超・ロボットの時代

湯殿たもと

文字の大きさ
上 下
3 / 4

超・ロボットの時代3

しおりを挟む
超・ロボットの時代3


2102年5月。小型戦闘ロボットから出会ってから一年になるだろうか。

俺は高校に進学して勉強ライフ(?)を送っていたのだ。泉宮の高校まで毎日町のバスで送ってもらっている。古川や敷島(遥、姉のほう)も同じ学校だ。つまり地元中学校の同級生はみんな同じところに進学したと言うことだ。

まあそれで勉強したりしているわけだが、問題があった。教室内での異様な対立だった。

俺のお爺さんは昔はロボットの技師で、今では主を失ったロボットをボランティアで整備している孤児院のようなところをやっている。それでロボットには昔から愛着がある。しかし一方ロボットを快く思わない人たちもいるのだ。つまりその二つの陣営での対立。

まあ確かに巨大ロボットが覇権を争い、人間を殺し、町を破壊する、・・・そんなことが起きているのは事実だが、ロボットはそれだけじゃない。人のそばにいて、助けてくれるロボットだってたくさんいるのだ。

そんなある日のこと。今日は学校の帰りに小型くん小型戦闘ロボットの俺なりの呼び方)と待ち合わせして買い物に行くことにしていた。お爺さんが植木鉢を買ってきてほしいというので行くことになっていた。まあ小型くんとわざわざ行く必要ないのだが、たまたま熱海博士に会いに行くことにしていたらしい。

さっさと用を済ませて町の中心部のバス停に向かう。が、その時やっかいなことになったのだ。

「おう、そこの学生、隣にいるのはだれだ」

奴は二年生の不良だった。しかし不良といってもクラブで副部長をやっているらしい。そのクラブというのは「ロボット撲滅クラブ」。そんなのあってたまるか、という部活だが教師でもロボット賛成派反対派に真っ二つなので成立してしまっている。

「お前の隣にいるのはロボットだよな」

「そうですよ、よろしくお願いします」

にっこり挨拶する小型くん。

「いいかお前ら、ロボットっていうのは人を殺し、人の仕事を奪う。この世に存在していたらいけないんだ!違うか」

「・・・」

とりあえず黙っておく。がそのロボットが反論し始める。

「人間だって職を奪い合うし人殺しもする。ロボットは人を殺すようにプログラムされていなければ人を殺すことはありません!」

小型くんは若干喧嘩が早いような気がする。

「ああ!?人を殺してることには変わりねぇだろうが!?」

「喧嘩するなら一人でするもんじゃねえぜあほ」

不良の後ろから古川がからのコーラの瓶で思いっきり殴り付ける。

「お前ら早く逃げるぞ!」

古川に急いでついていった。不良は来ない。ひと安心。

「ったく、小型、あまり変なやつと関わるもんじゃねぇぞ」

「許されなかったんですよ、仲間を無実の罪で悪く言われることを」

「そりゃそうだ。俺だって嫌だ。しかしな、喧嘩しないっていうのも大事なんだぞ、ロボットのイメージが悪くなりゃそれだけ環境が悪くなるんだ」

「わかりました古川さん。努力します」

さっきから話に置いていかれている気が掏る。まあいいか。


続きます。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...