10 / 15
本編
09.ギルドの裏側で
しおりを挟む
これはギルドの関係者以外立ち入り禁止の場所で行われた、ギルドの極秘会議である。
「今日、新人が持ってきたというヒトリダケについてだ。」
「あのヒトリダケのサイズは過去の資料にも2・3件というレアケースだ。何かタネがあるに違いない。」
「新人からは1人でヒトリダケを採りに行ったといっていました。なにか理由があるんでしょうか。」
「1人というワードに意味がありそうですね。明日呼び出して詳細を聞いてみましょう。」
「これでヒトリダケ不足が解消されるといいんですが…。」
「そうなれば新人のランクをもう1段階上げることも視野に入れることになります。」
「パーティー単位で上げるか彼個人で上げるか迷いどころですね。」
「単独で上げるのが妥当でしょう。」
「明日彼を呼び出した時に値段の交渉もしましょう。売ってもらわないと困りますから多少の痛手は覚悟しておいてください。」
「「「了解。」」」
「おはよう。」
「おはよう!」
昨日はお店で買いたい服を見て回った。今日か明日かにヒトリダケの値段が決まると嬉しいんだが…。
「あんた!ギルドでなんかやらかしたのかい?」
部屋から出た途端宿屋のおばちゃんに声をかけられた。ヒトリダケのことかな?
「ギルドに呼び出されるなんて相当だよ~。」
「シンさんですね。こちらへどうぞ。」
ギルドに着くやいなや職員さんに呼び出された。
銀行に宝くじを受け取りに行ってる気分だ。
「おはよう。君には聞きたいことが山ほどある。」
もしかしてギルド長だろうか。貫禄が違う。聞きたいことってなんだろう。
「まずは巨大ヒトリダケの採集感謝する。必要量としてはまだまだではあるが君が採ってきたものは大きな進歩となったことは間違いない。」
あのサイズのヒトリダケってそこまですごい事だったのか。みんな1人で行くことを知らないのかな。
「そこでだ。どうやってヒトリダケを採集したのかを教えて欲しい。もちろん教えてもらえれば報酬に色を付けさせてもらう。」
1人で採りにいくだけって昨日言った気がするんだけど…。伝わってなかったのかな。
「僕は1人で採りに行っただけです。今までそういった方はいなかったんですか?」
「そういった者の報告は上がっていない。ほんとう1人で採りにいくだけなのか?」
「ええ。」
「分かった。おい!今すぐ単独依頼手配しろ!報酬は高めに設定忘れんな!」
ギルドの裏側が騒がしくなってきた。もしかして僕達すごい事したんじゃないか?
「よし、シン。今度は報酬の話だ。ギルド内の資料を漁ってみると過去にも2・3度同じようなサイズのヒトリダケの買取履歴があった。それらは全て80万Gで取引されていた。」
「はちじゅうまん!?」
「そうなるのも無理はない。今回はそれに情報料を加えた100万Gでどうだ?」
「ひゃっ!?」
なんなんだその値段は!頭おかしいんじゃないか!?何が薬草100gで500Gだよ!薬草がかわいそうだわ!
「この値段はギルドからしても相当頑張った値段だ。出来ればこれで勘弁して欲しい。」
「な、なな、何言ってるんですか!?そっそんな、100万Gなんて、20ヶ月分の生活費ですよ!」
「もしかして不満か?」
「とんでもない!逆にいいんですか?」
「もちろんだ。これだけの発見をしたんだから。」
「シンさんおめでとうございます。冒険者ランク二階級昇格になります!これでシンさんの冒険者ランクはDとなります。他のパーティーの方は一段階昇格でEランクとなります。」
二段階!?これもヒトリダケの影響か?
「なんで僕だけ二段階なんですか?」
「本来は薬草採集の依頼達成で皆さん同じEランクへ昇格なのですがシンさんはヒトリダケの件があるのでもう一段階昇格しました。」
「はあ。」
「シンさんはもう少し自分がすごい事をしたっていう自覚を持った方がいいですよ。」
まだ現実を受け入れきれない。
「それとシンさん。100万G、バンクに振り込んでおきました。最初は自分が生活できる程度にって言っていたのに~隅に置けませんね。」
「しようと思ってしたんじゃないんですけどね。」
「またまた~謙遜しちゃって~。」
「職員さん、口調変わってますよ。」
「ハッ!失礼しました。そんなことより早くパーティーの方に報告してあげてください。きっと喜びますよ!」
「はい。」
僕はギルドバンクから10万Gを取り出してから宿へと向かった。
「「「「おかえり!」」」」
「ただいま。」
「結果、どうやったん?服買えそう?」
「どうか、服だけは買わせてください!」
「結果から言います。あのキノコ、100万Gで買い取ってもらいました。」
「「「「は?」」」」
「ギルド長、シンさんには納得してもらえましたか?」
「ああ。でもあいつ自分がすごい事をしたって気付いてなかったみたいだぞ。」
「謙遜してるんですよ。きっと。それよりか次の全体会議でこの事話さないと行けませんね。」
「胃が痛い。」
「我慢してください。」
こうしてヒトリダケ騒動は幕を閉じた。
「今日、新人が持ってきたというヒトリダケについてだ。」
「あのヒトリダケのサイズは過去の資料にも2・3件というレアケースだ。何かタネがあるに違いない。」
「新人からは1人でヒトリダケを採りに行ったといっていました。なにか理由があるんでしょうか。」
「1人というワードに意味がありそうですね。明日呼び出して詳細を聞いてみましょう。」
「これでヒトリダケ不足が解消されるといいんですが…。」
「そうなれば新人のランクをもう1段階上げることも視野に入れることになります。」
「パーティー単位で上げるか彼個人で上げるか迷いどころですね。」
「単独で上げるのが妥当でしょう。」
「明日彼を呼び出した時に値段の交渉もしましょう。売ってもらわないと困りますから多少の痛手は覚悟しておいてください。」
「「「了解。」」」
「おはよう。」
「おはよう!」
昨日はお店で買いたい服を見て回った。今日か明日かにヒトリダケの値段が決まると嬉しいんだが…。
「あんた!ギルドでなんかやらかしたのかい?」
部屋から出た途端宿屋のおばちゃんに声をかけられた。ヒトリダケのことかな?
「ギルドに呼び出されるなんて相当だよ~。」
「シンさんですね。こちらへどうぞ。」
ギルドに着くやいなや職員さんに呼び出された。
銀行に宝くじを受け取りに行ってる気分だ。
「おはよう。君には聞きたいことが山ほどある。」
もしかしてギルド長だろうか。貫禄が違う。聞きたいことってなんだろう。
「まずは巨大ヒトリダケの採集感謝する。必要量としてはまだまだではあるが君が採ってきたものは大きな進歩となったことは間違いない。」
あのサイズのヒトリダケってそこまですごい事だったのか。みんな1人で行くことを知らないのかな。
「そこでだ。どうやってヒトリダケを採集したのかを教えて欲しい。もちろん教えてもらえれば報酬に色を付けさせてもらう。」
1人で採りにいくだけって昨日言った気がするんだけど…。伝わってなかったのかな。
「僕は1人で採りに行っただけです。今までそういった方はいなかったんですか?」
「そういった者の報告は上がっていない。ほんとう1人で採りにいくだけなのか?」
「ええ。」
「分かった。おい!今すぐ単独依頼手配しろ!報酬は高めに設定忘れんな!」
ギルドの裏側が騒がしくなってきた。もしかして僕達すごい事したんじゃないか?
「よし、シン。今度は報酬の話だ。ギルド内の資料を漁ってみると過去にも2・3度同じようなサイズのヒトリダケの買取履歴があった。それらは全て80万Gで取引されていた。」
「はちじゅうまん!?」
「そうなるのも無理はない。今回はそれに情報料を加えた100万Gでどうだ?」
「ひゃっ!?」
なんなんだその値段は!頭おかしいんじゃないか!?何が薬草100gで500Gだよ!薬草がかわいそうだわ!
「この値段はギルドからしても相当頑張った値段だ。出来ればこれで勘弁して欲しい。」
「な、なな、何言ってるんですか!?そっそんな、100万Gなんて、20ヶ月分の生活費ですよ!」
「もしかして不満か?」
「とんでもない!逆にいいんですか?」
「もちろんだ。これだけの発見をしたんだから。」
「シンさんおめでとうございます。冒険者ランク二階級昇格になります!これでシンさんの冒険者ランクはDとなります。他のパーティーの方は一段階昇格でEランクとなります。」
二段階!?これもヒトリダケの影響か?
「なんで僕だけ二段階なんですか?」
「本来は薬草採集の依頼達成で皆さん同じEランクへ昇格なのですがシンさんはヒトリダケの件があるのでもう一段階昇格しました。」
「はあ。」
「シンさんはもう少し自分がすごい事をしたっていう自覚を持った方がいいですよ。」
まだ現実を受け入れきれない。
「それとシンさん。100万G、バンクに振り込んでおきました。最初は自分が生活できる程度にって言っていたのに~隅に置けませんね。」
「しようと思ってしたんじゃないんですけどね。」
「またまた~謙遜しちゃって~。」
「職員さん、口調変わってますよ。」
「ハッ!失礼しました。そんなことより早くパーティーの方に報告してあげてください。きっと喜びますよ!」
「はい。」
僕はギルドバンクから10万Gを取り出してから宿へと向かった。
「「「「おかえり!」」」」
「ただいま。」
「結果、どうやったん?服買えそう?」
「どうか、服だけは買わせてください!」
「結果から言います。あのキノコ、100万Gで買い取ってもらいました。」
「「「「は?」」」」
「ギルド長、シンさんには納得してもらえましたか?」
「ああ。でもあいつ自分がすごい事をしたって気付いてなかったみたいだぞ。」
「謙遜してるんですよ。きっと。それよりか次の全体会議でこの事話さないと行けませんね。」
「胃が痛い。」
「我慢してください。」
こうしてヒトリダケ騒動は幕を閉じた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
魂売りのレオ
休止中
ファンタジー
このお話はしばらく投稿をお休みします。
余裕ができたらまた続きを書きますので。
※注意:この作品は、ちょっと暗いシーンが多かったり、進むにつれて「性格の悪い美女に”イジワル”をされたい」という作者の願望が発露していきます。そういったものが苦手な方はご注意ください。
☆★☆★☆
ぼくはアーサー。歳は十七。
元は都で騎士をしていたけど、いろいろあっていまは”魔の森”でレオと暮らしている。
レオはすごい魔術師で、世界一の美女だ。
そして人間の魂を扱う”魂売り”という商売をしている。
魂売りを知らない? ぼくもここに来るまで知らなかった。
魂売りは、死んだ人間の魂を捕らえて高額で販売したり、魔法でいろいろしたりする。
だけど魂なんてものをほしがるのは異常な状態のひとばかりだから、ほとんどの客は不幸な目にあってしまう。
でもレオはひとの不幸が大好きだから、むしろそれをたのしんでいるんだ。性格悪いよ、ホント。
それにレオはいつもぼくにいやらしいことばかりしてくる。
昼間からぼくを誘惑したり、おもてでみだらなことをしてくる。
まったく困ったもんだよ。騎士はいつだって高潔で誇り高くなくちゃいけないっていうのに、昼間からそんなことしていいわけないじゃないか。
場所もわきまえないし、ひとがいたって気にしないし、本当にどうかしてるよ。
でもぼくはそんなレオを愛している。
レオと暮らせることがなによりもしあわせに感じる。
どんなに恐ろしいことも、どんなに苦しいことも、彼女といっしょなら受け入れてしまうんだ。
はちゃめちゃな毎日だけど、この生活が永遠に続くといいなぁ。
☆★☆★☆
一話を七部前後で構成しております。
月一話投稿で、残念ながら毎日投稿はできません。
それでもよろしければ読んでみてください。もしかしたらおもしろいかもしれませんよ。
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる