
食器を洗い終わりくつろいでいた裕次郎は、暴れるベルを抱きかかえ風呂場へ向かった。
「ふぅ~」
「ウジ~」(気持ちいいですわ~)
裕次郎はベルと一緒に浴槽へ入っていた。
「ベルは洗われるの嫌いなの?」
裕次郎はなんとなく聞いてみる。いつも一緒に入っているのだが、洗う時にはいつも暴れる。
「ウ・・・ウジ・・・」(ま・・・まだ恥ずかしいんです・・・)
ベルは視線を逸らした。
「もうそろそろ馴れてもいいんじゃない?」
裕次郎は優しくベルを見つめる。
「・・・ウジ!」(・・・私決めましたわ!)
ベルはしばらく考えるように目を閉じた後、何かを決心したように近づいてきた。必死に左右の突起で裕次郎の腕にしがみついてくる。
「ウジウジ!!」(結婚を前提にお付き合いしてください!!)
ベルが訴えるような目で裕次郎を見つめてくる。
「うん?」
裕次郎がそう言うと、ベルは嬉そうに答える。
「ウジ! ウジウジ!」(本当ですか! よろしくお願いしますね!)
のぼせそうになった裕次郎は、嬉しそうなベルを抱き上げ、風呂場を出ていった――
・・・マジか。俺ガッツリ婚約してんじゃん。これどうしようか。
裕次郎が頭を悩ませていると、突然怒鳴り声が聞こえてきた。
『早く戻れ!』
次の瞬間、裕次郎の意識は暗闇に落ちた。
5.『どうだ?』
声を掛けられ、はっと前を見ると、目の前で蠅の王が羽を擦り、音を鳴らしていた。
「婚約・・・してました・・・」
裕次郎は、目を逸らしながら答える。
『なら、決まりだな』
「待ってください! まだそういうのは早いかと・・・」
『時間はある。問題は無いはずだ』
「でも・・・」
『これ以上我が娘を拒否すれば、殺すぞ』
蠅の王が裕次郎の頬に爪を立てる。
「ごめんなさいなんでもないです」
裕次郎はビビり、それ以上口答えをしなかった。
『用件は以上だ』
蠅の王はそう言うと、背を向けた。
「ウジ・・・」(裕次郎さん・・・)
ベルが、潤んだ瞳で柱の陰から見つめてくる。
・・・あれ? まだベルの言葉が分かる。なんで?
裕次郎の疑問に答えるように、蠅の王の声が頭に響いてくる。
『貴様の腕に噛みついた時に、言葉が分かるようにした。これで、より娘と仲良くなれるだろう』
「ウジウジ~」(頭突きしてごめんなさい~)
ベルは柱の陰から飛び出し抱きついてくる。そのまま、いつもの肩の上に乗ってきた。
「大丈夫だよ! もう帰ろうか」
裕次郎が撫でると、ベルは気持ち良さそうに目を細めた。
『今から現世に送り帰す。時限移動で、多少時間が戻るかも知れんが、特に問題は無い』
また頭の中に声が響いてくる。
「わかりました」
『......貴様に一つ言っておく事がある』
「なんですか?」
『自覚が無いかも知れんが、貴様は精神が崩れている部分がある。今後、気を付けることだ』
「はあ・・・」
精神が崩れている? 五千回近く殺されてもびくともしない、鋼メンタルのこの俺が? ないないない。
「大丈夫ですよ!」
裕次郎は元気良く答えた。そして、ベルと共に現世に帰って来た。
6.地獄から戻り、ふと気気が付くと俺はヤコの肩に手を乗せていた。やっぱり肩が少し震えている。
「・・・わかったニャ。なにすればいいかニャ?」
ヤコは何かを考えているのか、裕次郎とは視線を合わせようとせず、肩に置かれた手をじっと見つめている。
「・・・・・・」
裕次郎は何も答えず、両手でヤコの肩を掴み、そのままベッドへ優しく寝かせた。
「やっぱり疲れたし今日はいいや。俺も、もう休むよ」
裕次郎が、ヤコに布団をかけてあげると安心したように息を吐き出した。
「ニャア・・・ビックリしたニャ・・・なんか変な勘違いしてたニャ! ニャハハハ!」
ヤコはそう言うと、毛布を頭から被った。
7.裕次郎は、リビングで横になりながら考えていた。やっぱり、ヤコに変なお願いするのは止めよう。
ちゃんとモテモテのハーレムを作るには、やっぱり好きになってもらわないとね! そしたらエロい事しまくろう・・・グヒヒ
裕次郎が、妄想を膨らませてニヤニヤしていると、ベルがギュッと抱きついてきた。
続く。
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