天端怪奇伝

湯殿たもと

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天端怪奇伝13

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天端怪奇伝13 


「ああああああああああ!!!」

「何!?お兄さん!」

「試験が近いのに全然勉強してない・・・」

「いろはさんと会うの少し期間あけたらどうですか?」

「それはな・・・あいついつ消えるかわからないだろ、だから会えるうちに会っておきたいし幸せに暮らしてもらいたい」

「・・・お兄さん?」

「ん?」

「いろはさんのこと、好きなんですか?」

「・・・」

「お兄さん、気持ちを伝えたほうが良いですよ、ちゃんと」


学校にて。今日は木曜日だから朝から体育。体育館でバスケ。程よく体を動かし次は数学。・・・・・・わからん。ヤバいな。話を聞いてわからないということははじめから出来ていないということだ。あうーうぐぅ。

「あきらめちゃだめだよ、それに、久保田くんが集中できないのは別のことのせいじゃないのかな」

「別のこと?」

夏井先輩が話しかけてくる。タイミングの見計らいかたが凄い。

「あの娘のこと、好きなんじゃないかな。あそこまで幸せにしようって動いているんだからそれほど妹に泣きつくほどね」

「みてたのかよ・・・」

「こっそりコンビニで甘~いスイーツ買ってるのも見たし」

「見るなああ!」

「夜中に寝ぼけて反復横飛びしてたのも」

「するかっ」

「しかも靴下はいて」

「わざわざはくかっ」

放課後。明智のところに行く。

「よっいろは」

「こんにちは、しげ君」

ちょっと会話に間が空く。

「ちょっといいか?」「すこしいいかな?」

同時にお互いに声を出してしまう。

「えっえっ先にいいよ!?」

「いや、いろは先に」

こんな感じできりがないので先に言う。が、しかしいざとなると緊張してきて、なんとなく神社に移動する。ここなら目につかないと考えた。

「真面目話があるんだが、真面目っぽく言った方がいいか?」

「ギャグっぽくいうとどうなるの?」

「内容は同じだ」

「ギャグっぽく言ってよ」

「将来俺が庭に物置を建てたとき、俺といろはと子供で、百人のっても大丈夫!をやりたいんだ」

「わあ・・・えーと、・・・・・・」

「・・・」

「・・・・・・・ってどういうこと?」

「好きだから付き合ってくださいっていうことじゃ~!ちょっと話が行きすぎたけどそういうことじゃーっ!」

「はわわわわわわわ!?それってプロポーズ!?」

「はぁ・・・」

「ボクもしげ君のこと好きだから、一緒に居たいな」

そしていろはは俺の胸に寄りかかるようにくっついてきたのでそれを受け止めるように抱き寄せる。温かいし、重さもあるし、息づかいも感じられる。・・・本当は幽霊じゃないんだろ?事故なんて無かったし、千秋と共謀して幽霊のふりをしているだけだろ?用意周到だな。共謀罪だぞ。・・・そうあってくれよ・・・

続きます。
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