明日に向かって

明日に向かって

   桜が咲き乱れる季節、僕は高校生になった。僕の名前は「鈴木大助」、何の変哲もないピッカピカの高校1年生だ。僕の住んでいる町は、世間で言う田舎というやつで、コンビニなんて1つもない小さな町は、高校が1つしかない。僕はその高校に通っているが、大抵が知り合いだ。この高校に来る人は町の住人ぐらいだから、クラスメイトは中学の同級生ばかり。だが、ただひとり、見覚えのない顔が、そこにはあった。それが、彼との初めての出会いだった。
   彼の名前は「茂木淳一郎」。噂によると、どっかの大企業の社長の1人息子らしい。何故こんな田舎の学校に入ったのか不思議でしょうがない。でもまぁ、彼も今からクラスメイトだから、仲良く出来たら嬉しい。どんなに身分が違っても、友達にならない理由にはならないから。早速話しかけてみると、何のことはない、普通の人じゃないか。社長の息子って、結構わがままなイメージあったから、ちょっと驚き、嬉かった。こんな感じなら、すぐに仲良くなれるだろうと思ったから。けど、そんな想いは来週には崩れ去っていた。