9 / 10
狼の巫女 全国版 8 単独行動
しおりを挟む
狼の巫女 全国版 8 単独行動
今日は全体的に静かだった。お姉さんに訳を訪ねると、環境保護団体が来ていないからだという。
「警察の矛先を環境保護団体に向けられたのはでかいね、調査団も延期になるでしょ」
「だろうな、ははは」
久しぶりの和やかな雰囲気。状況は持ち直したということなのかな。
「まさか警察と調査団潰しを両方同時に行うとはね」
「でもこれでまた注目を集めたから、また野次馬が増えるだろうね」
「だったら昼間だね警戒するのは、よし、早めに寝よう」
みんなは今夜は早く寝てしまった。つまらないからやっぱり外に出る。つまらないからっていうとおかしいかな。私は山がふるさとだから、なにもなければ自然とそちらへ足が向く。
「雪香さんっ」
普段神社に入り浸っている三匹のうち一匹が急いで走ってきた。勝手に出たらいけないととがめるが、それは後と話を切り替える。
「わふわふ(調査団が来たんだよ!)」
「わふっ?(えっ?)」
「後の二匹は雪音たちを起こしてるんだ。でもあいつらはそこまで雪に得意なわけじゃない。だから雪香と狼でやらなきゃいけないんだ」
「わふ(わかった)」
そういうと、駆けて森の向こうへ消えていった。私に狼の運命がかかっている。なかなか見つからない調査団。気配を感じると以前会ったことのあるタヌキ。
「お、久しぶりじゃないですか」
「ひさしぶり」
「どうしたんですか、次の春までは食い殺さない約束ですよ」
「私のほかに人を見なかった?」
「ああ、あっちの方で」
「ありがとう」
狸に挨拶をして先を急ぐ。なかなか見つからない。少し苛立っていると今度はリス。
「ねぇ人を見なかった?」
「あっちにいきましたよ」
狸と同じ方向に指を指す。
「どのくらい前に」
「ええと、すぐさっきです」
「ありがと」
さっき拾ったドングリをその辺に投げておくと先を急ぐ。すぐさっきなら私の足ならすぐ追い付くはずだ。そして人の気配。見つけた・・・・・・!調査団だ。男が五人くらい連なって歩いている。
とりあえず後ろをしばらくつけて様子を見る。特に何もしゃべらず黙々と歩いている。
しかしあまり山の奥に入られると困る。手を打たなければ。
幻聴幻覚見せられるし」
お姉さんはそうやっていっていた。どうして使えるのかは分からないけど、もしかしたら私にはできるかもしれない。どちらにしても、力で私だけじゃ五人を妨害するのは難しいからやるしかない。
どうすれば良いのか分からないから、睨んでみるけど効果はない。見せる幻聴幻覚を考えなければいけないのか、と思い、よく考えてもう一回睨んでみる。
「何だか暑いなぁ」
「運動してるからなぁ、でも脱いだら危ないぞ」
まだ足りない、念をもっと込めてみる。
「あっちゃっちゃっちゃっ!」
「おい脱ぐなって!あっちゃっちゃっちゃっ!」
聞いてるようだ。五分ほどやって、今度は遠くから様子を伺う。服を脱いだまま暑い暑いと連呼して、しばらくしていきなり沈黙していった。私の勝ち。
「あれ、雪香、そこにいたの」
お姉さん、お兄ちゃん、雪輝さんがやって来た。そして倒れた調査団の姿を見ると沈黙。少したってから、
「帰るよ雪香っ」
急いで山を下ることになった。雪山には雪が降り続けていた・・・・・・。
続きます。
今日は全体的に静かだった。お姉さんに訳を訪ねると、環境保護団体が来ていないからだという。
「警察の矛先を環境保護団体に向けられたのはでかいね、調査団も延期になるでしょ」
「だろうな、ははは」
久しぶりの和やかな雰囲気。状況は持ち直したということなのかな。
「まさか警察と調査団潰しを両方同時に行うとはね」
「でもこれでまた注目を集めたから、また野次馬が増えるだろうね」
「だったら昼間だね警戒するのは、よし、早めに寝よう」
みんなは今夜は早く寝てしまった。つまらないからやっぱり外に出る。つまらないからっていうとおかしいかな。私は山がふるさとだから、なにもなければ自然とそちらへ足が向く。
「雪香さんっ」
普段神社に入り浸っている三匹のうち一匹が急いで走ってきた。勝手に出たらいけないととがめるが、それは後と話を切り替える。
「わふわふ(調査団が来たんだよ!)」
「わふっ?(えっ?)」
「後の二匹は雪音たちを起こしてるんだ。でもあいつらはそこまで雪に得意なわけじゃない。だから雪香と狼でやらなきゃいけないんだ」
「わふ(わかった)」
そういうと、駆けて森の向こうへ消えていった。私に狼の運命がかかっている。なかなか見つからない調査団。気配を感じると以前会ったことのあるタヌキ。
「お、久しぶりじゃないですか」
「ひさしぶり」
「どうしたんですか、次の春までは食い殺さない約束ですよ」
「私のほかに人を見なかった?」
「ああ、あっちの方で」
「ありがとう」
狸に挨拶をして先を急ぐ。なかなか見つからない。少し苛立っていると今度はリス。
「ねぇ人を見なかった?」
「あっちにいきましたよ」
狸と同じ方向に指を指す。
「どのくらい前に」
「ええと、すぐさっきです」
「ありがと」
さっき拾ったドングリをその辺に投げておくと先を急ぐ。すぐさっきなら私の足ならすぐ追い付くはずだ。そして人の気配。見つけた・・・・・・!調査団だ。男が五人くらい連なって歩いている。
とりあえず後ろをしばらくつけて様子を見る。特に何もしゃべらず黙々と歩いている。
しかしあまり山の奥に入られると困る。手を打たなければ。
幻聴幻覚見せられるし」
お姉さんはそうやっていっていた。どうして使えるのかは分からないけど、もしかしたら私にはできるかもしれない。どちらにしても、力で私だけじゃ五人を妨害するのは難しいからやるしかない。
どうすれば良いのか分からないから、睨んでみるけど効果はない。見せる幻聴幻覚を考えなければいけないのか、と思い、よく考えてもう一回睨んでみる。
「何だか暑いなぁ」
「運動してるからなぁ、でも脱いだら危ないぞ」
まだ足りない、念をもっと込めてみる。
「あっちゃっちゃっちゃっ!」
「おい脱ぐなって!あっちゃっちゃっちゃっ!」
聞いてるようだ。五分ほどやって、今度は遠くから様子を伺う。服を脱いだまま暑い暑いと連呼して、しばらくしていきなり沈黙していった。私の勝ち。
「あれ、雪香、そこにいたの」
お姉さん、お兄ちゃん、雪輝さんがやって来た。そして倒れた調査団の姿を見ると沈黙。少したってから、
「帰るよ雪香っ」
急いで山を下ることになった。雪山には雪が降り続けていた・・・・・・。
続きます。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
完結【R―18】様々な情事 短編集
秋刀魚妹子
恋愛
本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。
タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。
好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。
基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。
同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。
※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。
※ 更新は不定期です。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる